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平成22年 第12回「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」(松江市)有機栽培・JAS認定部門で特別優秀賞を受賞。(食味90・味度83・計173点) 平成25年、第15回魚沼と第16回北京開催運動中! 無農薬魚沼産コシヒカリ生産農家・理想の稲作技術『CO2削減農法』 http://www.uonumakoshihikari.com/
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高橋洋一の民主党ウォッチ !

2011/2/10 J-CASTニュース

国会がはじまったが、菅政権はまともに答弁できていない。特に与謝野馨氏が経済財政担当相として入閣して、与謝野大臣に菅総理が引きずられている。また与謝野大臣のこれまでの言動からの変節も目立っている。このままでは、国会で持たないばかりか、身内の民主党内から菅降ろしがはじまるだろう。

ポイントは増税の扱いだ。政権交代を成し遂げたマニフェスト2009では、増税の気配もない。「税金のムダづかいを徹底的になくし、国民生活の立て直しに使う」とか「税金のムダづかいと天下りを根絶します」とか主張していたが、結局実行しておらず、今から考えるとまったく詐欺のような言葉が何度も出てくる。

「増税はしない」が法案成立はさせる!

菅政権になって、惨敗した昨10年の参議院選挙の際のマニフェストでは「消費税を含む税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始します」となっている。しかし、こうした趣旨の首相発言で参議院選挙は負けたようなものだ。

菅総理はますます増税に前のめりになっている。11年2月2日、衆議院予算委員会で、江田憲司議員(みんなの党)の質問に対して、菅総理は「基本的には2013年8月までは消費税の増税はしない」と答弁した。ひょっとしたら増税は後退かなと思わせた。

ところが、与謝野大臣は11年2月5日の会議後会見で「11年度に法案成立させることが内閣の義務だ」と発言した。

すると、与謝野大臣に引きずられて、菅総理は、2月9日の党首討論で、谷垣禎一自民党総裁に対して、消費税率引き上げを含む税制の抜本改革について「2011年度末までに何らかの法的対応をしないといけない」と述べ、12年3月末までに法案提出を目指す考えを表明した。「増税は後退かな」と思わせた2月2日の江田議員に対する答弁から一転、増税へ向けさらに進んだ。

与謝野大臣は、09年度の税制改正法付則104条に、「遅滞なく、かつ、抜本的に消費税を含む税の抜本的改革を段階的に行うため、11年度までに必要な法制上の措置を講ずる」と書かれていることを強調している。

しかし、よく法律を読んでみよう。その付則には「平成二十年度を含む三年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提として」と書かれている。「平成二十年度を含む三年以内」とは、2008年4月から11年3月までだ。この間にまともに景気回復の取り組みはなされておらず、デフレから脱却できず、経済状況も好転しているとはいえない。ということは、付則の前提条件が崩れている。

こうした常識にも関わらず、菅総理の言い分は、12年3月までに増税法案を出すが、13年8月までに実際の増税はしないという、いかにも草冠がとれた「菅」総理らしい「官」僚詭弁である。

2月中に民主党の危機が訪れる?

普通の人の感覚は、民主党は4年間増税しないといったのだから、その間は増税法案も出さないと思うだろう。小泉総理も「任期中は増税しない」といって、その通り増税法案の用意もしなかった。小泉総理は、増税の前にやることがあるといって、国の資産売却や歳出カット、埋蔵金発掘をどんどんやって、「国民からもうやめてください。増税してください」とお願いがきたらやればいいし、それまではやらないといっていた。

それにしても、菅総理は変節の激しい与謝野大臣について行って大丈夫だろうか。与謝野大臣は、2月7日の衆議院予算委員会で、竹内譲衆議院議員(公明党)に対し「子育て世代のほとんどの方はぎりぎりのところで生活されているので、生活にあてられるということが容易に想像できる」と子ども手当が消費に回るとして経済効果があると答えた。

ところが、与謝野氏の自著「民主党が日本経済を破壊する」の56ページに、「公共事業などを抑制する代わりに子ども手当てなどを手厚く支給する『直接給付』でとたんに家計の懐が暖かくなり、個人消費が急増して景気がよくなるような説明を(民主党は)している。冗談ではない。『子ども手当』と名前をつけてお金を配っても、親がこどものための消費に回す保証などどこにもない」と書かれている。随分と変節するものだ。

民主党は、マニフェストを改悪し、増税へと突き進んでいる。党内からも待ったが出そうだ。デフレ脱却に向けて日銀法の改正を目指す民主党の「日本銀行のあり方を考える議員連盟(仮称)」(代表発起人・川上義博参院議員ら)が近く発足する予定だ。メンバーのひとりは「今のデフレで財政再建だと言って、税収を上げようというやつは国賊だ」と与謝野大臣を批判。執行部に批判的な鳩山由紀夫前首相も参加を予定している。

河村・大村コンビが減税を掲げて勝利した愛知のトリプル選挙の影響も大きい。いよいよ民主党の内乱が起こりそうだ。これでは予算成立も危うい。2月中にも民主党の危機が訪れるかもしれない。


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++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。


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2011/2/12 J-CASTニュース

 政府の「税と社会保障の共通番号制度」に関する実務検討会(座長・与謝野馨経済財政担当相)が2011年1月末、全国民に番号を割り振る「共通番号」に関する基本方針を打ち出し、導入に向けて本格的に動き始めた。

2月中にも「番号制度創設推進本部」(本部長・菅直人首相)を設置し、11年秋の臨時国会で関係法を制定、15年1月に利用開始をめざし、名称も公募するなど国民の理解を得たい考えだ。

所得税の不公平税制是正も狙う!

「共通番号」は、国民一人一人に番号を振り、所得を把握するとともに、納税や社会保障サービスに活用する制度。番号導入して氏名、住所、生年月日、性別の基本情報のほか、年金手帳、医療保険証、介護保険証など「保険証機能」を一元化し、その人の番号が入ったICカードを配る。

国民はこのカード1枚あれば、各種の社会保障給付を受けられ、インターネットで自分の医療や介護の診療履歴も把握できる。併せて確定申告で各種証明書の添付を省略できるようにして医療費の控除申請などを簡単に受けられるなど、政府は「利便性」のPRに余念がない。

米国社会保障番号など、各国に同様の番号があり、事実上の個人のID番号として使われている。確かに、旧社会保険庁の杜撰な管理による「消えた年金」のような問題も、共通番号なら起こりにくいが、全国民に番号を振る「国民背番号制」ともいわれ、国の統制への不安が根強いほか、個人情報の漏えいも懸念される。このため、政府は情報保護体制を監視する第三者機関設置も打ち出し、不安を払拭しようと懸命だ。

なぜ今、共通番号なのか。消費税アップと一体であるのは言うまでもない。低所得者への社会保障を充実させることで消費税増税への理解を得たいというのが一つだが、実務的にはより意味が大きい。

所得を100%捕捉されるサラリーマンに対し、個人事業者や農民などは必要経費が幅広く認められ、事業所得と個人所得の区別があいまい。「クロヨン」「トーゴーサン」などと呼ばれる所得税の不公平税制是正は、消費税の「益税」(非課税業者に消費税分として客から預かった消費税の一部が残る)問題とともに、「消費税率アップに避けて通れない課題」(財務省幹部)。共通番号による事業者らの所得の正確な把握が不可欠なのだ。

「給付付き税額控除」にも番号制が必要!

また、消費税は生活必需品など所得によって消費額にそれほど差がないというように、低所得者ほど所得に対する負担が重い「逆進性」を内包している。消費税率をアップする場合、「逆進性」の影響を緩和するため、低所得者対策が不可欠とされ、「給付付き税額控除」が必要との声が強い。低所得の人には納めた消費税額の一定部分(最低限の生活に必要な消費分にかかる消費税分)を還付する制度を導入するとしても、所得税を納めていない人には所得税から差し引くことはできない。このため、納めた消費税相当額を逆に給付するのが、「給付付き税額控除」。その場合、不正受給防止には正確な所得を把握することが絶対条件で、そのために共通番号が必要というわけだ。

こうした課題は自民党政権時代から分かり切っていたことで、それなのに番号制は浮かんでは消えた。それだけ国民の懸念が根強く、特に、政府が言うように利便性を高めれば高めるほど、不正アクセスなどで年金の給付履歴だけでなく、病歴や所得内容などの個人情報が外部流出するなどの恐れは強まる。

政府は、6月に「社会保障・税番号大綱(仮称)」を策定、その中に情報保護対策として、(1)個人情報保護が適切に行われているかを監視する第三者機関の設置、(2)国民が自らの情報にどの機関がアクセスしたかを確認できる制度の導入、(3)不正な情報利用への罰則強化の検討――などを盛り込むとみられるが、第三者機関は、公正取引委員会のような独立した強力な権限を持つかなど、検討すべき課題は多く、「短時間で国民の理解を得るのは容易ではない」(民主党中堅議員)。

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『週刊新潮』2011年2月10日号 日本ルネッサンス第447回 櫻井よしこ

1月22日、自民党本部で第3次男女共同参画基本計画について考える政策勉強会があった。立ち見が出る盛況振りで、聴衆の圧倒的多数は20代、30代の男女だった。

なぜいま男女共同参画問題なのか。菅民主党内閣が昨年12月17日に閣議決定した「第3次男女共同参画基本計画」は2011年度から5年間、わが国の基本方針となるが、その内容が余りにひどいからだ。

同基本計画は5年毎に見直される。前回の第2次基本計画は自民党政権下で山谷えり子参院議員らがまとめた。氏が語った。

「第1次基本計画の特徴はジェンダーフリーという言葉に象徴されるように男女の違いを差別ととらえて作成されていました。私たちはそれを差別ではなく特性であるという立場で見直したのです」

わかり易くいえば、男らしさや女らしさを否定するのでなく、男女の特性として尊重しようという立場である。氏は、男女共同参画は男女が互いの違いを尊重し合いながら平等に暮らすことの出来る社会の実現だと考えていたが、実際には第1次基本計画に、「過激なフェミニストの主張がこれでもかというほど盛り込まれていた」と語る。

小泉内閣で、行き過ぎの部分を手直しした第2次基本計画は、民主党が政権を取り、社民党党首の福島瑞穂氏が担当大臣になると、またもや「過激な内容」へと逆戻りした。

この問題に詳しい岡本明子氏が問題点を指摘している。氏は「家族の絆を守る会」事務局長で、昨年5月、第3次基本計画中間整理に関する意見聴取に招かれ、参考意見を述べた。

氏の指摘を要約すると、日本の社会問題の根底に家庭の崩壊、家族の絆の薄れがあるにも拘わらず、民主党の第3次基本計画は家族をさらにバラバラにする内容である点が最大の問題だということになる。そこには具体的に、夫婦や家族の在り方を大きく変える選択的夫婦別氏制度、そのための民法改正が必要だと断定し、「片働きを前提とした世帯単位の制度・慣行から個人単位の制度・慣行への移行」を進めるべきだと明記されている。


個人がバラバラの家族形態!

「世帯単位から個人単位の制度・慣行へ」--夫が働いて妻と子どもを養う形から、夫も妻も働くことを前提に、社会制度も価値観もすべて変えるというものだ。

現在、夫も妻も当たり前のように働いている家族は多い。が、民主党はそれを夫婦単位、家族単位ではなく、夫と妻をバラバラの個人としてとらえる税制や社会を目指すべきだと主張する。共働きという形は同じでも、全く異なる税制や社会制度が必要だと、民主党は言っているのだ。

福島氏らが作り上げた基本計画案だけに、民主党案を貫く価値観は、氏が明石書店から出版した共著、『楽しくやろう夫婦別姓』を貫く価値観と同じである。氏は現行の戸籍制度に代わって「将来は、みんな個人籍になるといいなと思う」と同書で書いている。

岡本氏はこれを「『家族解体』を小難しく言い繕った表現」(『正論』2010年12月号)と喝破したが、的を射ているのではないか。

第3次基本計画の第2分野には、「家族」の枠から夫も妻も引っ張り出して、個人として位置づける新制度・慣行への移行を実現するための具体策が明記されている。そのひとつが税制の見直しである。

税金の集め方、使い方こそ、社会の性格を最も直接的に表現する。民主党はたとえば、「配偶者控除の縮小・廃止」を掲げるが、これはすでに揺らいでいる日本の伝統的家族制度を、税制面からさらに揺るがすだろう。山谷氏が説明した。

民主党は平成23年度から子ども手当を、3歳未満に限って月額7,000円上積みして2万円にしました。財源として0歳から15歳の子どもに関する年少扶養控除の廃止を決めました。配偶者控除の廃止も検討しています。他方、一人親家庭に対しては児童扶養手当があり、自治体によってはその他に手当を支給するところもあります。

こうしてみますと、配偶者控除などが廃止されたら、籍を入れないで、個人がバラバラの家族形態を保つほうが金銭的に得だとなりかねません。税制を使って家族解体を進めるのかと質したい思いです」

民主党子ども手当は子どものためであり、子育てをする親のためという。少子化傾向に歯止めをかけるには、社会全体で子どもを育てるのであり、国家が支援することが重要だと主張する。

子どもを大切にすることには皆、賛成である。しかし、財政赤字を積み上げて所得制限もなしに子ども手当をバラ撒くのは、子どものためにならない。現在の赤字まみれの財政構造や社会保障制度が続けば、将来世代(2006年度以降に生まれてくる子どもたち)の税・社会保障の生涯純負担は、一人当たり1億500万円に上ると、内閣府経済社会総合研究所が2009年6月に分析した。子どものためなら、如何なる理由でも、財政赤字を増やさないことだ。


政治の役割と責任!

少子化予防策としての税制改正なら、これもおかしい。少子化の主要原因のひとつは日本人が結婚しなくなったことだからである。少子化対策なら、もっと若い時にもっと多くの人が結婚するように後押しする制度が大事であり、家族よりも一人一人別々の形を奨励するかのような民主党の基本計画は間違いだ。

もうひとつ、難しい問題提起が会場の男性からなされた。選択的夫婦別姓制度の導入に向けて法務省がまとめた民法改正案に、900条の改正がある。900条は非嫡出子(法律上婚姻関係にない男女間の子ども)への相続を嫡出子の2分の1とする内容だが、それを双方同一とするように改めるというものだ。男性は問うた。

「正妻の子も愛人の子も、生まれてくる子どもに罪はないのだから、同等に扱うべきだといわれると、そうかなぁと思いながらも、何か釈然としません」

本当に難しい問題である。人間の心ほど複雑なものはない。この方が善いとわかっていても、別の道を選んでしまうことはある。妻や夫以外の人を愛してしまうこともある。けれど、政治には政治の役割と責任がある。それは、理屈で割りきれない人間の心を、出来るだけ良識的な方向に押してやることではないか。

嫡出子も非嫡出子も皆同じと定めれば、本来、そっちには行かない方がよいという方向に、政治が加担しかねない。そうではなく、政治は出来るだけ社会の約束事を守る方向に働くのがよい。何よりも、現在、財産を残す本人は自分の気持で相続配分を決めることが出来る。であれば、この点の改正に踏み込む必要はないと思う。

2011年1月29日 NETIB NEWS

岡山の企業で唯一全国的な知名度を誇る(株)林原が、1月25日事業再生ADRによる私的整理手続きに入った。過去の粉飾決算が明るみになり、「元代表の林原健氏、背任行為で逮捕か」の噂も出始めた。


COMPANY INFORMATION
所在地:岡山市北区下石井1-2-3
代  表:福田 恵温 (元林原生物科学研究所常務取締役、就任予定)
設  立:1932年7月
資本金:1億円
売上高:(10/10)単体・281億8,300万円
         グループ・約800億円

<岡山の名門企業>

(株)林原は、1883(明治16)年、水あめ製造業「林原商店」として創業したのが始まり。1932年に法人改組し、68年に点滴用の原料である医療用マルトースの新製法を開発。79年、ハムスターを使った抗癌剤「インターフェロン」の量産に成功。94年、食品の品質保持を高める糖質「トレハロース」を安価な価格で大量生産に成功した。中核事業法人は4社で、(株)林原(岡山市、グループ中核企業・糖質原料の製造)、太陽殖産(株)(同、グループの不動産管理)、(株)林原商事(同、各種食品原料の販売)、(株)林原生物化学研究所(同、食品・医薬品原料の研究開発および感光色素の研究・合成)となっている。

 また、関連会社は4社で、(株)H+Bライフサイエンス(岡山市)、(株)アメニティ ルネサンス(同)、ザ ハヤシバラ シティ(株)(岡山市)、(株)京都センチュリーホテル(京都市下京区)。メセナ事業法人は3社で、社団法人林原共済会(岡山市)、林原自然科学博物館(同)、財団法人林原美術館(同)。ほかに、海外拠点法人としてハヤシバラインターナショナル(アメリカ)があり、以上の計12社で林原グループは構成されている。

 事業再生ADRによる私的整理手続きは、中核事業法人4社が申請し、第三者機関の事業再生実務家協会(東京)が受理した。2月2日には債権者集会が開かれる予定で、主たる債権者は金融機関28社1,300億円があり、計画案で同意されなければならない。否決された場合は民事再生法の適用など法的手段に移行する見込み。メインバンクの中国銀行は447億円、住友信託銀行は280億円、残りは地銀、メガバンク、政府系となっている。


バイオ分野の資金投資が命取り>

破綻を招いた林原健氏は、父の一郎氏の死去により、慶応大学在学中に4代目社長に就任した経緯がある。行き詰まりの原因としては「バイオ分野をはじめとした研究開発費などがかさみ債務過剰になった」とコメントしている。一例として、メセナ事業で林原自然科学博物館が進める恐竜研究がある。この研究では、モンゴル・ゴビ砂漠で同国と共同発掘調査を行なっている。ところが林原サイドでは、コンテナに砂漠の砂を詰め込んで数百個分相当量を日本に輸送し調査するなどコスト無視が罷り通っていた。

 一般人から見て不思議な光景が、同社にとっては当たり前の作業だったのだ。チンパンジーの生態研究では「日本が世界に誇る研究拠点を建設する」という目的で昨年、岡山県玉野市で研究施設の建設に向けた工事が始まった。しかし、基礎工事が終わらぬうちに、工事が中止されるという波乱が起きた。本当に行き当たりばったりの行為が目立っていた。工事を請け負った竹中工務店は同社に対し、工事代金請求事件として裁判に持ち込んだ。不名誉なことなので、同社は非を認め和解した経緯もある。

 関連会社のザ ハヤシバラ シティでは2002年、岡山駅南に広がる約5万平方メートルの広大な所有地に1,500億円をかけ大型百貨店、博物館、マンション、ホテルなどを整備する構想を打ち出した。岡山市もそれに便乗し、市中心街地域活性化基本計画で「コンベンション施設、ホテル、オフィスの集積を誘致する区域」と規程した。林原は当時、2009年完成予想をしていたが、現実は何ら工事を行なうことはなく、現在も月極および臨時駐車場として利用されているだけである。


<オーナー経営の永年の膿が露呈>

同社が事業再生ADRを申請したことで明るみになったのが、粉飾決算だ。経営陣は1984年以降、不適切な会計処理を行なっていたことを認めた。金融機関に開示する資料などで、売掛金の架空計上を繰り返していた。関係者によれば「90年10月期から01年10月期まで売掛金や売上高を過剰に計上した資料」を金融機関に提出したそうだ。架空計上額は年間2億円から50億円で総額は288億円。

 このほか、84年以降、支払利息を資産に計上し利益を水増しするなどのケースがあった。同社は純資産約143億円としてきたが、架空計上分などを差し引くと、実際には約540億円の債務超過となっている。この架空計上が原因で「背任容疑で逮捕につながるのでは」と囁かれている。

 半年前、「代表取締役社長の林原健および弟で専務取締役の林原靖が魂を中国人に売った」との噂が関係筋のなかで蔓延した。同社の持つ保有資産のなかで代表的な物の1つに、JR京都駅前に建つ京都センチュリーホテルがある。「このホテルを昨年、中国の資産家に売却した」との情報が流れたのだ。林原グループのメインバンク・中国銀行は、「有力株主である林原に中国資本が入ったとなれば面倒なことになる」と判断して林原を見切ったようだ。中国銀行株を中国資本家が保有すれば、銀行にとって「都合が悪い」と見ているらしい。中国銀行は、すかさず「林原に過去の粉飾決算や代表者の背任行為などを許す代わりに、林原には『倒産』の二文字を突きつけた疑い」があるのだ。読者は、この中国銀行と林原、中国資産家の話をどこまで信用するかは自由である。

 林原は事業再生ADRという私的整理手続きに入り、林原健および林原靖は役員を退任した。新たにグループ企業の林原生物化学研究所、林原商事から役員3名が林原の新役員に就任し事業再生を目指している。しかし、この3名は雇われ社長で、再生するだけの決定権を持たされているとは到底思えない。なぜなら、事業再生ADR手続き後にも不透明な資金操作が見られるからだ。早期に民事再生法の適用など法的手段に移行することを切に願うとともに、保有資産売却後、岡山駅前開発が進み活性化されることを岡山県民は望んでいる。

Photo


トレハロース

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%8F%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9

 

2011年1月31日 NETIB NEWS

私的整理の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決)手続きを申請したバイオ企業の林原(岡山市)は1月27日、経営破綻の責任を取って林原健社長(69)と弟の林原靖専務(64)が退任すると発表した。グループの負債総額は約1,400億円。債務超過額は551億円(2010年10月末)にのぼっていた。同社は非上場だが、バイオ関連の有名企業。バイオの寵児は何で躓いたのか。

<世界初トレハロース量産技術開発>

 林原グループの林原生物化学研究所は昨年9月、日本癌学会学術総会で、へその緒の血液から培養した新細胞が、がん細胞だけを破壊する機能をもつと発表。がん治療にとって画期的なメカニズムの発見といわれた。独自技術で培養した新細胞を「HOZOT(ホゾティ)」と命名して特許出願。新しいがん治療法につながれば、「ホゾティ」は抗がん剤「インターフェロン」、天然甘味料「トレハロース」に次ぐ第3の柱に育つことが期待された。

林原グループは微生物が作る酵素などの技術でバイオ企業として成長。これまでの特許は5,000件を超える。なかでも画期的なのが1994年、トレハロースの量産技術の開発。トレハロースとは、甘みが砂糖の半分の天然の糖だ。これを人為的に作り出すことは不可能といわれてきた。同社は、でんぷんをトレハロースに変える酵素を発見し、世界で初めて大量で安価な生産に成功した。素材の鮮度を保つ、食感を高める、保水性を高めるなどの特性に企業が注目。今やスナック菓子やカップ麺から美容液、さらにはクールビスシャツなど約2万種の商品に使われている。

 トレハロースは、赤い1つの目に触覚とヒゲが生えた宇宙人キャラクター「トレハ星人」を使ったテレビCMで、一般的に知られるようになった。現在、同社が世界生産のほぼすべてを担う。トレハロースの量産技術の開発・商品化に成功した林原健社長は、バイオの寵児と謳われた。

<日本一の水あめ工場で大成功>

 同社は1883(明治16)年創業の水あめ製造業が発祥。1961年、4代目にあたる健氏が慶應大学在学中に父親が死去したため、19歳の若さで社長に就任。卒業後、岡山に戻った健氏は役員を集めて「この会社は僕しか潰せない。潰すなら僕の手で潰す。どんなかたちになるかわからないけど協力してほしい」と言って、デンプン加工業からの脱皮を宣言。幸運にも酵素を生み出す菌が見つかり、酵素・微生物の研究開発企業に転換した。

 研究開発に多額の資金を投入できたのは、父親、林原一郎氏が残した莫大な遺産があったからだ。一郎氏は1932(昭和7)年、家業である林原商店(現・林原)の3代目社長に就いた。京都大学化学教室で学んだ研究者だが、経営手腕に長けていた。戦後の甘味不足の時代に、次々と事業を拡大。林原コンツェルンといえるほどの企業グループをつくった。年配者になつかしい「カバヤのキャラメル」のカバヤ食品を設立したのは一郎氏だ。キャラメルに封入されている、当時の人気キャラクター、ターザンの絵入りカードを集めると、カバヤ文庫がもらえることで人気を得た。


<力を入れた不動産事業>

 戦後、日本一の水あめ会社として大成功した一郎氏のもとには、再建話が持ち込まれた。グループに製紙、ホテル、倉庫など多様な企業群があったのは、すべて一郎氏が再建を引き受けた会社だ。巨万の富を手にした一郎氏は、次々と不動産を購入していった。岡山駅前の広大な土地は備前岡山藩藩主だった池田家から買った。林原美術館に展示されている美術品も池田家から購入したものだ。一郎氏は1961年4月、52歳の若さで逝去。一郎氏が残した莫大な遺産を、息子の健氏は研究開発費につぎ込んだのである。

 林原は非上場を貫いている同族企業。健氏はグループのホームページのなかで「10年、20年という長期間の研究開発は『家業』として成り立っている事業体でなければできない」と強調している。逆にいえば、研究成果が果実をもたらすまでには長期間かかるから、研究開発だけではメシが食えないということである。

安定した収益を確保するために取り組んだのが不動産事業である。実弟の靖専務が担った。健社長は正午前に出社、2時には退社し、後はバイオ研究に没頭する。実際の経営を仕切ってきたのは靖専務である。一郎氏の研究者の特質を長男の健氏が、事業家の性格を弟の靖氏が受け継いだ。靖氏は、父親が残した岡山駅前の広大な土地を活用して不動産事業に注力した。時代も味方し、地価は右肩上がりの上昇を続け、この土地がもつ膨大な含み益によっていくらでも資金を調達できた。81年にはJR京都駅から1分の一等地に高級ホテル「京都センチュリーホテル」を開業。京都・嵐山ではホテル亭を経営。いずれも一郎氏が買っていた土地だ。近年はJR京都駅前の再開発に乗り出していた。

 バブルの時期には、東京・新宿歌舞伎町の裏通りに、いかにもバブリーなガラス張りの構造むきだしのビルを建設。「バイオ会社が、なんで風俗街の歌舞伎町にビルを持つ必要があるのか」と驚かせたことがある。歌舞伎町プロジェクトと名付けた5番目のビルだ。極め付けは、02年に発表した「ザ・ハヤシバラシティ」構想である。元藩主の池田家から購入したJR岡山駅前に所有する5万m2の所有地に「世界の名所になるような近未来都市をつくる」と発表。自然博物館や美術館、百貨店、ホテル、高層マンションを09年にオープンするとぶち上げた。自然博物館の目玉にするため、90年代からモンゴル・ゴビ砂漠で恐竜の化石を発掘する調査団を派遣したほど。

 しかし、ハヤシバラシティ構想は頓挫した。地価が下落し、担保割れを起こして資金の流れはストップ。これで万事休す。不動産事業で手を広げすぎたことが経営破綻の原因だ。

<林原グループ解体へ>

 林原グループの再建は、メインバンクの中国銀行(岡山市)主導で進められる。そもそも今回の破綻の引き金となったのは、林原が中国銀行に対して何の断りもなく、「京都センチュリーホテル」を中国資本へ売却したことにあるとも言われている(⇒関連記事)。

 林原、太陽殖産(不動産会社)、林原生物化学研究所の林原グループ3社は中国銀行の株式の10.67%を保有する筆頭株主(10年9月末現在)。林原グループの負債総額1,400億円のうち、同グループへの中国銀行の融資額は447億円とダントツだ。

 再建計画では、天然甘味料など以外の不動産事業やホテル事業はすべて撤退。グループの解体だ。早晩、会社ごと売却され、トレハロース専業メーカーになるだろう。とどのつまり、林健、靖兄弟が父親の莫大な遺産を食い潰したというのが実情であった。

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自己紹介:
私は、魚沼産コシヒカリを水口の水が飲める最高の稲作最適環境条件で栽培をしています。経営方針は「魚沼産の生産農家直販(通販)サイト」No1を目指す、CO2を削減した高品質適正価格でのご提供です。
http://www.uonumakoshihikari.com/
魚沼コシヒカリ理想の稲作技術『CO2削減農法研究会』(勉強会)の設立計画!
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