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『週刊新潮』2011年2月10日号 日本ルネッサンス第447回 櫻井よしこ

1月22日、自民党本部で第3次男女共同参画基本計画について考える政策勉強会があった。立ち見が出る盛況振りで、聴衆の圧倒的多数は20代、30代の男女だった。

なぜいま男女共同参画問題なのか。菅民主党内閣が昨年12月17日に閣議決定した「第3次男女共同参画基本計画」は2011年度から5年間、わが国の基本方針となるが、その内容が余りにひどいからだ。

同基本計画は5年毎に見直される。前回の第2次基本計画は自民党政権下で山谷えり子参院議員らがまとめた。氏が語った。

「第1次基本計画の特徴はジェンダーフリーという言葉に象徴されるように男女の違いを差別ととらえて作成されていました。私たちはそれを差別ではなく特性であるという立場で見直したのです」

わかり易くいえば、男らしさや女らしさを否定するのでなく、男女の特性として尊重しようという立場である。氏は、男女共同参画は男女が互いの違いを尊重し合いながら平等に暮らすことの出来る社会の実現だと考えていたが、実際には第1次基本計画に、「過激なフェミニストの主張がこれでもかというほど盛り込まれていた」と語る。

小泉内閣で、行き過ぎの部分を手直しした第2次基本計画は、民主党が政権を取り、社民党党首の福島瑞穂氏が担当大臣になると、またもや「過激な内容」へと逆戻りした。

この問題に詳しい岡本明子氏が問題点を指摘している。氏は「家族の絆を守る会」事務局長で、昨年5月、第3次基本計画中間整理に関する意見聴取に招かれ、参考意見を述べた。

氏の指摘を要約すると、日本の社会問題の根底に家庭の崩壊、家族の絆の薄れがあるにも拘わらず、民主党の第3次基本計画は家族をさらにバラバラにする内容である点が最大の問題だということになる。そこには具体的に、夫婦や家族の在り方を大きく変える選択的夫婦別氏制度、そのための民法改正が必要だと断定し、「片働きを前提とした世帯単位の制度・慣行から個人単位の制度・慣行への移行」を進めるべきだと明記されている。


個人がバラバラの家族形態!

「世帯単位から個人単位の制度・慣行へ」--夫が働いて妻と子どもを養う形から、夫も妻も働くことを前提に、社会制度も価値観もすべて変えるというものだ。

現在、夫も妻も当たり前のように働いている家族は多い。が、民主党はそれを夫婦単位、家族単位ではなく、夫と妻をバラバラの個人としてとらえる税制や社会を目指すべきだと主張する。共働きという形は同じでも、全く異なる税制や社会制度が必要だと、民主党は言っているのだ。

福島氏らが作り上げた基本計画案だけに、民主党案を貫く価値観は、氏が明石書店から出版した共著、『楽しくやろう夫婦別姓』を貫く価値観と同じである。氏は現行の戸籍制度に代わって「将来は、みんな個人籍になるといいなと思う」と同書で書いている。

岡本氏はこれを「『家族解体』を小難しく言い繕った表現」(『正論』2010年12月号)と喝破したが、的を射ているのではないか。

第3次基本計画の第2分野には、「家族」の枠から夫も妻も引っ張り出して、個人として位置づける新制度・慣行への移行を実現するための具体策が明記されている。そのひとつが税制の見直しである。

税金の集め方、使い方こそ、社会の性格を最も直接的に表現する。民主党はたとえば、「配偶者控除の縮小・廃止」を掲げるが、これはすでに揺らいでいる日本の伝統的家族制度を、税制面からさらに揺るがすだろう。山谷氏が説明した。

民主党は平成23年度から子ども手当を、3歳未満に限って月額7,000円上積みして2万円にしました。財源として0歳から15歳の子どもに関する年少扶養控除の廃止を決めました。配偶者控除の廃止も検討しています。他方、一人親家庭に対しては児童扶養手当があり、自治体によってはその他に手当を支給するところもあります。

こうしてみますと、配偶者控除などが廃止されたら、籍を入れないで、個人がバラバラの家族形態を保つほうが金銭的に得だとなりかねません。税制を使って家族解体を進めるのかと質したい思いです」

民主党子ども手当は子どものためであり、子育てをする親のためという。少子化傾向に歯止めをかけるには、社会全体で子どもを育てるのであり、国家が支援することが重要だと主張する。

子どもを大切にすることには皆、賛成である。しかし、財政赤字を積み上げて所得制限もなしに子ども手当をバラ撒くのは、子どものためにならない。現在の赤字まみれの財政構造や社会保障制度が続けば、将来世代(2006年度以降に生まれてくる子どもたち)の税・社会保障の生涯純負担は、一人当たり1億500万円に上ると、内閣府経済社会総合研究所が2009年6月に分析した。子どものためなら、如何なる理由でも、財政赤字を増やさないことだ。


政治の役割と責任!

少子化予防策としての税制改正なら、これもおかしい。少子化の主要原因のひとつは日本人が結婚しなくなったことだからである。少子化対策なら、もっと若い時にもっと多くの人が結婚するように後押しする制度が大事であり、家族よりも一人一人別々の形を奨励するかのような民主党の基本計画は間違いだ。

もうひとつ、難しい問題提起が会場の男性からなされた。選択的夫婦別姓制度の導入に向けて法務省がまとめた民法改正案に、900条の改正がある。900条は非嫡出子(法律上婚姻関係にない男女間の子ども)への相続を嫡出子の2分の1とする内容だが、それを双方同一とするように改めるというものだ。男性は問うた。

「正妻の子も愛人の子も、生まれてくる子どもに罪はないのだから、同等に扱うべきだといわれると、そうかなぁと思いながらも、何か釈然としません」

本当に難しい問題である。人間の心ほど複雑なものはない。この方が善いとわかっていても、別の道を選んでしまうことはある。妻や夫以外の人を愛してしまうこともある。けれど、政治には政治の役割と責任がある。それは、理屈で割りきれない人間の心を、出来るだけ良識的な方向に押してやることではないか。

嫡出子も非嫡出子も皆同じと定めれば、本来、そっちには行かない方がよいという方向に、政治が加担しかねない。そうではなく、政治は出来るだけ社会の約束事を守る方向に働くのがよい。何よりも、現在、財産を残す本人は自分の気持で相続配分を決めることが出来る。であれば、この点の改正に踏み込む必要はないと思う。

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