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アノニマス(Anonymous
 
中東・北アフリカ騒乱で体制側を追い込んだ、覆面ハッカー集団「アノニマス」の正体!
 
 反政府運動を阻止しようと、エジプト政府が国内でのツイッターやフェイスブックへのアクセスを遮断した1月26日、国境なきハッカー集団のアノニマス(Anonymous、「匿名」という意味)は、エジプト政府への攻撃準備を始めていた。
 
 ツイッターなどは数日後に復旧したものの、エジプト政府と内務省、通信・情報技術省のサイトはDDoS攻撃(標的サイトに大量のデータを送信し機能を停止させる「分散型サービス拒否攻撃」)にさらされて利用不可能な状態に陥った。アノニマスは、「われわれは、言論の自由を脅かす検閲行為には容赦しない」とサイトに宣言を残した。
 
 アノニマスの名前が広く知られるようになったのは、昨年、同集団がウィキリークスを後方支援するために行った「オペレーション・ペイバック」によってである。
 昨秋、アメリカ国務省の外交公電を多数暴露したウィキリークスとの関わりを断つために、マスターカード、ビザ、ペイパル、アマゾンなどがウィキリークスの寄付金集めやサーバ利用のサービスを中止した。その処置に怒ったアノニマスは、復讐のためにやはりこれらのサイトにDDoS攻撃を仕掛け、いくつかのサイトをダウンさせた。これは、謎の集団アノニマスの組織力と行動力を示す出来事となった。
 
 では、アノニマスとは何者なのか。じつは、もともとは4chanという英語圏の掲示板サイトのメンバーが中心となって組織化されたといわれている。4chanは、日本の2チャンネルを模倣してつくられたサイトで、マンガ、アニメといったスレッドでメンバーがおしゃべりしているような場所だ。
 アノニマスも最初は愉快犯的なハッカー行為を行う集まりだったが、オペレーション・ペイバックあたりからメキメキと使命感を帯び始めた。
 
 インターネットの自由を脅かす組織や、人権を擁護しない国家や組織に対してサイバー攻撃をする。ハッカーとしての知能を最大限に利用して、これまでにない方法で戦う「正義の味方」という立ち位置だ。
 
一説によると、アノニマスの典型的なメンバーは18歳から24歳の「ニキビ面の青少年たち」だという。1月末にオペレーション・ペイバックに絡んで5人がイギリスで逮捕されたが、それぞれ15歳、16歳、19歳、20歳、26歳の男性だった。アノニマスのメンバーは、公の場に登場する際には髭をはやした妙な仮面をかぶって正体がわからないようにするのが特徴だ。その写真を見ると、女性も少なからず含まれてるようだ。
 
 アノニマスはゆるくつながった集団で、総勢は1000人強といわれる。組織構造としては、友達のつながりのような水平的なものだが、最近はメンバーの関心ごとによってある程度の指令系統のようなものも見られるという。
 オペレーション・ペイバックやエジプト関連の攻撃を除くと、チュニジアやジンバブエ、イランの反政府運動への支援、教徒に暴行を加えたとされる新興宗教への攻撃、アメリカ映画協会およびレコード協会への攻撃などが、アノニマスによるものとされている。
 
 最近では、「アノニマスのトップメンバーの正体を知っている」とし、これをFBIに売る予定と発表したセキュリティ会社HBゲーリー・フェデラルのサイトが攻撃を受け、同社の社内メール66000件が暴露された。セキュリティ会社としての面目丸つぶれというところだ。同社のCEOはその後、アノニマスの正体を発表することになっていた会議への参加を取りやめている。
 
 アノニマスの攻撃は、参加するメンバーがソフトウェアをダウンロードすることで簡単に行えるようになっている。ダウンロードされたソフトウェアは、指令システムに接続され、特定サイトに対して一斉にアクセスを行いサイトをパンクさせるという仕組みだ。ただし、攻撃元がわからないようにするためには、自身のIPアドレスを隠す方策も必要で、中にはそんな知識のないままに攻撃に加わっている参加者もいるという。
 
 組織的な観点から見ると、アノニマスはまさに現代的なグループだ。正式な体制や構造はなく、ボランタリーなメンバーがその都度目的によって組織化される。
 DDoSのソフトウェアがダウンロードされたのは何万回にも上り、中心メンバーと周辺メンバー、その他の随時参加者というコミットメントの強弱も存在する。インターネットによって結ばれた国境を越えた専門集団のあり方として、興味深いものであることは確かだ。ただし、アノニマスを騙った他のサイト攻撃も見受けられるようになり、真正を証明することが困難という弱点も抱えている。
 
 さて、アノニマスの行為は罪か。
 
 アメリカでもすでに40件の関係者の家宅捜索が行われているという。イギリスの5人のメンバーの弁護を担当する弁護士は、「アノニマスの行動は、座り込みと同様の害のないもの」という主張を貫く予定だという。
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暴力団関係者の献金問題がくすぶる中

前原誠司外相は3月6日夜、政治資金規正法が禁止している外国人から政治献金を受けていた問題の責任を取り辞任する意向を、記者会見で明かした。その直前に菅直人首相と首相公邸で会談、「国政を停滞させるわけにはいかない」と辞意を伝えたという。
 この献金問題は、京都市内にある前原氏の政治団体の報告書に、05年以降、同市内に住む在日外国人の女性から毎年5万円ずつ、計20万円の献金を受けたことが記載されていることから発覚した。
 それにしても、3月4日、この問題を参議院予算委員会で追及された前原外相の国会答弁はちょっとおかしかった。政治資金規正法違反の罰則を受けるかどうかは、献金を受けた経緯や、前原氏にその認識があったかどうかが、焦点になる。もう少し粘る気があるのであれば、今事実関係を調査中であるなどとと言い張って余計なことをいわないものだ。
 
 ところが、しょっぱなから、前原外相は、献金した女性が中学2年からの知り合いの「焼肉屋のおばちゃん」で、在日であることも知っていたと答弁したのである。前原外相の声はうわずり、とても冷静な対応ではなかった。
 
  たしかに西田参議院議員の追求は厳しかったが、ここまで国会で言っては、とても単なる事務処理ミスとはいいがたいだろう。
 政治資金規正法第二十二条の五「何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織から、政治活動に関する寄附を受けてはならない」の故意違反は、公民権停止までありえると責められると、前原外相は「まずは全体像を把握してから」などと防戦一方だった。
 その後、国会が終わってから、福田康夫元首相が北朝鮮系の企業から献金を受けていたと前原外相は反論した。しかし、福田元首相は相手が北朝鮮系企業とは認識していなかったことから、前原外相の場合と事情はかなり違う。

「暴力団関係者の献金追及」への幕引きを図った

 とはいえ、前原氏自身がその座にしがみつくるもりならば、もっと粘ることができたはずだ。前原外相自身は「焼き肉屋のおばちゃん」からの献金が辞任の理由だと説明しているが、これほどあっさりと辞任を決めたホンネは何か。
 菅政権から好意的にみれば、同じ日に野田財務相、蓮舫行政刷新相とともに指摘された脱税企業からの献金への波及を防いだとみれる。その関係者は暴力団関係者という。3閣僚が政治とカネの問題で責められば、菅政権全体への大きなダメージになる。また前原氏はこの暴力団関係者との関係を探られたくないため、早々に幕引きにかかったという見方もある。
 しかし、それ以上に前原外相のホンネは、菅政権と心中する気はなく、早々と逃げ出したかったということではないか。
 
菅政権は、反小沢という一点だけで結束しているもののの、政権維持だけが目的化し、その内情は脆弱だ。予算案が参議院に回り、連日野党の攻撃を受け、それがテレビなどで報道されると、政権支持率は釣瓶落しに下がっていく。統一地方選を控えて、地方組織が浮き足立って、民主党内から崩壊しだしている。
 
 前原外相献金問題でも、すぐに民主党内の非主流派から外相辞任という声が出てきた。
さらに、前原氏は「ポスト菅一番手」ともいわれてきたが、ここにきて党内実力者の仙谷由人前官房長官の意向は、前原外相ではなく野田財務相だといわれている。だから、脱税企業からの献金で野田財務相に貸しを作りつつ、自らやめた方が菅政権の泥船から脱出できて得策だという判断があっても不思議ではない。ポスト菅は野田財務相にゆずり、その次を狙うという計算もあるのではないか。
 いずれにせよ、執行部も崩壊し始めているだ。

透明なパネルを使って藤井氏の署名を照合

 国会はどうなるのか。参議院での野党自民党は論客揃いで威勢がいい。4日、世耕弘成参議院議員は、細川律夫厚労相に対して年金の「運用3号」問題を追求し、細川厚労相はダウン寸前だった。山本一太参議院議員の前原外相に対する竹島の「不法占拠」かどうかの質問も鋭かった。
 また森雅子氏は、小沢一郎元代表が党首時代に自由党の2002年の組織活動費約15億円が当時幹事長だった藤井氏あてに支出され、使途不明になったとされる問題について、透明なパネルを使い、藤井氏が自身のものと認めた別の書類の署名とその領収書の署名を重ね合わせてみせた。その結果、これまでは「署名は自分が書いたかどうか分からない」と曖昧にしていた藤井氏に、「私が書いたものではない」と断言させた。
 前原外相の次は、細川厚労大臣か藤井副長官か。ドミノ倒しが起きれば、そのまま政権崩壊に向かうことになる。
 
西田議員は、4日の質問の最後に、デフレ脱却のための集中審議を要求した。菅政権は政治とカネの問題でボロボロになっいるのに加え、政策面での行き詰まりもでてきた。デフレ問題では民主党内では執行部と非主流派で意見がバラバラなのである。
 
   菅首相は6日の会談で、前原外相に「絶対に守るから」と考えなすように迫ったが、結局、最後は逃げられてしまった。会談直後の会見で、菅首相は涙目になりながら、前原外相の進退にはふれなかった。
 外相辞任は、こうした状況を見越した前原氏の泥船脱出。閣僚が逃げ出すようになれば政権崩壊は早い。

 

「政府調達」に大いなる懸念

 
 アメリカは1989年の日米構造協議以降、様々な形で日本に「構造改革」を要請してきた。93年には日米包括経済協議が始まり、94年以降は年次改革要望書に姿を変えた。年次改革要望書は、なぜか09年以降は公開されなくなってしまったが、またもや形を変え、わが国に突きつけられたアメリカからの「構造改革」の要望こそが、TPPなのだろうか。
 
 ちなみに、2008年までのアメリカからの年次改革要望書は、今でも普通に読むことができる。その中には、郵政民営化や法科大学院の設置、労働者派遣法改正などに関する「アメリカの要望」が含まれており、日本国民が読むと吃驚すること請け合いだ。
 それはともかく、TPPの24の作業分野の中で、さらに1つ、大いに懸念せざるを得ない分野を挙げておこう。それは「政府調達」だ。
 
政府調達分野において、現在のTPP協定(シンガポールなどが締結しているもの)がそのまま適用された場合、公共事業の国際入札の下限が、現行の政府調達協定(WTOのルールに沿っているもの)よりも引き下げられる可能性があるのだ。特に、地方における公共事業が危険である。
 
 何しろ、現在の地方自治体の公共事業における建設事業の国際入札範囲は、23億円(WTO基準による)である。ところが、これがTPP協定に沿うことになると、7.65億円(500万シンガポールドル)にまで引き下げられてしまうのだ。すなわち、地方における7.65億円以下の公共事業については、外国企業を「内国民待遇」しなければならないことになる。
 
 内国民待遇とは、外国企業を自国企業並に優遇し、非関税障壁を撤廃するという究極の自由化だ。地方自治体は外国企業に不便がないように、公共事業の公文書を英語でも作成しなければならなくなってしまう。(すなわち、非関税障壁の撤廃だ)

 

『平成の開国』どころか『平成の壊国』

 
 また、サービス分野における公共事業の国際入札範囲は、やはりWTO基準に沿い、現行は中央政府が6900万円、地方自治体が2.3億円だ。これがTPP協定に沿う形になると、中央政府・地方自治体共に750万円と、敷居が一気に引き下げられてしまう。
 
 こう言っては何だが、市町村等の自治体が750万円「程度の」サービスの事業を行おうとした際に、外国企業を内国民待遇するために、わざわざ英語の公文書を作成しなければならなくなるわけだ。
 ここまで来ると、だんだんバカバカしくなってくるが、これがTPPがもたらす「可能性」の1つであるのは間違いない。何しろ、現行のTPP規約がそのようになっているのである。
 
 とりあえず、事務作業(何しろ公文書の英訳が必要だ)が公共事業の実務を煩雑にし、国内の事業がますます縮小することになるか、少なくとも事業開始が遅延するのは確実だろう。特に、地方のインフラ整備などを請け負っている中小企業は大打撃を被ることになる。
 挙句の果てに、人件費が安い他国の企業と、地方の公共事業において競合させられる可能性さえあるのだから、
 
「『平成の開国』どころか『平成の壊国』だ!」

などと、罵声が飛び交う羽目になるのは、ほぼ確実である。
 繰り返しになるが、問題なのはTPPの現行規定でもなければ、アメリカの構造改革要望でもない。この手の情報をひた隠しにし、「平成の開国」などというスローガンでことを進めようとする現行政府の手法だ。
 
 そして、TPP問題を「農業 対 製造業」と、矮小化したスタイルで国民に意識させようとする、メディアの報道姿勢である。農業及び製造業「以外」の部分。すなわちTPPの作業部会の「24分の22」について、ほどんと報じず、論じず、日本社会の構造が大きく、しかも悪い方向に変わってしまったとき、果たして現行政府やメディアは日本国民に対してどのように責任を取るつもりなのだろうか。

問題は「24分の2」に矮小化、残り22項目の議論を聞いたことがあるか

2011年3月7日(月) 日経ビジネス 三橋貴明
 
そろそろお気づきの読者も増えているかとは思うが、実は日本における「TPP(環太平洋経済連携協定)問題」とは、農業の問題でもなければ、家電や自動車などの輸出産業の問題でもない。ついでに書くと、日本にとってTPPとは、実は関税の問題でさえないのだ。
 
何しろ、第1回『「平成の開国」意味分かって言ってる? TPPとは「過激な日米FTA」にほかならない』の図1-2で示した通り、日本の平均関税率は農業を除き、アメリカよりも低い。日本は現時点で、アメリカ以上に「開国」しているというのが現実なのだ。すなわち、日本が関税を撤廃しても、アメリカは農産物の輸出以外に、ほとんどメリットがないように思えるわけである。
 それにも関わらず、アメリカには日本にTPPに参加してもらいたい理由がある。それは単純明快。アメリカは自国の雇用のために、日本に「非関税障壁」撤廃して欲しいのだ。すなわち「規制緩和」である。

 

「サービス(金融)」を追加したのはアメリカ

 
 まずは、現在TPPで「作業部会」として設置されている分野についてご紹介しておこう。何しろ、大手メディアの報道姿勢が極端に偏っているため、読者の多くはTPPで協議されている分野は「農業」と「製造業」のみであると、誤解しているのではないだろうか。
 現実はさにあらず。
 
 何と、TPPにおいて作業部会として協議されている分野は、現時点で24にも及ぶのだ。工業も農業も、それぞれ「24分の1ずつ」に過ぎない。経済産業省は24分の1の「工業」を取り上げ、「日本のGDPが何兆円増える」と気炎を上げ、農林水産省は、これまた24分の1の「農業」の立場を代弁して「GDPが何兆円減る」と悲鳴を上げる。しかし、工業にせよ、農業にせよ、包括的なFTA(自由貿易協定)と言えるTPPにおいては、それぞれ24分の1のテーマに過ぎない。
 
 
 さて、図5-1で「黒抜き」になっている部分、すなわち「サービス(金融)」及び「投資」は、もともとTPPに含まれていなかった分野である。
 
例えば、金融サービスについては、現在のTPP協定(ブルネイ、シンガポール、チリ、ニュージーランドが締結済みのもの)には含まれていない。サービスの自由化範囲について記載された、TPP協定の第12章において、金融は航空輸送サービスと共に「適用されない」と記されている。
 それにも関わらず、現在のTPP作業部会には「サービス(金融)」が追加されている。果たして「誰が」追加したのだろうか。
 もちろん、アメリカである。
 
アメリカは以前から、日本の金融市場の一部における「非関税障壁」を問題視していた。例えば、2010年3月に米国通商代表部(USTR)がアメリカ議会に提出した報告書の一部には、以下の記載がある。(以下は、日本に関連する部分を衆議院調査局農林水産調査室が翻訳したものを、雑誌「農民」が掲載したものからの引用である)
『2010年外国貿易障壁報告書』
◆サービスにおける障壁
 保険
 共済
 協同組合が経営する保険事業、すなわち「共済」は、日本における保険業界において相当な市場のシェアを保有している。
 共済の中には、原則として全ての民間保険会社を規制している金融庁(FSA)に代わり、当該組織を所管する省庁(例えば農林水産省や厚生労働省)によって規制されている組織がある。
 これらの別々の規制スキームは、企業や保険契約者に対して合理的で透明な規制環境を提供する日本政府の能力を損なうものであり、競争相手の民間企業にとって不公平な業務上、規制上、税制上の優位性を共済に与えている。米国政府は、公平な競争の確保や消費者保護のため、共済に関する規制の基準・監督を競争相手である民間企業と同じ条件にすべきであると考えている。(中略)
 また、金融庁以外の省庁により規制されている共済に関しては、日本の保険市場において拡大し続けることを米国政府は憂慮しており、これらの共済を金融庁による監督下に置くことを日本政府に対し、求め続けていく。(後略)』
 アメリカの金融サービスは、「未開拓」である日本の共済分野や、あるいは簡保の分野への参入を虎視眈々と狙っているのである。そのためには、日本の同分野における様々な規制、すなわち非関税障壁が不都合である(アメリカにとって)。だからこそ、TPPの作業分野に、それまでは除外されていた「サービス(金融)」が、突然、出現したのではないだろうか。と言うよりも、ほかに理由の推測のしようがないわけだ。
 
 また、投資分野に目を移すと、そもそも外国人に国内における投資を自由に開放することは、国益を害する可能性があるとして、WTO(世界貿易機関)においても自由化対象外となっている分野である。例えば、港湾や空港、水道、交通分野など、国家の国防や安全保障に関わる分野における投資は、「サービスの自由化」などとは違った側面を持っているわけだ。さらに言えば、農地への投資を外国企業に開放し、加えて食料の加工、流通分野まで外国企業に握られてしまうと、これまた国民の安全保障に関わる問題になる。
 アメリカは1994年に成立したNAFTA(北米自由貿易協定)において、投資の自由化を盛り込むことに成功した。結果、カナダやメキシコは、特に「付加価値を生む分野」において、アメリカ資本を受け入れざるを得なくなってしまった。
 
 その後、アメリカは1995年にWTOのTRIM協定(貿易に関連する投資措置に関する協定)に、投資の自由化を追加しようとした。だが、主に発展途上国が反対し、不十分な成果に終わった。1998年には、アメリカは今度は多国間投資協定構想(MAI)により、OECD(経済協力開発機構)における投資自由化を実現しようとした。ところが、10月にフランスのジョスパン政権が参加取り止めを表明し、失敗に終わった。さらに、アメリカは2003年に、米州自由貿易地域(FTAA)において、投資ルールの問題を扱おうとしたが、ブラジルがWTOにおける協議を望み、またもや失敗した。

 

『24分の1』対『24分の1』という語り口

 
 要するに、アメリカが貿易協定などにおいて、投資の自由化を求めるのは「いつものこと」なのである。とはいえ、投資の全面自由化は国益と衝突するケースが少なくなく、各国は(アメリカ以外は)常に慎重姿勢を保っている。
 
 例えば、OECDでは一応「資本移動の自由化に関するコード」において、直接投資の自由化義務が課されている。だが、各国は投資の自由化について留保することが可能になっており、実際に多くの国が留保している。
 さらに、FTAなどの2カ国間条約の中には、相手国から自国への投資に際し、最恵国待遇を約束しているものもあることはある。だが、さすがに内国民待遇まで認めている条約は多くない。多国間貿易協定における投資に関する原則も、投資全般のルールこそ定めるものの、最恵国待遇や内国民待遇を強制するものは、ほとんどないというのが現実だ(NAFTAを除く)。
 
 TPPに関して言えば、もちろん既存の協定には「投資の自由化」は含まれていない。ところが、なぜか24の作業部会の中に「投資」が含まれている。
 誰が追加したのだろうか。言うだけ野暮な気がするが、もちろんアメリカだ。
 
そもそもTPPの概要は、これまでは「『投資を除くと』自由化レベルが極めて高い協定」と説明することができた。ところが、いつの間にか作業部会の中に「投資」が入り込んでいるわけだ。これまでのアメリカの手法を考えると、TPP拡大に際して投資の自由化をも盛り込もうと意図していると考えて間違いないだろう。
 
 極めて問題に思えるのは、上記のような情報が国民にオープンにされないまま、「農業対大手輸出企業」、すなわち「『24分の1』対『24分の1』」という語り口で、国内のTPP報道が続けられていることだ。金融サービスの自由化にしても、投資の自由化にしても、まさしく国論を二分するような重大事項である。それにも関わらず、この手の情報がマスコミはもちろん、政府からも一切出てこない。異常である。

 

「究極の構造改革」こそがTPPの本当の姿

 
 異常といえば、そもそもTPPとは、既に存在している協定なのだ。すなわち、ブルネイ、チリ、ニュージーランド、シンガポールの4カ国が参加し、2006年に発行した貿易協定こそがTPPなのである。
 
TPPが存在する以上、当然ながらTPP協定の規約も実在していることになる。(当たり前だ)ちなみに、TPPの原文(英語版)は以下で読むことができる。
 不思議なことに、首相が「平成の開国」と言い出してから半年以上が経過しているにも関わらず、未だにTPPの日本語版が公開されない。日本国民は、原文を自国語で読むことなく、「平成の開国」というスローガンを信じ、TPPへの参加を決断しなければならないのだろうか。
 TPPとはそもそも、

「例外品目なしで、100%自由化を実現する過激なFTA」 である。
 
 しかも、日本とアメリカが参加した場合、両国のGDPを合計すると全体の9割を超えるわけである。事実上の「過激な日米FTA」であるということは、第1回で書いた通りである。
 
 TPPの自由化対象には、農産物や耐久消費財等の製品の貿易はもちろん、サービス、政府調達、知的財産権、衛生植物検疫問題(図5-1のSPS)など、社会構造に関わる問題も多数含まれている。TPPに日本がこのまま参加した場合、わが国の社会の構造は大きく変えられてしまうことになる。まさしく「究極の構造改革」こそが、TPPの本当の姿なのである。
越中富山 幸のこわけ
 
2011年3月7日(月) 日経ビジネス  鶴見樹里
 
 富山県には、「おすそわけ」という固有の文化があります。
 「えっ?」と思われる読者もいらっしゃるでしょう。「自分は富山県出身ではないけれども、おすそわけなら知っているよ」と。
 実は富山県の「おすそわけ」は、一般にイメージされている「頂き物を近所の人らに配る」という慣習とは違っています。富山県の場合は、頂き物にあらかじめおすそわけ用の品物も含まれているのです。代表例が、婚礼引き出物の定番である大きな鯛の細工かまぼこです。これを切り分けて、婚礼に参加しなかった家族が楽しんだりご近所に配ったりします。
 つまり、富山県のおすそわけには、人の幸せをたくさんの方々に広めたい気持ちが込められています。このおすそわけ文化から官民が一体となって生み出したのが「越中富山幸のこわけ」という新しいお土産品です。

複数の企業が同じブランドに集う

 そもそも「越中富山幸のこわけ」は、富山県に関連する物産品を広くアピールすることを目的に、富山県の試験研究機関である富山県総合デザインセンターが主体となって2009年にプロジェクトが始まりました。
 この取り組みで最も目をひくのは、参加する民間企業すべての商品が「越中富山幸のこわけ」というブランドで統一されており、しかも共通のパッケージデザインで展開している点です。同じ産地ブランドであることを示すために、共通シールを貼るといった活動は今ではさほど珍しくありません。しかし、ブランドとパッケージまで揃えてしまうのはかなり踏み込んでおり、全国でも類を見ない新たな試みと言えそうです。
 現在、「越中富山幸のこわけ」は、17企業による18品目があります。いずれも地元の食材を利用したり、伝統的技法で作られていたりする名品です。
 3つほど紹介しましょう。まずは「福わけ鯛」(525円、女傳商会)。おすそわけの定番、鯛の細工かまぼこです。次に「ほたるいか燻製」(525円、カネツル砂子商店)。富山湾で獲れる新鮮なほたるいかを、潮の香りそのままに独自製法でスモークしています。そして「薄氷」(735円、五郎丸屋)。富山産の新大正米を使用した薄い真煎餅に高級和三盆糖を独自の方法で塗布しているお菓子です。
 
「ほたるいか燻製」は1個40gという具合に、すべてミニサイズです。価格帯は315~735円。お土産として販売することを念頭に、「荷物にならない」「配りやすい」といった点を考えた結果です。少しずつ様々なものを楽しめるというメリットもあります。
 
富山県は以前からデザインの振興に力を入れていました。一例が、20年以上も前から開催している「Design Wave in Toyama(デザインウエーブ イン富山)」です。全国で初めて商品化を前提としたプロダクトデザインコンペティションとしてスタートしました。これまで多くのヒット商品を生み出すとともに、今では国内若手プロダクトデザイナーの登竜門として位置づけられています。
 「越中富山幸のこわけ」を仕掛ける富山県総合デザインセンターがオープンしたのは1999年のことです。工業製品を中心に、富山企業のデザイン商品開発を支援してきました。そして今回、物産品をテーマにするに至ったわけです。「多くの人に富山に関心を持っていただくためには、工業製品だけでなく、生活に身近な飲食品も欠かせないだろうと考えました」と富山県総合デザインセンター主任研究員の窪英明氏は説明します。
 このプロジェクトには、富山県総合デザインセンターの担当者に加えて、富山県を中心に活動する4人の女性が名を連ねています。ファイン・プロジェクトのアートディレクターである中山真由美氏、能作建築設計事務所及びnousaku店主でチーズソムリエの能作幾代氏、北日本放送報道制作部の平島亜由美氏、そして生活ネット研究所代表取締役所長・ディレクターの羽根由氏です。

「富山の薬売り」にヒントを得たロゴ

 「越中富山幸のこわけ」というブランド名は、富山県の風習である「おすそわけ」から来ています。越中富山の良質な「幸」(=物産品)を「こわけ」のパッケージで、大切な人におすそわけするというわけです。幸は、「贈られる幸せ」の意味もかけています。
 ロゴマークは、富山県の「富」をモチーフにしています。「大きな円は贈る人ともらう人が丸く結ばれる気持ちを、富の形は相互の笑顔と幸せをわかちあう喜びを表現した」とデザインを担当した中山氏は教えてくれました。
 
全体的なトーンは、「富山の薬売り」からの発想です。富山の薬売りと言えば、家庭に医薬品を預けておき、後日、その家庭が使った分だけ代金を回収する「先用後利」の仕組みで有名です。ここには、薬が突然必要になっても困らないように前もってわかちあっておくという、おすそわけ文化の面影が見受けられるとも言われています。ロゴマークは、薬売りが置いていく薬箱の引き出し部分の意匠からヒントを得ているそうで、「どこか懐かしく、温もりを感じるもの」になっています。
 
こうして生まれた統一ブランドに見合う商品を、どのように選定していったのでしょうか。評価のポイントは「おいしさ」「富山らしさ」「オリジナリティ」「企業の対応力」「市場性」の5つです。おいしさのように、個人の好みもあって、絶対的な判断基準を設けるのが難しい指標もあります。侃々諤々の議論の末、富山県総合デザインセンターとしては採用したかった商品も、4人のプロジェクトメンバーには受け入れられなかったこともあったようです。
 また、統一ブランドありきというスタンスには、民間企業の間では温度差もあったようです。既に自社ブランドを確立している、もしくは自社ブランドを構築しようと目論んでいる企業にとって、統一ブランドという縛りは足かせになりかねません。結果的に、実績のある大手企業は参加を見合わせ、まだ知名度が低い中小企業がメーンとなりました。
 
商品化に当たっても、課題は山積みでした。パッケージを新たにするための費用が発生したり、小ロットの袋詰め作業に手間がかかってしまったり・・・。実務的な面で協議を重ね、なんとか2010年秋にテスト販売にこぎ着けました。
 そして今年に入って、2月22日には東京駅に隣接する丸の内ビルディング内で発表会を開催したのです。ここでは商品を発表すると同時に、販売と試食コーナーも設置。多くの来場者で賑わいました。富山県総合デザインセンター所長の大矢寿雄氏は「北陸新幹線の長野-金沢間が2014年の開業を予定している。富山県と首都圏までのアクセスが向上し、地域経済や観光の発展に貢献する期待がある中で、『越中富山幸のこわけ』をたくさんの方々に親しんでいただきたい」と期待を込めて挨拶されていました。
 今まで富山県総合デザインセンターでは、企業と共に商品開発を主体的に行なってきました。しかし、これから県に求められるのは「従来の開発型から、調査、開発、マーケティングから販売促進の一貫した支援だ」と主任研究員の窪氏は言います。いくら富山県のPRになっても、新たなビジネスのプラットフォームが確立されなければ、企業や住民は報われません。「越中富山幸のこわけ」は、従来の開発だけではなく、マーケティングから販売まで県が関わる新しいビジネスモデル、まさに官民一体の戦略的イノベーションへの取り組みです。

地域のアイデンティティを形成する

 現在、「越中富山幸のこわけ」は、富山空港にある「まいどは屋」や東京駅構内にある「ニッコリーナ エキュート東京店」などで取り扱いが始まっています。2011年度の売り上げ目標は、3000万円としています。
 今後の課題について、ロゴマークとパッケージデザインを担当した中山氏に問うたところ、深く考えた後、「富山らしさとは何かを見つめ直し、広めていくこと。富山らしさを創っていかなければいけないと思います」と述べました。商品が地域のアイデンティティになるためには、ただ味やデザインが良いだけではなく、地域をはじめとする社会にとって、望ましい価値基準をつくっていけるオリジナリティが求められます。
 デザインという目に見えるカタチに落とし込むことによって、商品を誰にでも分かりやすく伝えることはできます。食べたらおいしいことも分かります。しかし「富山らしさとは何か」が伝わらないと、地域のアイデンティティは形成されていきません。
 「越中富山幸のこわけ」は、デザインの力で、地域に根ざした価値のシンボルと人々のつながりを生みだそうとする試みです。それは、これからの社会を考えるときの、ひとつの豊かさの提案。長い時間の中での文化的イノベーションの模索なのかもしれません。「『越中富山幸のこわけ』は心を伝えなければいけない」とは能作氏の弁です。
 おすそわけ文化を梃に、県民自らが地域の歴史や文化への共感を深め、富山らしさの再発見を進めながら、その価値を広く県外の人々とも分かち合っていく。そこから人々を引きつける力と活力が生まれれば、富山ならではの価値は大きな力を持つことになります。そして、富山らしさに共感する人々の地域内外の横のつながりから実現できたときこそ、官民によるイノベーションデザインが成功したと言えるでしょう。「越中富山幸のこわけ」は、今まさに産声を上げたばかりです。
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