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平成22年 第12回「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」(松江市)有機栽培・JAS認定部門で特別優秀賞を受賞。(食味90・味度83・計173点) 平成25年、第15回魚沼と第16回北京開催運動中! 無農薬魚沼産コシヒカリ生産農家・理想の稲作技術『CO2削減農法』 http://www.uonumakoshihikari.com/
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サーチナ
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第1回【罰金徴収に躍起となる“一人っ子政策”管理部門-中国】

先日、大学の同窓会の集まりに参加した際に、1人の学友が席上で愚痴をこぼしていた。「妻はすでに2番目の子供を妊娠している。しかし、どこでこの2番目の子供を出産すればよいのだろう?」

  北京で出産するなら、20万元(約260万円)以上の罰金が科される。香港で出産すれば「一人っ子政策」の制限を受けずに、生まれた子供は香港の永住権を持つことになる。だが、北京で香港の永住権を持つ子供をどうやって育てるのかは不安だ。この民間企業のオーナーである学友は宴会の最後に、「解雇される心配はないから、一応、産むまでに罰金を用意するとしよう」と冗談を言ってみなを笑わせた。最近、「一人っ子政策」を真っ向から否定する中国青年政治学院副教授・楊支柱氏が第二子を儲けたために職場をクビになったことが議論された。大学で法律学の教鞭を執っていた楊教授に比べたら、この学友はやはり従順と言えるだろう。

  昨日、市場で野菜を売ってた夫婦の周りに遊んでいる3人の子供を見かけた。聞くところによると、3人ともこの夫婦の子供だという。筆者の問いかけに、「戸籍の所在地が田舎なので、計画出産の管理部門に(一人の子供について)1万元(約13万円)ぐらい差し出せば、子供を何人生んでもかまわない。管理部門の幹部らと仲がよいなら、罰金を少し払えば済む場合もある。一人っ子政策に違反する家庭がなければ、計画出産(産児制限)委員会の幹部らはどうやって飯を食べるの?」と、旦那さんが面白そうに語ってくれた。このような素朴な告白にびっくり仰天した。

  計画出産(別名:一人っ子政策)が国策として実施されて以来、中国は30年間で4億人の人口抑制を果たしたとされる。当初は人口爆発を抑制するために打ち出されたこの政策は多大な効果を収めたと思う。高齢化が懸念される現在、計画出産をめぐる賛否両論は激化しているが、人口増加抑制に寄与したことは否定できない。

  ここでいう罰金は「社会扶養費」とも言われる(「社会扶養費」という言葉の意味を調べてもわからないのでここでは説明をしない)。現在、有名人や富裕層における一人っ子政策に対する違反が急増しているため、有名人や富裕層に対して特別規定を設け、一般家庭よりもさらに高額の社会扶養費を課しているともされる。

  計画出産政策施行者である計画出産管理部門は超過出産の家庭に「社会扶養費」という名の罰金の徴収に熱中することになり、それは中国全土で普遍的な現象ともいえる。経済成長の立ち遅れている地域であればあるほど、地方財政に対する社会扶養費への依存度が高くなる。ほとんどの郷や鎮という末端に近い行政レベルでは社会扶養費の10%~15%を計画出産管理部門の経費にするという。

  出産政策をめぐる半世紀程前に起きた毛沢東と馬寅初との論争は、最終的に、計画出産の提唱者である馬寅初氏が勝利を収めた。30年前から施行されてきた計画出産政策(一人っ子政策)は、経済学者の馬寅初氏が発表した論文「綜合(そうごう)均衡理論」(『人民日報』1956年12月28、29日/再論『人民日報』1957年5月11、12日)、「新人口論」(『人民日報』1957年7月5日)が説いた人口抑制論および均衡発展論によるものである。

  計画出産(出産)政策が施行されてから30年経つが、中国の人口増加率は明らかに減少しつつある。これは、計画出産政策の成績ともいえる。科学的論証を経ずに打ち出された計画出産政策とはいえ、結果から見れば、過度に非難するべきほどでもない。しかし、計画出産政策を長期的な国策と位置付けるということであれば、まだ議論の余地があると思われる。目下、中国では計画出産政策を続けるかどうかをめぐる激しい論争が展開されているが、今後、一部の観点をピックアップして述べていく。(続)

第2回【一人っ子政策”部門が既得権益化、希望就職先に-中国】

近年、中国社会は急速な老齢化が表面化している。中国は18年前から、60歳以上の構成比率が10%を超える「高齢社会」に突入している。生活水準の途切れのない改善と医療レベルの日進月歩の向上などが国民の平均寿命を長くした。中国国民の平均寿命はすでに73歳を上回っている。平均寿命世界一(82歳)を誇る日本と同じく、高齢化社会が急速に進む中国は、近い将来、労働力の不足や社会福祉支出の増大などの問題に悩まされるだろう。

  中国と日本との違いは中国の社会養老保険が全国民をカバーしていないところにある。中国の農村部における温飽問題(衣食など最低限の生活を維持できることを目指す)の解決はまだ労働力に頼っているため、十分な労働力がなければ、農村部の老人の生活維持は心もとなくなるのは明白。

  一人っ子政策は独りぼっちの老人と孤児を生み出しやすい。一人っ子政策は言うまでもなく、人口抑制に奏功している。しかし、多くの家庭に複数の子供が一緒に遊ぶ、ともに成長するという楽しい雰囲気を失わせていることも事実である。一人っ子の夫婦は4人の老人の面倒を見ることになるが、これも容易ではない。特に、疾病死、地震死や交通事故などによる事故死、自殺などの原因で、独りぼっちの老人と孤児を生み出しやすくなるわけだ。社会保障システムが経済面の困難を解決してくれるかもしれないが精神面の孤立無援感によるこころの空白は永遠に埋めることはできないだろう。

  それ以外に、「小皇帝」(一人っ子に対する過保護問題)や男女比のアンバランス(農村部での伝統的な男子選好による女子の間引き、捨て子などの人権問題、嫁不足など)、「黒孩子」問題(2番目以降の子供を出産しても戸籍に入れない黒孩子は教育、医療などの行政サービスも受けられない)などの問題が挙げられるが、もう古い話なので本稿では繰り返さない。

  計画出産管理部門の産業化という傾向が目立つのも昨今の趨勢だ。計画出産管理部門の担当者は、超過出産した夫婦を調査・処罰する際に、往々にして気勢激しく人に迫る。出産適齢の夫婦は時々取り調べを受けざるを得なくなり、日常生活を邪魔されることが多い。超過出産した夫婦を発見したら、罰金を払うまでいかなる手段を用いても取り立てる。罰金を払わない夫婦(家庭)に対し、家屋取り壊し、拘束、起訴などの強制的な手段も辞さない。そうすると、罰金がこんこんと計画出産管理部門の口座に流れていき、巨大な「産業収入」になってしまったのである。恐ろしいことに、中国では行政部門が「産業収入」を得ることが許されている。しかも、この「産業収入」は結局どこへ行くのか、またはどのように使用されたのかは公開されない。

  中国の計画出産委員会は30年前から中国の人口爆発論や人口負担論などの明らかな誤謬をもつ人口思想を唱えてきた。ウソの人口データを報告し計画出産政策の存続に八方手を尽くしているとも指摘されている。実のところ、計画出産管理部門は公職解除、免官、巨額の罰金収入、大量の「灰色収入」など、大きな権益を獲得している。『半月談』誌2009年第8号は計画出産管理部門での就職が地方の公務員にとって最も大きな「夢」とまでなっていると報道した。

  一方、一部の専門家、特に一部の人口学者は計画出産政策による権益の枠組から個人利益を求めるために、一人っ子政策の効果を誇大した研究成果を宣伝している。それと対照的に、産児制限に反対する専門家の発言が制限されている。中国のネット上では計画出産反対の書き込みが削除対象となる場合が多いというのが実態である。
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2010/07/13(火) 17:00 サーチナ

インドの国立人口安定化基金(National Population Stabilization Fund)によると、インドの人口は2026年、中国を超えて世界一の人口大国になることが12日分かった。中国では、国際在線が外国メディアを通じて伝えた。

  国際連合経済社会局人口部によると、2009年のインドの人口は11億9800万3272人で、中国の13億5331万1033人に次ぐ第2位を記録した。今回の調査では、インドの人口が、今後2026年までに約3億7100万人増の約15億人となり、2050年には16億人に達すると伝えられた。

  インド国立人口安定化基金のアマルジート・シン(Amarjeet Singh)博士は、今回の調査結果について「人口がもし現在のスピードで増加し続けた場合、今後50年におけるインド社会の持続的発展は望めなくなる」と発言。政府に対して、新たな人口政策の必要性を呼びかけた。

  一方、人口の急激な増加は、失業人口の増加や飢餓問題など、社会の不安定要素でありながら、インドでは語ることがタブー視される風潮も一部にあるという。

  インド人口財団(Population Foundation of India)のA.R.ナンダ氏らは、「インドが今後25年、高速発展を保つには、巨大なマンパワーが必要だ」などの楽観論で、シン博士の主張に異議を唱えた。

  写真は2009年3月の中国・上海市の様子。中国でも都市部に集まる人口分布や、雇用、少子高齢化など、人口にかかわるさまざまな問題がある。(編集担当:金田知子)
ユニクロ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%82%AF%E3%83%AD

グラミン銀行
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E9%8A%80%E8%A1%8C

7月13日16時34分配信 産経新聞

カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは13日、グラミン銀行と提携し、バングラデシュで10月に現地向け衣料品を企画・生産・販売するための会社を合弁で設立すると発表した。

ビジネスを通じて貧困や衛生、教育など社会的課題の克服を目指す「ソーシャルビジネス」の一環。衣料の普及や雇用創出で、貧困からの自立を促す。

 ファーストリテイリングが提携するグラミン銀行はバングラデシュで無担保・低金利で融資する「マイクロ・クレジット」を展開。同国の貧困層の救済にあたっている。9月にソーシャルビジネスを展開するための現地法人を設立、合弁で「グラミン・ユニクロ」を10月に設立する見通し。

 資本金は10万ドル(約900万円)相当で、ファーストリテイリングの現地法人が99%、グラミン銀の関連会社が1%出資する。グラミン銀は自社のネットワークを通じ、衣料品販売を支援する。

 バングラデシュの国民1人当たりの国内総生産はおよそ574ドル。貧困ラインといわれる1日1・25ドル以下で生活する人の割合が36・3%に達している。

 ファーストリテイリングは、現地で1ドル程度で販売できる衣料品の提供を検討している。柳井正会長兼社長は「現地の人の生活がよくなる一助になればビジネスとしてやりがいがある」としている。


*ファストリ バングラデシュに衣料合弁設立へ 脱貧困貢献・市場成長両にらみ!

7月14日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは13日、バングラデシュのグラミン銀行と提携し、10月に現地向け衣料品を企画・生産・販売するための会社を合弁で設立すると発表した。ビジネスを通じて貧困や衛生、教育などの社会的課題克服を目指す「ソーシャルビジネス」を本格展開する。企業活動を通じて同国の貧困からの自立を促す一方、貧困から脱却した同国が巨大消費市場に成長することへの期待をかけた投資としている。

 柳井正会長兼社長は同日の会見で、「(バングラデシュは)将来大きな市場になる可能性がある。生活がよくなり、経済的に自立できる一助になれば、ビジネスとしてもやりがいがある」と述べた。

 提携するグラミン銀行はバングラデシュで貧困層に無担保・低金利で融資する「マイクロ・クレジット」を展開。同国の貧困救済に貢献し、ノーベル平和賞を受賞するなど世界的にも活動が注目されている。

 ファストリは9月にバングラディシュにソーシャルビジネスを展開するため100%出資の現地子会社「ユニクロ・ソーシャルビジネス・バングラデシュ」を設立。商品企画から生産、販売を手がける一方、現地子会社はグラミン銀との間で合弁会社「グラミン・ユニクロ」を10月に設立。グラミン銀のネットワークを活用し、現地で製造した衣料品をバングラデシュ全国に行き渡らせる。

 商品の素材調達から生産、物流、販売までのすべてを同国内で完結させる仕組みを構築する。現地でビジネスを展開することで、貧困層の保健衛生、教育機会の創出といった課題解決にもつなげる。商品は貧困層でも購入できる価格帯とし、現地の生活改善につなげることも目指す。

 バングラデシュは国民1人当たりの国内総生産が574ドル(約50万円)で、貧困ラインとされる1日1.25ドル以下で生活している人の割合が36.3%に達しているという。同社は1ドル程度で商品の販売を検討している。

 会見に同席したグラミン銀のムハマド・ユヌス総裁は「従来型の利潤を生むだけのビジネスではなく、新しいタイプのビジネスを導入することで世界を変えていける。今回、そういうビジネスに調印できた」と強調した。消費不況の中で独り勝ちといわれる「ユニクロ」の新たなビジネスモデルが、今後日本の他の企業にどんな影響を与えるか注目されそうだ。(石垣良幸)


*世界のアパレルが“バングラ詣で” ユニクロ進出で脱・中国加速!

世界のアパレル企業がバングラデシュに集結している。「世界の工場」といわれてきた中国でストライキが相次ぎ、賃上げ圧力が高まる中、中国よりも人件費も安く、労働人口も多いバングラデシュに注目が集まっているためだ。現地では、「ユニクロ」の進出を契機に、日本のアパレル企業がこぞって視察に訪れる「バングラ詣で」が活発化している。(ダッカ 森川潤)

ブランド集結

 バングラデシュの首都ダッカから、北に数キロのガジプール県にある縫製業大手「ヴィエラテックス」の本社工場。本社に隣接した工場の各フロアで、数百人の従業員がところ狭しと並び、切断、裁縫、梱包(こんぽう)などの作業を続ける。雨期に特有の湿気と従業員の息づかいで、作業場には熱気が充満していた。

 イスラム衣装の女性に目をやると、ドイツの人気スポーツブランド「プーマ」のTシャツにミシンをあてていた。隣のラインでは、イトーヨーカドーのプライベートブランド「L&Beautiful」のロゴがみえる。このほかにも、オランダのG-STAR、ESPRIT、マーク&スペンサー-と日本でもおなじみのファストファッションブランドが勢ぞろいだ。

 「欧米を中心に、アフリカ、日本と世界各国のブランドから衣料の生産を請け負っています」。同社のアーサン・カビル・カーン副社長は胸を張る。同社の連結売上高は2005年以降、毎年30%成長を続けてきた。

賃金4分の1以下

「もうバングラデシュ詣では済ましましたか」

 日本のアパレル業界ではいま、「バングラ詣で」がキーワードとなっている。昨年以降、日本貿易振興機構(JETRO)のダッカ事務所には、現地情報を手に入れようと、企業担当者が毎週数組視察に訪れるようになった。

きっかけは、人気ブランド「ユニクロ」を手がけるファーストリテイリングの生産開始だった。ファーストリテイリングは08年にバングラデシュに生産管理事務所を設立、09年にバングラでの商品調達を開始するなど一貫した生産体制の確立に乗り出した。日本国内トップの「次の一手」が他の企業を刺激したのだ。

 貧困層が7000万人以上に上る後発発展途上国のバングラデシュに、なぜこれほど日本企業が引きつけられるのか。

 一番の理由は、これまでの「中国一極集中」からの脱却にある。日本はユニクロも含め、衣料品輸入の9割以上を中国に依存している。一方で中国では従業員の賃金引き上げ問題が深刻化しており、労働者不足で「中国での生産が追いつかなくなるのでは」(日系企業担当者)との声もある。

 JETROによると、ダッカの労働者の平均賃金は月額35~78ドル(約3100~7千円)。上海が300ドル(約2万7千円)を超えているのと比べると、4分の1以下だ。さらに現在の1億6千万人から急増し続ける国内人口が労働力を下支えする。国内縫製業は5000を超えるといわれており、技術蓄積もある。

ブーム10年続く

「バングラ進出のブームは今後10年は続くだろう」

カーン副社長はこう断言する。

 バングラデシュには、2000年前後からスウェーデンのH&MやスペインZARAなどが進出をはじめ、中国からの生産シフトを強めている。こうした海外企業の投資を受け、実質GDP(国内総生産)成長率は6%前後を保っている。世界同時不況の影響もあまり受けなかった。

米証券会社大手「ゴールドマン・サックス」は、中国やインドなどBRICsに次ぐ新興経済国「NEXT11」に、後発発展途上国で唯一、バングラデシュを挙げた。

 ただ、バングラデシュでは、道路や電力といったインフラの整備はまだまだだ。日本語が通じる中国と比べ、交渉には英語が必要だ。それでも、生産拠点を中国に一極集中させる「中国リスク」への危機感から、企業の担当者はバングラに足を運んでいる。

 「(生産の中心が)中国からバングラデシュで、バングラの次はバングラしかないだろう」。カーン副社長の言葉が力強く響いた。

普天間基地代替施設移設問題
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%AE%E5%A4%A9%E9%96%93%E5%9F%BA%E5%9C%B0%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E6%96%BD%E8%A8%AD%E7%A7%BB%E8%A8%AD%E5%95%8F%E9%A1%8C


7月8日3時2分配信 読売新聞


沖縄県の米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の代替施設に関し、政府が、同県名護市辺野古に2本の滑走路をV字形に配置するとした2006年の日米合意を見直し、滑走路を1本にして位置を沖合に移動させる案を検討していることが明らかになった。

 ただ、5月の日米共同声明で位置や工法の検討期限とされた8月末までに米側の同意を得ることは困難との見方も出ている。

 5月の共同声明では、普天間飛行場の代替施設について「1800メートルの長さの滑走路を持つ代替の施設をキャンプ・シュワブ辺野古崎地区及び隣接する水域に設置する」と明記する一方、滑走路の本数は特定していない。

 滑走路を1本とする案には、基地機能の強化の印象を避け、県内移設に強く反対している沖縄県の理解を得る狙いがある。2本と比べて飛行場の面積が縮小するため、V字形を前提とした環境影響評価をそのまま適用でき、工期が遅れる心配もないとみている。

 同県の環境影響評価条例では、計画修正により増加する飛行場面積が10ヘクタール未満なら環境影響評価をやり直す必要はないとしている。

 滑走路を沖合にずらすのは、キャンプ・シュワブ周辺にある三つの集落の上空を米軍機の飛行ルートから外すためだ。V字形だと2本の滑走路を使い分けることで集落上空を飛ばないようにできるが、1本だと、滑走路全体を移動するほかないという。しかし、米側は滑走路の本数を減らすことには、飛行場機能が低下するなどとして慎重で、V字形が最適との立場を崩していない。それでも、政府が参院選後に再開する米側との協議で新たな案を示す構えなのは、小泉政権のもとでの06年合意と同内容とすることに、菅政権内になお強い抵抗感があるからだとみられている。

再編実施のための日米のロードマップ(仮訳)

平成18年5月1日

ライス国務長官
ラムズフェルド国防長官
麻生外務大臣
額賀防衛庁長官

概観
 2005年10月29日、日米安全保障協議委員会の構成員たる閣僚は、その文書「日米同盟:未来のための変革と再編」において、在日米軍及び関連する自衛隊の再編に関する勧告を承認した。その文書において、閣僚は、それぞれの事務当局に対して、「これらの個別的かつ相互に関連する具体案を最終的に取りまとめ、具体的な実施日程を含めた計画を2006年3月までに作成するよう」指示した。この作業は完了し、この文書に反映されている。

再編案の最終取りまとめ
 個別の再編案は統一的なパッケージとなっている。これらの再編を実施することにより、同盟関係にとって死活的に重要な在日米軍のプレゼンスが確保されることとなる。

 これらの案の実施における施設整備に要する建設費その他の費用は、明示されない限り日本国政府が負担するものである。米国政府は、これらの案の実施により生ずる運用上の費用を負担する。両政府は、再編に関連する費用を、地元の負担を軽減しつつ抑止力を維持するという、2005年10月29日の日米安全保障協議委員会文書におけるコミットメントに従って負担する。

実施に関する主な詳細
1.沖縄における再編
(a)普天間飛行場代替施設

•日本及び米国は、普天間飛行場代替施設を、辺野古岬とこれに隣接する大浦湾と辺野古湾の水域を結ぶ形で設置し、V字型に配置される2本の滑走路はそれぞれ1600メートルの長さを有し、2つの100メートルのオーバーランを有する。各滑走路の在る部分の施設の長さは、護岸を除いて1800メートルとなる(別添の2006年4月28日付概念図参照(PDF))。この施設は、合意された運用上の能力を確保するとともに、安全性、騒音及び環境への影響という問題に対処するものである。

•合意された支援施設を含めた普天間飛行場代替施設をキャンプ・シュワブ区域に設置するため、キャンプ・シュワブの施設及び隣接する水域の再編成などの必要な調整が行われる。

•普天間飛行場代替施設の建設は、2014年までの完成が目標とされる。

•普天間飛行場代替施設への移設は、同施設が完全に運用上の能力を備えた時に実施される。

•普天間飛行場の能力を代替することに関連する、航空自衛隊新田原基地及び築城基地の緊急時の使用のための施設整備は、実地調査実施の後、普天間飛行場の返還の前に、必要に応じて、行われる。

•民間施設の緊急時における使用を改善するための所要が、二国間の計画検討作業の文脈で検討され、普天間飛行場の返還を実現するために適切な措置がとられる。

•普天間飛行場代替施設の工法は、原則として、埋立てとなる。

•米国政府は、この施設から戦闘機を運用する計画を有していない。


(b)兵力削減とグアムへの移転

•約8000名の第3海兵機動展開部隊の要員と、その家族約9000名は、部隊の一体性を維持するような形で2014年までに沖縄からグアムに移転する。移転する部隊は、第3海兵機動展開部隊の指揮部隊、第3海兵師団司令部、第3海兵後方群(戦務支援群から改称)司令部、第1海兵航空団司令部及び第12海兵連隊司令部を含む。

•対象となる部隊は、キャンプ・コートニー、キャンプ・ハンセン、普天間飛行場、キャンプ瑞慶覧及び牧港補給地区といった施設から移転する。

•沖縄に残る米海兵隊の兵力は、司令部、陸上、航空、戦闘支援及び基地支援能力といった海兵空地任務部隊の要素から構成される。

•第3海兵機動展開部隊のグアムへの移転のための施設及びインフラの整備費算定額102.7億ドルのうち、日本は、これらの兵力の移転が早期に実現されることへの沖縄住民の強い希望を認識しつつ、これらの兵力の移転が可能となるよう、グアムにおける施設及びインフラ整備のため、 28億ドルの直接的な財政支援を含め、60.9億ドル(2008米会計年度の価格)を提供する。米国は、グアムへの移転のための施設及びインフラ整備費の残りを負担する。これは、2008米会計年度の価格で算定して、財政支出31.8億ドルと道路のための約10億ドルから成る。


(c)土地の返還及び施設の共同使用

•普天間飛行場代替施設への移転、普天間飛行場の返還及びグアムへの第3海兵機動展開部隊要員の移転に続いて、沖縄に残る施設・区域が統合され、嘉手納飛行場以南の相当規模の土地の返還が可能となる。

•双方は、2007年3月までに、統合のための詳細な計画を作成する。この計画においては、以下の6つの候補施設について、全面的又は部分的な返還が検討される。

 ◦キャンプ桑江:全面返還。

 ◦キャンプ瑞慶覧:部分返還及び残りの施設とインフラの可能な限りの統合。
 
 ◦普天間飛行場:全面返還(上記の普天間飛行場代替施設の項を参照)。
 
 ◦牧港補給地区:全面返還。
 
 ◦那覇港湾施設:全面返還(浦添に建設される新たな施設(追加的な集積場を含む。)に移設)。
 
 ◦陸軍貯油施設第1桑江タンク・ファーム:全面返還。

•返還対象となる施設に所在する機能及び能力で、沖縄に残る部隊が必要とするすべてのものは、沖縄の中で移設される。これらの移設は、対象施設の返還前に実施される。

•SACO最終報告の着実な実施の重要性を強調しつつ、SACOによる移設・返還計画については、再評価が必要となる可能性がある。

•キャンプ・ハンセンは、陸上自衛隊の訓練に使用される。施設整備を必要としない共同使用は、2006年から可能となる。

•航空自衛隊は、地元への騒音の影響を考慮しつつ、米軍との共同訓練のために嘉手納飛行場を使用する。


(d)再編案間の関係

•全体的なパッケージの中で、沖縄に関連する再編案は、相互に結びついている。

•特に、嘉手納以南の統合及び土地の返還は、第3海兵機動展開部隊要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転完了に懸かっている。

•沖縄からグアムへの第3海兵機動展開部隊の移転は、
(1)普天間飛行場代替施設の完成に向けた具体的な進展、
(2)グアムにおける所要の施設及びインフラ整備のための日本の資金的貢献に懸かっている。


2.米陸軍司令部能力の改善

•キャンプ座間の米陸軍司令部は、2008米会計年度までに改編される。その後、陸上自衛隊中央即応集団司令部が、2012年度(以下、日本国の会計年度)までにキャンプ座間に移転する。自衛隊のヘリコプターは、キャンプ座間のキャスナー・ヘリポートに出入りすることができる。

•在日米陸軍司令部の改編に伴い、戦闘指揮訓練センターその他の支援施設が、米国の資金で相模総合補給廠内に建設される。

•この改編に関連して、キャンプ座間及び相模総合補給廠の効率的かつ効果的な使用のための以下の措置が実施される。

 ◦相模総合補給廠の一部は、地元の再開発のため(約15ヘクタール)、また、道路及び地下を通る線路のため(約2ヘクタール)に返還される。影響を受ける住宅は相模原住宅地区に移設される。

 ◦相模総合補給廠の北西部の野積場の特定の部分(約35ヘクタール)は、緊急時や訓練目的に必要である時を除き、地元の使用に供される。

 ◦キャンプ座間のチャペル・ヒル住宅地区の一部(1.1ヘクタール)は、影響を受ける住宅のキャンプ座間内での移設後に、日本国政府に返還される。チャペル・ヒル住宅地区における、あり得べき追加的な土地返還に関する更なる協議は、適切に行われる。


3.横田飛行場及び空域

•航空自衛隊航空総隊司令部及び関連部隊は、2010年度に横田飛行場に移転する。施設の使用に関する共同の全体計画は、施設及びインフラの所要を確保するよう作成される。

•横田飛行場の共同統合運用調整所は、防空及びミサイル防衛に関する調整を併置して行う機能を含む。日本国政府及び米国政府は、自らが必要とする装備やシステムにつきそれぞれ資金負担するとともに、双方は、共用する装備やシステムの適切な資金負担について調整する。

•軍事運用上の所要を満たしつつ、横田空域における民間航空機の航行を円滑化するため、以下の措置が追求される。

 ◦民間航空の事業者に対して、横田空域を通過するための既存の手続について情報提供するプログラムを2006年度に立ち上げる。

 ◦横田空域の一部について、2008年9月までに管制業務を日本に返還する。返還される空域は、2006年10月までに特定される。

 ◦横田空域の一部について、軍事上の目的に必要でないときに管制業務の責任を一時的に日本国の当局に移管するための手続を2006年度に作成する。

 ◦日本における空域の使用に関する、民間及び(日本及び米国の)軍事上の所要の将来の在り方を満たすような、関連空域の再編成や航空管制手続の変更のための選択肢を包括的に検討する一環として、横田空域全体のあり得べき返還に必要な条件を検討する。この検討は、嘉手納レーダー進入管制業務の移管の経験から得られる教訓や、在日米軍と日本の管制官の併置の経験から得られる教訓を考慮する。この検討は2009年度に完了する。
 
•日本国政府及び米国政府は、横田飛行場のあり得べき軍民共同使用の具体的な条件や態様に関する検討を実施し、開始から12か月以内に終了する。

 ◦この検討は、共同使用が横田飛行場の軍事上の運用や安全及び軍事運用上の能力を損なってはならないとの共通の理解の下で行われる。

 ◦両政府は、この検討の結果に基づき協議し、その上で軍民共同使用に関する適切な決定を行う。


4.厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐

•第5空母航空団の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐は、F/A-18、EA-6B、E-2C及びC-2航空機から構成され、
(1)必要な施設が完成し、
(2)訓練空域及び岩国レーダー進入管制空域の調整が行われた後、2014年までに完了する。

•厚木飛行場から行われる継続的な米軍の運用の所要を考慮しつつ、厚木飛行場において、海上自衛隊EP-


3、OP-3、UP-3飛行隊等の岩国飛行場からの移駐を受け入れるための必要な施設が整備される。

•KC-130飛行隊は、司令部、整備支援施設及び家族支援施設とともに、岩国飛行場を拠点とする。航空機は、訓練及び運用のため、海上自衛隊鹿屋基地及びグアムに定期的にローテーションで展開する。KC-130航空機の展開を支援するため、鹿屋基地において必要な施設が整備される。

•海兵隊CH-53Dヘリは、第3海兵機動展開部隊の要員が沖縄からグアムに移転する際に、岩国飛行場からグアムに移転する。

•訓練空域及び岩国レーダー進入管制空域は、米軍、自衛隊及び民間航空機(隣接する空域内のものを含む)の訓練及び運用上の所要を安全に満たすよう、合同委員会を通じて、調整される。

•恒常的な空母艦載機離発着訓練施設について検討を行うための二国間の枠組みが設けられ、恒常的な施設を2009年7月又はその後のできるだけ早い時期に選定することを目標とする。

•将来の民間航空施設の一部が岩国飛行場に設けられる。


5.ミサイル防衛

•双方が追加的な能力を展開し、それぞれの弾道ミサイル防衛能力を向上させることに応じて、緊密な連携が継続される。

•新たな米軍のXバンド・レーダー・システムの最適な展開地として航空自衛隊車力分屯基地が選定された。レーダーが運用可能となる2006年夏までに、必要な措置や米側の資金負担による施設改修が行われる。

•米国政府は、Xバンド・レーダーのデータを日本国政府と共有する。

•米軍のパトリオットPAC-3能力が、日本における既存の米軍施設・区域に展開され、可能な限り早い時期に運用可能となる。


6.訓練移転

•双方は、2007年度からの共同訓練に関する年間計画を作成する。必要に応じて、2006年度における補足的な計画が作成され得る。

•当分の間、嘉手納飛行場、三沢飛行場及び岩国飛行場の3つの米軍施設からの航空機が、千歳、三沢、百里、小松、築城及び新田原の自衛隊施設から行われる移転訓練に参加する。双方は、将来の共同訓練・演習のための自衛隊施設の使用拡大に向けて取り組む。

•日本国政府は、実地調査を行った上で、必要に応じて、自衛隊施設における訓練移転のためのインフラを改善する。

•移転される訓練については、施設や訓練の所要を考慮して、在日米軍が現在得ることのできる訓練の質を低下させることはない。

•一般に、共同訓練は、1回につき1~5機の航空機が1~7日間参加するものから始め、いずれ、6~12機の航空機が8~14日間参加するものへと発展させる。

•共同使用の条件が合同委員会合意で定められている自衛隊施設については、共同訓練の回数に関する制限を撤廃する。各自衛隊施設の共同使用の合計日数及び1回の訓練の期間に関する制限は維持される。

•日本国政府及び米国政府は、即応性の維持が優先されることに留意しつつ、共同訓練の費用を適切に分担する。


<仮訳>
共同発表
日米安全保障協議委員会

2010年5月28日

岡田外務大臣
北澤防衛大臣
クリントン国務長官
ゲイツ国防長官

2010年5月28日,日米安全保障協議委員会(SCC)の構成員たる閣僚は,日米安全保障条約の署名50周年に当たる本年,日米同盟が日本の防衛のみならず,アジア太平洋地域の平和,安全及び繁栄にとっても引き続き不可欠であることを再確認した。北東アジアにおける安全保障情勢の最近の展開により,日米同盟の意義が再確認された。この点に関し,米国は,日本の安全に対する米国の揺るぎない決意を再確認した。日本は,地域の平和及び安定に寄与する上で積極的な役割を果たすとの決意を再確認した。さらに,SCCの構成員たる閣僚は,沖縄を含む日本における米軍の堅固な前方のプレゼンスが,日本を防衛し,地域の安定を維持するために必要な抑止力と能力を提供することを認識した。SCCの構成員たる閣僚は,日米同盟を21世紀の新たな課題にふさわしいものとすることができるよう幅広い分野における安全保障協力を推進し,深化させていくことを決意した。

 閣僚は,沖縄を含む地元への影響を軽減するとの決意を再確認し,これによって日本における米軍の持続的なプレゼンスを確保していく。この文脈において,SCCの構成員たる閣僚は,同盟の変革と再編のプロセスの一環として,普天間飛行場を移設し,同飛行場を日本に返還するとの共通の決意を表明した。

 閣僚は,このSCC発表によって補完された,2006年5月1日のSCC文書「再編の実施のための日米ロードマップ」に記された再編案を着実に実施する決意を確認した。

 閣僚は,2009年2月17日の在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定(グアム協定)に定められたように,第三海兵機動展開部隊(MEF)の要員約8000人及びその家族約9000人の沖縄からグアムへの移転は,代替の施設の完成に向けての具体的な進展にかかっていることを再確認した。グアムへの移転は,嘉手納以南の大部分の施設の統合及び返還を実現するものである。

 このことを念頭に,両政府は,この普天間飛行場の移設計画が,安全性,運用上の所要,騒音による影響,環境面の考慮,地元への影響等の要素を適切に考慮しているものとなるよう,これを検証し,確認する意図を有する。

 両政府は,オーバーランを含み,護岸を除いて1800mの長さの滑走路を持つ代替の施設をキャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に設置する意図を確認した。

 普天間飛行場のできる限り速やかな返還を実現するために,閣僚は,代替の施設の位置,配置及び工法に関する専門家による検討を速やかに(いかなる場合でも2010年8月末日までに)完了させ,検証及び確認を次回のSCCまでに完了させることを決定した。

 両政府は,代替の施設の環境影響評価手続及び建設が著しい遅延がなく完了できることを確保するような方法で,代替の施設を設置し,配置し,建設する意図を確認した。


 閣僚は,沖縄の人々が,米軍のプレゼンスに関連して過重な負担を負っており,その懸念にこたえることの重要性を認識し,また,共有された同盟の責任のより衡平な分担が,同盟の持続的な発展に不可欠であることを認識した。上記の認識に基づき,閣僚は,代替の施設に係る進展に従い,次の分野における具体的な措置が速やかにとられるよう指示した。

•訓練移転
両政府は,二国間及び単独の訓練を含め,米軍の活動の沖縄県外への移転を拡充することを決意した。この関連で,適切な施設が整備されることを条件として,徳之島の活用が検討される。日本本土の自衛隊の施設・区域も活用され得る。両政府は,また,グアム等日本国外への訓練の移転を検討することを決意した。

•環境
環境保全に対する共有された責任の観点から,閣僚は,日米両国が我々の基地及び環境に対して,「緑の同盟」のアプローチをとる可能性について議論するように事務当局に指示した。「緑の同盟」に関する日米の協力により,日本国内及びグアムにおいて整備中の米国の基地に再生可能エネルギーの技術を導入する方法を,在日米軍駐留経費負担(HNS)の一構成要素とすることを含め,検討することになる。閣僚は,環境関連事故の際の米軍施設・区域への合理的な立入り,返還前の環境調査のための米軍施設・区域への合理的な立入りを含む環境に関する合意を速やかに,かつ,真剣に検討することを,事務当局に指示した。

•施設の共同使用
 両政府は,二国間のより緊密な運用調整,相互運用性の改善及び地元とのより強固な関係に寄与するような米軍と自衛隊との間の施設の共同使用を拡大する機会を検討する意図を有する。

•訓練区域
両政府は,ホテル・ホテル訓練区域の使用制限の一部解除を決定し,その他の措置についての協議を継続することを決意した。

•グアム移転
両政府は,2009年2月17日のグアム協定に従い,III MEFの要員約8000人及びその家族約9000人の沖縄からグアムへの移転が着実に実施されることを確認した。このグアムへの移転は,代替の施設の完成に向けての日本政府による具体的な進展にかかっている。米側は,地元の懸念に配慮しつつ,抑止力を含む地域の安全保障全般の文脈において,沖縄に残留するIII MEFの要員の部隊構成を検討する。

•嘉手納以南の施設・区域の返還の促進
両政府は,嘉手納以南の施設・区域の返還が,「再編の実施のための日米ロードマップ」に従って着実に実施されることを確認した。加えて,両政府は,キャンプ瑞慶覧(キャンプ・フォスター)の「インダストリアル・コリドー」及び牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の一部が早期返還における優先分野であることを決定した。

•嘉手納の騒音軽減
両政府は,航空訓練移転プログラムの改善を含む沖縄県外における二国間及び単独の訓練の拡充,沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の最終報告の着実な実施等の措置を通じた,嘉手納における更なる騒音軽減への決意を確認した。

•沖縄の自治体との意思疎通及び協力
両政府は,米軍のプレゼンスに関連する諸問題について,沖縄の自治体との意思疎通を強化する意図を確認した。両政府は,ITイニシアチブ,文化交流,教育プログラム,研究パートナーシップ等の分野における協力を探究することを決意した。

安全保障協力を深化させるための努力の一部として,SCCの構成員たる閣僚は,地域の安全保障環境及び共通の戦略目標を推進するに当たっての日米同盟の役割に関する共通の理解を確保することの重要性を強調した。この目的のため,SCCの構成員たる閣僚は,現在進行中の両国間の安全保障に係る対話を強化することを決意した。この安全保障に係る対話においては,伝統的な安全保障上の脅威に取り組むとともに,新たな協力分野にも焦点を当てる。
 

北方領土問題
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%96%B9%E9%A0%98%E5%9C%9F%E5%95%8F%E9%A1%8C

【モスクワ=遠藤良介】ロシア軍が今月8日までの日程で、極東とシベリアを舞台とした今年最大規模の軍事演習を行っている。遠隔地での部隊展開など機動力を増強するのが最大の狙いで、ロシアが進めてきた軍改革の成果を検証する意味合いもある。ロシアにとって事実上、唯一の領土問題として残る北方領土をにらみ、日本を“仮想敵国”とみなす姿勢も鮮明だ。

この演習は6月29日から始まった「ボストーク(東)2010」。陸海空軍などから最大約2万人の兵員と地上兵器2万5000点、航空機70機、船舶30隻が投入されている。国営イタル・タス通信によると、マカロフ参謀総長は演習の狙いについて、「極東の国境での安全を保障し、仮想敵から国家利益を守ること」などと説明している。

 演習は遠隔地での戦闘を想定し、海や空からの戦力展開や部隊の長距離移動、全軍による兵站の確保を重視。ロシアの欧州部やウラル地方から輸送機で部隊だけを移送し、極東・シベリアの拠点で武器を供給する戦闘方法も訓練される。

 国防省機関紙「赤星」がこれまでに報じたところでは、演習では日本の北方領土・択捉島にあるオクチャブリ演習場も使用。海軍と連邦保安局(FSB)傘下の国境警備隊の連携も重点課題とされている。

 ロシアは今年2月に改定した軍事ドクトリンで「ロシアと同盟国への領土要求」を主な軍事的脅威として掲げ、北方領土問題を抱える日本を強く牽制(けんせい)している。また、マカロフ参謀総長は、フランスからの購入交渉を進めているミストラル級強襲揚陸艦について、「クリール諸島(日本の北方領土と千島列島)では上陸部隊を急派する手段が必要だ」とし、極東に配備する考えを示している。

 ロシアは2008年秋以降、軍のスリム化と即応力の向上を主眼とした「第二次大戦後で初めての本格的な軍改革」に乗り出している。同年8月のグルジア紛争で軍備の立ち遅れや機動力に大きな不安が残ったことが直接の契機となった。

 改革は、12年までに兵力を113万人から100万人に圧縮し、4段階だった部隊編成を「軍管区-軍-旅団」に改変するのが柱。作戦立案から後方支援までを統合的に行える組織づくりも課題だ。軍は、地理的条件の厳しい極東・シベリアで、軍改革の進度と実効性を確かめる方針だ。


*パノフ元駐日大使インタビュー(下)敗戦国日本は連合国に従え?

 ロシア外務省外交アカデミー学長のアレクサンドル・パノフ元駐日大使へのインタビューをを先週に続いて掲載する。パノフ大使は、北方領土返還を求める日本は、敗戦国なのだから連合国の決定に立脚すべきだと主張した。一問一答は次の通り。(モスクワ 遠藤良介)

-北方領土問題で、妥結策を見いだす条件は

 「第1に、日本の政治が安定することが必要だ。首相が1年に1度、変わるときに誰も真剣な交渉をしようとは思わない。外務省の役人にはこうした交渉を行う全権はない。双方に安定した政治状況、国民に支持される政権があることが重要だ。それはロシアにあって、日本にはない。第2に、将来の合意は批准される必要があるわけで、双方の議会多数派が領土問題の解決に賛成する必要がある。今はその状況がない。ロシアでは世論の大半が領土問題の解決に反対だ。第3は、両国の関係があらゆる分野、とりわけ経済について十分に発展していることだ。中国やノルウェーと同様、何らかの問題が静かに解決されるだけの水準に関係が達していることが必要だ。すべての人が満足するわけではなかろうが、長期的なパートナーシップがある状況で、多数派は問題を解決できると考えるような関係だ」

【グローバルインタビュー】

 -一般的ロシア人は中国より日本に親近感を覚えている気がするが

 「それは違う。中国に対して否定的な感情はなく、逆だ。多くの人は50年代に中国人がロシアで学び、交流が盛んだったことを覚えているし、今、それがよみがえっている。中国が脅威であるとする論文・記事はあるが、それはある種の政治家が自分の目的のために利用しているのだ。注目を引いて中央からカネを得たり、愛国者としてアピールしたりということだ。中国との間に矛盾があり、将来の関係が悪化するといった感覚は一般的ではなく、逆に、中国との関係が強化されていることは現実の政治が示している」

 「また、日本との領土問題は全般的な関係と区別する必要がある。大衆の日本に対する感情は悪くないが、かなりの程度、中立的だ。日本の文化や科学技術の成果は好きだが、領土のこととなると、事実上、80%の人が領土面で日本に譲歩をすることに反対だ。これは日露関係が弱く、交流にかかわっている人の数もたいへん少ないためだ。経済的関心が互いに大きくなく、この問題の解決を求めるようなロビイスト・グループもない」

 -住民の多数派は日ソ共同宣言の履行にも反対ということか

 「多くの人が反対だと思う。日露関係が弱く、日本がロシアにとって必要だとの感覚があまりない。国家政策のレベルで良好な関係が確立されているという印象もない。さらに、日本の領土要求が2島だけでなく、4島であることを皆が知っている。日本で常に『(4島は)日本の領土だ』という議論があることも、ロシア社会では否定的に受け取られ、交渉の上でも不健全な背景となっている。戦勝65周年という状況の中で、敗戦国・日本は領土に関して連合国が決めたことに立脚しなければならないというのが世論だ。大統領も首相も、外相も、日本は第二次大戦の結果を認め、敗北で決まった枠を超える要求をすべきでないと一度ならず表明してきた」

 -平和条約がなくとも日露関係が発展するという考え方に賛成か

 「もちろん、発展する」

 -日本とロシアは互いを必要としていると思うか

 「両国の善隣関係は当然、必要だ。ロシアの市場は日本にとって有望であり、日本の経済問題を解決するのに役立つかもしれない。われわれには日本の技術や資本が必要だ。極東での勢力バランスという面でも日露関係はきわめて重要だ」

 -日本の商品はロシア以外の国でも売れる、ロシアの石油や天然ガスも同様だが

 「もちろん、互いに相手なしで生きていける。実際、そうして生きているわけで、日露間にそれほどの交易も経済依存もない。われわれは死なない。しかし、将来のことを考え、平和条約の問題を解決するには、関係を発展させねばならない」

 -領土問題がいわば「のどに刺さった魚の骨」のように、日本人の精神面に与えている影響をどう思うか

 「愚かなことだ。この問題はプロパガンダやマスコミによってつくられたものでもある。60年代初頭には、いかなる社会運動も、『魚の骨』といった意見もなかった。沖縄返還後に次の段階として、『これは日本の領土で返還を勝ち取らねばならない』とか『戦争は終わっていない』というプロパガンダがきた。これはすべて、日本とソ連が別の陣営に属した冷戦期のことだ。そのことが日本人の頭の中に残っている。ロシアの住民の多くにも、『日本人は報復主義者だ。日本は戦争で負け、今やロシアが合法的に有している領土を要求している』といったこと(思考)がかなり残っている。これはすべて冷戦期の結果であり、とりわけ日本がどうにも乗り越えられずにいることだ」

 -ロシア版ニューズウィーク誌が最近、ロシア外務省の新しい外交ドクトリンについて報じた。「近代化」政策も視野に、ロシアは欧米と友好関係を築くべきとの趣旨だ。この路線がロシア外交に広がると思うか

 「これはもうだいぶ前からロシア外交でとられている路線だ。常に、冷戦の遺産を終わらせ、米国とも欧州とも良い関係を築かねばならないと主張してきた。しかし、われわれは、“ロシア抑止政策”を米国の前政権が積極的にとり、欧州の多くの国にも(そうした政策が)残っているのを見てきた。欧州に分断線があってはならず、共通の安全保障原則がなくてはならないということは長年、言われてきたことであり、新しいことは全くない」

 -対日外交の面では何が必要と考えるか

 「まずは(ロシア経済の「近代化」に)協力していくとの基本的な合意文書に署名すべきだ。それから省庁の役人に、どのような分野で、どのような形態で日本と協力できるかをはっきりとさせるよう命じる。重点は間違いなく極東とシベリア(の開発)だ。(極東・シベリアでの)産業に近代化の余地は大きい。農業やエネルギー効率の工場、造船、石油化学といった面でも協力が可能だ」

 -ソ連崩壊から20年近くがたっても、日本企業はシベリアや極東への進出を恐れている。なぜか

 「日本側は理想的な条件ができるのを待っている。それにはまだ遠い」

 アレクサンドル・パノフ氏 1944年生まれ。モスクワ国際関係大卒。駐韓大使、外務次官を経て1996~2003年に駐日大使。2006年から外務省外交アカデミー学長。
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