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利権争いに終始し改革進まず~中国株式会社の研究~その88
2010.12.10(Fri)JBプレス 宮家邦彦
前回お約束した通り、今回はウィキリークスが暴露しつつある米国務省公電25万通のうち中国関連公電の「正しい読み方」についてご説明しよう。
どこで見られるのか!
実は「wikileaks.org」というサイトはもはや存在しない。アマゾン・ドットコムがサーバーホスティングを停止したからだろうか。現在筆者がアクセスしているのはスイスドメインのサイトである。
同サイトもいずれ閉鎖されるかもしれない。これに備えてか、ウィキリークスは既に1000カ所以上ものミラーサイトを確保している。
ホームページの右上のMirrorsをクリックするとそのリストがある。こいつは相当手強い連中のようだ。
同ホームページにある「Cablegate: 250,000 US Embassy Diplomatic Cable」をクリックすると、目指す「米国大使館秘密公電」のページに辿り着ける。12月8日夜現在で1095件が「公開」された、とある。
ただし、これだけでは公電は見られない。中国関連については、このページの左側にある「Browse by tag」のアルファベット「C」をクリックし、更に「CH」をクリックするとようやく中国関連公電の一覧表が出てくる。
「CH」とは「中国本土関連公電」に付けられたタグであり、これ以外にも発電元の大使館別、発電された年月日別、「公開」された日付別、秘密区分別で公電検索が可能になっている。実によくできたシステムではないか。
ちなみに、このタグについてウィキリークスは詳しく説明していないが、ご丁寧にもネット上には国務省公電で使われるタグ集まで掲載されている。まあ、世の中には暇な人がいるものだと感心してしまう。
国務省公電のスタイル!
それでは具体的に電文を見ていこう。以下は2009年に在北京米国大使が国務長官に送った公電2112(原文)の冒頭部分である。
VZCZCXRO4533
OO RUEHCN RUEHGH RUEHVC
DE RUEHBJ #2112/01 2041059
ZNY CCCCC ZZH
O 231059Z JUL 09
FM AMEMBASSY BEIJING
TO RUEHC/SECSTATE WASHDC IMMEDIATE 5339
INFO RUEHOO/CHINA POSTS COLLECTIVE
RHEHNSC/NSC WASHDC
最初の5行は電子処理用のコードで、3行目に公電番号、5行目には発電日時が記されている。6行目以降を見ると、これが在北京大使館発国務長官宛であり、コピーが中国内の米国公館とホワイトハウスのNSCに送付されたことが分かる。
C O N F I D E N T I A L SECTION 01 OF 02 BEIJING 002112
SIPDIS
E.O. 12958: DECL: 07/23/2034
TAGS: PGOV CH
SUBJECT: TOP LEADERSHIP DYNAMICS DRIVEN BY CONSENSUS,
INTERESTS, CONTACTS SAY
REF: A. BEIJING 2063 B. BEIJING 2040
Classified By: Political Minister Counselor (筆者注:個人名は省略). Reasons 1.4 (b/d).
10行目以降には秘密区分、秘密指定解除日時、内容別タグがある。さらに、公電の件名「接触者情報:コンセンサスと既得権に基づく最高指導部の意思決定」と書かれ、最後に関連公電番号、秘密指定責任者名とその指定理由が記されている。
やはり中国は株式会社!
今回筆者がこの公電を選んだ理由は内容が実にユニークだったからだ。ウィキリークスが暴露しつつある中国関連公電には中国政府高官らから直接、間接に聞いた話が多く、信憑性を欠くものも少なくない。
ところが、この公電は共産党中枢に近い情報提供者の率直な意見を報告しており、ほかの公電とはかなり趣が異なる。特に、興味深い点を掻い摘んでご紹介しよう。
公電は要約部分で次の通り述べている。
●共産党指導部、特に政治局常務委員会における意思決定の主たる要因はコンセンサスの必要性と既得権益の保護である。
●政治局常務委員間の関係は「大企業の取締役」同士の関係によく似ており、巨大権益を巡る軋轢や「太子党」と「共青団」の競争が意思決定を左右する。
何ということだ。中国人自身が米外交官に中国のシステムは「株式会社」に近いと伝えていたとは知らなかった。これまで何度も(中国株式会社の研究~その10、その35など)、中国は「国家」ではなく、「株式会社」であると書いてきた筆者にとっては強力な援軍である。
中国株式会社の実態!
さらに、公電本文では、複数の中国人接触者からの情報として、次の通り報告している。
●胡錦濤は大企業の取締役会議長か最高経営責任者(CEO)のようである。政治局常務委員会の意思決定は企業のそれに近く、大株主であればあるほど発言力は増す。
●最大株主である胡錦濤の意見は最も重いが、常務委員会は通常コンセンサスにより意思決定するため、事実上、すべての常務委員に拒否権がある。
●通常意思決定は常務委員9人により行われるが、北朝鮮や台湾のような重要問題については政治局メンバー25人全員による決定が必要である。
●最高レベルに「江沢民・上海派」と「胡錦濤・温家宝派」の確執はあるが、いずれのグループも優勢ではなく、主要意思決定にはコンセンサスが必要である。
●共産党は様々な利益集団の集合体であり、そこには改革派はいない。彼らは競って中国経済のパイを奪い合うため、中国の政治システムは硬直化している。
●意思決定の原動力が既得権を巡る争いであるために、必要な改革は一向に進まない。
●李鵬元首相の電力利権、周永康常務委員の石油利権、故陳雲元第1副首相一族の銀行利権、賈慶林常務委員の北京不動産利権、胡錦濤女婿のIT利権、温家宝妻の宝石利権などは特に有名である。
●彼らと結んだ地方・企業の幹部は利権ネットワークを形成し、短期間で元が取れる高度成長を志向するため、意思決定過程では常に経済改革、情報の透明性に反対する声が優勢となる。
といった具合である。
まだまだ続くが、もうこのくらいにしておこう。本稿を執筆中にニューヨーク・タイムズが米政府の圧力でウィキリークス関連の連載記事を突然中止したというニュースが飛び込んできたからだ。
この続きに関心のある向きは原文を参照してほしい。
ウィキリークスについては今後「驚くべき内容」が暴露された時点で再び取り上げることとし、次回こそは、人民元を巡る米中間の綱引きの続報を書くつもりである。
日本の「集団的自衛権」否定は日米共同防衛の足かせ!
自衛権
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%86%E5%9B%A3%E7%9A%84%E8%87%AA%E8%A1%9B%E6%A8%A9
2010.12.09(Thu)JBプレス 古森義久
米国議会が日本の憲法第9条を日米共同防衛への障害と見なし、改憲を望むようになった――。
この現実は日本の護憲派にはショックであろう。だが、米国議会上下両院の一般的な認識として、日本側の憲法9条の現行解釈による集団的自衛権の行使禁止は、「より緊密な日米共同防衛には障害となる」というのである。
日本の憲法を改正するか否かはあくまで日本独自の判断によるというのが正論である。だが、日本の防衛が米国という同盟パートナーに大幅に依存し、しかも日本の憲法がかつて米国側により起草されたという事実を見れば、どうしても米国の意向が重視されてきた側面は否めない。
つまり、日本で改憲を考えるに当たっては、米国が改憲に賛成なのか、反対なのかが、どうしても大きなカギとなってきたのである。
憲法9条の制約を指摘する超党派の議会の報告書
日本ではこのところ日米同盟の重要性が再認識されるようになった。中国の尖閣諸島海域への強引な侵入と、それに伴う理不尽な日本への威嚇が、米国との防衛協力の価値を改めて意識させたからだと言えよう。
だが、その日米の防衛協力や共同防衛では、日本の憲法から生じる制約がいつも浮上する。米国は日本を支援するために軍事力を行使する構えだが、日本側は米国への支援はもとより、日本自身のためであっても、日本の本土や領海を一歩出れば軍事力は一切使えない。憲法9条に違反するとされるからだ。この点が日米同盟の固有の片務性である。
だが、米国側でも日本の憲法のあり方には多様な意見が存在してきた。米国が日本を占領した時期に起草した日本国憲法は、本来、日本を二度と軍事強国にしないことが主眼だった。だから日本が軍事力や戦力を永遠に持てないようにするという特徴があった。だが、その後、朝鮮戦争の勃発で米側に日本の武装を求める動きが高まった。
それでもなおその後の長い年月、「日本が改憲して軍事面での規制をなくせば、また軍事大国の道を進む」というような、日本の左翼の主張にも似た護憲論が米側でも有力だった。
だが、そうした米国の認識が変わってきたのだ。
その変化の集約は、米国の議会調査局が2010年10月に作成した日米関係についての報告「日米関係=米国議会にとっての諸課題」の記述に見ることができる。
議会調査局とは、連邦議会上下両院議員たちが審議する際に情報や資料を提供する調査研究機関であり、超党派のシンクタンクだと言える。
その議会調査局が公表した同報告は、日米関係における諸問題を解説する中で「憲法9条の制約」と題し、以下のように述べていた。
「一般的に言って、米国が起草した日本の憲法は、より緊密な日米防衛協力への障害となっている。なぜならば憲法9条の現行の解釈が、日本に『集団的自衛』に関与することを禁じているからだ。『集団的自衛』とは第三国に対する米国との戦闘協力のことである。日本の憲法の第9条は日本の『国権の発動』としての戦争を違法だとし、『交戦権』を禁止している」
「過去においては、日本の世論は自衛隊に課された憲法上の制限を強く支持していたが、近年、そういう意見はかなり弱くなってしまった。日本の現政権(民主党政権)は、憲法9条の改正についてはなお意見が分かれており、近い将来に改憲の論議を始めるという見通しは少ない」
日本の集団的自衛権否定が足かせになっている
以上の記述を集約すれば、米国議会の一般の認識として、日本の憲法は日米両国の「より緊密な防衛協力」にとっては障害となっている、というのである。特に憲法9条の現在の解釈によって、日本は世界の他の諸国と異なり、集団的自衛権を行使も発揮もできないことになる、というのだ。
つまり、日米共通の敵となる外国の攻撃や侵略に対しても、米国と一体になって「集団で」戦闘することは今の憲法では禁じられているということである。
だから、日米同盟をもっと堅固にし、これまで以上に両国の軍事上の緊密な防衛協力を進めるには、日本側の集団的自衛権の行使禁止が大きな邪魔になる、というわけだ。その結果、日米防衛協力の推進のためには「日本が憲法を改正すべきだ」という意見が米国議会の一般的な思潮となった、ということになる。
議会調査局というのはすでに述べたように、連邦議会の上下両院の議員たちの法案審議の資料を作成することを存在の目的としており、民主党、共和党の区別にかかわらず、超党派の客観的な情報や思考を供することで知られてきた。
その議会調査局が日本の憲法について取り上げ、「日本が集団的自衛権を否定することが日米共同防衛協力への障害となり、日本の同協力への参入をも大幅に妨げている」という見解を米国議会での一般的な考え方として記述しているのだ。
いつの間にか、米国側でも日本の憲法の改正の是非については「是」の論者が多数派になったのである。この点は今後の日本での憲法論議でも、重要な一因となるだろう。
宮古、台湾海峡の防御は万全、バシー海峡の守りを固めよ!
2010.12.06(Mon)JBプレス 保井信治
尖閣諸島海域における我が国巡視船と中国漁船の衝突事件に、我が国政府は場当たり的な対応に終始して国民の顰蹙を買ったが、唯一、米国国務長官から尖閣は日米安保の対象であるとの明確なメッセージを引き出したことは大きな成果であった。
中国のやり方は中東のテロリスト並み!
しかも、国際社会は今回の中国の行為に眉をひそめた。中国の採った態度はまさに人のもの欲しさに何でもありの強談判であり、最後は人質を取るなど中東のテロリスト並みの手も打った。
これが国連常任理事国とは聞いて呆れる悪行三昧である。さらに、中国国内では反体制に発展しかねない反日デモが頻発するなど、中国にとってはまさに様々な意味で「藪蛇」となった格好である。
ところで、中国をそこまで強気にさせている要因は何か。
巷間、様々な分析がなされ、マスコミをにぎわしているが、いまや我が国を抜いて世界第2位の国内総生産(GDP)を誇ろうかという経済力、および過去20年間その経済力を注ぎ込んで急速な近代化を達成した軍事力が背景にあることは万人の認めるところであろう。
特に軍事力に関しては、海・空軍の近代化およびその増勢には確かに目を見張るものがある。
そして、最近、中国軍関係者およびマスコミには、中国海軍は海上自衛隊を凌駕する戦力を築き上げたという発言が随所に見られるのも事実である。もう海上自衛隊を恐れる必要はない、と。
しかし、本当にそうであろうか、果たして中国海軍はそこまでの実力を手にしたのであろうか。
今回のリポートは、最近新聞紙上に度々登場する、「第1列島線」なるものを少し詳しく見ることを通じて、台湾の重要性および中国海軍が当面する根本的な制約を指摘してみたいと思う。
第1列島線とは何か!
いわゆる「第1列島線」とは、中国が海軍建設の道程を示す規準として使用した概念である。
図に示すように、我が国の南西諸島、台湾およびフィリピン、ボルネオなどの国々をつなぎ、台湾島を挿んで東シナ海および南シナ海をすっぽりと囲んでいる。
中国は2010年までに、まず、この線で囲まれる海域の支配権を確立することを目的に海軍を整備していると言われる。
ちなみに、その先には、小笠原列島、グアム、サイパンをつなぐ第2列島線があり、2040年までには第2列島線で囲まれる海域の支配権を確立する計画である。さらに2040年以降は米国海軍と同等の海軍を目指しているとも言われる。
その目的は海洋資源の独占および台湾解放と米国の軍事的影響力の排除である。しかし、ここに揚げられた国名、地名はすべて中華人民共和国の領土ではない。
1 台湾海峡(と中華民国軍)
台湾海峡を台湾北部の都市・台北および同南部の都市・台南と大陸の距離で測れば、最狭部は約130キロ、広いところでも約210キロである。
また、台湾海峡の水深は驚くほど浅く、海峡全域の水深はほぼ100%近くで水深50メートルより浅い。
特に台南と大陸福建省詔安間の水深は、台湾島と台湾島の西約50キロ沖にある澎湖島間の澎湖港道を除くと30メートルより浅く、そのうえ、水深10メートルを切る海域も相当に広い。
海図を見ると触雷したのか、それとも座礁したのであろうか点々と沈没船の印が目につく。
また、台湾海峡には、大陸側の福建省沿岸に10キロ内外の距離を隔ててへばりつくように中華民国が実効支配する金門県金門諸島および馬祖群島(閩江河口外を囲むように広く点在)があり、金門諸島も馬祖群島も堅固に要塞化され中華民国軍が護りを固めている。
大日本帝国海軍の潜水艦も避けた台湾海峡!
さらに、前述の澎湖群島は、大小合わせて90の島々からなるが、人が住んでいる島はそのうちの19島であり、中華民国軍が同様に護りを固めている。
さて、この海峡を大型の艦船が行動するには単純に水深から見ても、行動の自由を大きく制約されることがお分かりになると思う。
加えて、台湾島沿岸および前述の島々には中華民国国産の地対艦ミサイル雄風II(射程80キロ)、雄風III(ラムジェット推進超音速、射程300キロ)が配備されている。
さらに、機雷敷設の危険性を考えると、中華人民共和国は空母どころか普通の軍艦でさえ通峡させようとはしないだろう。
まして、澎湖港道以外浮上しないと航行できない潜水艦も台湾海峡を通過させることはあるまい。ちなみに、大日本帝国海軍も潜水艦は台湾海峡を使用していない。
併せて、中華民国空軍についても触れてみたい。同空軍には現在、「F16A/B」戦闘機150機、「ミラージュ2000-5」戦闘機60機、国産の「経国(F-CK-1)」戦闘機130機が第一線で運用中である。
これらはいずれも中国空軍が有する「スホイ27」戦闘機76機(ロシアから輸入)、「J11」戦闘機(同ライセンス国産)96機、国産「J10」戦闘機100機と性能的にほぼ互角もしくは凌駕していると言われている。
さらにパイロットの技量および管制システムを含めた総合力は中国はまだまだ台湾の比ではない(中華民国空軍に詳しい空自OB)。
また、前記のほか中国はロシアから戦闘攻撃機「スホイ30」を90機購入しているが、台湾海峡の制空権は中華民国が今も譲らない実力を有していると言えるだろう。
加えて、ロシアが中国に売却する戦闘機は自国より性能の落ちる輸出バージョンであり、しかも、中国向けバージョンはインド向けよりも性能が劣る。
一方、米国の台湾向けF16A/B戦闘機はA/B型としてはブロック20という高性能型であり、今は許可していない「F16C/D」型の売却も中国の戦闘機能力の進化を勘案しながら、いずれ認めることになろう。
これが、米国、ロシアのバランス感覚であり知恵である。それならばと、中国は2020年頃の配備を目標に、第5世代戦闘機「J-XX」を開発中であると伝えられている。
中国に米国を凌駕する戦闘機の開発は不可能!
果たして、中国は米国の戦闘機を凌駕する戦闘機を国産できるのであろうか。筆者には、不可能と思えるのであるが、ゼロ戦の例もあるぞと航空機の専門家に笑われるであろうか。
次に陸軍を見てみたい。中華民国は陸軍約20万人、加えて165万人の予備役を有している。
ちなみに、中国は海兵隊1万人、陸軍140万人であるが、以上述べてきたところからも中国陸軍が台湾を武力制圧することは極めて困難であると言えよう。
また、大陸には合計250基の発射台と1000発を超える「東風11」「東風15」弾道弾が台湾を照準していると言われるが、台湾にも、上海や三峡ダムを射程内とする射程1000キロメートルを超える「雄風2E巡航ミサイル」500発以上が反撃に備えているのである。
ダグラス・マッカーサーは朝鮮戦争当時、台湾は空母20隻に相当すると述べた。また、1996年に李登輝は総統直接選挙中演説で「中共には台湾攻撃の能力はない」と繰り返し発言した。
確かに現在の中国軍の実力は当時とは歴然とした違いがあるが、上記の通り中華民国も相当の近代化戦力を保有している。
てこずる間に、チベット族、ウイグル族、国内民主派勢力、農工と呼ばれる人々、あふれる失業者が各地に蜂起して国内が騒乱状態に陥り、台湾解放どころではなくなる可能性は極めて高い。
ちなみに、貧富の格差を示す「ジニ係数」は、中国では2007年に0.47であったが、2010年には社会の安定が危ぶまれるとされる0.5をついに超えたのではないかと言われている。
話が飛躍したが、つまり、中国海軍は中華民国軍が健在である限り、台湾海峡を通過することはできない。
従って、中国海軍艦艇が、太平洋に交通し、あるいは東シナ海と南シナ海を交通するためには沖縄本島と宮古島間の宮古海峡および台湾島とルソン島(フィリピン)間のバシー海峡を常用することになる。
2 宮古海峡
奄美群島、沖縄群島および先島群島の中で島と島との距離が最も離れているのが沖縄本島と宮古島の間であり、宮古海峡と呼ばれるその距離は約270キロ。
なお、同海峡以外にも与那国島と西表島間および与那国島と台湾島間は他国の領海を通過することなく通狭できる海峡であるが、その領海部分を除くと、幅は前者がわずか約26キロ、後者は約70キロであり、常識的には、自由度が制約される狭い海峡を通過することは避けるであろう。
宮古海峡は陸自の地対艦ミサイルの餌食に!
そこで、沖縄本島、宮古島間の宮古海峡を常用航路とするわけであるが、我が国には陸上自衛隊が地対艦ミサイル「SSM1」を有し、さらに「SSM1改」を開発中である。
前者の射程は百数十キロ以上、後者はその2倍である。つまり、SSM1であれば沖縄本島と宮古島に配備すれば、SSM1改ならばどちらかの島に配備すれば海峡全部を射程内に収めることができる。
なお、このSSMは車載され容易に移動できる。中国海軍は、有事、これらの島々を占領しない限りこのSSMの脅威を排除することは難しい。
また、たとえ占領したとしても、占領を維持するための弾薬・資材・燃料・重機・食糧などの補給には相当の犠牲を払わなければならない。
なぜか。まず、単純に、これらの島々は中国から遠い。最も近い大陸から宮古島までは約570キロ、与那国島までは約380キロ、尖閣諸島までは約350キロも離れているが、補給を維持するためには隠れるところのない洋上をこの距離、補給部隊が進出しなければならない。
この間に、我々は、南西諸島を島伝いに進出、あるいは先島群島に基地を設けるなどした海自潜水艦、ミサイル艇、護衛艦、「P1」「P3C」哨戒機(対艦ミサイル装備)、空自F2支援戦闘機、陸自AH64アパッチ攻撃ヘリコプター、地対艦誘導弾SSM1(同改)等で重層的に阻止ラインを重ねて敵の補給部隊を阻止することができる。
占領部隊は容易に孤立してしまうだろう。
また、そのためには、石垣島、宮古島、下地島等々、島々の民間空港の活用を図ることが必要であるが、制空権の獲得も我が国には有利である。米空軍および米海軍空母の支援も期待できる。
従って、有事、この海域を航行できる可能性が残る中国の艦船は潜水艦のみとなる。潜水艦を無力化するにはまず見つけることが先決であるが、そのためには、狭い海峡に網を張り、航行できる幅を極力狭くすることが有効である。
宮古海峡は原潜の通過も困難に近い!
現在の技術をもってすれば、水深1000メートル程度でも音響センサーや有効な障害物および機雷の敷設は可能である。
宮古海峡で水深1000メートルを超えるのはわずかに幅約40キロであり、残りは500メートルより浅い。
従って、500メートル以浅には障害物、機雷などを、水深1000メートルを超える幅40キロには係維センサー、哨戒航空機などによるソノブイフィールドの設定、AOS(音響測定艦)の配備ならびに潜水艦を待機させるなど複数のセンサー群を運用して、探知が得られ次第、潜水艦もしくは、対潜哨戒に当たる護衛艦、艦載ヘリコプター、固定翼哨戒機(P1、P3C)などを使用して攻撃するのである。
中国潜水艦も容易には宮古海峡を通狭できない。
次に、もう1つ、この海域に進入することができる海峡がある。台湾島とルソン島間に横たわるバシー海峡である。南シナ海の海南島には中国海軍の新型原子力潜水艦および最新鋭大型艦が多数配備された南海艦隊がいる。
3 バシー海峡
台湾島南端とルソン島間の距離は約360キロあるが、ルソン島からは北へ、バブヤン諸島、バタン諸島などが隙間なく連なり、その北端の島ノースアイランドと台湾南端の小欄嶼島間はわずか90キロしかない。
しかも、水深が50メートル以上あるのはさらに幅40キロ足らずである。ここまでの条件は宮古海峡とほぼ同じである。
しかし、バシー海峡を挟む東西の海域は水深2000~3000メートルの深海であり、幅40キロの海域も水深50メートルから急激に2000~3000メートルの深海に達している。
また、ここは、我が国領海ではなく、深さ的にも障害物などの設置は困難である。付近には、基地を提供してくれる我が国の島々もない。
潜水艦の探知が難しいバシー海峡!
従って、公海上に宮古海峡と同様の阻止ラインを構築することは可能であるが、特に潜水艦の探知は宮古海峡と異なり相当困難になるものと予想できる。
「しもきた」型LST3隻、「ひゅうが」型DDH2隻、および一回り大きい平成22(2010)年度計画DDH(2隻計画)は、基地を提供する島々の代わりとして、海自対潜ヘリコプターはもちろん、陸自攻撃ヘリコプター「AH64Dアパッチ」の母艦としても大いにその存在感を示すことができるだろう。
対艦弾道弾にはイージス艦の「SM-3」で対処すればよい。しかし、この方面から来る中国南海艦隊の原子力潜水艦には、深海を行動する場合の探知が可能である音響測定艦の増勢など、さらなる対策が必要である。ここを通してしまえば、我が国のシーレーンに大きな脅威となる。
おわりに
以上、縷々述べてきたことは、有事、中国海軍が第1列島線の外に出ること、否、近づくことすら自殺的行為であること。
ただし、バシー海峡方面から進出する中国原潜には十分な警戒とさらなる対策が必要であること。
また、尖閣諸島、先島群島をたとえ一時的に占領されたとしても、中国海軍にはその維持が困難であること、である。
しかし、前述した中には、我が国が既に手にしていることのほかに、我が国がまだ手をつけていないものの、手を打てばという前提があることを改めて確認しておきたい。
それは、先島群島への陸上自衛隊など所要部隊の常駐であり、海上自衛隊の掃海艇、ミサイル艇など小型艦艇の寄港、補給が可能な設備の構築などおよび石垣島、宮古島などの民間空港は特に航空自衛隊との平時からの共同使用である。
また、台湾が我が国に敵対する勢力によって支配されていないことが大前提であることも改めて指摘しておきたい。
台湾が中国の手に落ちればすべての策は水泡に帰す!
今回、言及しなかったが中華民国は海軍も相当の戦力を保有している。しかし、台湾が中国に支配される時、尖閣諸島、先島群島は我が国から近く大陸から遠い島から一転して中国に近く、我が国から遠い島と化して、ここに述べた策はすべて水泡に帰す。
従って、我が国政府は台湾有事に備えて、当然予測される中国の恫喝に臆することなく、迷うことなく周辺事態安全確保法を速やかに発動する決意と周到な準備をしていなければならない。
民主的な台湾は、まさに我が国とは運命共同体であると言っても過言ではない。我が国政府が、その時になって慌てふためき、事後、そのことに気づいても致命的に遅いのである。
最後に、筆者は、中国海軍の現状を見て、井戸の中の蛙が井戸の外に出て、イソップ物語にあるごとく、第1列島線付近で懸命に腹を膨らましている図を思い描くのである。
もっと、もっと、と囃し立てているのは、ロシアと米国である。
ロシアは軍需産業への資金調達と、中国のエネルギーを海洋方面に浪費させること、米国、特に米海軍にはソ連海軍という脅威が消滅した後の悪者が必要である。
中国には冷静に海洋戦略を見つめ直すことを勧めたい。力ずくで近隣諸国の資源を奪いにいくのか、それとも他国の資源には資金を投資し、共同開発して平和的に安価な資源を確保するのか、である。
また、我々も冷静に中国海軍を見つめ直すことが肝要である。本質をとらえ、必要な手を打てば、中国海軍を、たとえ空母を保有したとしても、いたずらに恐れることはないのである。
難民対策に基地提供・・・、準備すべきことは山ほどある!
朝鮮戦争
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%88%A6%E4%BA%89
2010.12.07(Tue)JBプレス冨澤暉
の朝鮮問題が熱戦や治安事態に変化するのか、あるいはまた延々とした6カ国協議に戻るのか、について断言できる人は少ない。また仮に6カ国協議に戻るとしても、早晩、熱戦・治安事態の危機が再発生することも明白である。
休戦が破られれば国連軍が必然的に参戦する!
この事態を前に日本が今、早急に、準備をすべきことは何であろうか。
熱戦・治安事態が生起した場合、中国がどういう立場を取るかが最大の鍵であるが、米中両国はともにそれを望んでいないので、米中戦争に発展させることは避けられると期待する。
いずれにせよ朝鮮戦争は休戦中であり、休戦が破られたとなれば、米韓両軍はもとより、休戦時にニューヨークで再結集を約束した朝鮮国連軍参加各国の多くがこの収拾のために参戦することになろう。
日本はこの朝鮮国連軍参加各国との間に「国連軍地位協定」(1954年)を締結しており、在日米軍基地のうち7カ所を国連軍用基地として指定している。
日本政府は1999年に「周辺事態法」を制定した。これは朝鮮半島で熱戦・治安事態が生起した場合、米軍を支援するに当たり「米軍地位協定」のみでは不十分、という認識の下に策定されたものである。
まずは「国連軍支援」の明文化を!
日本がこの事態に国連軍を支援する必要があるのなら、まずは、現「周辺事態法」の中に「国連軍支援」を明文化する必要がある。
さらに、いまだ「国連軍地位協定」に参加していない韓国との間で本協定の調印・締結がなされなければならない。特に治安事態になった場合、韓国内にある米韓両軍基地は脆弱となるので、米韓両軍を含む国連軍にとって日本の基地は極めて重要になる。
この基地提供のみならず、これら国連軍に日本の港湾・空港等を提供し、また様々な援助を与えることが、直接参戦できない日本にとって何よりも重要となる。
その援助の多くは情報・後方兵站を含む軍事援助なので、陸・海・空自衛隊が中心となって支援しなければならない。現在、日・米・韓プラス豪等の連携が叫ばれているが、これらの援助がしっかりできるように準備することでその連携が現実のものとなる。
日本の自衛隊がその国連軍に参加して、韓半島に戦力を及ぼしてはどうか、という意見もあろうが、それはできない。
韓国から、そして北朝鮮から難民が押し寄せる!
北朝鮮の人も韓国の人も、日本の戦力が韓半島に及ぶことには、極めて敏感であり、その結果は熱戦・治安事態の終了後に、より悪い結果を招くからである。
邦人救出も、現状では極めて難しい。前述の問題をも含み、戦争で忙しい韓国の空港・港湾を一部とはいえ日本が優先使用することは困難だからである。
ここは、米・韓・国連軍とあらかじめ緊密に調整し外交的に準備しなければならない。
第1次朝鮮戦争において、日本への難民流出はあまりなかったと言われる。しかし、今回は多数の難民が出現すると思われる。
かつて、遠いベトナムからですら日本に難民がたどり着いたのである。特に韓国からの難民は多いだろうし、そこに北朝鮮系の人々が相当数含まれることも予測される。
ミサイルで日本が攻撃されても反撃できない日本!
難民は入国管理局の担当だろうが、何万何十万ともなる難民を日本はどう受け入れるつもりなのだろうか。まさか、戦時の韓半島に送り返すこともできまい。
この人たちへの対応が悪ければ暴動が起きるかもしれない。収容施設・給食・採暖等生活環境の支援、更には暴動抑止のために警察・自衛隊は何ができるのだろうか、その準備が既にできている、とは寡聞にして聞かない。
日本が米・韓・国連軍に基地を提供し各種支援をすれば、これに対する北朝鮮からの妨害行動が予測される。
北朝鮮のミサイル攻撃に対してはミサイル防衛と敵基地攻撃しかない。ミサイル防衛は、そのすべてを東京に集中すれば東京周辺だけは何とか守れるかもしれない。しかし現段階では、技術的・数量的限界からして日本全土を守ることはできない。
敵基地攻撃は現在の自衛隊では法的にも技術的にも実行できない、これは米韓軍に依存するしかない。
北朝鮮も滅多なことではミサイルを人口密集地に打ち込んでこないと思われるが、後は急遽、シェルター(防空壕)を掘り、地下街に空気清浄機をつけ、国民保護訓練を盛んにするしか対応策はないだろう。
訓練された北朝鮮によるテロとゲリラに対処できるか
こうした事態において、一番の問題は日本国内においてテロ・ゲリラが発生することである。北朝鮮には9万人の特殊部隊がおり、また韓国・日本内部にもこれに通じる人々がいる、と言われている。
日本には電源・水源・通信・交通機関に脆弱な施設などが多く、テロ・ゲリラにそれらを狙われたら日本人の生活は危殆に瀕する。
1996年、韓国東部に26人のゲリラが上陸した時、韓国軍は6万人の兵士を何十日間も投入したという。
日本各地でこういう事態がいくつも同時に発生した時、担当の警察は対応できるのであろうか。また、自衛隊はどうするのであろうか。シナリオに基づく具体的な回答を政府から聞いた人はいない。
防衛大綱で5年から10年後に備えることは無論大事であるが、このような目の前のことを確認し、直ちに実行することが今何よりも大事ではないか。
2010/12/03(金) 11:43 サーチナ
中国網日本語版(チャイナネット)によると、世界新聞報は「日本自衛隊が軍事拡張の野心をむき出しに」と題する記事を掲載した。以下は同記事より。
軍事大国という地位は日本の長年の夢である。この夢を現実のものにするために、近年、日本は「外敵の脅威への防衛」という大義名分を掲げ、軍事力を拡大することに熱心だ。「積極的に国外に出て、守りも攻めもできる精鋭部隊」を作ろうとしている日本の軍事力拡大には、米国も見て見ぬ振りをつらぬき通している。自衛隊の装備は増強され、攻撃力も上がっている。「平和憲法」という布で隠してきた野心が徐々にむき出しになってきたようだ。
海上での戦力、米軍を超える勢い?
ここ数年、日本の海上自衛隊は遠洋にも出撃可能な大型の艦艇や輸送船を造り、隊員や装備を整えた。そして、対潜護衛戦や遠洋機動戦も行える強力な部隊に成長している。専門家によると、日本の海上自衛隊の力は2015年頃には米国の太平洋艦隊を超える可能性も否定できない。
防衛庁が省に昇格し、日本の対外軍事力は目に見えて増強された。「海外に出て攻撃できる」という戦略指導のもと、海上自衛隊が保有するイージス艦、AIP潜水艦、水陸両用艦艇などはとっくに「自衛」の範囲を超えている。なかには「平和憲法」のラインぎりぎりを越えているものさえある。
戦後復興で経済の活力を取り戻した日本は、「空母をもう一度」と言う夢を実現するチャンスを狙っていた。しかし、日本の「平和」憲法の制限のせいで海上自衛隊はグレーゾーンを行ったり来たりすることしかできなかったが、空母型ヘリコプター艦でラインを越えたのだった。
現在、日本には排水量が9000万トンから1万トンを超す輸送艦が複数存在し、これらの「準空母」は遠洋への輸送能力や攻撃能力を有している。
最先端の戦闘機で中国を威嚇(いかく)!
日本の海上自衛隊は1954年に誕生し、長年かけて、先進的装備と訓練された隊員を保有するまでに至った。今では大規模な空中戦闘能力を発揮できるまでに成長している。日本は所有する戦闘機を改良し、新型の戦闘機の研究開発や新型ミサイルを搭載した戦闘機を準備するなどして、空での戦闘能力を日々向上させてきた。これによって、アジアの隣国への圧力も日増しに巨大化している。
日本の航空自衛隊が保有する戦闘機は360機と決して多くない。しかし、戦闘機の威力は強大だ。200機あまりのF-15戦闘機を保有しており、これは米国を除けば世界最多である。1997年から日本はF-15戦闘機の改良を進めており、総合的な戦闘能力、特に電子戦能力、空中格闘戦能力、夜間戦闘能力は着実に進化している。
日本はレーダー哨戒機にも力を入れており、既に13機のE-2Cホークアイと4機のE-767哨戒機を導入している。ほかにも、長距離作戦能力を向上させるために、米国からKC-767空中給油・輸送機を輸入している。日本の海外派兵能力は格段にレベルアップしたのである。
中国網日本語版(チャイナネット)によると、世界新聞報は「日本自衛隊が軍事拡張の野心をむき出しに」と題する記事を掲載した。以下は同記事より。
以前、日本のメディアで防衛省が米国製のF-35戦闘機を40機購入する予定だと言う報道があった。防衛省によると、今後10年の間に、航空自衛隊は那覇基地において新しい飛行部隊を編成する予定だ。F-35戦闘機は近い将来、那覇に配備されるかもしれない。専門家によると、F-35戦闘機は短距離離陸・垂直着陸能力を持ち、活動範囲は非常に広く、那覇基地に配備されれば中国の東部地域に絶大な脅威を与えるだろう。
陸自が水陸両用部隊を編成!
日本の軍事戦略が「北方領土の防衛」から「西南諸島への警戒」に切り替わり、日本の西南諸島に対する隣国の軍事的脅威の排除が需要な課題となった。日本の陸上自衛隊の役割も適正化させる必要性が出てきており、陸上自衛隊は海上での戦闘能力を備えるために水陸両用部隊へと変化しつつある。
この転換は、陸上自衛隊の人員編成から始まり、旅団を水陸両用部隊に編成し直す作業が進んでいる。それと同時に、武装の改革も行われている。現在の重装備以外にも、攻撃用ヘリや輸送用ヘリの増強を急いでいる。また、日本の陸上自衛隊は米国に出向いては米海軍陸上部隊の水陸両用上陸訓練に参加し、自国の自衛隊の水陸両用作戦能力の強化に励んでいるようだ。(おわり 編集担当:米原裕子)
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