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櫻井よしこ 『週刊新潮』 2011年1月20日号 日本ルネッサンス 第444回

昨年12月、水資源、領土、貿易不均衡など難問山積の中印関係を観察する貴重な現場に立ち会った。シンクタンク国家基本問題研究所(国基研)とインドのシンクタンク、インド世界問題評議会(ICWA)との意見交換のためにニューデリーを訪れたのだ。私たちの訪問は、中国温家宝首相のインド訪問と時期が重なり、ざわめくような状況で進行した中印外交の一端を、巧まずして見聞することになった。

ICWAは1943年、ネルー首相の肝煎りで設立されたインドで最も権威あるシンクタンクだ。数百人を収容出来る講堂があり、地下全体が広い図書館となっている。正面の階段も玄関も大理石造りの如何にも歴史を感じさせる建物だった。

12月16日15時半、小柄な温首相は背筋をピンと伸ばし、顎を上げ気味にして姿を現わした。会場のそこここで、長身で屈強な男たちが目を光らせる。その光景には、どこか見覚えがあった。すぐにわかった。北京五輪の聖火リレーで、聖火ランナーを取り囲んで走っていた青服の男たちだ。どのガードも一様に髪を短く刈り込み、身長180~190センチの屈強な男たちは、漢民族で共産党員であろう。

20分余の温首相の演説への拍手はまばらだった。会見後、人々はすぐにガヤガヤと感想を語り始めた。私は前日に、意見交換したばかりの元インド外務次官カンワル・シバル氏を見つけて早速、意見を尋ねた。

「前向きな要素は何もありません。過去半年間に国連安保理の常任理事国首脳の全てがわが国を訪問しましたが、温首相の訪問は最も実り少なかったと思います。こんな実りのない会談しか出来ないのなら、なぜ、ショートノーティス(限界ギリギリでの要請)で温首相の方から望んで来訪したのでしょうか」
シバル氏は反問するように語った。


パキスタンに肩入れ!

前の月の11月にオバマ大統領インドを訪れ、インドの国連安保理常任理事国入りを明確に支持したこともあって、米印関係は大幅に前進する様相を呈している。ブッシュ前大統領は米印両国を最も古い民主主義の国と最も大きな民主主義の国と呼んだ。共通の価値観でしっかり結ばれる米印両国の関係緊密化で、中国が取り残されないために手を打つのが、温首相訪印の目的だと見るインドの人々は多かった。だが、それにしては温首相は国連でより大きな役割を果たしたいというインドの切望にも応えず、ただ紋切り型の対応をしただけだった。

印中貿易についての合意も実りはなかったとシバル氏は語る。

「2015年までに1000億ドルに増やすとしましたが、量的拡大が我々の目的ではありません。インドの対中赤字は約190億ドル、収支改善にはIT、農産物、医薬品分野の市場開放が必要ですが、開放に向けた提案はありませんでした」

両国間には大別して、①インドの国連安保理常任理事国入り、②インドの核の承認、③ジャム・カシミール(JK)州やアルナチャル・プラデシュ(AP)州の領土、の3つの問題がある。

どの点についても、中国は溝を埋める意思を見せず、成果の余りの乏しさに、シバル氏は、インドは中国の思惑やインド観を読み取ることが出来ていなかったのかと、思わず自問すると論評した。中国インドをまともな相手とさえ考えていないのではないかと疑う温首相の訪問だったのだ。

インドの都市ムンバイは2008年11月26日、連続テロに襲われ、166人もが犠牲になった。このテロについて、他の常任理事国の首脳は皆、哀悼の意を表し、或いは、パキスタンは犯人を罰すべきだと指弾した首脳もいた。その中で、温首相のみが一言も同件に触れなかった。中国は、インドに対抗するためにパキスタンに肩入れをしてきた。そのパキスタン由来のテロだからこそ、温首相からは慰めの言葉さえなかったと、インドの多くの人が感じていた。

中国がパキスタンに核とミサイルを与えたのは、インドパキスタン問題で煩わし続け、中国問題に十分な力を割けないようにするためだと、インドの専門家らは見る。インド洋の覇権を狙う中国に対して、インドが十分な海軍力を整備することも対抗することも困難にするために、パキスタン問題に縛り続けるとの分析だ。
確かにパキスタン問題はインドの大きな負担だが、中国は国境の領土問題でもインドに挑戦する。シンクタンク政策研究センター所長のブラーマ・チェラニー氏が説明した。

「温首相がニューデリー入りした当日、中国側はAP州近くのチベット東部のトンネル開通のニュースを報じました。印中間に有事が発生した場合、このトンネルを通って中国軍は即座にAP州に侵入出来ます」

同地域は水源地でもあり、中国インドに流入する川の上流にダムを建設する計画だ。


軍事占領の可能性!

チェラニー氏がこんなことを語る。

インド訪問に際して、中国首脳は常にインドの喉元に剣を突きつけるような不吉な問題を持ち込むのです。2006年の胡錦濤国家主席訪問のときは、中国が長年言及しなかったAP州の領有権主張を突然復活させました。同州は台湾の2倍以上もあるインド北東部の州です。今回、温首相は、訪印に先立ってJK州領有についてのカードを切ってきました」

いまやインドは2つの州の領有権問題を突きつけられているわけだ。その実態は非常に厳しいとチェラニー氏が続ける。

中国は現在JK州の5分の1に当たるアクサイチン地域を占拠し、3つの方法で反インドの動きを強めています。まず、JK州の中のパキスタンが実効支配する地区で複数のプロジェクトを立ち上げました。これによって戦略的に中国の存在感を高めようという狙いです。プロジェクトを進めるために、多数の軍人を送り込みました。これら軍人はプロジェクトなるものが終わっても居坐り続け、実態として中国の軍事占領が現出する可能性も考えられます。

次にインドが支配する地域では狡猾な方法を用い始めました。ここをインド領と認めないために、同地区の住民が中国を訪れるときには、パスポートとは別の紙にビザ発給の判を押して、ホチキスでパスポートにとめ始めたのです。中国領の住民にビザは不要だという意思表明です。

第3に印中国境地帯の広範な土地を中国領に組み入れ、慣習上の国境線を大幅に短くしてしまいました」

こうした状況を作り出したうえで、温首相はICWAでの講演で語った。

「領土問題は解決にかなり長い時間がかかる。いま解決を急ぐより、将来の世代にこの問題を委ねよう」

尖閣を略奪しにきた手法と同じである。中国の狡猾さに、もう、どの国も騙されてはならない。

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そうりゅう (潜水艦)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9D%E3%81%86%E3%82%8A%E3%82%85%E3%81%86


官と民の良好な「三角関係」が失われていく!

2011.01.21(Fri)JBプレス 桜林美佐

2010年11月14日の日曜日、私は神戸に向かっていた。翌日、川崎重工業の神戸工場で潜水艦の命名・進水式があるためだ。

 前夜のうちから、神戸には海上幕僚監部など多くの関係者が集まっていたが、彼らは基本的に企業の人間とは別行動である。膝を突き合わせて潜水艦のこれからについて語り合う、などという光景はない。

 昨今は不正や癒着を防ぐという観点から、企業の関係者と現役自衛官が杯を交わすことは忌避される。また、発注の際は、何ごとも随意契約をやめて競争入札を取り入れる流れとなってきている。

 しかしこのことは、受発注者間のコミュニケーション不足と、これまで互いに情報をやり取りして共に技術発展に努めてきた企業間の不協和音をもたらすという側面もある。

 杓子定規な取り決めが、日本らしい技術進歩・発展を阻むことにはならないか・・・。

 そんなことを思いながら迎えた翌朝、工場には次々に人が集まってきた。どんな進水式でもそうだが、「こんなにたくさんの人が関わっていたのか」と驚くほど、多くの関係者の手によって建造されていることが分かる。

そうりゅう」型は日本の潜水艦技術の結晶!

 潜水艦1隻の建造には約1400社が関わるという。この場にはいない、さらに沢山の人々が、この1隻の行く末をどこかで見守っているのだ。

 今回、進水式を迎える潜水艦は、「そうりゅう」型の4艦目である。

 「そうりゅう」型とは、海上自衛隊の潜水艦として初めて非大気依存推進機関(AIP:Air Independent Propulsion)のスターリングエンジンを採用したもの。

 このエンジンは燃焼時に大気を必要としないので、潜航したままの充電が可能である。そのため、潜水艦は頻繁に浮上することなく行動することができる。

原子力潜水艦を持たないわが国としては画期的な潜水艦であり、不断の努力で遂げた技術の結晶と言える。

 従来の潜水艦と見た目で明らかに違うのは、艦尾の4枚の舵だ。「十」字型ではなく、「X」字型になっている。こうすると、4枚の舵のいずれかが故障しても、残った舵である程度は操艦ができるという。

2~3年の間、船台が空いてしまうのは大ダメージ!

 さて11月15日、「そうりゅう」型の4番艦は、杉本正彦海上幕僚長により「けんりゅう」と命名された後、支綱が切断された。

 「けんりゅう」は、居並ぶ海上自衛官が敬礼する中、船台を滑り降りていく。初めて海上に放たれる姿を、関係者はまるで歩き始めたわが子のように見つめている。感動的なシーンだ。

 しかし、企業の関係者の胸中は複雑である。

 潜水艦の建造は、これまで三菱重工と川崎重工の2社が随意契約で請け負ってきた。2つの企業はライバルであるが、互いに切磋琢磨して優れたものを造ろうと技術を磨き、官との良好な「三角関係」を築いてきた。

 だが、その関係が前述したような背景によって崩れてきている。さらに、その崩壊を一層加速させるような出来事があった。

 現在、日本が保有する潜水艦は16隻。毎年1隻が退役し、1隻が新たに建造されてきた。新しい潜水艦は、三菱重工と川崎重工の2社が1年おきに受注することになっていた。だが、2009(平成21)年度に予算が付かず、その流れが止まったのだ。

 2009年度は、本来は川崎重工が受注する年だった。川崎重工は2010年度も受注できないとすると、3年間受注がなくなってしまうことになる。一方、仮に2010年度に川崎重工が受注したとすると、三菱重工が2年間は受注できないということになる。

いずれにしろ船台にブランクができるダメージは大きい。仕事のない下請け企業には、撤退を余儀なくされるところも出てきてしまった。

 潜水艦製造には極めて特殊かつ高度な技術を要する。例えば、溶接工は、人が1人入れるかどうかの狭さの空間で作業するなど、熟練の技が必要である。

 潜水艦建造の技術者になるためには5年間の育成プログラムを経て、防衛省の技量資格を取得しなければならない。この認定制度は厳格で、3カ月間作業に従事しないと資格が失効してしまう。つまり、建造が中断すれば、技術者が「無免許」となってしまうのだ。

 技術者が技量を取り戻し、免許を再取得するためには、多大な時間と労力がかかる。そのため、企業は受注を想定して作業を進め、技術者を保つしかないという。

 「潜水艦を造れない間は他の仕事を」などというわけにもいかない。潜水艦建造の専門的な技量が下がってしまうからだ。受注がなくとも技量を保つため、企業は耐えなければならないのである。

新艦の建造を続けなければ技術が失われる!

 そして2010年度、待望の新造艦の予算約528億円が付いた。しかし、潜水艦の建造としては初めて競争入札を実施することとなった。

 受注したのは川崎重工だった。契約額は、随意契約だった2008(平成20)年度と比べると2億8770万円低くなった。

 先般、策定された「防衛計画の大綱」(PDF)や「中期防衛力整備計画」(PDF)では、「動的防衛力」をキーワードに、平素の警戒・監視活動を重要視するとしている。潜水艦についても6隻増やして22隻体制をとることになった。

 だが、元々2社が1隻ずつ建造していたところを、急に増産はできず、現有艦の艦齢延長(延命)措置を施すことになる。

 技術者を維持するためには、新しい潜水艦を建造し続けることが重要だ。しかし、延命にコストがかかれば、新造の予算が取れなくなる恐れがある。そうなると技術者の維持は困難になる。

 建造がストップしたり、厳しい価格競争に陥れば、2社の関係はますます冷え込み、技術進歩を阻むのではないか。そんな心配を、ついしてしまうのである。

中国の軍拡にいかに対処するのか?

2011.01.19(Wed)JBプレス 金田秀昭

昨年12月、安全保障会議および閣議の決定を経て、民主党主導政権下として初めてとなる防衛計画の大綱が策定された。昭和51(1976)年の初制定以来、自民党政権下を含め、3回目の改訂となる。

 今回の防衛計画の大綱は、「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱(22大綱)」(PDF)と称され、今後おおむね向こう10年間を見据えた我が国防衛力整備の基本政策文書となるものであり、新大綱に基づく向こう5カ年の「買い物計画」となる中期防衛力整備計画(PDF)も、同時に承認された。

 新大綱は、昨年8月に菅直人総理に提出された「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会(新安防懇:佐藤重雄座長)」の報告(PDF)をベースとしている。

冷戦時代の基盤防衛力から脱し、動的抑止力を構築!

同報告の最大の特徴は、従来の防衛計画の大綱が踏襲してきた防衛力整備の基本構想である「基盤的防衛力」構想は、冷戦時代の遺物化しているとして、同構想から速やかに脱皮し、現在および見通し得る将来の安全保障環境に適合し得る高度な運用能力を備えた「動的抑止力」への体質変化を求めたことにある。

 さらに同報告では、「安全保障面」においては、非核三原則集団的自衛権の行使、武器輸出三原則の一部見直しを促している。

 「防衛力面」では、複合事態(同時に各種の異質な事態が生起する事態)にも適切に対応し得る体制へ転換し、周辺海空域(海上交通路を含む)や南西地域の島嶼などの安全確保に重点を置くべきであるとして、常続監視体制、海空防衛力の強化や統合運用体制の推進を強調した。

 さらに、従来からは一歩踏み込んだ形で、日本に対する弾道ミサイル攻撃の状況によっては、敵基地への攻撃も必要となる場合もあるとの認識を示した。

 これに適合した適切な装備体系、運用方法、費用対効果を検討する必要があるとし、場合によっては、弾道ミサイル防衛システムによる防御面に加えて、自衛隊の打撃力による抑止の担保も重要であるとする意見も盛り込まれた。

 このように同報告は、従来の安全保障や防衛力の論議の中でタブー視されてきた意見を掘り起こし、今日的な視点をもって改めて見直し、その上で必要と思われる施策はすべて取り込むなど、極めて画期的な提言であるとの評価がある。

 反面、あまりにも「画期的」であるがゆえに、現政権下での採択を危ぶむ声があった。

現に、新安防懇の報告後、新大綱策定までの間に行われた民主党の外交・安全保障調査会(中川正春会長)での防衛大綱の議論においては、新安防懇報告の方向性に同調する意見が大勢を占めつつも、右から左までを抱える民主党の実情を反映して、議論は定まらず、方向性は固まっていかなかった。

 しかし、新安防懇の前に麻生太郎自民党政権下で設定された「安全保障と防衛力に関する懇談会(安防懇:勝俣恒久座長)」が、防衛大綱の改訂を目途として同様な議論を尽くしながら、政権交代後の鳩山由紀夫政権では、防衛計画の大綱の見直しを、「新しい政府として十分な検討を行う必要がある」との理由で1年間先送りした民主党主導政権としては、これ以上大綱策定を先送りするわけにもいかず、時間切れ待ったなしとなった昨年12月の決定となった。


見送られた非核三原則集団的自衛権の見直し!


蓋を開けてみれば、予想されていた通り、新大綱では非核三原則集団的自衛権の行使の見直しは全く取り入れられず、敵弾道ミサイル基地への打撃力の保有も見送られた。

 また、防衛省・自衛隊や防衛産業界の意向を踏まえ、北澤俊美防衛大臣が政府内で熱心に説いていた「平和創設のための」武器輸出三原則の積極的な見直しは、ねじれ国会において予算関連法案の成立に必要となる「数合わせ」のため、菅総理の主導で政策連携を図る社民党の意向を汲む形で、「防衛装備品をめぐる国際的な環境変化に対する方策を検討する」とトーンダウンした。

 しかし、その他の内容に関して言えば、大方の予想以上に新安防懇報告の考えが取り込まれたと言える。

 「我が国の安全保障における基本理念」においては、我が国の安全保障と防衛力を考えるに当たっての基本理念として、次の3つを安全保障の目標として掲げている。

●直接脅威の防止や排除による平和と安全の確保
●アジア太平洋地域の安定とグローバルな安全保障環境の改善
●世界の平和と安定確保への貢献

 この目標を達成するために、次の3つを統合的に組み合わせることが必要とした。

●我が国自身の努力
●同盟国との協力
●多層的な国際安全保障協力

 この考え方は、新安防懇報告に示された考え方と軌を一にするものである。

ちなみに、前大綱(16大綱)では、2つの目標(「直接脅威の防止や排除と被害の最小限化」と「国際安全保障環境の改善」)と3つのアプローチ(「我が国自身の努力」、「同盟国との協力」および「国際社会との協力」」であったが、新大綱では、アジア太平洋地域の安定や世界平和への貢献を重視することにより、民主党カラーを強調させているものとも思われる。

北朝鮮中国への強い懸念!

 「我が国を取り巻く安全保障環境」では、近年の我が国周辺における安全保障事態の発生を反映し、北朝鮮および中国への強い懸念が示されている。

 北朝鮮については、大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発、配備、拡散や繰り返されている軍事的な挑発行動などの動きは、地域の安全保障における喫緊かつ重大な不安定要因となっていると強調した。

 また中国については、国防費を毎年2桁の伸びで20年以上継続的に増加し、核・ミサイル戦力や海・空軍を中心とした軍事力の広範かつ急速な近代化を進めて戦力投射能力の向上に取り組む一方、周辺海域において活動を拡大・活発化させている動向は、中国の安全保障や軍事に関する透明性の不足もあって、地域や国際社会の懸念事項となっているとした。

 このように、従来に比し、かなり実態に即した表現となった。

 「我が国の安全保障の基本方針」では、統合的、戦略的取り組みを行うため、政府横断的な情報体制強化に資する宇宙の開発、利用の推進やサイバー対策の総合的強化を謳っている。

官邸に誕生した国家安全保障のための組織!

 加えて、各種事態の発生に対し、関係省庁が連携し、内閣が迅速な意思決定を行い得るような態勢とするため、安全保障に関する内閣の組織、機能、体制を検証し、首相官邸に国家安全保障に関して関係閣僚間の政策調整と総理大臣への助言などを行う組織を設置することが明言された。

 本件は、従来から識者の間でその必要性が認識され、自民党政権時代にも安倍晋三総理が提唱して試みられたJNSC(日本版国家安全保障会議)を政権中枢に置くという構想である。

 政権交代後、民主党主導政権が経験した数々の苦い教訓を反映したものと思われる。

 これほどまでに明言した以上は、骨抜き、腰砕けとならないよう早急な検討を進め、できるだけ速やかに適切な組織を創設し、日本の安全保障に関わるあらゆる問題について、政府内での指導監督力を持った知恵袋として、円滑に機能させてもらいたいものである。

また前述したように、防衛力整備の基本構想として、従来の大綱が踏襲してきた「基盤的防衛力」構想に代わって、新たに「動的防衛力」という概念が導入された。

 その説明として、新大綱では、今後の防衛力は、防衛力の運用に着眼した動的な抑止力を重視するのみならず、2国間・多国間の協力関係を強化し、国際平和協力活動を積極的に実施するため、実効的な抑止、対処を可能とし、活動を能動的に行い得る動的なものとしていく必要があるとし、即応性、機動性、柔軟性、持続性、多目的性を具備した動的防衛力を構築するとしている。

 すなわち、「動的抑止力」プラス「積極的な国際協力活動」を「動的防衛力」と称するということであるが、いまひとつしっくりこない。

 単純に言えば、新安防懇報告では、「動的抑止力」とされていたものの、「基盤的防衛力」に代わる概念が必要となったため、「○○抑止力」ではなく「○○防衛力」という言い方が必要となり、「動的防衛力」に落ち着いたとも考えられる。

 「防衛力のあり方」では、新安防懇報告にもあるように、平素からの常続監視(情報収集・警戒監視・偵察活動)による情報優越の確保が強調され、防衛力の役割として、周辺海空域の安全確保、島嶼部攻撃への対応に加え、サイバー攻撃や複合事態への対応も含まれた。

思い切った見直しは評価できるが・・・

また冷戦型の装備・編成を縮小し、部隊配置や各自衛隊の運用を見直し、南西地域を含め、警戒監視、洋上哨戒、防空、弾道ミサイル対処など防衛態勢の充実を図る一方、各自衛隊の予算配分について、環境変化に応じ思い切った見直しを行うとした点は大いに評価できる。

 惜しむらくは、防衛力の役割として、常続監視による情報優越の確保を強調しておきながら、「動的抑止力」の根幹となるべき我が国の領域や周辺海空域における常続哨戒(プレゼンス)についての記述が明示されていないことである。

 新大綱では、統合運用の推進や陸自の体制変換(方面隊・師団・旅団)などについては、若干触れられているが、どのような方向性を持つのか、どの程度の規模に及ぶのか、など肝心の部分は不明確なままである。

 真に動的な(すなわち常時見える形での)抑止効果を発揮し、必要の際には、(常時存在することから)即時に対処し得る「動的防衛力」を保有する意図を明確にしたからには、より具体的に自衛隊の体制変換の方向性を述べるべきであった。

 特に、「島嶼部に対する攻撃への対応」においては、島嶼や列島線を巡る攻防は、陸海空統合の作戦が基調となることに加え、尖閣諸島の実効支配および東シナ海や南西諸島方面の防衛の能力と意思をより明確に示す必要がある。

 そのために、陸海空3自衛隊の統合による島嶼防衛に特化した常設の統合機動運用部隊を展開させるなど、常続的な機動展開を念頭に置いた部隊の創設やこれら部隊による常設的な統合運用体制の創設が必要となることは明らかであり、統合運用を推進させる面からも、こういった点がより強調されるべきであった。

 

「防衛力の基盤」では、前述のように武器輸出三原則の見直しがトーンダウンしたことを除けば、現時点で必要な措置が概ね列挙されたと言えようが、人的資源の効果的な活用や防衛生産・技術基盤の維持は、自衛隊を真の動的防衛力として機能させるための基本となることを肝に銘じ、必要な施策を推進すべきであろう。

 防衛省では、新大綱決定を踏まえ、昨年末、安住淳・防衛副大臣を委員長とする「防衛力の実効性向上のための構造改革推進委員会」および「人的基盤に関する改革委員会」の2委員会を設置し、統合運用の強化、後方支援任務の自衛官の給与抑制、防衛装備品の国際共同開発・生産の拡大などに関し、本年3月を目処として論点を整理することを決定したとのことである。

 これを見ると、本稿で既に指摘してきたいくつかの重要な課題については、与党内、民主党主導政権内、政府内、さらには防衛省・自衛隊の中ですら、十分に整理、調整し尽くされないまま、新大綱が決められたとも思われる。

 ついては、早急に防衛省内の議論を固め、新大綱の描く「動的防衛力」の実効性確保のための施策を推進していくことを期待する。


新大綱が目指す方向性に対する疑問!


以上、新大綱について、新安防懇の報告との関わりを持つ主要点を中心に述べてきたが、本稿は、ここで終わりとはならない。新大綱と新安防懇報告との比較から離れてみると、新大綱が目指す方向性についての疑問がいくつかわく。

 1つは、「動的防衛力」の自律性の方向性と同盟国たる米国との共同との関係についてである。

 新大綱においては、「同盟国との協力」において、日米同盟の深化・発展を目指すとしているものの、そのために取るべき施策については、取り立てて目新しいものは見当たらない。

 しかし、現下の我が国を巡る安全保障環境を観察してみれば、まさに新大綱が目指す我が国の安全保障の3目標、「直接脅威の防止や排除による平和と安全の確保」「アジア太平洋地域の安定とグローバルな安全保障環境の改善」および「世界の平和と安定確保への貢献」を達成するため、我が国は「より自律性の高い動的な防衛能力」の保持を目指すべきではないか。

 そのことにより、米国軍事力を補完し得る動的な防衛能力が、現状に比して飛躍的に改善され、結果的に新大綱にある「不測の事態に対する米軍の抑止および対処力の強化」を可能とし、日米同盟の双務性を格段に向上させることができるようになる。

 これこそ日米同盟の深化であり、発展となるのではないか。

もう1つは、上記とも関連するが、アジア太平洋地域や国際社会の安定化にとって、日米同盟の果たすべき新たな役割は何か、特にその中で、日本はいかなる貢献ができるのか、と言った点についてである。

日米同盟の役割など具体的な点が不明確!


新大綱では、アジア太平洋地域の安定や世界平和への貢献を重視するとの方向性が明確に打ち出されたが、何を目標とするのか、日米同盟は何をするのか、日本はどういった役割を担うのか、そのために必要となる防衛力は何か、といった具体的な点は不明確のままとなっている。

 昨年2月の「4年ごとの防衛計画見直し(10QDR)」において、中国の接近拒否・地域拒否戦略を抑止し打破するため、米国が新たに打ち出した統合空海戦闘構想、長距離打撃、水中作戦(対潜水艦戦、対機雷戦)能力の向上といった新たな軍事力の強化構想に、日本としていかに対応していくのか、直接的な言及は全くない。

 本年1月来日した米国のロバート・ゲーツ国防長官は、それまでの普天間問題の解決に拘泥する強硬な態度を一変させ、地域におけるより広範な安全保障問題への日本の取り組みを期待して、「地域の事態への対処計画」とまで明言する形で、日米間の実質的な協議を加速することを求めた。

 本年3月を目処とする新たな共通戦略目標設定のための協議、それを具現化する新たな役割、任務、能力(RMC)についての協議、さらには新たな日米共同宣言の発布のための、日米当局間の真摯な努力が必要となっている。

 一方、具体的な防衛力整備の面で見てみれば、「動的防衛力」の確保を重視し、いくつかの新たな構想を打ち出しながら、それらの構想を具現化させるために必要となる装備体系は、その必要性は認識されながらも規模が縮小され、あるいは見送られてしまった。

 例えば、情報優越のための早期警戒管制機(AWACS)増強、無人航空機(UAV)の導入や宇宙の防衛利用推進、機動性発揮のための海空輸送力強化や常続的な機動運用の体制を維持するための燃料費増加、サイバー戦への本格的取り組み、北朝鮮や中国の弾道ミサイル脅威の増大に対するイージス艦の増勢などである。

 また本来的に言えば、陸自の体制変換や海空自のより戦略的、戦域的な防衛体制強化のため、島嶼戦に適合した戦闘車、戦術空母や原潜、対地巡航ミサイルや戦闘/攻撃機など、先見的な装備体系の導入についての研究を強力に促進すべきであるが、その動きは封じられているかのように見える。

 今後、「動的防衛力」の実効性をいかに担保するかは、予算・人員の確保と体制変革への熱意にかかってくる。

 しかし、定員微減・主要装備削減の陸自に対し、潜水艦増勢を含む海自微増、新戦闘機を含む空自横這いといった印象のある別表からは、「動的防衛力」を中心とする防衛体制改編の具体的内容は、明確には浮かび上がってこない。

次期中期防期間内に何らかの手当てが行われると思うが、それがよく見えてこない。このままでは、「名」はあれど「実」の見えない、まさに有名無実な計画となる危険性がある。

 詰まるところ、新大綱の最大の問題点は、新大綱に基づく次期中期防が、現中期防に比しわずかながら「減額」されたことである。

 中国をはじめ周辺諸国が軒並み国防費を「増額」する中で、過去最大の借金予算を編成しながら、8年間「減額」の続く防衛費に歯止めをかけ、強固な防衛意志を表明しようとしないのが我が国の政府なのである。

 2012年の米国をはじめ、中国ロシア韓国台湾など周辺諸国の政権交代の時期には、我が国を巡る安全保障環境は大きく揺れ動き、大きな変化を見せるであろう。

 早くも、それを念頭に、大綱や中期防の見直しを期待する声が出てくるのも、まんざら冗談とも聞こえないから困る。

 

2011.01.17(Mon)  Financial Times

 昨年生じた世界の地政学的バランスの変化のうち、あまり報じられていないものの1つが、米国によるアジア回帰だ。また、懸念される変化の1つは、米中関係が目に見えて悪化したことだ。この点については、ホワイトハウスで近く行われる米中首脳会談で、バラク・オバマ大統領と胡錦濤国家主席も合意できるだろう。

 話がややこしくなりそうなのは、こうした変化の理由に話が及ぶ時である。これまでのところ、両者はともに「先に手を出したのはそっちだ」と主張している。

米中関係が悪化したのはどちらの責任か?

そのため胡主席は、上記の2つの事象の2番目は1番目から生じたのだと抗議したくなるだろう。関係の冷え込みは米国が中国を封じ込める戦略を取った結果だ、というわけだ。

 これに対しオバマ大統領は、中国が東アジア地域で大きな顔をし始めた以上、この地域に米国が外交・軍事面で再関与することは不可避だったと反論するだろう。

 もちろん、これは首脳会談の話題が経済に移る前の話である。恐らく、胡主席の訪米に関する報道の大半は、通商政策と為替政策についての意見の相違に関するものになる。

 中国が巨額の貿易黒字を計上しているために、米国内では保護主義的な圧力が強まっている。また、米国政府は人民元の切り上げをたびたび求めているが、中国政府はこれを中国の経済問題への不当な干渉だと見なしている。

 これらの問題は、国内の政治的圧力が最も明白に影響を及ぼす分野だ。オバマ大統領の米国では雇用なき景気回復が進行しており、胡主席は中国の経済成長を牽引してきた輸出業者からの圧力に常にさらされている。とはいえ、両国の相違に対処するメカニズムはちゃんとある。また、こうした問題は爆発するというよりは、くすぶる傾向にある。

互いに不信感を募らせるループ!

 長期的な視点で見るなら、今回のホワイトハウスでの米中首脳会談の成否は、両首脳が東アジアでのパワーバランスを巡ってお互いへの不信感を募らせるループから抜け出せるかどうかにかかっている。米中関係を危うくする火種となり得るのは、朝鮮半島と、中国東部の沖に広がる海域だ。

 一見すると、両国の間には緊張緩和に向かわせる強力な誘因があるように思われる。東アジアでは既に軍拡競争のような事態が進行しており、これがエスカレートしても両国には何も得るものがない。また、中国米国も、別の形とはいえ、核を保有する北朝鮮の現体制の予測不可能性に脅かされている。

ゲーツ国防長官の訪中が浮き彫りにした障害!

 その一方で、お互いへの不信感と競合する利害のために、両国とも簡単には妥協できなくなっている。そのような障害があることは、ロバート・ゲーツ米国防長官が先に北京を訪問した際にも浮き彫りになった。

 ゲーツ長官は、台湾北朝鮮、そして南シナ海における両国の海洋権益を巡って米中が昨年対立したことを受けて、互いの信頼感を醸成したいと考え訪中した。

ところが、それに対して中国人民解放軍が取った行動は、新しいステルス戦闘機の初飛行を当のゲーツ長官が胡主席と会談するほんの数時間前に行うというものだった。

 それまで秘密にされてきた「殲20」の試験飛行が行われたことで、中国軍幹部による権力掌握について憶測が広まるのは避けられなかった。

 ゲーツ長官は、人民解放軍がその軍事力をこのタイミングで披露したことについては胡主席でさえ驚いていたようだったと語っている。

 中国の外交政策の専門家たちは、人民解放軍の影響力が強まっていることを認めている。中には、この状況を懸念する向きもある。彼らによれば、中国が経済的に発展したことが、急拡大する権益やその脆弱性に見合ったレベルまで軍事力を急いで強化する理由になっている。

 また、好景気のおかげで人民解放軍には資金があり、軍の幹部も国民のナショナリズムを利用するのに長けているという。

誤解と誤算のリスク!

 だが、誤解と誤算のリスクは、人民解放軍の野心以外にも及ぶ。米国政府にもタカ派は存在する。特に気がかりなのは、両国の政治指導者とも、現状に代わるストーリーをまだ提供できていないことである。

 米国側の認識はこうだ。まず、中国政府はオバマ大統領が2009年に戦略的パートナーシップという概念を提示したことを、米国が自国の衰退を認めたものだと誤解した。金融危機に見舞われた米国は長期的な衰退に直面していると解釈したのだ。

中国はその後、周囲の国々を小突き回したり、台湾問題で強硬な態度を取ったり、周辺海域における権益の主張を強めたり、東アジアへの米国のアクセスに対抗することを目指したミサイルなどの兵器の増強計画を拡充したりするようになった。

 一方、中国の説明では、問題の発端は米国による台湾への武器売却であり、ダライ・ラマの歓迎、東シナ海問題を巡る日本への支持表明、南シナ海における国益の宣言だった。中国にしてみれば、米国政府がパートナーシップについて何を言おうとも、米国によるアジア地域での同盟構築(特にインドとの関係強化)と、米軍による一連の挑発的な軍事演習は封じ込め戦略をにおわせるものだ。

 より客観的な見解からすると、中国は確かに、好戦性を増す同国の姿勢に対する地域および米国の反応を見誤った。胡主席は少し前に、中国はハードパワーよりもソフトパワーを配備すべきだと警鐘を鳴らした。前者は中国の台頭に対する不安を強める一方、後者は不安を和らげるものだ。

 これは中国政府が2010年に忘れてしまった教訓のように思える。何しろ、中国は多くの近隣諸国を米国に接近させる羽目になった。

米中両国が衝突に向かうのは不可避!

 いずれにせよ、今の対立がどこに向かうか知るために、どちらかの側に立つ必要はない。中国は自国の海岸線から米軍を遠ざけることを目的とした新しい兵器システムを増強する。これに対して米国は対抗手段を展開する。すると、不信感が誤算を煽り、タカ派が言うところの避けられない敵対が自ずと現実になる。

 この堂々巡りから容易に抜け出す方法はない。中国は今後も軍備を増強し、自国の裏庭で突出した役割を果たす権利を主張し続けるだろう。台頭する大国は、そうするものだ。

 一方、米国は東アジアの安全保障の守護者という役割を放棄するつもりはない。強国は簡単に、新たな強国にその座を明け渡したりしないものだ。いずれにせよ、大方の近隣諸国は米国にとどまってほしいと思っている。

 米国政府は中国を封じ込めようとはしていない。それが無益な試みになることは分かっている。その代わり、中国政府を抑制するためのヘッジ戦略を持っている。衝突は不可避であり、魔法のリセットボタンは存在しないのだ。

 経済問題と同様に、両国の共通の利益は、ルールとメカニズム、機構によって相違点をうまく管理していくところにある。求められるのは、信頼醸成措置であり、中国側による透明性の向上であり、互いに協力する習慣を促すための1つか2つのプロジェクトだ。これはかなり地味な作業だと言えるかもしれない。しかし、別の可能性よりはましだろう。

蒼井そら
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%92%BC%E4%BA%95%E3%81%9D%E3%82%89

■「蒼井そら」に関する写真
http://image.searchina.ne.jp/view.cgi?d=0202715&p=pop&l=pop

2011/01/16(日) サーチナ

 韓国人ブロガーのAngel Maker(ハンドルネーム)氏は、日本のAV女優である蒼井そらさんが中国で人気がある理由について考察した。「彼女はもう1度、中国のインターネットユーザーらの心をつかんだ」と述べ、蒼井そらが自らのブログに「給力」という漢字を書き、その写真を掲載したことを紹介した。

■「蒼井そら」に関する写真
  「給力」はすごいという意味で、中国のインターネット上で流行している言葉だ。蒼井さんは、新年のあいさつも中国語で伝えており、多くのコメントが寄せられた。筆者は、「コメント数からみると、中国の芸能人よりも人気があると言っても過言ではない」とつづった。

  蒼井さんが中国のサイトにブログをオープンした際、わずか6時間でフォロワーが13万人を突破するなど、中国で人気を巻き起こしたと筆者は語る。「蒼井さんは、P2Pを通じた日本AVファイルの流通によって中国ファンたちに知られた。中国映画に出演したり、さまざまなイベントにも参加するなど、着実に自身をアピールしている」と述べた。

  続けて、「四川大地震の発生後、蒼井さんは自身のブログで地震被害者のため、募金活動を呼びかけたことがある。中国のネットユーザーらは、中国人を関心する彼女の姿に惹かれた。この行動が意図的であるとしても、中国のファンたちを感動させた」との見方を示した。

  蒼井さんが中国で人気がある理由については、「芸能人ではない、それも日本のAV女優が中国のトップスターに劣らない待遇を受けている。彼女は自身のブログやツイッターなどに、中国のファンたちを思いやる簡単な文章などを掲載するだけだが、そこには真心が含まれていて中国人たちは彼女を愛するしかない」と論じた。

  ブロガーの『やればできる』氏は、中国のポータルサイト「网易」が実施したアンケート調査結果を挙げ、中国での蒼井そらの人気ぶりを伝えた。筆者によると、中国人男性4000人を対象に行った「自身が思う最高のセクシースターは」というアンケート調査では、76%の中国人男性が蒼井さんを選んだという。(編集担当:永井武)



◇AV女優「蒼井そら先生」が中国人に講義で評価うなぎのぼり!

2011/01/13(木) サーチナ

日本のAV女優、蒼井そらさんこのほど、中国のインターネットユーザーたちの希望に応えて毛筆の腕前を披露した。蒼井さんは「不挂科(試験に合格する意味)」「給力(良い、すごい、おもしろいなどの意味)」などの流行語を毛筆で披露すると、その腕前に多くの中国インターネットユーザーからは、「最近では中国の学生でも、これだけきれいな漢字を書くことができる人はいない」と評価の声があがった。都市時報が報じた。

記事は、「その腕前から蒼井そらに書道経験があることは見てとれる。日本の芸能人がこれだけの書道の腕前を持つことは大したものだ。多くの中国人は『書道は中国が世界に誇る文化なのに、今では練習する人も少ない』と恥ずかしく感じている』と報じた。

  蒼井そらさんは中国で「先生」とも呼ばれており、そこには複雑な意味が含まれている。多くの中国人にとって蒼井は女優であると同時に、身体芸術家であり生理学の教師でもあるためだという。

  記事は、「彼女の書道を見た後は、みなが心から彼女を先生と呼ぶはずだ。彼女はわれわれに「慧外秀中(外見が美しく、内面が聡明(そうめい)であること)」の何たるかを体現し、何をなりわいとしようと内面的な修養が大切であることを教えてくれる。これに比べて、われわれの周りにいるパトカーに先導されて得意になっている俗っぽいアイドルなど、一見の価値もない」と評価した。

  蒼井そらさんが中国人に「講義」したのは今回が初めてではない。2010年4月、ミニブログで四川地震災害への募金を呼び掛け、多くの中国人を感動させた。当時、蒼井そらさんは中国のネットユーザーから「徳芸双馨(内面的徳と芸術の才能ともに優れていること)」の称号が贈られるとともに、「身体も心も美しい」との評価を獲得した。

  記事は、「中国にいる慈善詐欺スキャンダルのスターたちは自身を恥ずべきで、そのようなスターをありがたがっていた中国人は『人はみかけによらない』ことを悟るべきだ」と結んだ。(編集担当:畠山栄)

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