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エジプトとは似て非なる独裁制~中国株式会社の研究(98)

2011.02.18(Fri)JBプレス 宮家邦彦

 2月11日夜、エジプトのホスニ・ムバラク大統領があっけなく「退陣」した。軍はエジプト国民に発砲することなく、独裁者ムバラク一派という「がん細胞」を除去した。このニュースを中国共産党指導部はいかに受け止めたのだろうか。これが今回のテーマである。

 「ムバラクは甘い」「天安門事件のように徹底的に弾圧すべきだった」のか、それとも、「民主化は不可避かもしれない」「解放軍が再び国民に銃口を向ければ共産党に未来はない」と考えるのか。今回も中国政府に代わって勝手に答えてみよう。

ムバラク退陣:中国官民の反応!

2月12日、中国外交部報道局長は、「中国は一貫して事態の推移を注視してきた」としつつ、ムバラク退陣後のエジプト情勢について、「国家の安定と正常な秩序の早期回復につながることを希望する」と述べたそうだ。

 また、同日午前、新華社通信も「国際社会は平和的な政権移行を求めている」と配信した。さらにほぼ同時期、劉志軍鉄道部長が「重大な規律違反」、すなわち汚職で更迭されている。

 さすがは中国だ。打つべき手はちゃんと打っている。まるで他人事のように素っ気ないこれらの発表の行間には、中東の大規模デモが国内へ波及することを望まない中国政府の強い危機感が見え隠れする。

 もちろん、「民」の方も敏感に反応した。報道によれば、エジプト情勢に関する様々なコメントと中国政府批判が、ネット上に書き込まれては直ちに削除されているそうだ。例えば、次のようなものである。

●勇敢なエジプトの人たちに敬意を表す
●私たちにも早くこのような日が来ることを待ち望んでいる

●独裁が倒れる! 次は中国の番だ!
エジプト軍は発砲しなかった、彼らは(天安門事件で発砲した中国軍とは違う)「人民の軍隊」だ

 中国の若者の気持ちも分からないではないが、エジプト軍が発砲しなかったのは「人民のため」を思ったからだけではない。まあ、何とナイーブな人たちなのだろう。

エジプト軍と人民解放軍については前々回書かせていただいたので、ここでは別の角度から、今回のムバラク大統領退陣を巡る騒乱が中国に波及する可能性は低いと思う理由について書いてみたい。

エジプト合名会社」!

最大の理由は両国の独裁体制の違いである。改めて、今回のエジプト軍の政治的「立ち回り」を中国と比較してみると、つくづく「中国株式会社」というシステムがそれなりに「進化」した独裁体制であることがよく分かる。

 両体制とも建国はほぼ同時期(1949年と1952年)、いずれの革命でも軍は重要な役割を果たした。この点でも中国エジプトはよく似ている。

 しかし、その後の60年間に両国の軍は全く異なる歴史を歩んできた。

 中国では、文化大革命期を経て、1980年代から党中央は徐々に文民主体の集団指導体制に移行していった。「中国株式会社」の「株主」は数千万人もの共産党員であり、現在の「取締役会」メンバーは9人全員が文民である。

 最近「警備(人民解放軍)」部門が自己主張を強めているものの、過去30年、中国で「ガードマン」が政治的実権を握ることはなかった。中国の文民政府は、軍を統制しつつ、経済発展による国民生活の向上に精力を集中することができた。

 これに対し、エジプトでは革命後も軍が一貫して政治的実権を握り、与党・国民民主党は軍の「政治部門」に過ぎなかった。ムバラクが引き継いだ組織は中国のような「株式会社」ではなく、むしろ出資者・社員がほぼ全員軍関係者である「合名会社」に近い。

 そのエジプト合名会社の代表権をムバラクは「王朝化」し、次男に権力を「世襲」させようとした。このような「権力の私物化」に対し、エジプト国民が怒りの声を爆発させたのも当然であろう。

 合名会社の社員は全員が無限責任を負う。社長が「御乱心」となれば、顧客である国民の信頼は失墜し、その被害は直ちに会社全体に及ぶ。だからこそ、彼らはムバラク「社長」を直ちに更迭し、会社の再建を始めたのだろう。

 似たような一党独裁でも、さすがに中国ではムバラクエジプト北朝鮮のような政治権力の「王朝化」や「世襲」は起きなかった。

近年経済格差や腐敗・汚職に対する騒乱・暴動が多発してはいるものの、こうした文民・集団指導型の独裁体制こそが民衆の不満の爆発を巧妙に防いできたと言えないことはない。

インターネット検閲技術!

第2の理由はネット検閲技術の差である。

 今回のエジプトの騒乱はチュニジアでの政変が波及した結果だと言われる。

 両国とも若者の間でインターネット、特にフェイスブックやツイッターが普及し、それが大規模デモの動員に重要な役割を果たしたことは間違いない。

 例えば、フェイスブックはそのアラビア語版が立ち上がった2009年頃から急速に利用者が増え始め、2010年にはエジプトで500万人、チュニジアで200万人の利用者がいるとの統計もある。

 しかし、インターネットと言うなら、中国の方がはるかに進んでいる。エジプト中国が決定的に異なるのは、近年中国の検閲技術が飛躍的に進歩し、新しいネット媒体に対する党・政府の効果的な統制を可能にしていることだ。

 チュニジアエジプトでは高度なネット検閲という話など聞いたことがない。

 それどころか、今回のエジプトの例では、個別のきめ細かな検閲・規制ができなかったからか、騒乱が激しくなった時点で政府側がインターネットサービスそのものを停止するという事態になった。およそ中国では考えられない低レベルの話である。

 以前書いたように、中国ではいわゆる「グレートファイアウォール」から「グリーンダム」ソフトまで、考えられるすべてのコンピューター技術がネット検閲に活用され、それに膨大な資金と人材が投入されている。


エジプトのような「中途半端な」独裁では、フェイスブックなどを使ったデモの呼びかけには対抗できない。別に奨励するわけではないが、独裁政治をやるなら「中途半端」ではなく、中国のように「真面目に、徹底的に」やるしかないということか。

強靭な「中国株式会社」

というわけで、筆者は今回の中東における反政府運動のうねりが直ちに中国に波及するとは思っていない。

 一部にはイスラム圏である新疆ウイグル自治区への波及を予想する向きもあるが、仮にウルムチなどで小規模の騒乱が起きても、中国治安当局の備えは万全であり、封じ込めは十分可能だろう。

 必要ならいつでも国民に銃口を向ける。現場での徹底弾圧。これが中国のやり方だ。

 北京に波及しない限り、当面「中国株式会社」は安泰である。残念ながら、今回の中東での騒乱が直ちに中国に波及することはないだろう。

 エジプトの騒乱を見て、中国はこんなことを永遠に続けられるのかという「良心の声」は北京から全く聞こえてこない。悲しいかな、これが現在の中国の実態である。

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温家宝首相の夢は閉ざされたのか?

2011年2月17日(木)日経ビジネス 加藤嘉一

「加藤さん、中国の民主化はいつ実現するんですか?」

 2010年9月、尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件が発生して以来、拠点としている北京から、日本に帰国する機会が格段に増えた。テレビや新聞、雑誌やラジオの前で、チャイナイシュー、チャイナファクターに関して、お話させていただいている。日本社会の中国への関心が高まっている。可能な限り現地の状況、生の声を理解しようと努める国民の姿勢は、オールジャパンで対中外交・交流を展開していく時代において、武器になる。

 多くの日本国民が「中国」の対応に困惑したに違いない。レアアースの対日輸出を制限し、青少年交流を含めた数々の民間外交を自らストップさせた。中国共産党は一体何を考えているのか。西安、成都、鄭州、重慶など内陸都市で「反日」デモが立て続けに発生した。中国国民は、特にデモに参加した若者たちは日本をどう思っているのか。

 日本の記者やインテリ、政府関係者などと、中国について頻繁に語り合うようになった。最も頻繁に聞かれるのが、冒頭の問題である。

 「2020年から2025年の間くらいじゃないですか」

 中国各界の人間と議論するなかで、また北京を中心に、日ごろ筆者が埋没している現場の空気を察知するなかで、このように直感している。でも、実際のところはまるっきり分からない。根拠なんて無い。主観的観測でしかない。

 「中国の民主化がいつかなんて、胡錦濤さんに聞いてくれ。まあ国家主席である彼にだって、いつ、どのタイミングで民主化しようかなんて、分からないよ。そもそも、彼は2012年に、少なくとも形式上は第一線から退く。偉大な民主化のプロセスを推進する責任を、胡さんは負っていない。そしておそらく、次期リーダーに『内定』している習近平さんも同じ境遇を迎える。すなわち、民主化にむけてのロードマップを明言することなどできない」。

 以上は、筆者のささやかな内心である。そもそも、何をもって「中国が民主化した」とみなすのだろうか。国家主席を国民の直接選挙によって決めることなのか。日本の国会に当たる全国人民代表大会全人代)に、国民の意思を反映するチェック機能を持たせ、議院内閣制のようなシステムを構築することなのか。報道・言論の自由を認め、プロパガンダ政策を廃止することなのか。司法の独立を確立し、政治や暴力が法律やルールの上にはびこる現状を覆すことなのか。それとも、出版や宗教、集会や結社の自由を保障することなのか。

 中国で蓄積してきた経験から自信を持って主張したい。首脳部の中にもコンセンサスはない。ましてや、具体的な手順・ロードマップ--中国共産党における最大級の機密ドキュメント――なんて存在しない。


中国共産党は党主導による民主化のソフトランディングを狙っている!

 前回コラム「中国共産党にとって最大のタブーとは? それは。。。」の最後で、「天安門事件」が後世に残した意味を問うた。この史実が、何を意味し、その後の中国民主化プロセスにどう影響しているのだろうか、という問題提起であった。


結論から申し上げよう。

 1989年、春夏が交わるころ、鄧小平が軍の出動を決断し、暴力的に鎮圧した天安門事件は、中国の民主化プロセスを後退させた。

 中国共産党は、あの事件を経て、若者の間に民主化への欲求が、全国各地に存在することを痛感させられた。特に、物価の高騰や格差の拡大によって経済成長にゆがみが生じ、社会が不安定になったときに、民主化への欲求が党に対する不満へと変化し、ちょっとのきっかけで爆発してしまうことを、思い知った。

 中国には「中南海記者」と呼ばれる政治ジャーナリストたちがいる。日本で言えば永田町、アメリカで言えばホワイトハウスに、常に張り付いている人たちだ。中国における記者の中では、最も特別で、“神秘的”と言ってもいい分類に入る。そのうちの1人が以前、筆者に語ってくれた「中国政治の底線」(底線とは、ボトムラインの意味)が、脳裏に焼きついて離れない。

 「我が党の首脳部は、なんとか和平演変の道筋を探っている。いつになるかは誰にも分からないが、時期が熟したころ、自ら主体的に、民主化のソフトランディングを実現させたいと思っているんだ。逆に、一番恐れているのは、再び天安門に学生が集まり、全国民が呼応し、結果的に党の主導で軍を出動させざるを得なくなることだ」

 彼は続ける。

 「今の時代は1989年当時とは異なる。インターネットや携帯電話が急速に普及し、7500万人程度の共産党ネットワークでは、とても管理できない。情報力という意味では、国民はすでに国家を上回っているんだよ。仮にもう1回天安門事件が起きれば、今度は全く違った展開になることは間違いない。全国主要都市の広場に民主化を要求する学生が集まり、外国メディアと組んでクーデターを狙う局面する出てくるかもしれない」

 彼は最後に結論付けた。

 「そして共産党は、国際社会で孤立無縁になることを、極端に恐れている。自国の経済発展が世界経済と1つにつながっていることを考えれば、なおさらだ」


もう一度、天安門事件が起きたら共産党は統率力を失う

 最大のジレンマである。仮にもう一度、天安門事件が起きた場合、その規模や勢いは確実に前回を上回る。理由は通信技術の発達だ。中国ツイッター中国ユーチューブなどを国民が日常的に愛用している。情報は一瞬にして数万、数千万、数億人に伝わる。百戦錬磨の中国共産党でも対応できない。

 デモを収めるためには、やはり軍の出動が不可欠になってしまう。全国規模で若者と軍が真っ向から対峙する局面を、国際社会はどう見るだろうか。そもそも、軍を出動さえすれば、前回のように鎮圧に成功するなんていう保証は、どこにも無い。

 共産党幹部の一人が筆者に語った。「学生デモのように、共産党へのアンチテーゼとしての事件が起きれば、首脳部は必ず迷う――軍を出動させ、武力で鎮圧すべきかどうか。最高意思決定機関である政治局常務委員9人の間でも、意見が割れてしまう。中央から地方へ、党から軍部へ、政府からインテリへと無限大に伸びる権力闘争につながって、ガバナンスが一気に混乱する可能性が出てくる。そうなると、共産党は完全に統率力を失ってしまう」

1つ付け加えるならば、今日の国家リーダーは、天安門事件当時の鄧小平氏に比べて、個人としてのカリスマ性において劣っている。集団指導体制に移行してきたからだ。リーダーシップよりもチームワークが求められるということだ。これからのリーダーは、よりいっそうこの傾向を強めていくだろう。

 1980年代後半には、胡耀邦という「中国民主化の星」がいた。その死が、学生が民主化を要求するきっかけとなった。昨今のポリシーメーカーは、「きっかけ」の再現を恐れている。だからこそ、国民の目を経済の成長と社会の安定のみに集中させ、政治的な自由を求める余裕を与えないように、慎重にガバナンスをしている。一切の「きっかけ」をつぶそうとしている。


民主化にかける温家宝首相の思い!

 その意味で言うと、劉暁波氏がノーベル平和賞を獲得したのは、その「きっかけ」になり得た。劉氏は、リベラル派の一部インテリから「中国民主化の星」と慕われている。共産党は「西側諸国、ノーベル平和賞委員会の野蛮な行為である。中国の国情・体制を全く尊重していない」と強く批判したが、内心はヒヤヒヤだっただろう。劉暁波氏の存在が、中国一般民衆、学生の間ではそれほど知られておらず、影響力も無かったことが、幸いした。

 2010年8月20~21日にかけて、温家宝首相が、経済特区として改革開放をリードしてきた広東省の深セン市を視察で訪れた。演説の中で、温首相は指摘した。

 「経済体制改革だけでなく、政治体制改革も推進しなければならない。政治改革なき経済改革は、その成果が長持ちせず、効果的ではない。近代化建設の目標も実現しない」

 共産党首脳部としてはそうとう思い切った、突っ込んだ発言である。温首相は同年3月、毎年行う「政府工作報告」の中でも、全く同じ発言をしている。

 実は、天安門事件が勃発する前、1986年6月28日の中央政治局常務委員会において、鄧小平氏が全く同様の発言をしている。政治体制を変えなければ、経済成長は持たない。言い換えれば「民主化なき経済建設は長続きしない、必ずどこかで障害が出てくる」ということを主張しているのだ。

 2012年に第一線から退く温首相の「最後の奮闘」は海外政府・メディアの間では重用された。中国国民、あるいは世界の市民にとって、「中国民主化の星」になるのでは、とすら騒がれた。

 ただ中国国内では、それほどの反響はなかった。民衆に対して説得力を持ったわけでもない。経済政策の舵取りにここ数年奔走した温首相は、疲れきっている。共産党内では、むしろ孤立している雰囲気すらある。

 民主化への道は、塞がってしまったのだろうか。



第一列島線
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%88%97%E5%B3%B6%E7%B7%9A

米軍の接近を封じて同盟は「ゲームチェンジ」!

2011.02.17(Thu)JBプレス 古森義久

中国の軍拡が、いよいよ日米同盟の核心にまで重大な影響を与える可能性が浮上してきた。もっと分かりやすく述べれば、日米同盟を骨抜きにしかねない不吉な展望なのである。

 米国としても、アジアでの確実なプレゼンスを保つために日米同盟の維持は不可欠だろう。だが、その同盟の機能が、中国の軍拡という新たな要因によって、これまで通りには期待できなくなった。そうなれば、日米同盟自体の意味が深刻に問い直されることともなる。

 ワシントンでは、もうそんな議論が始まっているのだ。

まるで野球からサッカーに変わるように同盟関係が激変
 米国の気鋭の中国軍事研究者たちが、上記のような懸念を正面から指摘するようになった。アジアにおける日本との同盟関係は、今や「ゲームチェンジ(根本的な変化)」に直面した、というのである。

 ワシントンではこのところ中国の軍拡が極めてホットな論題となっている。エジプトムバラク大統領辞任も大事件ではあるが、中国の軍拡は中長期のスパンで論じなければならない大テーマとなっているのだ。

 これについて議論したイベントの1つが、2月9日に「国家政策センター」の主催で開催されたセミナー「中国の軍事力の台頭=米国とその同盟諸国にとっての結果」だった。

 このセミナーはタイトルどおり、中国の軍拡によって日米同盟などに大きな変化が出てきたという認識が大前提となっていた。

 セミナーでは米海軍大学教授のアンドリュー・エリクソン氏、新アメリカ安全保障センターの研究員エブラハム・デンマーク氏、ランド研究所研究員のロジャー・クリフ氏の3人が見解を述べた。みな米国の政府や軍の関連機関で活躍してきた中国問題や軍事問題の中堅の専門家たちである。

 3人とも、「中国の軍事力増強が米国の従来の同盟関係を根本から変えつつある」という「ゲームチェンジ」現象を提起し、警告するという点で共通していた。

ちなみにゲームチェンジというのは、それまで競技していたゲームが、例えば野球からサッカーに変わってしまうほど根本から変化してしまうことを指す。単にルールやスコアの変化ではなく、ゲーム自体が他の競技になってしまうというわけだ。

「第1列島線」の中に米軍を近づけさせない!

 この「日米同盟ゲームチェンジ論」をエリクソン氏の発言から紹介しよう。

 同氏は中国の海軍力の研究を専門とし、米国海軍大学で教えるほか、自ら「洞察中国」と題する研究所も主宰している。中国の軍事力の研究を主眼とし、その同盟諸国への影響も一貫してフォローしている気鋭の学者である。

 今の米国の安全保障関連の分野では、この種の中国軍事専門研究者が数を増してきた。その1人であるエリクソン氏は、次のような趣旨を報告するのだった。

 「中国は東アジアにおいて、米国の軍事力を正面から抑えつけようと試みる最初の国家となってきた。具体的には、第1列島線と呼ぶ日本、台湾フィリピンを結ぶ海域内で、米軍に対する接近阻止能力を強化しつつある。

 第1列島線は南シナ海、東シナ海、黄海が主体となる。この海域内で中国が軍事行動に出ると、米軍が急遽、出動して反撃あるいは抑止に出る。この米軍の『接近』の動きを、中国が阻止しようという能力を強めているのだ。

 有事が発生した際、米軍が現場に接近できなければ、米国のアジアでの同盟の意味は大きく変わってしまう。

 例えば、南シナ海での有事の際に、米軍の空母ジョージ・ワシントンが横須賀から現地に接近できなくなってしまうという事態が起こり得る。これがゲームチェンジなのだ」

 エリクソン氏は、東シナ海もこの「根本的な変化」の舞台になるとしている。つまり、東シナ海の尖閣諸島を巡る有事が発生した際も、同様の懸念が向けられることとなる。

中国軍が尖閣諸島を突然攻撃し、米軍が日本の支援のために艦艇を急派しても、その接近が阻止されるというシナリオが浮かび上がるのだ。そのシナリオが現実となれば、米軍が日本を防衛できない日米同盟ともなってしまう。

 中国の軍拡が日米同盟を根本から揺るがしているというのは、こういう事情なのである。

宇宙の軍事利用にも関心!

 エリクソン氏は中国の軍拡について、さらに具体的な指摘をした。

 「中国軍は第1列島線内でハイテク兵器を投入し、海上と航空と宇宙とを組み合わせる立体的な戦略を強化している。この戦略は時には『航空航天』とか『空天一体化』とも呼ばれる。

 具体的には、対艦攻撃用の弾道ミサイルおよび巡航ミサイルの開発と強化、潜水艦の増強、潜水艦発射の対艦ミサイルの強化、独自の空母の配備、そして米軍の人工衛星を破壊する能力の強化などだ」

 「中国は、米軍の戦力が通信衛星や偵察衛星の機能に大きく依存することを特に重視して、宇宙の軍事利用に関心を向けている。米国の衛星を破壊するミサイルの開発を進めるとともに、中国独自のGPS(全地球測位システム)を2015~2020年までに完成させようとしている。

 空母については、中国軍はすでにウクライナから購入した大型空母『ワリヤーグ』を使って、艦載機の発着の本格的な訓練を開始した。潜水艦については、ディーゼルと原子力という両タイプの新型艦の開発を大々的に進めている」

 エリクソン氏がこのように指摘する中国側の動きは、すべて東アジア、太平洋における米軍、特に米海軍の抑止力を削ぐことを目的にしている。

 このまま中国の軍拡が思惑どおりに進めば、日米同盟はやがて「ゲームチェンジ」を迫られる、というよりも骨抜きにされてしまうだろう。

 エリクソン氏らの「中国の軍事力の台頭」報告は、そんな警告の発信とも言えるのである。

北方領土問題
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%96%B9%E9%A0%98%E5%9C%9F%E5%95%8F%E9%A1%8C

軍拡は単なるポーズ、政府は冷静沈着な対応を!

2011.02.17(Thu)JBプレス 小泉悠

昨年のドミトリー・メドベージェフ大統領による北方領土訪問に続き、ロシア政府・軍高官の北方領土訪問が相次いでいる。さらに、これを「許し難い暴挙」と呼んだ菅直人首相の発言を巡って、北方領土を巡る日露関係は俄かに緊張局面に入ってきた。

「北方領土を守るために最新鋭設備を導入する」!

こうした中で、今年2月10日、ロシアのメドベージェフ大統領は北方領土訪問を終えたばかりのアナトーリー・セルジュコフ国防相らと会談し、同地域の軍事力を増強する方針を示した。

 北方領土は「ロシアの戦略的地域」であり、その防衛を全うするために最新装備を導入するという。

 現在、北方領土に配備されている軍事力の主力は、第18機関銃砲兵師団と呼ばれる部隊である。

 2008年頃まで、ロシア軍には23個の「師団」(各定員1万2000~2万4000)が存在していたが、このうち22個師団は軍改革の過程で解体され、より小規模な「旅団」(定員3500人程度)に改編された。

 つまり、北方領土の第18機関銃砲兵師団は、ロシア軍に唯一残された師団ということになる。

 旅団が敏速な機動性を特徴とするのに対して、北方領土だけは地域張り付け型の師団編成を維持することで、あくまで同地域を軍事的に固守する意図を示す狙いがあると思われる。

ロシア唯一の師団、その戦力やいかに!


では、その戦力はどれほどのものなのだろうか。

 ソ連末期の1991年の時点で、同師団には9500人程度の兵力が配備されていたとされる。その後、1995年までに兵力は3500人程度まで激減し、現在までほぼ横ばい状態が続いているようだ。

 また、かつては約40機の「MiG-23」戦闘機が択捉島のブレヴェストニク(旧・天寧)飛行場に配備されていたが、これも1990年代中にすべて撤退し、現在常駐しているのは陸軍航空隊のヘリコプターや物資輸送用の小型輸送機程度と見られる。

 質の面で言えば、同師団の装備は全ロシア軍中で最も旧式な部類に入る。

昨年夏に実施された大演習「ヴォストーク(東方)2010」には第18師団も参加したが、その装備は、1950年代配備の「T-55」戦車をはじめ、1950~60年代の骨董品のような兵器ばかりであった。

骨董品よりはましな戦車部隊へ改編!


 もともと「機関銃砲兵師団」というカテゴリーは、2線級装備の地域防御部隊であるため、苦しい予算事情の中で装備更新が最後まで後回しにされてきたようだ。

 これに対して、昨年以降、北方領土周辺の軍事力を再編する動きが見られるようになってきた。

 手始めは択捉島に駐留する戦車部隊の近代化で、これまでのT-55に代わって「T-80BV」が配備された。T-80も1976年から配備が始まった戦車なので、決して新型とは言い難い。

 しかし、依然としてロシア軍の多くの部隊で使用されている主力戦車であり、T-55に較べればはるかに有力な戦力と言える

 また、前述のメドベージェフ大統領とセルジュコフ国防相の会談では、ブレヴェストニク飛行場を拡張してより大型のジェット輸送機「Il-76」の離発着を可能にする方針も示されている。

最新型の防空システムを配備する、しない?

さらに、2月10日付の「インターファックス」通信が国防省筋の情報として伝えたところによれば、北方領土駐留部隊の近代化は装甲車両や火砲の近代化程度にとどまる。

 一部で報じられた「S-400」広域防空システムを含む大型兵器の追加配備や人員の増強は予定されていないという。

 代わりに、従来の師団編成を他地域並みに旅団へと改編することで、機動性の向上や即応能力の向上を図るとしている。

 こちらの見方の方が正しいとするならば、北方領土の兵力は「増強」されるというよりも、装備の近代化や作戦遂行能力の向上によって質的に強化されると考えられよう。

 しかし、15日付の「RIAノーヴォスチ」通信は、参謀本部高官の談話として、北方領土にS-400を含む防空部隊を配備するほか、旅団化は行わずに師団編成を維持するとの見通しを伝えており、まだ具体的な計画が固まっていないことを窺わせる。

さらにロシアは、2隻の大型揚陸艦を太平洋艦隊に配備する方針を打ち出している。

フランスから導入するミストラル級強襲揚陸艦を配備!


これはフランスから導入することが決まった「ミストラル」級強襲揚陸艦で、最大900人(通常は450人)の兵員と、戦車13両または装甲戦闘車両60両を搭載可能。

 空母のような飛行甲板から16機のヘリコプターを運用できるほか、艦尾にウェルドックと呼ばれる設備を備え、ここから上陸用舟艇(最大4隻)やホバークラフト型揚陸艇(最大2隻)を繰り出して立体的な上陸作戦を実施する能力を持つ。

 さらに「SENIT-9」戦場情報処理システムを備え、自艦のレーダーや敵味方識別装置、あるいは味方艦艇や航空機からの情報を総合して戦況を自動的に把握しつつ、味方部隊を指揮する能力を有しているのも大きな特徴だ。

 ロシアが「ミストラル」導入を決めたのは、2008年8月のグルジア戦争後のことである。

 当時、ロシア黒海艦隊は増援兵力をアブハジア(南オセチアと並ぶグルジアからの分離・独立地域)に緊急輸送したが、旧式の揚陸艦しか持たないため、陸揚げ作業に26時間もかかってしまった。

なぜミストラルを黒海ではなく太平洋に配備するのか!

 わずか5日間の戦争において、26時間の遅れは大きい。この苦い経験に基づき、上陸作戦能力を飛躍的に向上させる手段として検討されたのが「ミストラル」だったわけである。

 では、なぜ、「ミストラル」は黒海艦隊ではなく太平洋艦隊に配備されるのか。ロシア側からの説明には2通りある。

 第1に、「ミストラル」はロシアから遠く離れた地域での上陸作戦や災害救援、海賊対処といった兵力投射(パワープロジェクション)のために導入されるものであり、従って外洋展開を任務とする太平洋艦隊(と北方艦隊)に配備する、というブルツェフ海軍副司令官の説明がある。

 実際、太平洋艦隊はソマリア沖合での海賊対処任務を継続して行っているし、揚陸艦を災害救援等に使うのは我が国を含む各国の運用例を見ても一般的な運用法と言える。

しかし、第2に、「ミストラル」を北方領土防衛用と位置づける説明も見られる。例えば、昨年6月、制服組のトップであるニコライ・マカロフ参謀総長は「ミストラル」導入の目的として、「北方領土を占領された場合に奪還するための逆上陸用」などと説明していた。

グルジア国境にしか配備していない最新兵器!

また、今年2月9日頃にも国防省筋の情報として、「ミストラル」の目的は北方領土防衛用であると報じられている。

 ちなみに、ミストラルはフランスのサン・ノゼール造船所で建造される予定で、1番艦の竣工は2013年の見込み。実際にロシア海軍に配備されるのは2014~15年頃になるだろう。

 なお、太平洋艦隊唯一の上陸作戦部隊である第155海軍歩兵旅団でも、装備改編が予定されている。昨年の報道によれば、今後、「T-90A」戦車や「BMP-3」歩兵戦闘車が配備されるという。

 これらはいずれも首都周辺やグルジア国境にしか配備されていない新兵器だ。新鋭揚陸艦にあわせて上陸部隊も最新装備に更新しようという意図が窺われる。

 以上のように、北方領土のロシア軍には今後、一定の戦闘能力向上が見込まれる。また、「ミストラル」配備によって極東における上陸作戦能力が高まることも確かであろう。

揚陸艦だけが最新鋭、その他はすべて旧式のまま!

 ただし、それも程度問題ではある。前述のように、北方領土の兵力は今後とも3500人規模にとどまる見込みであり、装備近代化も地上部隊の装備更新(それも戦車は在来型のT-80)や防空システムの近代化程度にとどまる。

 一方、戦闘機や爆撃機、戦術弾道ミサイルといった攻撃的兵器の配備ついては国防相も参謀本部も言及していない。

 海上兵力に関して言えば、揚陸艦だけが最新鋭になっても、それを護衛すべき艦艇は軒並み旧式化している。

 太平洋艦隊では水上戦闘艦や潜水艦の更新がほぼ20年にわたって途絶えており、しかも主力であった2隻の原子力巡洋艦は退役してしまった。


そのうえ、太平洋艦隊向けに建造されている新型艦は、今のところ警備艦とミサイル艇それぞれ1隻のみであり、当面は旧式艦が主力とならざるを得ない状況だ。

ロシアの太平洋艦隊に比べれば近代的な戦力を持つ自衛隊!


これに対して自衛隊は、6隻のイージス艦を含む48隻の大型護衛艦と16隻の通常動力型潜水艦(艦齢16年以内)を擁するほか、空対艦ミサイルを4本搭載する「F-2」支援戦闘機や88式地対艦ミサイル連隊によって飽和攻撃を行う能力を持つ。

 さらに北海道には陸上自衛隊のほぼ3分の1に当たる4個師団・旅団が配備されており、そのうち1個は機甲師団である第7師団だ。

 ロシア軍が極東でよほど極端な軍拡に打って出ない限り、軍事的な抑止力は十分に保たれていると言える。

 ロシア側としても、北方領土問題で日本とことを構える意図は薄いと思われる。

 そもそも、これまで2線級部隊しか配備されていなかったことからしても、ロシア側が北方領土問題に軍事的切迫性を感じてこなかったことは明らかである。

ロシアの口車に乗って損をするのは日本!

 また、昨年、9年ぶりに改訂された「軍事ドクトリン」では、「ロシアへの領土要求」という項目のランクが大幅に引き下げられている。

 従って、ロシアが北方領土の軍事力近代化によって何かを達成しようとしているとすれば、それは政治的性格を帯びたものと考えられる。

 それが何であるにせよ、北方領土問題を政治・軍事的にショウアップするのが狙いである以上、2~3の新兵器配備をセンセーショナルに騒ぎ立てることはロシアを利する結果しかもたらさないだろう。

 常に注意は払いつつ、しかし冷静にロシア軍の動向を見極めていく必要がある。

 

 

 

羅先特別市
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%85%E5%85%88


中国モンゴルも注目する日本海側の要衝!

2010.05.17(Mon)JBプレス 秋山小太郎 

2010年5月3日朝。北朝鮮の最高指導者・金正日キム・ジョンイル)労働党総書記を乗せた特別列車が鴨緑江(アムノッカン)に架かる橋を渡り、2006年1月以来4年ぶりとなる中国訪問が実現した。総書記が最初に訪ねたのが、中国東北部の貿易港・大連。北東アジア情勢に通じた者であれば、そこで頭に浮かんだのは「今回の訪中のポイントは羅先(ラソン)」(韓国の北朝鮮研究者)という考えであろう。

国境の開発促進、中朝で足並み揃える!

 羅先。以前は「羅津(ラジン)・先鋒(ソンボン)」と呼ばれたこの都市は、中国ロシアとの国境に近い北朝鮮北東部に位置する。羅津港は冬でも凍らない「不凍港」で、日本海側の交通の要衝と言える地だ。

 北朝鮮は1991年、羅津・先鋒を最初の自由経済貿易都市に指定し、いよいよ改革・開放に舵を切るのかと注目を集めた。しかし、香港資本のホテルなどが進出したものの、法制度をはじめ外国企業が投資に踏み出す条件が整備されず、開発は進展しないまま。様々な計画が浮かんでは消え、大きな進展がないまま20年近い時間が過ぎ去った。

 風向きが変わったのは2009年の末頃からだ。国営メディアの朝鮮中央通信は12月16日、金総書記が羅先の水産品加工工場などを視察し、「対外貿易発展のためには輸出計画を正しく立案し」なければならないなどと直々に指示したと報じた。続いて2010年1月、羅先を「特別市」とする一方、外資誘致を主導する国家開発銀行を設立するなど、動きを活発化させた。

金総書記が今回、大連を訪れたのは、大連を羅先のモデルと意識していることを示す狙いがあるのは明白だ。

 5月5~6日に北京で開かれた中朝首脳会談では、「経済・貿易分野で協力を深めたい」と呼び掛けた胡錦濤国家主席に、金総書記が「中国企業の朝鮮への投資を歓迎する」と応じ、この問題で息の合ったところを見せた。温家宝中国首相も「国境地域でインフラ建設を加速する」と言明。羅先をめぐり、港湾施設の拡充や、中国国境からの道路網整備が進むとの期待が高まっている。

中国・東北3省開発の物流拠点に!


ところで、北朝鮮の経済開発でここ数年、目立っていたのは韓国に近い名勝地・金剛山(クムガンサン)と軍事境界線付近の古都・開城(ケソン)だ。前者は観光開発、後者は大規模工業団地の造成で、いずれも韓国企業が絡む。

 ただ、李明博イ・ミョンバク)大統領就任後は南北関係が冷却化し、両事業とも停滞している。金剛山では4月、朝鮮戦争で離れ離れになった「離散家族」を再会させる交流事業のために造られた面会所など韓国政府が所有する施設が「没収」され、職員も退去した。「開城でも早晩、強硬措置を取る可能性がある」(元韓国政府高官)との観測が根強い。

 羅先と金剛山、開城の状況を対比すると、北朝鮮は経済開発の軸足を羅先に移したと考えて差し支えない。

 中国政府にとって、上海や広州といった中南部の沿海地域に比べて発展が遅れた遼寧・吉林・黒竜江の東北3省の経済開発は急務だ。その際、東北3省の石炭や穀物を搬出し、工業用原材料や部品を3省の工場に持ち込むための輸送路の構築が、ポイントになる。

 現在、輸送ルートの要になっているのが大連だが、吉林省の省都で東北部を代表する工業都市でもある長春から大連まで、鉄道で700キロメートル。一方、長春から羅先までは単純に直線で結べば400キロ程度だ。長春よりも日本海寄りの延辺朝鮮族自治州、ロシア国境に近い黒竜江省などで考えれば、羅先の地理的優位は明らかだ。

中国が羅先に着目する理由は、中南部への物資・食料の搬出拠点と位置付けているからと考えてよい。経済成長に伴い、中南部の石炭・鉱物資源の需要は一段と増加するのは確実で、小麦など穀物の消費量も伸びる。東北3省から海上ルートでそれらを運ぶのが、中国側の思惑だろう。羅先の開発が前回、話題になった2005年に、中国・浙江省の企業グループも参画を計画していたことも、そうした見方を裏付ける。

 気になるのは、大連に本社を置く企業グループが2008年、羅津港の埠頭の一部について10年間の独占使用権を獲得したとされる話だ。

日本メディアは金総書記訪中報道の中で「大連は北東アジア有数の貿易港」と褒めそやしたが、めざとい中国のビジネスマンは、羅先が発展すれば先々、大連の地盤沈下もあり得ると踏んでいるのではあるまいか。大連の企業が羅先に投資するのは「保険」の意味があるのかもしれない。

 現在の北東アジアの安全保障環境からは考えづらいが、羅先が将来、日本にとっても重要拠点になる可能性は否定できない。数年前になるが、朝鮮半島情勢に詳しい消息筋から「トヨタ自動車の長春の工場に日本から部品を運ぶにも、大連より羅先を使う方が早い」と指摘されたことがある。日本の大手商社関係者が「大連は港の施設利用料が高い」とこぼすのを耳にした経験もあるだけに、日本も中長期的な視点から羅先の存在意義を考える必要があると確信する。

朝青龍も羅先開発に参戦?

朝青龍が平壌に行っていた」──。モンゴルからの訪朝団に、元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏が含まれていたことが、朝鮮中央通信が4月22日に配信した写真で明らかになり、日本の大相撲関係者だけでなく各界に軽い衝撃が走った。

 モンゴル政府と羅先は今回、経済協力覚書を締結しており、「朝青龍の関係する企業も、羅先事業に出てくるのだろう」(日本政府筋)とみられる。

 モンゴルの石炭や鉱物資源、ウランに各国の関心が集まるが、「モンゴルは内陸国だし、輸送ルートが確保できないとビジネスの対象にならない」(大手商社資源部門担当者)。そのため、日本海への拠点として羅先の権益獲得に動いたのが、今回の訪朝の理由だ。

 モンゴルは歴史的に中国を脅威と感じる一方、北朝鮮との関係は悪くない。その点からも、羅先に着目することに違和感はない。

また、不凍港を戦略的に重視するロシアも、羅津港の埠頭の使用権を得たとされる。国際的な物流拠点に成長する可能性を秘める羅先をめぐって、周辺諸国がさまざまな布石を打っている。

 翻って日本は、日本人拉致問題や核・ミサイル開発を理由に対北経済制裁を行い、北朝鮮に関しては「思考停止状態」(日朝関係筋)。羅先に限らないが、朝鮮半島情勢が急転し、気がついてみたら日本だけが取り残されていたということにならないよう、今のうちから「頭の体操」は進めておくべきだ。北朝鮮の事情に通じた日本人の中には、そう考える者が少なくない。

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