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北方領土問題
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%96%B9%E9%A0%98%E5%9C%9F%E5%95%8F%E9%A1%8C

軍拡は単なるポーズ、政府は冷静沈着な対応を!

2011.02.17(Thu)JBプレス 小泉悠

昨年のドミトリー・メドベージェフ大統領による北方領土訪問に続き、ロシア政府・軍高官の北方領土訪問が相次いでいる。さらに、これを「許し難い暴挙」と呼んだ菅直人首相の発言を巡って、北方領土を巡る日露関係は俄かに緊張局面に入ってきた。

「北方領土を守るために最新鋭設備を導入する」!

こうした中で、今年2月10日、ロシアのメドベージェフ大統領は北方領土訪問を終えたばかりのアナトーリー・セルジュコフ国防相らと会談し、同地域の軍事力を増強する方針を示した。

 北方領土は「ロシアの戦略的地域」であり、その防衛を全うするために最新装備を導入するという。

 現在、北方領土に配備されている軍事力の主力は、第18機関銃砲兵師団と呼ばれる部隊である。

 2008年頃まで、ロシア軍には23個の「師団」(各定員1万2000~2万4000)が存在していたが、このうち22個師団は軍改革の過程で解体され、より小規模な「旅団」(定員3500人程度)に改編された。

 つまり、北方領土の第18機関銃砲兵師団は、ロシア軍に唯一残された師団ということになる。

 旅団が敏速な機動性を特徴とするのに対して、北方領土だけは地域張り付け型の師団編成を維持することで、あくまで同地域を軍事的に固守する意図を示す狙いがあると思われる。

ロシア唯一の師団、その戦力やいかに!


では、その戦力はどれほどのものなのだろうか。

 ソ連末期の1991年の時点で、同師団には9500人程度の兵力が配備されていたとされる。その後、1995年までに兵力は3500人程度まで激減し、現在までほぼ横ばい状態が続いているようだ。

 また、かつては約40機の「MiG-23」戦闘機が択捉島のブレヴェストニク(旧・天寧)飛行場に配備されていたが、これも1990年代中にすべて撤退し、現在常駐しているのは陸軍航空隊のヘリコプターや物資輸送用の小型輸送機程度と見られる。

 質の面で言えば、同師団の装備は全ロシア軍中で最も旧式な部類に入る。

昨年夏に実施された大演習「ヴォストーク(東方)2010」には第18師団も参加したが、その装備は、1950年代配備の「T-55」戦車をはじめ、1950~60年代の骨董品のような兵器ばかりであった。

骨董品よりはましな戦車部隊へ改編!


 もともと「機関銃砲兵師団」というカテゴリーは、2線級装備の地域防御部隊であるため、苦しい予算事情の中で装備更新が最後まで後回しにされてきたようだ。

 これに対して、昨年以降、北方領土周辺の軍事力を再編する動きが見られるようになってきた。

 手始めは択捉島に駐留する戦車部隊の近代化で、これまでのT-55に代わって「T-80BV」が配備された。T-80も1976年から配備が始まった戦車なので、決して新型とは言い難い。

 しかし、依然としてロシア軍の多くの部隊で使用されている主力戦車であり、T-55に較べればはるかに有力な戦力と言える

 また、前述のメドベージェフ大統領とセルジュコフ国防相の会談では、ブレヴェストニク飛行場を拡張してより大型のジェット輸送機「Il-76」の離発着を可能にする方針も示されている。

最新型の防空システムを配備する、しない?

さらに、2月10日付の「インターファックス」通信が国防省筋の情報として伝えたところによれば、北方領土駐留部隊の近代化は装甲車両や火砲の近代化程度にとどまる。

 一部で報じられた「S-400」広域防空システムを含む大型兵器の追加配備や人員の増強は予定されていないという。

 代わりに、従来の師団編成を他地域並みに旅団へと改編することで、機動性の向上や即応能力の向上を図るとしている。

 こちらの見方の方が正しいとするならば、北方領土の兵力は「増強」されるというよりも、装備の近代化や作戦遂行能力の向上によって質的に強化されると考えられよう。

 しかし、15日付の「RIAノーヴォスチ」通信は、参謀本部高官の談話として、北方領土にS-400を含む防空部隊を配備するほか、旅団化は行わずに師団編成を維持するとの見通しを伝えており、まだ具体的な計画が固まっていないことを窺わせる。

さらにロシアは、2隻の大型揚陸艦を太平洋艦隊に配備する方針を打ち出している。

フランスから導入するミストラル級強襲揚陸艦を配備!


これはフランスから導入することが決まった「ミストラル」級強襲揚陸艦で、最大900人(通常は450人)の兵員と、戦車13両または装甲戦闘車両60両を搭載可能。

 空母のような飛行甲板から16機のヘリコプターを運用できるほか、艦尾にウェルドックと呼ばれる設備を備え、ここから上陸用舟艇(最大4隻)やホバークラフト型揚陸艇(最大2隻)を繰り出して立体的な上陸作戦を実施する能力を持つ。

 さらに「SENIT-9」戦場情報処理システムを備え、自艦のレーダーや敵味方識別装置、あるいは味方艦艇や航空機からの情報を総合して戦況を自動的に把握しつつ、味方部隊を指揮する能力を有しているのも大きな特徴だ。

 ロシアが「ミストラル」導入を決めたのは、2008年8月のグルジア戦争後のことである。

 当時、ロシア黒海艦隊は増援兵力をアブハジア(南オセチアと並ぶグルジアからの分離・独立地域)に緊急輸送したが、旧式の揚陸艦しか持たないため、陸揚げ作業に26時間もかかってしまった。

なぜミストラルを黒海ではなく太平洋に配備するのか!

 わずか5日間の戦争において、26時間の遅れは大きい。この苦い経験に基づき、上陸作戦能力を飛躍的に向上させる手段として検討されたのが「ミストラル」だったわけである。

 では、なぜ、「ミストラル」は黒海艦隊ではなく太平洋艦隊に配備されるのか。ロシア側からの説明には2通りある。

 第1に、「ミストラル」はロシアから遠く離れた地域での上陸作戦や災害救援、海賊対処といった兵力投射(パワープロジェクション)のために導入されるものであり、従って外洋展開を任務とする太平洋艦隊(と北方艦隊)に配備する、というブルツェフ海軍副司令官の説明がある。

 実際、太平洋艦隊はソマリア沖合での海賊対処任務を継続して行っているし、揚陸艦を災害救援等に使うのは我が国を含む各国の運用例を見ても一般的な運用法と言える。

しかし、第2に、「ミストラル」を北方領土防衛用と位置づける説明も見られる。例えば、昨年6月、制服組のトップであるニコライ・マカロフ参謀総長は「ミストラル」導入の目的として、「北方領土を占領された場合に奪還するための逆上陸用」などと説明していた。

グルジア国境にしか配備していない最新兵器!

また、今年2月9日頃にも国防省筋の情報として、「ミストラル」の目的は北方領土防衛用であると報じられている。

 ちなみに、ミストラルはフランスのサン・ノゼール造船所で建造される予定で、1番艦の竣工は2013年の見込み。実際にロシア海軍に配備されるのは2014~15年頃になるだろう。

 なお、太平洋艦隊唯一の上陸作戦部隊である第155海軍歩兵旅団でも、装備改編が予定されている。昨年の報道によれば、今後、「T-90A」戦車や「BMP-3」歩兵戦闘車が配備されるという。

 これらはいずれも首都周辺やグルジア国境にしか配備されていない新兵器だ。新鋭揚陸艦にあわせて上陸部隊も最新装備に更新しようという意図が窺われる。

 以上のように、北方領土のロシア軍には今後、一定の戦闘能力向上が見込まれる。また、「ミストラル」配備によって極東における上陸作戦能力が高まることも確かであろう。

揚陸艦だけが最新鋭、その他はすべて旧式のまま!

 ただし、それも程度問題ではある。前述のように、北方領土の兵力は今後とも3500人規模にとどまる見込みであり、装備近代化も地上部隊の装備更新(それも戦車は在来型のT-80)や防空システムの近代化程度にとどまる。

 一方、戦闘機や爆撃機、戦術弾道ミサイルといった攻撃的兵器の配備ついては国防相も参謀本部も言及していない。

 海上兵力に関して言えば、揚陸艦だけが最新鋭になっても、それを護衛すべき艦艇は軒並み旧式化している。

 太平洋艦隊では水上戦闘艦や潜水艦の更新がほぼ20年にわたって途絶えており、しかも主力であった2隻の原子力巡洋艦は退役してしまった。


そのうえ、太平洋艦隊向けに建造されている新型艦は、今のところ警備艦とミサイル艇それぞれ1隻のみであり、当面は旧式艦が主力とならざるを得ない状況だ。

ロシアの太平洋艦隊に比べれば近代的な戦力を持つ自衛隊!


これに対して自衛隊は、6隻のイージス艦を含む48隻の大型護衛艦と16隻の通常動力型潜水艦(艦齢16年以内)を擁するほか、空対艦ミサイルを4本搭載する「F-2」支援戦闘機や88式地対艦ミサイル連隊によって飽和攻撃を行う能力を持つ。

 さらに北海道には陸上自衛隊のほぼ3分の1に当たる4個師団・旅団が配備されており、そのうち1個は機甲師団である第7師団だ。

 ロシア軍が極東でよほど極端な軍拡に打って出ない限り、軍事的な抑止力は十分に保たれていると言える。

 ロシア側としても、北方領土問題で日本とことを構える意図は薄いと思われる。

 そもそも、これまで2線級部隊しか配備されていなかったことからしても、ロシア側が北方領土問題に軍事的切迫性を感じてこなかったことは明らかである。

ロシアの口車に乗って損をするのは日本!

 また、昨年、9年ぶりに改訂された「軍事ドクトリン」では、「ロシアへの領土要求」という項目のランクが大幅に引き下げられている。

 従って、ロシアが北方領土の軍事力近代化によって何かを達成しようとしているとすれば、それは政治的性格を帯びたものと考えられる。

 それが何であるにせよ、北方領土問題を政治・軍事的にショウアップするのが狙いである以上、2~3の新兵器配備をセンセーショナルに騒ぎ立てることはロシアを利する結果しかもたらさないだろう。

 常に注意は払いつつ、しかし冷静にロシア軍の動向を見極めていく必要がある。

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