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第一列島線
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%88%97%E5%B3%B6%E7%B7%9A
米軍の接近を封じて同盟は「ゲームチェンジ」!
2011.02.17(Thu)JBプレス 古森義久
中国の軍拡が、いよいよ日米同盟の核心にまで重大な影響を与える可能性が浮上してきた。もっと分かりやすく述べれば、日米同盟を骨抜きにしかねない不吉な展望なのである。
米国としても、アジアでの確実なプレゼンスを保つために日米同盟の維持は不可欠だろう。だが、その同盟の機能が、中国の軍拡という新たな要因によって、これまで通りには期待できなくなった。そうなれば、日米同盟自体の意味が深刻に問い直されることともなる。
ワシントンでは、もうそんな議論が始まっているのだ。
まるで野球からサッカーに変わるように同盟関係が激変
米国の気鋭の中国軍事研究者たちが、上記のような懸念を正面から指摘するようになった。アジアにおける日本との同盟関係は、今や「ゲームチェンジ(根本的な変化)」に直面した、というのである。
ワシントンではこのところ中国の軍拡が極めてホットな論題となっている。エジプトのムバラク大統領辞任も大事件ではあるが、中国の軍拡は中長期のスパンで論じなければならない大テーマとなっているのだ。
これについて議論したイベントの1つが、2月9日に「国家政策センター」の主催で開催されたセミナー「中国の軍事力の台頭=米国とその同盟諸国にとっての結果」だった。
このセミナーはタイトルどおり、中国の軍拡によって日米同盟などに大きな変化が出てきたという認識が大前提となっていた。
セミナーでは米海軍大学教授のアンドリュー・エリクソン氏、新アメリカ安全保障センターの研究員エブラハム・デンマーク氏、ランド研究所研究員のロジャー・クリフ氏の3人が見解を述べた。みな米国の政府や軍の関連機関で活躍してきた中国問題や軍事問題の中堅の専門家たちである。
3人とも、「中国の軍事力増強が米国の従来の同盟関係を根本から変えつつある」という「ゲームチェンジ」現象を提起し、警告するという点で共通していた。
ちなみにゲームチェンジというのは、それまで競技していたゲームが、例えば野球からサッカーに変わってしまうほど根本から変化してしまうことを指す。単にルールやスコアの変化ではなく、ゲーム自体が他の競技になってしまうというわけだ。
「第1列島線」の中に米軍を近づけさせない!
この「日米同盟ゲームチェンジ論」をエリクソン氏の発言から紹介しよう。
同氏は中国の海軍力の研究を専門とし、米国海軍大学で教えるほか、自ら「洞察中国」と題する研究所も主宰している。中国の軍事力の研究を主眼とし、その同盟諸国への影響も一貫してフォローしている気鋭の学者である。
今の米国の安全保障関連の分野では、この種の中国軍事専門研究者が数を増してきた。その1人であるエリクソン氏は、次のような趣旨を報告するのだった。
「中国は東アジアにおいて、米国の軍事力を正面から抑えつけようと試みる最初の国家となってきた。具体的には、第1列島線と呼ぶ日本、台湾、フィリピンを結ぶ海域内で、米軍に対する接近阻止能力を強化しつつある。
第1列島線は南シナ海、東シナ海、黄海が主体となる。この海域内で中国が軍事行動に出ると、米軍が急遽、出動して反撃あるいは抑止に出る。この米軍の『接近』の動きを、中国が阻止しようという能力を強めているのだ。
有事が発生した際、米軍が現場に接近できなければ、米国のアジアでの同盟の意味は大きく変わってしまう。
例えば、南シナ海での有事の際に、米軍の空母ジョージ・ワシントンが横須賀から現地に接近できなくなってしまうという事態が起こり得る。これがゲームチェンジなのだ」
エリクソン氏は、東シナ海もこの「根本的な変化」の舞台になるとしている。つまり、東シナ海の尖閣諸島を巡る有事が発生した際も、同様の懸念が向けられることとなる。
中国軍が尖閣諸島を突然攻撃し、米軍が日本の支援のために艦艇を急派しても、その接近が阻止されるというシナリオが浮かび上がるのだ。そのシナリオが現実となれば、米軍が日本を防衛できない日米同盟ともなってしまう。
中国の軍拡が日米同盟を根本から揺るがしているというのは、こういう事情なのである。
宇宙の軍事利用にも関心!
エリクソン氏は中国の軍拡について、さらに具体的な指摘をした。
「中国軍は第1列島線内でハイテク兵器を投入し、海上と航空と宇宙とを組み合わせる立体的な戦略を強化している。この戦略は時には『航空航天』とか『空天一体化』とも呼ばれる。
具体的には、対艦攻撃用の弾道ミサイルおよび巡航ミサイルの開発と強化、潜水艦の増強、潜水艦発射の対艦ミサイルの強化、独自の空母の配備、そして米軍の人工衛星を破壊する能力の強化などだ」
「中国は、米軍の戦力が通信衛星や偵察衛星の機能に大きく依存することを特に重視して、宇宙の軍事利用に関心を向けている。米国の衛星を破壊するミサイルの開発を進めるとともに、中国独自のGPS(全地球測位システム)を2015~2020年までに完成させようとしている。
空母については、中国軍はすでにウクライナから購入した大型空母『ワリヤーグ』を使って、艦載機の発着の本格的な訓練を開始した。潜水艦については、ディーゼルと原子力という両タイプの新型艦の開発を大々的に進めている」
エリクソン氏がこのように指摘する中国側の動きは、すべて東アジア、太平洋における米軍、特に米海軍の抑止力を削ぐことを目的にしている。
このまま中国の軍拡が思惑どおりに進めば、日米同盟はやがて「ゲームチェンジ」を迫られる、というよりも骨抜きにされてしまうだろう。
エリクソン氏らの「中国の軍事力の台頭」報告は、そんな警告の発信とも言えるのである。
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