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2010年度 グッドデザイン賞 受賞(トゥギャッター株式会社)
http://www.g-mark.org/award/detail.html?id=37046


「Togetter」で起業した開発者の吉田俊明さん。「Togetterは小さな声を広く一般に伝える拡声器」と“まとめ”の可能性を語る。

2010年12月21日 ITmedia

Twitterのつぶやきをまとめられるサービス「Togetter」(トゥギャッター)の存在感が増している。昨年9月に公開し、月間ページビューは900万、月間ユニークユーザーは200万にのぼる。開発者の吉田俊明さん(29)が、Web制作会社に勤めながら個人で運営してきたが、今年6月に会社を辞め、Togetterを運営する株式会社を設立した。

 「自分が開発したサービスに独立せざるを得ない状態に追い込まれた」。Togetterの規模が増し、システム開発やユーザーサポートの業務は片手間では支えきれないほどに。Togetterがもうかるかは「よく分からなかった」が、このままではマネタイズ方法を考える時間もない。起業し、腰を据えて取り組むことを決心した。

 さまざまな個人のつぶやきがTogetterにまとめられ、まとめを中心に議論が起こる。「小さな声を広く一般に伝える拡声器みたいで面白い。Togetterで何かを変えたい」――吉田さんが言葉に力を込める。

Togetterでつぶやきが“うねり”に!

Togetterは、Twitterのつぶやきをドラッグ&ドロップで自由に並べ替え、1ページにまとめられるサービス。昨年9月に公開し、ブレイクしたのは今年1月3日。pixiv上での著作権に関連するまとめができ、はてなブックマークで注目を浴びて利用者が急激に伸び始めた。

 これまで累計で約7万9000件、1日に約300件のまとめができている。編集者が語る京極夏彦さんのデビューエピソードのように1人のつぶやきをまとめたものや、青少年健全育成条例成立に関するまとめのように、さまざまな人の意見を集めたものもある。

 吉田さんは名刺の裏に、話題になったまとめのタイトルと概要をプリントしている。「天空の鯖ラピュタ」「【ツイッターの奇跡】亡くなった父が最後に撮影した公園を探してください」「ブラック企業から残業代を回収したところまでの一連ツイート」など、名刺にプリントしたまとめは20種類ほどある。

 宮崎県で口蹄疫が発生した際には、現地の酪農家や行政側の声がいち早くまとめられ、口蹄疫問題への関心がTwitterで高まった。都心の集中豪雨の様子をレポートするつぶやきのまとめは被害状況の把握に一役買った。Togetterは「多くのつぶやきの流れを可視化し、うねりを作ることができる」と語る。

 つぶやきが、発言者以外のユーザーによって偏った視点でまとめられてしまうこともある。今年7月にまとめに使われた自分のつぶやきを削除できる機能を追加。まとめの削除依頼が吉田さんのもとに届けば、中身を検証して実際に削除したり、依頼者とまとめ作成者を仲介したりしている。まとめの削除依頼が吉田さんのもとに届くのは月に1回ほど。ユーザーが納得し、安心してTogetterを利用できるよう「環境整備していく」と話す。

独立せざるを得ない状態!?

Togetterは吉田さんがヤフー在籍時に個人で開発した。その後、Web制作会社バスキュールに転職し、趣味の範囲で運営してきたが、サイトの規模が増すにつれ、システム開発やユーザーサポートに費やす時間も長くなり、片手間では支えきれないほどに。「ユーザーが安心して使える環境を担保する」ため、今年6月にTogetterを運営する会社トゥギャッターを設立した。

 起業前、Togetterの収入源はアフィリエイト広告のみで、収入はほとんどなかったという。今後ももうかるかは「よく分からなかった」が、当時はマネタイズ方法をじっくり考える暇もないほど忙しい状態。腰を据えて収益化に取り組むためにも「とりあえず法人化してしまえばいいんじゃないか」と考えた。

自分が開発したサービスに独立せざるを得ない状態に追い込まれた」と冗談っぽく語る吉田さん。まさか自分が社長になるとは、1年前には思いもしなかったという。

 トゥギャッターの社員は吉田さん1人だ。資本金は非公開。都内のあるIT企業から、Togetterの営業活動や資金面をサポートしてもらっている。収益源はTogetterに掲載する広告。今後はTogetterのまとめに説明を加えたり、内容を要約したりした上で、外部に有料で提供したり、提供先での広告売り上げを提供先とシェアする――といったビジネスも検討している。

Togetterは「拡声器」「メディア」!

吉田さんはTogetterを「メディア」と表現する。「情報発信ツール」というイメージだ。個人のつぶやきがTogetterでまとめられ、それをもとにネット上で議論が起こるように、「Togetterは小さな声を広く一般に伝える拡声器みたいな感じ。それはメディアがもともと持っている本質という気がする」と語る。

 12月にスタートしたTogetterの英語版「Chirpstory」(チャープストーリー)は、Togetterよりシンプルで、まとめのタイトルの文字サイズが大きいなど、海外のニュースサイトを参考にしたデザイン。海外のユーザーに「普段ネットニュースを読んでいるのと同じ感覚で、Chirpstoryを受け入れてもらえれば」と期待する。

 海外展開は、Togetter開設当初からチャレンジしたいと考えていた。GoogleやFacebookが世界的なサービスに育っていったように、Webサービスで起業し、世界を目指していくことは「Web業界では自然な流れ」と話す。

Chirpstoryは公開されたばかりで、アクセスや作成されたまとめの数はまだまだ少ないが、1つのまとめをきっかけに急激にアクセスを伸ばしたTogetterのように、Chirpstoryも「RTの連鎖が止まらないようなコンテンツができれば」ブレイクするのではと考えている。吉田さん自身もChirpstoryでまとめを投稿し、地道にコンテンツを増やしている。

 今後の目標をたずねると、「Togetterを中心にして、つぶやきで世界が変わったら面白いと思っている」という答え。「Twitterはこれまでは無視されてきた小さな力を大きな流れに変える力を持っている。Togetterはその力をさらに強くできる。Togetter発で政治や政策が変わったりしたら面白いですね」

 つぶやきがTogetterを通して広まることで「1人のクレームや誰かのちょっとした失敗が、企業や政治に大きな影響を及ぼしてしまうかもしれない」という難しい側面もある。「まだまだTogetterは進化の途中。ユーザーのみなさんと新しい形のメディアプラットフォームの進化を楽しみたい」

 

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ITmedia News 1月21日(金)

「ぼくたちはいいまんがも、悪いまんがも、ちゃんと自分でえらべます(ω)」――昨年12月に改正案が成立した東京都の青少年育成条例について、子どもの目線で書かれたこんな意見が、ネットで注目を浴びた。「はるかぜちゃん」こと、横浜市に住む小学4年生の春名風花(はるな・ふうか)さん(9)が、Twitterに書いたつぶやきだ。【岡田有花,ITmedia】

はるかぜちゃんは長文で意見を披露。「きれいなものや、笑えるものだけみせて育てた子供が人にやさしい大人になるとは、ぼくは思いません(ω)(ω)」など、子ども離れした鋭い洞察と文章力が話題になり、「大人のなりすましでは」ともうわさされた。

 だが書いていたのは、はるかぜちゃん本人。大人が書いたと疑われたと知った時には、「そーじゃなーい! と、家でぐるぐるまわって怒りました」。大きな目で、相手の目をじっと見て話す。身長127センチと小柄できゃしゃ。声は高く、かわいらしい。

 特撮番組「満福少女ドラゴネット」(tvk)や子ども向け番組「ラメキーノ」(テレビ東京)、映画「カムイ外伝」などに出演している。漫画やアニメ、しょこたん中川翔子さん)が好きで、子役の仕事も大好き。「ひぐらしのなく頃に」の実写版に出演することが夢だ。

 0歳からモデルとして働き、3歳から自分のケータイを持ち、ブログを書いてきた。9歳にして芸歴9年、ブログ歴6年。大人に伝わる文章力を、漫画とブログと芝居で磨いている。

●3歳からケータイ、ブログ 操作法、いつの間にか習得

 ネットデビューは0歳のころ。母の郁世さんが書いていた育児ブログ(現在は削除)に実名で“出演”し、雑誌などのスチールモデルの仕事も受けていた。「親バカだったので、赤ちゃんの写真があちこちに載るのがうれしくて」。郁世さんは振り返る。

 3歳のころ、携帯電話を買い与えた。「赤ちゃんのころからケータイが好きで、自分のを壊されたくなかった」(郁世さん)というのが理由。操作法は教えていないが、ある日、託児所から父親あてにメールを送信してきたという。本人は当時のことを忘れていて、操作法をどう習得したのかは分からないままだ。

 初めてブログを書いたのも3歳のころ。「テレビに出るようになって、育児ブログに子どもへの話しかけが増えた。母がしゃしゃり出て勝手に返事するのも変なので、やれるならやってみなさいと」(郁世さん)と、ケータイから書かせ始めた。

 当時の所属事務所のブログ(現在は削除)も、3歳のころから自分で更新。仕事のことや飼っている猫のこと、好きだったアニメ「ローゼンメイデン」のことなどをひらがなだらけの文章でつづり、母に撮ってもらった写真とともに更新していた。

 所属事務所が変わった今も、携帯電話からブログを書き続けている。毎日のちょっとした事件をリポートしたり、仕事や夢を語ったり。更新頻度は事務所イチだ。

 芸能事務所は、子役によるネット発信を禁止しているところがほとんどという。撮影情報など秘密の漏えいを防ぐためだ。だがはるかぜちゃんの所属事務所・スマイルモンキーは珍しく、公式サイトでタレントにブログを書かせている。「優しい事務所。自分の思うことを書き込める場所があることがうれしいです」(はるかぜちゃん)

●「ブログは思ったことを全部書けない」 9歳でTwitter

 9歳になったばかりの3月に、Twitterを始めた。仕事場でスタッフがTwitterについて話していたのを聞いて興味を持ち、母に登録してもらったという。操作法もすぐ習得した。

 Twitterは以前、13歳未満のユーザーによる使用を規約で禁止していたが、その条項はすでに削除されている。Twitterのプライバシーポリシーには現在、13歳未満が保護者に許諾なく個人情報を提供した場合の対応が書かれているが、13歳未満による利用は禁止していない。

 使い方は大人のTwitterと変わらない。「撮影も、あとちょっとです(ω)今日もさむいねむいがんばりまん(ω)」「天下一品こってりラーメンさいこう(ω)」など日々思ったことをつぶやき、番組を見てくれたファンなどとリプライで交流。ハッシュタグを付けてつぶやくこともある。

 Twitterはブログより楽しいという。「ブログだとみんなが見るし、思ったことを全部書けない。(事務所のブログはコメント欄がないので)返事ももらえない。Twitterのほうが、返事とかほかの人の意見が聞けるので楽しいです」

 大人をはっとさせるつぶやきも多い。例えば、大人が考える「子どもらしさ」について。「大人がすきな子どもらしい子なんか本当は、いないです(ω)かしこい子どもは、大人が笑ってくれるからそうしてるだけ(ω)」と喝破する。

 普段から子どもであることに甘えず、自分の意見をはっきり言うため、「生意気」「こまっしゃくれている」と嫌われ、損することも多い。監督など仕事場の大人に甘えれば好かれるし、もっとせりふや役をもらえるかもしれない――と分かっていても、はるかぜちゃんは「自分を隠したくない」と貫く。

 Twitterやブログではよく“しゃべる”が、普段はおとなしい。家では部屋にこもってずっと漫画を読み、いろいろ考えているという。ネットは気持ちをはき出せる場所。「普段はあまりしゃべらないけど思うことはいろいろあって、怒った後とかに、Twitterにだーっと書いたり」するそうだ。

 気持ちをリアルに表現できる自分だけの言葉を探し続けている。例えば「(ω)」は、「(^ω^)」を間違えて入力したことから生まれたオリジナルの記号だ。口頭では「わたし」と自称するが、Twitterの1人称は「ぼく」。そのほうがしっくり来るからだ。漢字は得意だが、「かわいいから」とひらがなを多用する。しょこたんの「がんばるお」にあこがれ、小学2年生のころ「がんばりまん」という言葉も発明した。

●「全部漫画に教えてもらった」

 都の青少年育成条例問題についても、自分で考え、意見をつぶやいた。普段は見ないニュース番組をたまたま母と見て、「大好きな漫画が読めなくなってしまうかもしれない」と不安になり、Twitterに気持ちをぶつけた。

 はるかぜちゃんの家には、1000冊ほど漫画があるという。3歳のころ、祖母の家にあった「ガラスの仮面」にのめり込み、母が持っていた漫画も読みあさり、祖母が送ってくれた漫画も読み、書店で自ら新しい漫画を発掘し――古今の漫画を読みためてきた。漫画本は自分の給料で買っている。

 「ひぐらしのなく頃に」や「GANTZ」「カムイ外伝」「パタリロ」など、暴力表現や差別表現、性表現などがあり、一部の大人が「子どもに見せたくない」と言うような漫画にも、大好きな作品がたくさんある。都条例改正で、そんな作品が読めなくなってしまうのではないかと、ニュースを見て不安になった。

 一番好きな漫画「ひぐらしのなく頃に」は、小学校2年生のころ本屋で見つけて初めて読んだ。殺人や流血シーンもあるが、「いろんな感情を教えてもらった漫画」で、子どもも「読まないともったいない」と思っている。「邪魔な人間を殺してでも幸せをつかもうとして、でもやっぱり無理で、こんなことをしなけりゃよかった、と後悔する漫画。人を傷付けたら一生自分は幸せになれない、人を傷付けたらダメなんだ、ということが分かる」漫画だ。

 「全部漫画に教えてもらった」。はるかぜちゃんの人生は、漫画で変わった。本気で演技に打ち込もうと思ったのは、「ガラスの仮面」で真剣に演技する北島マヤに心を打たれたから。漢字も難しい言葉も、立場の違う人たちの思いも、優しさや悲しさ、命の大切さも、漫画に教えてもらった。漫画のキャラと同じ立場の人物は、キャラになり切ることで上手に演じられる。

 Twitterに書いた、「ぼくたちはいいまんがも、悪いまんがも、ちゃんと自分でえらべます(ω)」は、漫画で学んできた9歳の、切実な叫びだ。「きれいなものや、笑えるものだけみせて育てた子供が人にやさしい大人になるとは、ぼくは思いません(ω)(ω)」「都条例ぷんすか(ω)」。こんなふうにも書いた。

 都条例に関する一連のつぶやきは「Togetter」にまとめられ、ニュースサイトにも取りあげられ、大人からたくさんのメッセージが届いた。「思っていることを書いただけで、そんなにみんなに喜んでもらえると思わなかった。賛成してくれる人が多いとは思わなかったです」と、はるかぜちゃんは振り返る。

 ブログOKの事務所だが、子役によるTwitterは認めていなかった。だが出演番組の宣伝のためという名目で、はるかぜちゃんのみ特別に許可。昨年いっぱいの期間限定という約束だったが、「はるかぜちゃんの感性と独特な文面による表現力をこのまま封じ込めてしまうのはもったいない」と、今年に入っても許している。

 

●2ちゃんの実況板までチェック

 はるかぜちゃんのネットツールは主に携帯で、PCは「ニコニコ動画」でアニメを見る程度。ただ、出演番組の放送が終わった後、母に、「2ちゃんねるの実況板を印刷して見せて」とねだることがあるという。「自分の仕事について、どういうことが書かれているかが気になる」(はるかぜちゃん)からだ。

 「このガキうぜぇ、氏ね」などかなりひどいことも書かれているが、郁世さんは隠さず見せる。「大人は子どもには悪いことを言わないので、子役は調子に乗っていくが、それだといつまでたってもうまくならない」と考えているためだ。

 はるかぜちゃんは根拠のない中傷には怒り、演技の批判からは学び、ほめ言葉には大喜びする。嫌なことが書いてあっても、「一晩寝るところっと忘れて、ほめ言葉だけ覚えている」(はるかぜちゃん)という。

●「子どもは結構、賢いんじゃないか」

 「何かを教えたり、制限することもなかった」――郁世さんははるかぜちゃんを、「小さな大人」として育ててきた。幼児語を使ったり言い換えたりせず、大人の言葉で対等に接している。自分もそうして母に育てられたという。

 漫画も自由に読ませているが、不安はないと話す。「子どもは結構、賢いんじゃないか。くだらないエロ漫画を買ってくることもあるが、つまらないと言ってブックオフに売っている。魚の骨を取ってやるように、必要なもの、不要なものを大人が分けてあげることもないのではないか。演技をするなら、人の汚いところも見ておいた方がいい」

 携帯電話も自由に使わせており、はるかぜちゃんはモバゲータウンやGREEでも遊んでいる。だが課金ゲームで散財することもなく、モバゲーやGREEで出会う見知らぬ人は警戒している。「何を使うにしても使う人の問題だと思っていて、うちの子どもは大丈夫と、変な信頼をしている」(郁世さん)

●「ひぐらし」実写版に出たい

 はるかぜちゃんの次の夢は、実写版「ひぐらし」に出演し、ヒロイン・古手梨花を演じることだ。ひぐらしの実写版映画は過去にあったが、小学生のキャラクターを高校生の役者が演じていて「違う」と思ったそう。髪型などキャラのイメージも原作と大きく異なっており、「ひぐらしの監督さんやメイクさんは、何を考えているのかと思いました」とはるかぜちゃんは憤る。

 ひぐらし実写版の話がいつ来てもいいよう漫画を読み込み、アニメを何度も見て、せりふを練習している。もうすぐ5年生。「梨花役は、5年生まではいけると思う。あと1年!」と気を引き締める。

 郁世さんはだいぶ前から“ステージママ”に飽き、娘の仕事に付き合うのにも疲れてきたという。子役を続けているのは、はるかぜちゃんの強い意思。「仕事があるしやわせにかんしゃなのです(ω)」「昔の仕事のろくがをみるといつも、へたに見えて後悔するから、何年たって見ても後悔しない演技をのこしたいです(ω)」――Twitterには仕事への思いもつづられている。

 将来の夢を聞くと、「このままずっと演技を続けて、見てくれた人が感動したり、応援してくれるような女優さんになりたい」という答え。声優や歌手もやってみたいというはるかぜちゃんの毎日は、「@harukazechan」でフォローできる。

Xi (携帯電話)
http://ja.wikipedia.org/wiki/Xi_(%E6%90%BA%E5%B8%AF%E9%9B%BB%E8%A9%B1)


nikkei TRENDYnet 1月20日(木)

2010年12月24日、NTTドコモは次世代通信規格「LTE」による高速データ通信サービス「Xi(クロッシィ)」を開始した。最大75Mbps、屋外で最大37.5Mbpsという光インターネット回線にも迫るほどの高速通信速度は本当に出るのだろうか。Xiの実力を見ていこう。

次世代の高速通信規格として期待が高まるLong Term Evolution(LTE:ロング・ターム・エボリューション)は、100Mbps超の高速通信速度と帯域の広さ、遅延の少なさを特徴とする。海外では、米ベライゾン・ワイヤレスなどがサービスを提供。国内ではNTTドコモが先陣を切り、KDDIやイー・モバイルも2012年以降にサービスを開始する予定だ。

 NTTドコモがサービスを開始したLTE「Xi」(以下、クロッシィ)は、屋外37.5Mbps、羽田空港や新大阪駅などの一部屋内では75Mbpsという高速通信が特徴。クロッシィ対応端末の追加投入やエリア展開が本格的になる2012年以降は、周波数帯域幅を拡大し、さらに高速化する予定だ。

▼LTEの利用周波数帯域幅と通信速度

 クロッシィのエリアは、2011年1月現在で東京、名古屋、大阪の三大都市圏内の市街地に限られる。ただし、クロッシィ端末はFOMA(HSPA)ネットワークにも対応しており、クロッシィのエリア外では従来のFOMA端末と同様に利用できる。つまり、基本的には対応エリアを気にする必要はない。

 今回、実際にクロッシィ対応USBデータ通信端末「L-02C」を使用して、東京の都心部と大阪で通信速度や使い勝手をテストした。LTEの特長である低遅延性能を試すため、ヤマハが開発中の遠距離音楽セッションツール「NETDUETTO β」についても実験している。

料金プランは2種類。定額制で通信できる期間限定キャンペーンに注目

 料金プランは、2年間の継続契約を前提とした「Xiデータプランにねん」とノーマルな「Xiデータプラン」の2種類があり、基本使用料は前者が1000円、後者が2470円となる。どちらも従量制だが、「クロッシィスタートキャンペーン」として、2012年4月30日まではそれぞれ上限4935円、上限6450円で契約できる。もちろん、プロバイダーとしてmoperaUのUスタンダードプラン(525円/月)の契約も別途必要だ。

 現時点でL-02C本体は0円で販売されており、店舗によってはキャッシュバックを実施しているところもある。4月30日までにmoperaUに新規加入すると、NTTドコモのホットスポットサービス「公衆無線LAN」を1年間無料で利用できる。

 2012年4月30日以降に契約した場合はパケット上限の設定がなくなり、使った分だけパケット代がかさんでしまう。クロッシィの契約を考えているのであれば、キャンペーンや料金プランが切り替わるタイミングには注目しておいた方がよいだろう。

▼2012年4月30日以降の「クロッシィ」料金

クロッシィ対応データ通信端末は、USB接続の「L-02C」を用意

 国内初のクロッシィ対応USBデータ通信端末「L-02C」。前述のとおり、この端末はクロッシィ(LTE)に加えて既存のFOMA(3G)ネットワークにも対応している。クロッシィのエリア外では下り最大7.2Mbps、上り最大5.7Mbpsで通信可能だ。

 ノートパソコンで利用する際の平均消費電流は、クロッシィ(LTE)エリアで380mA、FOMA(3G)エリアで310mAとなっている。同じLGエレクトロニクス製のFOMA専用USBデータ通信端末「L-05A」の平均消費電流は260mAと、消費電流はやや増えている。だが、実際にはバッテリーが急激に減るといったことはなかった。

屋内の高速エリアではFTTH並みの通信速度を実現!

 クロッシィの本領が発揮できる下り最大75Mbps、上り最大25Mbpsに対応した室内設備での速度について見てみよう。2011年1月現在でこの高速通信に対応しているのは、全国でも羽田空港、アーバンネット名古屋ビル、新大阪駅構内の一部、阪急BIGMAN前、ドコモモバイルメディアラボ梅田のみとなっている。屋外での展開にも期待したい。

▼高速通信対応エリアでの通信速度テスト

 結果だけを見れば、従来のFOMAなどの3Gモバイルデータ通信と比べてかなり良好な結果が出た。とはいえ、フロアの多くがクロッシィに対応した羽田空港以外はエリアがとても限られており、実用性はまだ低いといえる。UQコミュニケーションズのモバイルWiMAXと比べた場合、クロッシィは倍の周波数幅で通信していることを考えると、もう少し速度が出てもよさそうだ。

屋外では、下りは高速だが上りの速度が伸び悩む

 今度は、ダウンロードが最大37.5Mbps、アップロードが最大12.5Mbpsとなる通常エリアでの計測結果を見ていこう。都内での計測結果では、下り速度はおおむね高速だが、上り速度が思うように伸びなかった。クロッシィのエリアは、FOMAネットワークならHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)に対応していることが多く、上りで1Mbpsを超えることも珍しくないだけになおさら残念だ。

▼クロッシィ対応エリアでの通信速度テスト

 今回のテストでは、5回計測したデータのうち中央の3回分から平均値を出している。ただ突発的に極端な速度が出た現象についても記述しておきたい。東京駅で下り16.89Mbps、上り0.31Mbps、新宿駅西口では下り22.13Mbps、上り4.12Mbpsという数値が確認できた。しかし、それらが計測されたのは一度だけで、以後は表の平均値に近い値しか出なかった。新宿駅西口並みの速度がコンスタントに出れば、クロッシィの評価も上がるのだが…。

 大阪では、エリアの端からエリアの中心部へ移動しながら速度を計測した。具体的には、大阪駅から東に約1km離れた天満橋駅から、クロッシィのエリア内となる谷町線中崎町駅方面に進み、都島通りを阪急梅田駅方面へ移動した。

 まず、クロッシィとFOMAのエリアの境界が続く天満橋駅付近のエリアだ。マンションの多さからか、中崎町駅に着くまではL-02Cが動作しなくなるなど不安定な状況が続いた。阪急梅田駅までの見通しの良い中崎町駅に着くと良好な計測結果を示したが、阪急梅田駅近辺に到着すると高架や高層建築物の影響か、通信速度は振るわなかった。このあたりは、クロッシィの基地局がFOMA並みに充実するまで仕方ないのかもしれない。

▼Xiエリア外からエリアの中心に向かってのスピードテスト

 ここまでのテストでは上り速度が遅いのが気になった。そこでJR川崎駅前でクロッシィとFOMA両方の通信速度を計測してみた。FOMAの上り最大5.7Mbpsに対応する数少ないHSUPA対応エリアという好条件だったこともあるが、上り速度はFOMAの方が良好だった。基地局の密度なども関係しているのだろうが、やや残念な結果だ。

▼川崎駅前でXiとFOMAの通信速度を比較

移動中の通信状況と、FOMAへのネットワーク切り替えを検証

 続いて、移動中の通信の実用性を検証した。JR山手線に乗ったままクロッシィネットワークに接続したところ、エリアが地続きになっているところであれば問題なく通信を継続できた。とはいえ、FOMAなどの一般的な3Gデータ通信と同じく、非移動時と比べれば通信速度は落ちる。

 クロッシィネットワークの接続中にクロッシィのエリア外へ移動すると、自動的にFOMAネットワークへの接続に切り替わる。切り替わりに要する時間は約3秒ほどで、LEDランプの変化を見ていなければ気づかないレベルだ。クロッシィからFOMAネットワークへ切り替わってもIPアドレスは変わらないので、通信中のインターネットサービスもそのまま利用できる。

 注意したいのが、クロッシィとFOMAネットワークの自動切り替えは、クロッシィのエリア外に出た場合に限られる。逆に、FOMAエリアからクロッシィエリアに進入しても、クロッシィネットワークへ自動的に接続されることはない。クロッシィネットワークへ接続するには、FOMA回線をいったん切断して接続し直さなければならないのだ。

低遅延通信は音楽セッションを可能にするか?

 NTTドコモの山田隆持社長は、クロッシィによって、リアルタイムの同時通訳やネットワーク接続を意識させないクラウドサービスが実現できるとしている。だが、それには、通信の速さだけでなく、ネットワークの遅延が少ないなどの総合的な品質が問われることとなる。

 そこで、ヤマハが1月6日から無償配布を開始した「NETDUETTO β(ネットデュエット・ベータ)」を利用し、遠隔地の人間とインターネット越しに音楽セッションやカラオケのデュエットが可能かを実験してみた。

 結果、フレッツ光とクロッシィを接続した場合の遅延は60msec前後と良好な値を示した。ちなみに、パソコンのオーディオインターフェース部分の遅延が6msec、事前にPingで測定した素の遅延が50msec前後だ。FTTH同士の接続に比べるとやや劣るが、この程度の遅延ならば音楽セッションも可能なレベルだといえよう。ちなみに、FOMA(HSUPA対応エリア)接続では140msec前後と、セッションどころか会話ですらストレスを感じるレベルだ。

 演奏や作曲を趣味とする知人にも、ギターでクロッシィでのNETDUETTO β環境を体験してもらった。知人いわく「セッションにも十分使える。演奏のリハーサルをしておけばより確実だが、見知った相手ならばアドリブにもついていけるだろう」とのことだ。

▼ヤマハ「NETDUETTO」利用時の遅延

 今回のテストでは、通信エリアや上り速度については不満だった。一方で下りの通信速度は速く、通信の遅延は少ない。驚かされるほどの性能を体感できた。特に、クラウド系サービスやFTPでのファイル転送時は、サービス提供者側による2Mbpsや1Mbpsといった速度制限すら気になるほどだ。遅延の少なさは、ブラウザーでの読み込みやリモートアクセスなども快適にしてくれる。

 現時点では、データ通信端末としてイー・モバイルやUQ WiMAXほどの優位性はない。ただ音声端末にもクロッシィが導入される今年後半には評価も変わってくるだろう。それまでに、より安定した高速データ通信サービスへと進化することに期待したい。

「異色対談」西田成佑×岩瀬大輔 vol.1

2011年01月20日(木)現代ビジネス

ツィッターやブログを使って経済について情報発信をしている大阪の中学2年生GkEcさんをご存じだろうか。「自分がつくった問題集を学校で売ってなぜ悪い?」「どうして教室の掃除を生徒がしなくてはいけないのか?」といった問題提起をし、それに対する意見や反論に経済学的な観点から丁寧に対応するコメントは、彼の年齢を抜きにしてわかりやすく面白い。

 ファンも多く、東京大学の玉井克哉教授やホリエモンこと堀江貴文氏がリツィートするなど話題を呼んでいる。今回、そのGkEcさんこと西田成佑さんに東京まできてもらい、若手起業家として人気の岩瀬大輔ライフネット生命副社長と対談してもらった。「目標は経済学で世界の幸福を増やすこと」という天才経済中学生は、いかにして生まれたのか?

岩瀬: 今日は新幹線で東京まで来たのですか?

西田: はい。

岩瀬: 中学2年生って、1人で新幹線に乗ったりするもの?

西田: あんまり、しないかな?

岩瀬: たまに、東京には来てますか?

西田: 11年ぶりです。3歳のときに住んでいたとき以来です。

岩瀬: 大阪の中学生の修学旅行はどこへ?

西田: 長野ですね。

岩瀬: ディズニーランドじゃないんだ。

西田: はい。

岩瀬: 西田さんは、ツイッター界でいちばん有名な中学生だと思いますが、面白い経験とか、ハプニングとかありますか?

西田: 今年(2010年)の3月の終わり頃、孫正義さんにフォローしてくださいってツィートしました。でも、次の日になっても反応がなかったんです。そうしたら、まわりの人が、こうしたらいいんじゃないの? という応援メッセージをくれたんですね。

 そのなかに、「孫さんにフォローされている山下潤さんにお願いしてみたら?」というメッセージがあったので、コンタクトしてみました。それで、山下さんから「君の強みは何?」というような問いかけをもらったりして、やりとりをしているうちに、孫さんからフォローをいただきました。

岩瀬: 山下さんって、どういう方ですか?

西田: コーチングをされている方です。

岩瀬: 阪大の大竹文雄先生や、政策研究大学院大学の安田洋祐先生ともツイッター上で知り合ったそうですね。

西田: はい。

岩瀬: いまフォロワーはどれくらいですか?

西田: 8400人くらいです。

岩瀬: 多い方ですね。ちなみに僕は1万人くらいいますので、いちおう勝ちましたね(笑)。

 ここで、少し生い立ちを。

西田: 生い立ちですか(笑)。

きっかけは『ひみつシリーズ』
岩瀬: なぜ、経済に興味を持つようになったのか? また西田さんは海外の経済関係のサイトや論文を英語で読みこなしていますが、なぜ、難しい英語の論文がどんどん読めるのか? そのあたりのことを話してください。

西田: 小学1年生の時に、叔父さんから学研の『ひみつシリーズ』(学研まんがひみつシリーズ)を入学祝いにもらったんです。それがすごく面白かったんですね・・・ええと、この話は、経済学に興味をもつよりも、ずっと以前の話ですけど、(このまま話続けても)いいですか?

岩瀬: どうぞ、どうぞ。

西田: その後も、親にねだって『ひみつシリーズ』をいっぱい買ってもらいました。それで、知識がついて、他のことにも興味がわくようになったんです。中学生になるまでは、毎年のように興味の対象が変わりました。だから、いろんなジャンルの本を読みました。

岩瀬: ほう、たとえば?

西田: 小学2年生のときには『ズッコケ三人組』シリーズを全部読破して、3年生は、学校の図書室にあった憲法の本とかを読みました。

岩瀬: 「けんぽう」って日本国憲法? 少林寺拳法じゃなくて?(笑)。

西田: はい。憲法です。日本国憲法を解説した薄い本でしたけど。

岩瀬: 小学3年生で面白いと思った?

西田: そのときは、裁判官になりたいなと思いました。その本では、国が困っている人を助けていないというようなことが書かれていたんです。生存権を侵害しているみたいなことが書いてあったものですから。これは許せないなと。だから裁判官になりたいと思ったんです。

岩瀬: ほう。

西田: 3年生では、手塚治虫のマンガもよく読みました。『ブラック・ジャック』とか『鉄腕アトム』とかを読みました。4年生になってからは、福岡県に引っ越したんですが、県内で一番大きな図書館が近所にありましたので、そこの子ども向けコーナーで、哲学とか子ども向けに書かれた本を読みました。

 ユングとフロイトの心理学とか、社会保障についてとか、行政の仕組みとか、いろいろ読んでましたね。

岩瀬: 5年、6年は?

西田: 5年生は世界地理の本を読んで、6年生になってから英語をはじめたんです。母に言われて英語の塾に通いました。

6年生で出会った一冊の経済書!

岩瀬: 小学校の英語って、Hello とかThis is a pen みたいなものでしょ。でも、西田さんが読んでいるのは、難しい大人が読む英語の本ですよね?

西田: そこは英検の取得に特化してる塾だったんです。1年間で英検準2級までいきました。小学6年生の1月のときに、ポッドキャストの新刊ラジオで、ティム・ハーフォードが書いた『人は意外に合理的』(武田ランダムハウスジャパン)の存在を知り、大阪の豊中市に引っ越してから、それを読みまして、経済に興味を持つようになりました。

岩瀬: お父さんやお母さんは、学校の先生とか・・・。

西田: いえ、ちがいます。

岩瀬: サラリーマンですか。

西田: はい。

岩瀬: でも、いっぱい本を買ってくれたから良かったんでしょうね。ここのところは、みなさん興味があると思うんです。どうしたら西田さんみたいな子どもに育つのかと(笑)。

西田: たしかに本を買ってくれたのが良かったでしょう。なかでも、いちばんの切っ掛けは、小学校1年のときの『ひみつシリーズ』だと思います。あれがあったから興味が広がらなかったし、あれがなかったら、いまの自分はなかっただろうなと。

岩瀬: ツイッターをはじめたのは、中学1年からですか?

西田: はい、中1の12月からです。その後にブログもです(中2の4月から)。

岩瀬: 学校ではどういう感じなんですか? 部活は?

西田: 理科部です。

岩瀬: 成績は学年トップ?

西田: ぜんぜんです(笑)。

岩瀬: 頭が良さそうだから、なんでもできそうに思うんですけれど。

西田: 英語も、教科書をぜんぜん勉強していないんで、(テストでは)単純なミスを何個かしてしまう。

岩瀬: 学年順位は?

西田: 順位は出ないので、よくわからないです。だいたい学年全体で300人生徒がいて、30位か40位か、それくらいですね。

岩瀬: あんまり学校の勉強はしないんですか。

西田: テスト前以外は、日に1時間勉強するかしないかです。

岩瀬: (一緒に上京した友人の男子に声をかける)ちょっと聞きたいんですけど。西田さんは、学校ではどういうキャラクターですか? そもそも、東京で取材を受けるような人になっていることを、みんなは知っているんですか?

友人: だいたいの人が知っています。クラスでは、ちょっと変わった人(笑)。賢いから勉強ベッタリと思われてるところもあるけれど、いつもは変な人です。

仲間が見つかるツィッターの魅力!

岩瀬: ツイッターをはじめての驚きや発見は?

西田: う~ん(深く考えて)。自分と同じ興味をもっている人がたくさんいるんだなあと。

岩瀬: そこがツィッターのいい点ですよね。昔なら西田さんのように経済に興味をもった中学生がいても、同級生に同じ趣味の人はなかなかいなかったでしょう(笑)。それがツィッターでは年齢を超えて同好の士が見つかるから、議論の相手もいるし、どんどん知見が広がっていく。

 ツィッターによって学校とは違う大人の人とのやりとりが急に増えたでしょう?西田さんは大人の「いなし方」が上手ですよね。相手は中学生だからと失礼なからみ方をする人もいるでしょう。そういう人とは、どういう気持ちで接しているんですか?

西田: (からむ人は)いますね。まあ、また来たなあと。

岩瀬: しようがないなと(笑)。適当にあしらうわけですか。

西田: そうです。

岩瀬: インターネットに触れ出したのは?

西田: 5歳くらいからインターネットをやってました。週に1回するかしないかでしたけれど。

岩瀬: 5歳!? 5歳で漢字読めた?

西田: ちょっとだけ。5歳のときは、子ども向けのゲームコーナーで遊ぶ程度ですから。

岩瀬: ウィキペディアを読んでたわけじゃないんだ。

西田: インターネットで毎日ニュースをチェックしたり、ネットサーフィンするようになったのは、小学6年生になってからですね。

岩瀬: 経済学は、どこに惹かれたんですか。

西田: 日常の出来事を、すごく論理的に説明してくれるところです。

岩瀬: ブログでは海外の文献翻訳とか、いろいろやってますね。カテゴリーは?

西田: 日常の身近な事柄の経済学、社会問題の経済学、海外の経済学者のブログ記事の紹介、翻訳です(この他にも、「中学の教科書にツッコむシリーズ」や「夏休みの宿題」というコンテンツもあり)。

岩瀬: 海外の経済学者のブログを読んでいるのですか?

西田: はい、けっこう読んでいます。RSSに登録しているのは4つくらいですけど。タイトルで気になるのは、読みますね。

岩瀬: するっと読める?

西田: いやあ、それはないです。分からない単語は、ウェブの英訳辞書で調べながらです。

 

「内申書制度はなくなって欲しい」!

岩瀬: 西田さんのブログで面白いと思ったのは、身近な問題を経済学で説明するところなんです。最近のものでは、「なんで学校のトイレは汚いのか」と書いていましたね。「こんにゃくゼリーの規制はおかしいんじゃないか」ってのも話題になりました。

 僕らも政治だとか社会で起こっていることで、いろいろ思うところがあるわけですけれど、西田さんが、いまいちばん日本社会に感じていることは何ですか?



西田: (じっと考える)いちばんは教育になるでしょうか。(また考える)あんまり論理的ではありませんけれど、個人の感情としては内申制度をはやくなくして欲しいなと思います(笑)。

岩瀬: 先生たちに気をつかったり、自分の行動が制約されているなと思ったりすることがありますか。

西田: ありますね。

岩瀬: たとえば? この『現代ビジネス』は、学校の先生たちはあまり読まないだろうから大丈夫ですよ。

西田: いろいろやると、態度点を下げられちゃう。

岩瀬: 態度点が低いのですか。

西田: 1学期は良かったけど、2学期はもう・・・。あれは、社会のプリント販売が効いたのかなあ。

岩瀬: たしか、期末試験対策用のプリントを作って売ろうとしたんでしたね。1枚いくらで?

西田: 教科書の穴埋めプリントを作ったんですが、売るところまでいかなかったので(笑)。

岩瀬: (再び友人に)欲しかった?

友人: はい(笑)。

岩瀬: いくらなら買いましたか?

友人: 200円くらい。

GkEcの起業家魂!

岩瀬: 学校とはどういうやりとりがありましたか。

西田: すごく怒られましたね。担任の先生に、「学校では商売しちゃいけないのは常識だ」と。

岩瀬: そんな常識はおかしいですよね。なんと答えたんですか。

西田: 日本は資本主義社会だからいいはずですって。

岩瀬: (爆笑)。先生はなんて言ってました?

西田: 「学校は公共のものだから」と。そんな言葉でした。今回のプリント販売自体にはいろいろ問題はあったと思いますが、学校で商売をしちゃいけないということに疑問を感じているのは、ずっと変わらないですね。

岩瀬: 反省している部分もある?

西田: はいそうです。今度は、もうちょっと詰めてからやります。

岩瀬: (爆笑)。そういうところが面白い。起業家マインドを持ってるんですよね。たとえば、ウォーレン・バフェット(アメリカの著名な投資家)は、子どもの頃に6本25セントで購入したコーラを1本5セントで売ったりしてた。ビジネスに成功している人には、子どもの頃に小さな商売をはじめていたという事例がけっこうあるんです。

 僕の反抗期は、西田さんみたいに落ち着いていなくて、もっと悶々としていまして、先生全員に嫌われていました。「岩瀬はぜったいにうちのクラスに入れたくない」って言われていたくらいです。

西田: (ニコニコ笑って話を聞いている)

岩瀬: (友人に)社会科のプリントの件を、まわりのみんなはどう感じましたか?

西田: う~ん、まわりがどう思っていたかはわかりません。僕のお母さんは、「別に売ってもいいんじゃないか」って言ってましたけど・・・。

岩瀬: 西田さんは、視点が普通の中学生よりも大人の視点に近づいているんでしょうね。西田さんの目から見て、学校でおかしいなと思う部分が他にありますか?

西田: そうですね(ゆっくり考える)。基本的に日本の教育っていいシステムだなと思ってますので、あまり批判はしないんですが・・・。

岩瀬: どんな部分がいいと?

西田: 「知識をため込まないと、考える力はつかない」みたいなところです。


コスプレで歴史を学ぶイギリスの小学校!

岩瀬: なるほど。このあいだ、お嬢さんがイギリスで教育を受けたという方から聞いたんですが、歴史教育がぜんぜんちがうんですね。日本は「1192ツクロウ鎌倉幕府」みたいな暗記してますけれど、そのお嬢さんがイギリスで受けた歴史では、こんな宿題が出たそうです。

「中世の村の歴史を知るには、どれが最良の資料となるでしょう」という問いで、これを理由と共に述べよという宿題です。
資料は3つ。
1:村の女の子の日記 
2:教会が付けている土地の記録 
3:議会の文書 です。

西田: へえ。

岩瀬: 僕は小学生までイギリスで生活していたんです。やはり歴史の授業では、清教徒革命を学ぶときなどは、まず有名な歴史上のあるシーンを描いた画を写生して、次に各自が扮装して、その(現場となった)お城に行ったりしました。国王側は貴族っぽい格好をして、オリバー・クロムウェル派は、地味な格好です。

 そんなコスプレをして実際に戦場を訪ねるんです。歴史の大きな流れを肌で感じさせるわけですね。日本とはとてもちがいます。もちろん基礎的な知識は必要だと僕も思います。結局はバランスなんでしょう。

2011年01月18日(火)現代ビジネス 田原総一朗

田原: 日本の自動車会社は20年後どうなるんでしょうか。 

孫: 彼らがIT自動車メーカーにならなかったら・・・。

田原: どうするとなれるんですか。自動車メーカーはどうやれば20年後に生き残れるか。

孫: シリコンバレーから、あるいは日本にいるコンピュータに詳しい頭脳を持った学生を優先的に自分の会社に入れることです。

 日本の自動車メーカーだって、アメリカシリコンバレーの電気自動車メーカーと提携したりすればいいんです。そして、みずからIT自動車を開発していかなきゃいけない。

 20年前、30年前には、日本は車を電子部品化してドイツ車に勝ったわけです。アメリカ車に勝った。

 これからの自動車は、電子部品で勝つのは当たり前です。それ以上にITで勝たなければいけない。つまり車1台に20台入っているマイクロコンピュータを1台あたり50台にする、さらにもっと優れたチップにしてセンサーと全部連絡をし、クラウドと交信する、と進化させていかなければいけない。

田原: いずれにせよ日本の自動車会社はこのままじゃあ20年後にないですよ。なぜならば、それは中国韓国バングラデシュインドで、決定的に安い車が出来ちゃうからです。

孫: そうです。これからは日本の自動車メーカーはエンジンのスピードを競うのではなくて、車のなかに入っているマイクロ・コンピュータの計算速度を競うようになります。そのマイクロ・コンピュータがクラウドと通信をする速度を競う。だから新しい自動車メーカーの速度競争は、エンジン速度ではなく・・・。そもそもね、200キロなんて出したら捕まるんだから(笑)、エンジンの速度を競うのではなく、コンピュータの計算速度と通信速度を競う。

 そもそもグーグルが今やっている新しい自動車って何かっていうと・・・。

田原: グーグルが自動車をつくってるんですか?

孫: やっているんです。グーグルが資本参加して共同開発しているんです。僕は来月、シリコンバレーに乗りにいってきますよ。

田原: どんな自動車ですか?

孫: 車を人間が操縦しないんです。ロボットカーです。ロボットがすべてを操縦するんです。

田原: 人間はどうしているんですか?

孫: 法律上は一応、運転免許を持っている人が乗っていなきゃいけないので乗っているんだけれど、腕組んでいる。

田原: 薬屋さんみたいなもんだ。

孫: え?

田原: 薬屋さんは、薬剤師の資格を持っている人がいないと薬屋を営業出来ない。でも座ってりゃあいい。

孫: ははは(笑)。だから運転手も腕組んで、コーヒー飲みながら、本を読みながらでいい。車のなかにあるコンピュータが並列処理で、200個くらいある高速カメラ、レーザーカメラが360度スキャンする。通りすがる相手側の自動車、横切るおばあさん、信号、曲がり角、下り坂上り坂全部をコンピュータの目がブワーッとスキャンしながら、それで目的地に交通渋滞を避け、ブレーキも掛けたりする。

 この自動車、グーグルが6台かな、常時走らせて、グーグルマップのストリートビューの画像はそのロボットカーで撮影していっているんです。

コンピュータは最後、二束三文になる!

田原: 僕は車の運転手っていうのは最後まで残る筋肉労働だと思っていたけれど・・・。

孫: 違います。人間がクルマを運転すると交通ラッシュの時でも7%しか道路を有効活用していないんですよ。ラッシュの時ですら、道路って93%は空き地なんです。それは人間が非効率的な、しかも事故を起こすような間違った下手くそな運転をやっているからです。

これが人間の運転手を排除して、ロボット運転自動車だけになったらどうなるかというと、交通ラッシュがなくなって、常に事故を起こさないでシューっと同じ速度でガーッと行く。曲がり角も効率よくピャッと曲がる。で事故を起こさない。

田原: 高いんじゃない、値段は?

孫: 高い。今めちゃくちゃ高い。今売っていないですよ、高すぎて。

田原: 将来は安くなる?

孫: コンピュータですから最後は二束三文になる。コンピュータ・チップというのは最後は砂ですから。一回設計してしまえば、コピーなんです。

田原: 今日ここにきている先生たちに申し上げたいのは(この対談には観客として教育関係者150人を招待しました)、今ある大企業が20年後に今のままではほとんどなくなるということです。

孫: そうです。だから日本の自動車メーカーだって、まさにグーグルカーと闘わなきゃいけないわけです。

 電気自動車も大事だけれど、電気自動車だって台湾勢、韓国勢、中国勢に抜かれますよ。だってパソコンで使っている電池を積んでいるわけですから。モーターだってピュッと組み合わせたら出来るでしょう。そういうパソコンの組立と同じように自動車も組み立てられる。

 だから大事なところは、組立業ではなくて、今言ったロボットカーのようにインテリジェンスのコンピュータで勝負するという時代になったということです。

田原: 肉体労働で勝負しようとするならバングラデシュ並みの給料になっちゃう。それが嫌だったら肉体労働じゃない、インテリジェンスで勝負しようと。こういうことですね?

孫: そうです。だからね、今すぐ電子教科書だIT国家だというと、「それを使えない人たちは落ちこぼれて、どうしますか」という質問が必ず出るんだけれど、いやいや、30年後の日本の中心的労働者を育てるために今の10歳、7歳、15歳を教育しましょうということです。30年なんてすぐくるんです。20年なんてあっという間です。

最初に知り合ったときは社員が3人だった!

田原: 孫さんと知り合ってもう20年以上たつ。

孫: なりますよね。僕がヤフー・ジャパンを作ってからでも15年です。

田原: 孫さんに最初取材したときは、社員が3人だった。

孫: あ~、そうそう。そうですよ。最初のうちの会社案内は・・・。

田原: 僕が推薦している。

孫: 推薦どころか写真付きで登場していただいたんですよね。

田原: その会社がこんなになっちゃったんですからね。

孫: 一番最初の会社案内は田原さん。あの頃はこんなに有名じゃなかった。

田原: 全然有名じゃなかった。

孫: 僕も先見の明があった(笑)。

 あっという間に20年なんてたちます。

 だから日本の子どもたちの教育というのは大学の受験に通らすための教育ではなくて、その受験を通らすための子どもを作るための教育ではなくて、日本の国家を作るための、日本の天下国家を作るための教育であるべきです。

 日本の50年後、100年後は先生方が作るんです。その先生方と「どういう国家にしようか」という議論を、文科大臣がしなきゃいけない、総理大臣がしなきゃいけない。そういう話だと思うんです。

農業でGDP3%成長が達成できるのか!

田原: 一番問題なのは日本の政治なんですよ。今の政治を見ると、民主党はどんどん支持率が下がる。「国民からかけ離れているんだ」とみんな思っている。でも全然かけ離れていないですよ!! 国民に沿いすぎているんです。

 民主党の支持率が下がっているのは、国民に沿いすぎているから、密着しすぎているからです。なぜか? 

 たとえばさっき言った予算で言えば、歳入が37兆円、歳出が92兆円、借金が44兆円プラス10兆円。ムチャクチャでしょう。

 これをなんとか健全化するためには、誰が考えてもやっぱり歳入を増やす、増税しかない。だけど国民は増税を嫌がっている。じゃあ増税が嫌なら歳出を減らす、福祉を減らす、地方へのカネを減らす。それも国民は嫌がっている。何にも出来ない---。

 大事なことですよ。マスコミはムチャクチャ書いているからね。国民のニーズに、政治が合わせようとするから、結果として何にも出来なくなった。

孫: そうです。だから選挙で勝とうと思うと、甘い言葉を囁かないといけない。甘い言葉って何ですかというと、「すべての福祉には要望通り全部払います。で、増税はしません」と。

 だから増税をせずに、なおかつ要望を全部聞きます。そうすると借金がどんどん増える。皆さんの家庭だって収入以上に家族で使っちゃって借金が増えていったら破産します。会社だって、売り上げの倍も経費に使ったら倒産して当たり前です。

田原: 日本は三倍使っているんですよ。収入の。

孫: 日本の国はそれでは保たんということですよね。

田原: ところがね、「これじゃあ保たない」といってみんなが「そうだ」と言うけれど、じゃあ税金を上げるかいうと「ハンターイ」と。福祉を下げるかというと、「ハンターイ」と。だから民主党の菅さんは何にも出来ない。

会場 (笑)

孫: どんどん人気が下がっちゃうんです。だけど、唯一そこに答えがある。

 唯一ある答えは何か。今すぐの問題解決は難しい。じゃあ30年後はどうか。30年後まで、日本のGDPを毎年平均で1%ずつ伸ばしたいか? 1%伸ばすと日本のGDPは700兆円になります。2%伸ばしたいか。2%伸ばすと900兆円になります。

 

田原: すると借金を超える。

孫: 3%伸ばすと1200兆円になる。つまり日本の天下国家を30年のビジョンで、1%成長する国家にしたいか、2%にしたいか、3%にしたいか。

 3%にしたい、それで1200兆円にしたいということで、もし1200兆円に出来ても国際社会の中での日本のGDP のランキングはそれでやっと4位が保てるんです。4位です。

 もし1%でいくなら8位なんです。インドネシアに負けるんです。日本がODAで助けている国に見下ろされる存在になる。それでいいのかと。

 だから3%成長させたいとすると、今よりも700兆円増やさなきゃいけない。今よりもGDPを700兆円増やすということは、倍以上にするということです。その700兆円を増やすのに、農業で増やせますか。漁業で増やせますか。

田原: 今、農業総産出額は8兆円。

孫: うん、農業、漁業全部足して、日本のGDPの2%しかない。農業漁業、全部足して10兆円。その10兆円を倍にしたところで10兆円しか増えない。倍にするのって難しいですよね。

 だから先生方が教育すべき日本の労働人口をどこに持って行くべきかというと、倍にしてもたった10兆円しか増えないところに持っていくんじゃなくて、700兆円増やすためには、そのうちの40%をまかなうITなんです。

 700兆円増えるうちの40%はITで稼ぐ、頭脳で稼ぐ、頭脳労働者で稼ぐ。これをやると、残り60%の成長も単純労働のものづくりではなくて、頭を使うものづくり、頭を、IT を使った流通、ITを使った金融サービスになる。

だから皆さんの役割は、実は天下国家で一番大きいんです。

田原: 大きい。

孫: 日本のくに作りは、皆さんが担っている! だから今日呼んだんですよ。

会場 (笑)

田原: 皆さんが今教えている生徒たちが一人前になる頃、つまり20年後ですよね。

孫: そう。頭を使う日本人にする。身体を使う日本人ではなく、頭を使う日本人にするというのが皆さんの一番大切な役割です。

 そもそも教育って頭を鍛えるためにやるのとちがいますか。身体を使うための教育をしてどうするんだと。頭を使う教育をするんじゃないのかと言いたい。

 頭脳労働の世界で平均値を高くしなければいけない。それは全員がというわけにはいかないけど、せめて基礎能力はそこに全員が持たせないかん。全員が英語をしゃべれる必要はないけれど、全員に中学一年生から教育しているじゃないですか。

学校でどんどんディスカッションをして欲しい!

田原: 今日、孫さんは強烈な刺激を皆さんに与えたと思う。この強烈な刺激について、これから皆さんね、それぞれの学校でディスカッションしてほしい。

 「孫はこう言っているけれど、こんな問題があるじゃないか」と。それで、「こんな問題があるけれど、その問題を孫さんが言うようにやらなかったら今の教育変わらないよ。どうすんだ」とかね。

 これからは、これを刺激として、皆さんがどんどんディスカッションしてほしいと思う。

孫: 具体的なテーマを一つ申し上げます。

「30年後に100万倍の能力のコンピュータが生まれる。これ一台で4億年分の新聞が入ります。そうすると社会はどう変わるか、仕事はどう変わるか。皆さんが社会人になった時、仕事は、社会はどう変わると思うか。その絵を描け。それを議論してくれ」と。

 そういうと、それは答えが一つある問題ではないから、まさに生徒たちが目をキラキラさせながら絵を描く、作文をする、議論をする、ディスカッションをする。

そのことは、30年後もその子どもたちは、「ああ、そう言えば僕が10歳の頃、私が10歳の頃、先生がああいう問題を投げかけたな。あのとき、私はこう思った。

 こうやって画用紙に描いた。そのうちの半分は現実のものになったな。振り返ると、子どものときは俺は天才だったな。大人になってちょっとズレたけど」と。

田原: ハハハ。

「教育とは何か」をツイッターで問うてみた!

孫: 同窓会をしたときに、そうやって昔を思い出して先生方と子どもたちが語り合えたら、先生方は「幸せな仕事を私は全うした。この子どもたちに真に役に立った。かけ算、九九を覚えさせてなんぼのもんじゃ。みかんの特産地を覚えろ、そんなものを俺に言わせりゃコンビニや。二十四時間売っとるで」と思える。

会場 (笑)

孫: みかんの特産地にもぎに行ったこと、僕は生まれてから一度もないですよ。まあそれも大事だし、みかんの特産地を覚えるなとは言わない。

 だけど順番として、もっと大切な議論があるだろう。30年後の皆さんの生活はどうなるんだと。何に頭を使えばいいんだと。そういう議論の方が生徒たちにとってはるかに有益です。あらゆる動画を見て、目をランランと輝かせて・・・。

 僕ね、「教育って何だろう」って、ツイッターで問うたことがある。教育で一番大切なことって何だろうってツイッターで問うたら、いろんな答えが一晩で集まりました。その中で一番僕が「なるほど」と思ったのは、「感動を与えることだ」と。

 つまり子どもたちは感動したことを一番覚える。感動したことに一番、頭がガーッと活性化する。無理矢理覚えさせられたもの、嫌々やらされたもの、そんなものは覚えない。そんなものは学ばない。それよりも何かにガーンと、僕が最初にチップを見て涙をしたように、そういう感動を与えるものが・・・。

田原: 皆さんが一番軽蔑されている予備校、日本で有名な予備校だけど、その先生が行っていた。「予備校っていうのは何か? 感動を与えるところだ」と。

孫: いいことを言う。

田原: 「今の学校が感動を与えないから、予備校が感動を与えるんだ」と。なぜなら、別に予備校なんて来なくたっていんだから。「感動を与えなきゃ来ない」と、そう言っていた。

孫: だから、紙の教科書で与えられる感動と、電子教科書で与えられる感動とどっちが大きいか。紙の匂いが懐かしい、鉛筆の匂いが好きだと言う人もいるかも知れない。そんなに鉛筆と紙の匂いフェチならば、いくらでも嗅いでおけばいい。いくらでもあげますよ。

 そうではなくて、電子教科書で、中国の子どもと英語で、身振り手振りしながら会話をする。繋がる。アメリカの子どもと、ロシアの子どもと、英語でこうやってしながら、自分の30年後の絵をばーっと見せて、これで感動を与える。

田原: よく分かるんだけれども、やっぱり「教育とは何か」ということがちゃんと出来ていないとやんないよ、そんなことは。

孫: そう。だからやっぱり天下国家を政治で議論をし、国家のビジョンを作り、その国家ビジョンに合わせて、教育をそっち方向に持って行くと。

30年後の社会を見据えた教育を!

田原: 孫さんがおっしゃっていることを一言でいうと、20年後、30年後は今の社会とバーンと変わると。大きく変わっていると。トヨタがなくなっているかも知れない。ホンダがなくなっているかも知れない。ホントだよ。

 そういうときに世の中に出る生徒たちのために、どういう教育をするのか。

孫: そういうことです。アメリカでゼネラルモーターズが潰れるなんて、30年前、誰一人思わなかった。国家から救済されたわけです。オバマ大統領からね。そんなこと30年前のアメリカ人、日本人、誰も思わない。でもそれが現実になったわけですね。

 だから単に単純労働で労働賃金の低い組立業、農業でも労働賃金の低い、700%の関税で人工的に守られているというようなところにすがりついていちゃあだめだ。

 農業もITを使って、日本の優れたタネとか農業の工法を科学的なもの、ITを使って磨き、そのタネをベトナムで植える、カンボジアで植えると。そうやって世界に打って出る。TPPの時代でも競争力を保てる農業に変えなきゃいけない。そういうことだと思うんですね。

田原: 皆さん、これが強烈な刺激だと思うんで、「どうすりゃいいんだ」と本気でディスカッションして、ね、孫さん。

孫: はい。僕はちょっと過激に言いますけど、でも本音です。本音で申し上げました。



田原:孫さんの本音はこれまで30年は当たってきたね。



孫: 当たってきたと思いますよ。

田原: これからあとの30年は当たるかどうか分からないけれど、少なくとも彼に僕が取材してからこの30年間は当たっているんだ。

孫: まあいつも当たるとは限りません。しかし、少なくとも今日の話は、アーカイブとして100年後も500年後も残ります。

 僕はユーストリーム、ツイッターの経営陣ともしょっちゅう、毎月のように会っています。彼らは「このサーバーに入ったアーカイブは500年は残す」と言っています。ですから30年後に今言っていることが、「なるほど、そういう社会になったな」と思われるか、「あいつはバカだ。嘘っぱちだ。エキセントリックだった」と思われるか、そのときに検証出来ます。そういうことです。

田原: 少なくとも今までの30年間、孫さんが言ったことは間違っていなかった。これからは分かりませんが、たぶん、そうとう信用出来るとは僕は思っています。       (了)

 

 

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