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減税日本
 
2011年02月25日(金) FRIDAY
 
追い詰められた独裁者がスター首長ブームに乗る「3・2離党計画」進行中!
 
「菅政権から国民が離れ始めている。地方の乱は、まだ始まったばかりだ。それにしても想像を超える民主党離れが進んでいる。もし、今の時点で選挙をやれば、民主党は100議席くらいしか取れないだろう。君の人気で民主党を支えてくれ」
 小沢一郎幹事長(68)がそう言って真顔で見つめた相手、それは「減税」を掲げ次点に大差を付けて名古屋市長に再選されたばかりの河村たかし氏(62)であった。河村氏は当選を決めた翌々日の2月8日、衆院議員会館の小沢氏の事務所を訪れただけではなく、12日夜には各界のリーダーを育成する目的で毎年行っている「小沢一郎政治塾」の懇親会に飛び入り参加し、若き次世代と杯を重ねた。民主党の若手議員が解説する。
「物心両面で河村さんの面倒を見てきたのは、小沢さんを支持する『一新会』所属議員の秘書たちで、松木謙公氏(農水政務官)の政策秘書はその中核でした。松木氏自身、市長選で岡田(克也)幹事長が河村氏の対立候補を立てたのに逆らい、名古屋に赴いて河村氏を応援している。当選ホヤホヤの河村氏を小沢氏に引き合わせたのは、松木氏が仕掛けたものです」
 これだけの蜜月ぶりを見せつけられたら、政治部の記者でなくても、「小沢---河村連合発足か」と勘繰りたくなるところだ。事実、永田町では、小沢氏に「離党→河村氏との連携」を促しているのは松木氏であるとの見方は根強くある。2月12日、本誌は河村氏を直撃した。
---小沢さんとの会談は何だったのか。
「減税のためというのがデカイですよ。国に減税の政治勢力をつくらんと」
---小沢さんと連携するのか。
「小沢グループとは仲いいもんでよ」
 だが、松木氏がパイプ役なのかを問うと、「減税だわ、減税」と煙に巻いた。
 
---では、「減税民主党」は今の民主党の枠組みでできるものなのか。
「できりゃいいけど、できゃあせんがね」
---とすると民主党は分裂して・・・。
「分裂言うか、何と言うか分からんけど、それが皆さんの、日本のためになる」
---それは、小沢さんと一緒にか。
「そういうのが作れりゃいいけど・・・。いや、やらないかんわ」
"民意"の威を借る河村氏の鼻息は荒い。言葉の勢いからは、自身が率いる「減税日本」に明日にも小沢氏を迎える用意があるかに見える。小沢氏側近が語る。
「菅政権の支持率は、早晩10%程度まで落ちる。かといって自民党の支持率が上がるわけでもない。ここで選挙があれば、民主も自民もない。細胞分裂して政界再編だよ。その時に受け皿になるのが河村さんの党をはじめとした地域連合だ」
 予算案自体は3月2日までに衆議院で可決すれば年度内に自然成立するが、予算関連法案は衆院で再可決するのに5議席足りず、菅直人首相(64)が社民党に"泣き"を入れている状況だ。
 
社民党が協力するか、というより、小沢派議員が造反しないかのほうが見どころですよ。菅政権では予算を執行できないとなれば、さすがに権力に固執する菅首相とはいえ解散して国民の信を問うほかありません」(全国紙政治部記者)
 
間もなく党員資格停止処分が下されますます追い込まれる小沢氏が政界で存在感を示すには、河村人気にあやかって減税日本に合流する"ウルトラC"しか方策はない。
 小沢氏自身、「アレはちょっとしたミニ政党になる」と色気を示し、「気持ちが離党に傾いたのでは」と周囲がざわついたとも伝えられる。
「実は、『政界再編は近いじゃにゃぁの』と気勢を上げる河村さんのほうが、小沢さんとの連携に積極的です。目的は、小沢さんの政治塾の若い塾生たちを減税日本に取り込むことでしょう」(前出・民主党若手議員)
 再編に向かう政界の動きは、小沢氏に"引き際"を教えているのかもしれない。
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美人の"雰囲気"が遺伝する
 
 だが「美人」になる遺伝子というものは見つかっていない。
「容姿の美しさは部分ではなく全体のバランスで決まりますので、非常に多くの遺伝子が複雑に関わってきます。例えば、身長ひとつとっても、100個近い遺伝子が関係していることが分かっています。
 そもそも美醜の基準自体がその社会や時代によって変わりますし、少なくとも『美人遺伝子』のような単純なものはありません」(前出・石浦氏)
 つまり、純粋に「容姿」という点では、必ずしも美人の子が美人になるとは限らないということだ。だが、「美人」というのは、なにも容姿のみで決まるものではないだろう。ちょっとした立ち居振る舞いや、何げない表情に漂う色気も、美人であることの大切な要素だ。そうした身のこなしや、その人ならではの雰囲気は、母から娘へ遺伝して、受け継がれていくものなのだろうか。
 
女優・辺見えみりさん(34歳)の母で歌手の辺見マリさん(60歳)はこう話す。
「人には、『お母さんに似て娘さんも目が大きいわね』なんて言われたりするんですが、目の形は全然違う。正直、顔立ちはあんまり似ていないと思います。表面的な容姿で、えみりとそっくりだな、と思うのは足の指の形くらいです。
 ところが、メイクアップをして舞台に立っているえみりを見ると、あまりに自分に似ているのでぎょっとします。これは私だけじゃなくて、周囲の方もそうおっしゃいます。娘も私も幼い頃からクラシックバレエをやっていたんですが、そのステージ姿もそっくりでした。
 顔のパーツパーツは違っても、舞台に立つと雰囲気が似てくる。何げない仕草や姿勢も似ているようです。舞台の上のような、プレッシャーがかかった、ある種の極限状態の時こそ、かえって、自分の本質というか、持って生まれたものが表れるんじゃないかな、と思っています。こういうのはやはりDNAなんじゃないでしょうか」
 容姿以外の立ち居振る舞いの部分も、遺伝ではないか、と想像する辺見マリさん。
 一方で、日本大学芸術学部教授で国際パフォーマンス研究所代表の佐藤綾子氏は、人間の動作や自己表現が親子間で似てくるのは、遺伝というより「模倣」だという。
「私の友人に実子と養子を一緒に育てている方が2人いるのですが、どちらも、養子の方が、仕草や行動が父親に似ていて、血の繋がっている実子の方がむしろ、似てないんです。それほど、人間の自己表現というのは、環境や教育の影響を受けやすい。
 たとえば、赤ちゃんは生後2週間ぐらいまでに、もっとも身近にいる人の顔を見て、どんな表情をするかを覚えます。子供が親とそっくりの顔つきをすると、遺伝だと思いがちですが、実際は身近にいる人の表情を模倣しているのです。
 今年1月に亡くなった細川俊之さんの葬儀の際、娘さんがインタビューに応じていましたが、笑顔になったときの口の形、口角挙筋をきゅっと引くところがそっくりでした。ご両親が離婚されて、娘さんは細川俊之さんとは離れて育ったようですが、やはり小さいころのお父さんの笑顔の記憶が残っているのでしょう」
 中には親の仕草を子供が意図的に真似るようなケースもある。
「たとえば衆議院議員・小泉進次郎さんの言葉遣いや、イントネーション、腕の動きなどは父親の小泉純一郎氏にそっくりです。
小泉進次郎の話す力』(幻冬舎)の取材で直接進次郎さん本人にお会いして聞いたところ、『意図的に真似をしている』と話していました。『自分は父を尊敬しているし、父のようにできたらいいと思っている』という彼はお父さんが演説しているビデオを繰り返し見ては、その話し方や動きをそっくり模倣していたんです」(前出・佐藤氏)
 してみると、「美人の子が美人」になるのは、美人の母親の遺伝子を受け継いだ、というよりは、母親の「美人」的な動作や雰囲気を正確に「模倣」しているからなのかもしれない。
 
胴長短足は遺伝?
 
 そもそも、我々日本人の容姿は、どのような経緯をたどって現在に至ったのか。
「日本人は人類学的にいえばアイヌ人、琉球・沖縄人、そして倭人(本土日本人)という三つの集団からなっているんです。
 そのなかでも、アイヌ人と琉球・沖縄人は比較的近い原日本人系(縄文系)で、倭人は弥生時代以降に北東アジアからきた渡来系との混血、という二重構造になっていると言われています。その縄文系と弥生系の混血の度合いでも濃淡があります」(東京歯科大学法人類学研究室・橋本正次教授)
 
つまり大雑把に言って、日本人には縄文人系と弥生人系がおり、アイヌ人と琉球人は縄文系の特徴を多く残し、本土の倭人には弥生系が流入して混血が進んだ。そうした日本人のルーツとなった縄文人と弥生人には大きな違いがあった。
「北方からやってきた弥生人は胴長短足で髭が薄く、顔面は扁平である。これは毛深いと吐いた息が髭のところで固まって邪魔になったためと言われています。その反対に南方民族の縄文人は毛深く、顔の彫りが深い」(前出・橋本氏)
 橋本氏が言うには、日本人の顔の縄文度を簡単にチェックできる縄文度チェッカーも存在するという。判定に使う特徴は10ある。それに当てはまった数×10%で縄文度を算出する。その特徴は以下である。
 
1.目が大きい
2.二重まぶた
3.輪郭が角張っている
4.眉が太い
5.眉が濃い
6.眉が直線的
7.口が尖っていない
8.前歯が小さい
9.唇が厚い
10.頬骨が平ら
 
 さて、縄文度は何%だっただろうか。
 
 この他にもいくつか特徴はあるが、縄文人と弥生人のどちらか一方が美しい、ということはないようだ。
 美人は遺伝か、模倣か。どちらにせよ、美人の子は美人に似る。それは間違いなさそうだ。
天才・高木三兄弟の「血」
 
 まったく同じ遺伝子をもち、同じ環境で育った一卵性双生児が、同じ競技を選ぶというのは、ある意味当然のような気もするが、一方で、一流選手から50%の遺伝子を引き継ぎながら、親とはまったく異なる競技で活躍する場合もある。
 大洋・横浜時代、俊足と巧打で鳴らした現野球評論家・高木豊氏の3人の息子は、長男の俊幸(19歳・清水エスパルス)、次男の善朗(18歳・東京ヴェルディ)がすでにプロとして活躍中で、三男の大輔(15歳・東京ヴェルディジュニアユース)もプロを目指して奮闘中だ。サッカー関係者の間では「高木3兄弟」として、知らぬものはいないほど、その名を轟かせている。父・高木豊氏が語る。
「小さい頃から3人とも脚は速かったし、スポーツは得意でしたね。ただ体格的には3人とも身長は170cmぐらいで、野球をやるにはちょっと小柄だし、パワーという点では不利かもしれない。サッカーを選んだのは正解だったような気がします。
 僕は息子たちが始めるまでは、まったくサッカーに興味がなかった。でも僕自身、サッカーに必要な反射神経や持久力などは野球界にいたころは誰にも負けない自信があったので、きっとサッカーをやっても、そこそこできたでしょうね(笑)」
 同じ道を歩む「高木3兄弟」だが、その能力は三者三様だと父は言う。それでも、それぞれの能力の下地には、自分からの遺伝があると、高木氏は実感しているようだ。
 なかでも三男に対しては、「野球でもやれたんじゃないか」という複雑な思いをもっているという。
「才能という意味では多分僕以上ですね。骨が太くて野球選手向きなんです。
 
キャッチボールなんかしてもミスをしないし、ハンドリングが柔らかい。肘から先の使い方がうまいんです。これが僕以上の才能を感じさせるところ。野球のほうに進めば、いい内野手になったんじゃないかと、ちょっぴり思います」
 親の持つ運動能力を引き継ぐといっても、野球とサッカーでは、まったく別のスポーツだ。
 走るという要素ひとつをとっても、野球ではベースとべースをつなぐ短い距離の全力疾走が求められ、サッカーでは長い距離を駆け抜けることのできる、持久的な走力が求められる。
 現在の研究では、短距離用の筋肉と長距離用の筋肉は別ものだと言われている。
 筋持久力に働くサッカー向きの遅筋繊維と、短距離向きの速筋繊維の筋肉の割合は、遺伝によって決まることがほぼ分かっている。
「11番染色体にあるACTN3(アクチニンスリー)遺伝子が筋肉の質に関係しているとして、注目を集めています。R型とX型という2つの型の組み合わせによって、スプリンター向きか長距離選手向きかが決まると言われています」(東京大学・石浦章一教授)
 その点でみると、高木氏の3人の息子たちは、サッカー選手としてはやや異質な存在である。スーパーカートリオの一員として、塁間を駆け抜けた高木氏の遺伝子は、サッカー選手である息子たちのプレースタイルに深く影響を及ぼしている。
 実際に三人のプレーを間近で見てきた東京ヴェルディの冨樫剛一コーチは、こう証言した。
「3人とも脚の速さでは、同世代のトップクラスです。これは明らかに盗塁が得意だった豊さんの俊足の遺伝によるものでしょう。そして3人とも、ただ速いだけじゃなく疲れない。
 フィジカルコーチともよく話すんですが、我々指導者の実感として、サッカー選手の能力というのは努力でなんとかなるのが全体の40%で、残り60%は両親から与えられた才能なんです。
 高木3兄弟は親から受け継いだ俊足という才能がある上に、負けずぎらいというサッカー選手に必要な要素も持っている。お互いがライバル意識をもって切磋琢磨していってくれれば、将来がますます期待できる存在になりますよ」
 このように、親から引き継いだ身体的特徴を伸ばし、親とは異なるフィールドで才能を発揮することは可能だ。もっといえば、両親がスポーツにかかわる遺伝子をより多く持っていれば、それだけ子供の可能性も広がるということだ。
 高木豊氏は、とにかく子供たちが本気で打ち込めるスポーツを探したという。
「好きなものを見つけさせるのが一番だけど、勝ちたいと思える、熱くなれるスポーツじゃないと、つまらないよね」(高木氏)
 塚原家もそうだ。直也選手は体操の前にサッカーに寄り道している。
「チームが弱くて勝てないことが悔しかったみたいだね」(光男氏)
 スポーツ選手の人生を決めるのに、運動能力を左右する遺伝子たちが深くかかわっているのは間違いない。
 しかし一方でこんな意見もある。
「一流選手になるのに必要なのは運動能力だけではない。それこそ、その競技に没頭する彼らの熱意にも、何かしらの遺伝子がかかわっているかもしれない。それも気になるんです」(慶応大学文学部・安藤寿康教授)

5.美人は美人から生まれる!?
顔とスタイルは遺伝するという実例多数

エラとアゴは遺伝する
 
「かえるの子はかえる」。子の見た目は親に似る。だとすればこれは「美人の子は美人」というべきか
 
1月24日に発表された2011年度ミス日本コンテスト。弱冠15歳で準ミスに輝いた美女・秋谷祥加さんの母親は現役モデルだった。
 美しい女性の顔だちとプロポーションは、やはり母から子に遺伝するのか。準ミスの母・秋谷晴子さん(48歳)に尋ねてみた。
「確かに似てますね。周りの人には母娘そっくりね、と言われます。
 首から下の体つき、特に腕の形と肩のラインはよく似ていると思います。実は二人とも姿勢が悪くて猫背なんです。だから普段から意識して背筋を伸ばすようにしているんです。それが後ろから見ると、はっとするほどそっくりなんです。
 自分の15歳くらいの時を考えても、やっぱり似ているな、と思います。でも私の方が綺麗だったかな(笑)。娘にもよくそうアピールしています」
 そんな晴子さんの母親は歌合戦のようなイベントに率先して出る積極的な性格だという。そうした人前に出ることを苦にしない性格は、娘の晴子さんにも、孫の祥加さんにも、しっかりと受け継がれているようだ。
 一般に「息子は母親に似て、娘は父親に似る」と言われているが、男の子でも女の子でも親から受け継ぐ遺伝子は父親から50%、母親からも50%とまったく同じ。「娘が父親に似る」という説に科学的根拠はないという。
 むしろ秋谷母娘のように、母と娘の容姿がそっくりという方が統計的には正しい、と言うのは、『発育・発達への科学的アプローチ』の著書がある愛知工業大学経営学部の藤井勝紀教授だ。
「母親とその娘さんの容姿が驚くほど似ているというケースは珍しくありません。データを総合すると、父↑息子、父↑娘、母↑息子、母↑娘という4つのパターンでは、母から娘へというパターンが、身長や脂肪率といった身体組成において最も似てくるんです」
 NHK大河ドラマ『江』で注目されている、浅井家の美人三姉妹と、絶世の美女とされたその母・市。現在放送中のドラマ『美咲ナンバーワン!!』(日本テレビ系)で主役を演じる女優・香里奈とモデルの姉妹の能瀬三姉妹など、美人姉妹や美人母娘には枚挙にいとまがない。
 ただし、親からの遺伝による身体的特徴は、出やすいものと出にくいものがある。東京大学の石浦章一教授が説明する。
「一般的に遺伝すると言われているのは骨格と関節の柔らかさですね。たとえば、顔の輪郭。エラの張りや、アゴの尖りは、子供に遺伝する可能性が高い。
両親が二重でも一重まぶたになることもある
 顔のパーツでいうと、瞳の色は遺伝します。また福耳や二重まぶたも遺伝しやすい。縮れ毛もそう。
 これらは優性遺伝と言われるものです。遺伝子は父親からきたものと母親からきたものがあるわけですが、そのどちらか片方でも優性遺伝のものがあれば、そちらの形質が現れる。
 まぶたで言えば、二重の遺伝子と一重の遺伝子をもつ場合、二重が優性なのでその人は二重まぶたになります(右図参照)」

「身体能力」「運動神経」はここまで遺伝する

2011年02月25日(金) 週刊現代
 
人間は誰しも両親からそれぞれ50%ずつ、遺伝子を受け継ぐ。では、親からのギフトである遺伝子が優れていれば、生まれながらに優位に立てるのか。
  この特集を読み終えた時、あなたは「人間は平等だ」と言い切ることができるだろうか。

4.「身体能力・運動神経」はここまで遺伝する
一流スポーツ選手は「血」で決まる!?

 運動能力は遺伝するのか。それを考える上で実に興味深い話がある。語るのは作家の黒木亮氏だ。
「自分が血のつながる両親だと思っていた二人が養父母だと知ったのは、大学に入学するときでした」
 当然、それまでの黒木氏には、実の父親に会った記憶はない。それなのに、親子の間には偶然とは思えない経歴の一致があった。
「社会人になってから知ったのですが、実父が学生時代に、箱根駅伝に出場していたんです。
 僕も早稲田大学競走部の一員として2度、父親もかつて明治大学の選手として箱根路を走っていた。その事実を知ったときは、やっぱりなと妙に納得しました」
 中学時代から陸上部に所属していた黒木氏は、北海道大会で入賞するなど長距離走を得意としていた。実の父は箱根駅伝出場だけでなく、終戦直後のマラソン世界選手権で4位に入賞していたことも判明した。
 まったく違う環境を生きた親子が、同じ競技を選ぶ。黒木氏は「これが遺伝ということなんでしょうね」と語った。
遺伝子にオリンピック症候群
 
 運動能力が世代を超えて伝わる例は少なくない。たとえばレッドソックス松坂大輔投手の祖父は、手投げ弾の遠投日本記録保持者だった。
 東京大学大学院総合文化研究科の石井直方教授は言う。
「私の知る限り、スポーツマンとしての優秀な資質を遺伝的に受け継いでいると思われる典型は、ハンマー投げの室伏親子ですね」
「アジアの鉄人」の異名をとった日本ハンマー投げ界の第一人者であった父・室伏重信氏と、元やり投げルーマニア代表の母、セラフィナ・モリッツさんの間に生まれた広治選手は、'04年アテネ五輪で金メダルを獲得。現在も第一線で活躍する。娘の由佳選手も、ハンマー投げと円盤投げの日本記録保持者だ。
 石井氏が続ける。
「2人の兄妹がトップレベルの選手になった背景には、もちろん名選手だった父親から指導を受けられるという環境の良さもあるでしょう。
 しかし、いくら環境が整っていたとしても、兄妹そろってこれだけの選手に成長するのに、遺伝的特質がかかわっていないわけがありません」
 そもそも遺伝による進化とは、環境に適応して効率よく生活するため、生物が淘汰と変化を繰り返すことを意味する。
 運動能力について言えば、脚が速かったり、ものを遠くへ投げたりする能力は、今の人間が生きていく上では、さほど必要な能力ではない。
 
「一般の人にはおよそ必要のない高度な運動能力を持つスポーツ選手というのは、バランスが重視される人間の進化からは大きく外れた領域に位置している、極端な人たちなんです。選ばれた人と言ってもいいかもしれない」(前出・石井氏)
 実際、選ばれた証ともいえる、運動能力を司る遺伝子が引き起こす「症状」の一つに、「オリンピック症候群」がある。
 何代にもわたってスキーの長距離選手だったという家系の選手の遺伝子を調べるうち、エリスロポエチンという赤血球を作る遺伝子に異常が見つかったのだ。
 この異常があると、何もしなくても赤血球が増加してしまう。そのため人より多くの酸素を吸収し、高地トレーニングや血液ドーピングをしているのと同じくらい、肉体が活性化されるのである。これはアスリートにとっては大きなアドバンテージとなる遺伝特性だろう。
 ただ「オリンピック症候群」は、その名のとおり病気でもある。酸素を吸収しすぎた血はどろどろになり、脳梗塞や血栓の原因にもなりかねない。高い身体能力と引き換えの「爆弾」でもあるのだ。
 このようにトップアスリートの家系にだけ、突出して受け継がれる遺伝というものがある。室伏選手同様、トップアスリートを両親に持つ少年は、どのような遺伝的影響を受けて育ったのだろうか。
「体操選手に必要な瞬発力が直也にはあった。体型的にも、僕や妻に似て手が長い。手が長く胴が短いというのは、体操選手に向いている体つきなんです」
 アテネ五輪男子体操金メダリスト・塚原直也選手の子供時代を、そう回想するのは、父親で塚原体操センター校長の塚原光男氏だ。
 光男氏は、現役時代に3回のオリンピックに出場し、5つの金メダルを獲得した名選手。母親の千恵子さんも元日本女子体操代表という、絵に描いたようなアスリート夫婦だ。二人の血を受け継いだ直也選手が、体操選手にふさわしい体つきを持って生まれてきたことは、当然の帰結と言える。光男氏がその才能に驚かされたのは、直也選手が小学校1年生のときだ。
「何の練習もしてないのに、自分の背丈より高い跳び箱を軽々と跳んだのを見て、こいつは本当に体操に向いているんじゃないかと思いましたよ」
 しかし直也選手が本格的に体操をはじめたのは、小学校5年のとき。体操でトップを目指すには小学2~3年から始めるのが常識で、直也選手はそうしたハンディを補うため猛練習を繰り返した。
 そんな息子を父は環境面を整えることでバックアップする。
直也には最初から五輪で金メダルを取りたいという目標があったが、当時の日本の体操レベルは中国や旧ソ連に及ばなかった。だから、僕が彼を教えてもダメだと思い、中国やソ連からコーチを招いて世界のトップクラスの体操を学ばせることにしたんです」
 父と母からもらった骨格と筋肉を鍛え、33歳となった今も、直也選手は現役を続けている。
 
持久力の遺伝子を持っている
 
 支えあう兄弟ではなく、同時代のライバルとして、世界一を争った一卵性双生児がいる。ノルディック複合の荻原健司、次晴の荻原兄弟だ。
 日本人離れした持久力を生かし、世界の強豪に交じって見事にメダルを獲得した荻原兄弟。その強さの秘密は、やはり「遺伝」にあるようだ。
 選手時代、血液の成分を調べたところ、兄弟揃って酸素を蓄える数値が異常に高かったという。
「生まれ育ったのが標高1200mの山岳地帯でしたから、自然に酸素摂取能力が高くなったのかもしれません。持久力もついたんでしょう。スタミナに関しては、遺伝していても驚かないですね。
 
実は僕たちは、健司と僕の双子を含めて5人姉弟なのですが、姉たちもスキーのクロスカントリーが得意で、長女と三女は全国中学生スキー大会で1位になるなど、みんな長い距離に強いんです」(荻原次晴氏)
 荻原兄弟の父親はスキーの元レーサーで、母親は特別なスポーツをしたことはないという。夫婦での登山が趣味だが、特に父はヒマラヤの8000m級の山を平気で登っていたというのだから、只者ではない。
 元日本人類遺伝学会理事長である中込弥男氏の話は、荻原姉弟の能力の秘密を解き明かす。
「8000m級の山に無酸素で登頂できる人は、ほぼ必ず、『持久力の遺伝子』といわれるアンジオテンシン変換酵素(通称ACE)という遺伝子を持っているんです。
 この『持久力の遺伝子』があれば、持久力は鍛えれば鍛えるだけ上がっていくものです。しかし、この遺伝子を持っていない人は運動しても持久力は上がりません」
 荻原兄弟がこの遺伝子を持っていることはほぼ確実だろう。
 ちなみに一卵性双生児である荻原兄弟は、性格もそっくりだ。
「2人ともせっかちで几帳面。短い時間で深く集中できるというところも一緒です。健司も僕も世界で活躍していた頃は、スタート前など、人の話し声も聞こえなくなるほど集中してしまう。僕らは切り替えが早いので、大きな大会の前日でも、ちゃんと眠ることができた」(次晴氏)
 こうしたエピソードは、一卵性双生児にはよく見られる。別々の家庭で育った一卵性双生児が、何十年後かに初めて会ったとき、まったく同じ趣味を持っていたというケースが非常に多いのだ。
 前出の中込氏が語る。
「30歳になって初めて会った一卵性双生児の女性は、どちらもハデ好きで指輪をたくさんしていたとか、男性の場合は2人とも自分の子供に同じ名前をつけていたといったケースが報告されています」
 
 
2011年2月24日 DIAMOND online  上杉隆 [ジャーナリスト]
 
気になるのは石原伸晃自民党幹事長によるリークの意図だ !
 
  三月の暦が近づいてきて東京都知事選が俄然、盛り上がりを見せてきた。
 
 なにしろ予算総額12兆円、職員数17万人、人口800万人を超えるスーパー自治体のトップを決める日本最大の選挙だ。
 しかも大阪府や愛知県のように政令指定都市を持たないことから権限そのものも強大になっている。
 GDP換算でも世界のトップレベルに入るほどの「大国・東京都」、いよいよ本番に突入だ。
 4年ごとになるが、筆者は都知事選について毎回「週刊文春」でレポートを発表している。今回で3回目。鳩山邦夫秘書として戦った99年を含めると4回目の都知事選となる。
 きょう発売の「週刊文春」が第二弾になるのだが、その校了直前、次のようなニュースが飛び込んできた。

長く都政を見ている者には
「合点の行く話」

〈東京都の石原慎太郎知事(78)が、4月の都知事選に出馬しないことが22日、分かった。長男で自民党石原伸晃都連会長らが支援者らに伝えた。石原知事 らは後継候補として、神奈川県の松沢成文知事の擁立を進めている。自民党都連は石原知事への出馬要請に向け準備を進めていたが、戦略の練り直しを迫られている。候補者選びに難航する民主党へも影響しそうだ〉(産経新聞ウェブ版2011.2.22 16:02)
 
 隣県の松沢神奈川県知事が石原都政の後継?
 
 きっと読者の多くはそう思い、このニュースがいかにも唐突に感じられるだろう。
 だが、12年間都政を見ている者からすれば、そうでもない。「ああ、なるほど」と合点の行く話なのである。
 
それは、このスクープ記事を執筆した産経新聞の石元悠生記者も同様だ。都政最長の社会部記者であるからこそ書けた記事なのである。
 結論からいえば、これは首都圏構想の始まりにすぎない。

2007年に「初代首都圏知事就任を目指す」
とぶち上げた松沢神奈川県知事

 ちょうど10年前(2001年)、石原慎太郎都知事が打ち出したのが、最大の政策こそが「首都圏メガロポリス構想」だ。2001年に石原知事が発表したその構想は次の通りである。
〈東京都では、首都機能を担う首都圏メガロポリス※の整備の方向性を示す「首都圏メガロポリス構想」を策定しました。
 
  首都圏メガロポリスは、イギリス一国に匹敵する生産力を持つ世界最大の都市圏です。しかし、現在、経済の低迷、自動車による大気汚染、首都移転問題など様々な危機に直面しており、七都県市の連携により首都圏メガロポリスの再生を図ることが不可欠です。
 
このため、本構想を策定し、都民をはじめ広く国民や国及び首都圏メガロポリスの行政主体に対し提唱することにより、首都圏メガロポリスの再生に向けた七都県市による将来整備構想の確立と、共同の戦略的取り組みの展開の契機となることを目指すものです。
※七都県市(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・横浜市・川崎市・千葉市)のおおむね首都圏中央連絡道路に囲まれた区域〉(東京都都市整備局HPより)
 
 2003年、松沢神奈川県知事、上田きよし埼玉県知事が誕生することで、この構想の動きが加速する。中田宏横浜市長も同調し、現実味を帯びてくる。成田空港を抱え反対に回った千葉県の堂本暁子知事を除けば、その時点で環境はずいぶんと整っていたのだ。
 さらに2007年の地方選挙では、4選禁止を打ち出し、トリプルスコアで勝利した松沢神奈川県知事が「初代首都圏知事就任を目指す」とぶち上げた。
 この年の選挙では、石原、松沢、上田の3知事がお互いの選挙応援に駆けつけるという姿もたびたび見られた。
 
そして、今回、いよいよ首都圏知事に向けて動き出したというのが、都知事選取材をしてきた者の感想なのである。
 
 首都圏構想によって何が可能か。その狙いは前出の東京都HPに10年前から掲載されている。
<・首都圏メガロポリス再生に向けた、目指すべき「21世紀の首都像」とその実現を図る「圏域づくり戦略」を明らかにしました。

 ・「圏域づくり戦略」は、首都圏メガロポリスの約3,300万人の集積のメリットを生かす「環状メガロポリス構造の構築」と圏域の一体的機能発揮を実現する「広域連携戦略の展開」により構成されます。
 
 ・七都県市が共同して取り組むべ広域連携戦略として、交通、防災、環境など13の課題ごとに個別の具体的連携戦略を明らかにしました。
 
 ・首都圏メガロポリスにおいて、基本的インフラが完成したときの整備効果について、シミュレーションを行い把握しました〉(東京都都市整備局HPより)
 
 この構想を胸に、おそらく石原都知事、松沢県知事は連携していたのだろう。それが今回の「松沢後継指名報道」の真相だ。
 
 だが今回、その構想が漏れた時期が少し早すぎたようだ。
 
 それは石原伸晃自民党幹事長のリークによるものだが、果たしてその意図は。
 単に、父親の首都圏構想を理解せずに口が軽かっただけか、あるいは「松沢つぶし」のためにそうしたのか。今後、取材していこうと思う。
 
首都圏メガロポリス構想
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プロフィール
HN:
魚沼コシヒカリ.com
年齢:
70
性別:
男性
誕生日:
1954/01/01
職業:
農業
趣味:
スキー・読書・インターネット
自己紹介:
私は、魚沼産コシヒカリを水口の水が飲める最高の稲作最適環境条件で栽培をしています。経営方針は「魚沼産の生産農家直販(通販)サイト」No1を目指す、CO2を削減した高品質適正価格でのご提供です。
http://www.uonumakoshihikari.com/
魚沼コシヒカリ理想の稲作技術『CO2削減農法研究会』(勉強会)の設立計画!
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