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郵政民営化に続き、改革に逆行
『メッシュ』著者に聞く、新潮流の共有型ビジネス最前線(前編)
考えてみると、都市というプラットホームも共有されるべく計画
企業ではどんな例がある?
モノを売るビジネスでのメッシュはある?
ガンスキー 例えば、映画のDVDをこれまで30ドルで売っていたとしましょう。これならば1回売っておしまいで、売り上げは30ドルです。ところが、マイクロ(少額)リースをして、5ドルで何度も貸し出せば、売り上げは増えるうえ、顧客との接点も多くなります。したがって、顧客にとっては安く、企業にとっては売り上げが増え、顧客も広がるという嬉しい状況が生まれるのです。
メッシュビジネスが失敗するケースとは
『メッシュ』著者に聞く、新潮流の共有型ビジネス最前線(後編)
3分の1の収入で充分にやっていけるし、その方がストレスもないいい生活
メディアはどうなる?
実は政治のリーダーには変化のために使える時間的余裕がほとんどない。それは予算やその関連法案が通るか通らないかという近視眼的な意味ではない。
スリム化を終えた日本企業、銀行は国債が買えなくなる
日本企業はデフレに苦しんだ20年間で財務体質の改善を進め、それがほぼ最終章を迎えようとしている。金融機関からの借入金を減らしてきた企業は、それもそろそろ限界に近くなっているのだ。
つまり、実質的に借入金のない無借金経営に近い企業が増えている。これが何を意味するのだろうか。
借入金の返済で貸し出し先を失った資金の大半は、日本国債の購入に回っている。これがなくなるということは、国債を日本の金融機関はもう買い増せなくということである。
つまり、国債の国内消化ができなくなるということを意味する。国債を発行する側だけでなく引き受ける側でも衝撃的な臨界点が近づいているということだ。
武者さんの言うチャンスがあるなら、リーダー次第でそれは大ピンチになるということでもある。チャンスの女神は前髪しかない。延命装置に頼り大胆な行動ができなくなっている政権は、今の日本には害毒以外の何者でもない。
民主化運動がリビアに飛び火、石油価格に火がついた
さて、世界は今年に入って大きく変わりつつある。遠く中東やアフリカで起きている反政府・民主化デモは世界にとっても日本にとっても重大な意味を持つ。
チュニジアで始まった民主化を要求するデモはエジプトへ飛び火してムバラク政権を倒し、いまリビアのカダフィ政権の打倒に挑んでいる。
リビアは石油の埋蔵量で世界第8位。この国からの石油輸出が止まれば、中国やインドなどの消費拡大で受給が逼迫している世界市場に大きな影響を与えるのは必至だ。
実際、リビアからの原油輸出がストップしたとの報道もある。世界経済の観点からもリビアから目が離せない。
しかし、そのリビアよりももっと目を向けておかなければならないところがあると、「バーレーンと沖縄の奇妙な共通点」を書いた伊東乾さんは指摘する。タイトルにあるバーレーンである。
東アジアの沖縄、中東のバーレーン
「バーレーンはまた、米国と防衛協定を結ぶペルシャ湾の軍事的要衝でもある。バーレーン島には米国第5艦隊司令部が置かれ、バーレーン島の南4分の1ほどが米軍基地になっている」
「バーレーンに米軍基地がある、のではない。言わばバーレーン島自体が軍事基地なのだ・・・」
沖縄が東アジアにおける軍事的要衝として極めて重要であるように、バーレーンは米国にとって中東における橋頭堡である。この地での反政府デモの行方は米国にとって、民主主義・資本主義体制にとって極めて重要な意味があるというのである。
バーレーンは2001年にそれまでの絶対王政から立憲君主制へと体制を変えている。その国で起きている反政府デモは、反独裁の民主化を求める動きとは意味合いが違う。
映画の中の世界という連載を続けている竹野敏貴さんも今週はこの話題を追っている「リビアに達した革命の嵐、欧州に押し寄せる難民」ので、その中から引用させてもらおう。
シーア派とスンニ派の主導権争いに
「2001年にはそれまでの首長独裁型の絶対王政から立憲君主制へと体制変更も済ましており、西欧諸国としては組みやすい国なのだが、そのバーレーンでも反政府デモの嵐が今吹き荒れている」
「チュニジアやエジプトとは少々スタンスが違い、迫害され続けてきた多数派であるシーア派住民が、王家も属し権力や富が集中しているスンニ派へ不平等の是正を要求する、というものである」
「ディルムン文明のような中継地、そして酒の飲める息抜きの地というだけでなく、ペルシャ人のイランとアラブ人のサウジという2つの異民族大国の緩衝地帯という政治的民族的意味合いもあるのだ」
「それはシーア派とスンニ派の宗派的緩衝地帯であることにもなり、そのバランスが崩れることは、宗派間対立の続くイラクをはじめとした中近東全体の力関係にも影響してくることになる」
伊東さんの記事に戻ると、次のように書いている。
ついに米軍が出動する可能性も
「歴史的にはバーレーンは、サファビー朝以来のペルシャ、つまりイランがその領有権を主張している。イランのシーア派イスラム革命政権が、バーレーンやサウジアラビア東部州でのシーア派暴動の背後に存在する」
「バーレーンのハマド国王は2月23日サウジアラビアを公式訪問して対策を協議、国内に到達するイラン国営放送の電波と、イラン系のインターネットサイトを遮断する決定を下した」
「イランの意向の背後にはロシアと中国の思惑があり、それらは決して日本の社会経済とは無縁でない。万が一ペルシャ湾を挟んで緊張が高まれば、駐留している米軍が動かねばならない可能性も出てくるだろう」
「報道ではリビア情勢がかまびすしいが、日本にとって実際に深刻な影響が懸念されるのは、むしろ湾岸のど真ん中、バーレーン情勢の行方なのである」
バーレーンは楽園伝説のモデルとも言われている。完全無欠な生活を送っていたアダムとイブだったが、禁断の木の実を食べたことで、ここを追放される。そして、罰としての労働を与えられる。
中東・アフリカの民主化運動は中国へ飛び火するか
西欧の労働に対する考え方の原点もここで生まれたと言える。そこで、背後にイラン、そして中国とつながる地球のへそのようなところでの政変は、歴史の流れを大きく変える可能性がある。
そして、中東、アフリカでの民主化を求めるデモのうねりは、東アジアの巨大な独裁国家、中国への波及も避けられない。中国政府はその流れを必死で食い止めるべく、インターネットの検閲を強化したり、デモの核となりそうな学生や活動家を検挙したりしている。
果たして中国でも一気に民主化運動が活発化するのだろうか。これに関しては、英フィナンシャル・タイムズ紙と中国の専門家である宮家邦彦さんのどちらもが否定的な見解を示している。
「ジャスミン革命なんか怖くない、でも・・・」の記事で、宮家さんは次のように書いている。
「中東のジャスミン革命が直ちに中国に波及する可能性は低いという筆者の見立ては今も変わらない。中国の現状に鑑みれば、誰が責任者かも分からないネット上の呼びかけだけで数十万の民衆が動き出す可能性は低いだろう」
ネット監視だけではない、中国公安の恐るべき底力
「実際に、2月2日、中国の各大学には大学生・教員の外出を禁止する通達が出されていたらしい。これも立派な「社会管理」の強化である。メディアではインターネットの規制ばかり注目されるが、中国公安の能力を過小評価すべきではない」
「中国の警察・公安組織は十分な情報と強制手段を持っている。2月20日の動きを見る限り、ネット上で呼びかけられたデモは、2月27日以降も、当面は不発に終わり続ける可能性が高いのではないか」
一方、FT紙のデビッド・ピリング氏は「中国の指導者たちが神経過敏になる理由」の記事で、やはり中国政府による取締力の高さを挙げて、中東の民主化デモは簡単には飛び火しないと述べている。
「筆者は先日のコラムで、エジプトでの出来事(今ではリビアでも同様なことが起きている)に共鳴した動きは、中国ではあまり生じていないと指摘した」
「中国各地で抗議行動を起こそうというインターネットを介した呼びかけに強い反応が見られなかったことから、この指摘は部分的に裏付けられた」
中東のデモより怖いインフレと成長率の低下
「筆者の同僚によれば、北京市内のマクドナルド前での集会(ミッキーマウス革命なるものの起点の1つになるはずだった)は、デモというよりは外国人特派員協会の会合のようだったという。抗議の声を上げる参加者よりも、その様子を取材しようと集まったジャーナリストの方がはるかに多かったからだ」
しかし、と宮家さんもピリング氏も言う。
中国を襲っているインフレの波が低所得者の生活を直撃、その不満のマグマは確実にたまっている。そこでもし、経済が減速するようなことがあれば、民主化を求める行動に駆り立てる可能性は高いというのだ。
ピリング氏は次のように書く。
「10%の経済成長は数多くの罪悪を覆い隠してくれる。だが、このペースでさえ、成長に付随する社会悪は隠し切れない。国家財政にとって欠かせない土地の没収、汚職、大きな貧富の格差といったものだ」
「経済がフルスピードで成長している今でさえ、それが本当なのだとすれば、景気が減速した時に何が起き得るか想像してみるといい」
石油価格の高騰は世界の景気を冷やし、インフレを加速させる。中東とは違った形で、中国でも民主化運動に火がつく可能性は否定できない。
鼻息の荒かった韓国経済にも陰り?
今週はこの記事も大変な人気だったので最後に紹介したい「日本の巻き返しを怖れ、韓国がとんだ勇み足」。
アラブ首長国連邦(UAE)で原子力発電所を強引に受注するなど、官民が一体となった韓国経済は鼻息があらかったが、ここに来て変調を見せている。日本の巻き返しに合っているのだ。
そんな中、焦った韓国政府がインドネシアの外交官に対してスパイ事件を起こしたというもの。それが見事に成功したかと言うとあにはからんや。
インドネシアの外交官が泊まるロッテホテルに侵入したものの、帰ってきたインドネシアの外交官に見つかってしまうという、何とも間抜けなお話だ。
死せる孔明生ける仲達を走らすという比喩は当たらないかもしれないが、日本の底力を韓国が畏れている証拠でもある。
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