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前原誠司
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枝野幸男
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原口一博
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長島昭久
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安倍晋三
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石破茂
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石原伸晃
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日本の民意を見誤る中国~中国株式会社の研究~その84
2010.11.12(Fri)JBプレス 宮家邦彦
過去2週間に日本と北米を2度も往復してしまった。先週のワシントン出張に続き、今週はカナダのハリファックスという町だ。
北大西洋条約機構(NATO)諸国を中心に世界30数カ国の安全保障専門家が集まる国際フォーラムに呼ばれたからである。歳のせいか、時差ボケが昔よりずっと身に堪える。
欧米、中東などの政治家、政府高官、学者が出席する国際会議だったが、アジアからの参加は日韓、モンゴルなどで、中国からの出席者は1人もいなかった。
議題もNATO戦略の将来やアフガニスタンでの活動などが中心で、「中国の台頭」を正面から取り上げるセッションはない。
やはり、欧州諸国にとって中国は喫緊の「安全保障」上の問題ではないのだと痛感する。それに対し、米国からの出席者は中国の台頭を含むグローバルな安全保障問題について語ろうとしていた。
米国と欧州の専門家の間の中国に対する認識のギャップは想像以上に大きいようだ。
というわけで、欧州諸国の「中国観」の変化に関心を持って参加した筆者の期待は見事に裏切られた。
だが、その会議出席中にiPadでネット上のニュースを覗き見していたら、中国のサイトに日本の若手政治家に関する興味深い論評を見つけた。今回はこの話を取り上げたい。
日本の若手政治家を警戒する中国!
「日本の若手政治家の台頭と誤判、その対中外交の軽率さ(日本政坛少壮派的崛起与误判 对华外交轻率鲁莽)」と題された11月8日付の論評は人民日報系の人民網が配信したもので、中国の各種サイトでも広く掲載されている。
元々は人民網日本語版に11月5日付で掲載された日本語バージョンが基になっているようだ。両者の論調は微妙に異なるものの、前原誠司外相など若手政治家の対中姿勢を厳しく批判する点ではほぼ共通している。
ちょっと長くなるが、ここで中国語版の要旨を簡単にご紹介したい。
●現在の若手政治家の代表は1950~60年代生まれの民主党前原誠司、枝野幸男、原口一博、長島昭久、自民党安倍晋三、石破茂、石原伸晃などの国会議員である。
●彼らはいずれも日本の高度成長期に育ち、小泉政権時代に政治の表舞台で活動し始めた政治家であり、多くは40代で政府や党の要職を占め、内政外交の改革を強硬に主張する。
●自民党の若手が二世議員中心であるのに対し、民主党議員の場合は保守政治家の揺籃である松下政経塾の出身者が多い。
●彼らは政策通で弁舌も巧みだが、政治経験が不足するため、そそっかしく、うぬぼれが強く、軽率という一般的な弊害があり、難しい局面において往々にして判断と対策を誤る。
●彼らが台頭した背景には、下野した自民党内の世代交代や民主党の党内事情に加えて、日本の総合的な衰退局面の中で新しい人材と手法が求められていることがある。
●憲法改正、海外派兵、集団的自衛権行使、武器輸出三原則修正、中国脅威論などを唱える彼らの政治傾向と手法は中国にとって警戒に値する。
●彼らは常に対中言論を誹謗し、日中間の脆弱な国民感情を害し、世論の雰囲気を毒し、中日関係の基礎に損害を与える。
●彼らは国家利益に異常に固執し、中日関係の大局のための政策調整を拒絶し、局部的衝突発生の可能性を増大させた。
●台頭する若手政治家は衰退する日本を困難から救い出そうとする意図を持つが、彼らの無謀で軽率な対中外交を見ると、将来彼らが日本をどこに導いていくのか心配である。
あたかも、最近の日中関係の悪化はこれら若手政治家の経験不足で軽はずみな言動が原因だと言わんばかりの偏った主張だ。
いかにも中国らしい「自己中心的」なこの論評を読んでいて、中国の「日本専門家」の「公式論」には改めてガッカリしてしまった。
この小論に決定的に欠けているのは、過去十数年間、徐々にではあるが確実に強まっている中国側の「自己主張」を日本国民がいかに受け止めているかという分析だ。
やはり今の中国では、日本の若手政治家の言動が「民意」を反映しているという事実は書けないのかもしれない。
日本人が小泉純一郎(元首相)路線に拍手喝采したのは、日本人が反中になったからではなく、当時の江沢民政権の理不尽とも思える反日的言動に日本国民が大いに失望し、強い反発を覚えたからだ。
ナショナリズムに訴える当時の小泉首相の手法は、江沢民総書記が使った手法と基本的に同じなのである。
中国側の対応!
さらに、日本語版では、こうした若手政治家台頭につき中国がどう対応すべきかについても次のように述べている。これまた、実に興味深いので、ちょっと引用させてもらう。
●彼ら(若手政治家)の思想的基盤を理解し、将来出現する可能性のある政治家の中にある危険な思想と行動に対し、戦略的、技術的な面から、事前に準備しておかなければならない。
●また、こうした現実主義と付き合うことを意識し、情を説くことより道理を説くことを重視し、相手側と公式、非公式に数多く交流することが肝要だ。
●若手の『気負った』発言に対しては、あくまでも反撃し、相手側に中国は妥協する可能性があるとの幻想を抱かせてはならない。
●急進的な方法を採るなら両者とも傷を負い、日本はさらに傷つくことを彼らに意識させることが必要である。
●幼稚さから成熟へと、感情的な行動から理知的な対応へと脱皮することが、こうした若手が成長に向け避けて通れない道であり、中国が対日外交で正視しなければならない現実でもある。
中国側の戦術的失敗!
要するに、日本の「未熟」で「感情的」な若手政治家と十分交流し、極端な言動を控えるよう説得すべきだということなのだろう。
中国側だってかなり「未熟」で「感情的」だとは思うが、それはともかく、「日本の保守派との交流を深めよ」との指摘はその通りであり、全面的に同意する。しかし、真の問題は中国側が過去10年間こうした対応を怠ってきたことなのだ。
今さら昔の自慢話(?)をしても仕方ないとは思うが、筆者は10年ほど前北京に在勤していた頃、これと似たような考えを個人的意見として中国共産党の友人に伝えたことがある。
まだ小泉政権が全盛で、中国側は自民党の親中派議員を通じ、小泉首相を翻意させようと努力していた頃だ。
●中国は中国に理解のある「日中友好人士」とばかり付き合ってはだめだ。安倍晋三、前原誠司といった若手保守政治家の懐に飛び込んで、不愉快でも対話を深めなければならない。
●彼らは将来の日本のリーダーであり、中国の態度に失望している支持者の声を代弁している。中国が日中関係の重要性につき彼らを説得できない限り、日中関係は将来危うくなる。
これに対し、その友人は理解を示しながらも、素人が何を言うかとでも言わんばかりに、「それは難しい」「あなたは面白い話をする人だ」「そんなことを言う日本の外交官は初めてだ」などと言って真剣に取り合ってくれなかった。
あれから10年。中国側はその後も一貫して「日中友好人士」とのパイプに頼り続けた。筆者はこのことも、現在の日中間のコミュニケーション断絶を招いた一因だと考えている。
現在の日中関係の混乱は、日中間で真に対話すべき人々の間で対話が不足していたことの結果だ。
その意味では今回の中国側論評は一歩前進だと思う。今でも中国の日本専門家には優秀な人たちが多い。共産党上層部がもっと彼らの意見に耳を傾けることを望むばかりである。
激突する米、中、露、日の軍事、外交力!
2010.11.10(Wed)JBプレス 加藤嘉一
加藤さん、菅直人政権は日本の駐ロシア大使を一時召還しましたね。びっくりしましたよ。日本政府は領土問題で窮地に陥っている。このままでは国内の権力基盤だけじゃなくて、国際社会における日本のイメージも悪い方向に向かっていかざるを得ないでしょ」
「日本人として貴国を取り巻く昨今の情勢をどう見ていますか?」
世界中の記者から寄せられた同情!
11月2日、中国だけでなく、米国、韓国、英国、フランスなど各国の北京駐在記者から同じような電話がかかってきた。共通していたのは、内容だけではない。筆者を考え込ませたのはその「同情的」とも言える口調であった。
何はともあれ、外国のジャーナリストたちが日本の動向に注目してくれているのは、ありがたいことだ。自らをそう慰めるしか手立てはなかった。
11月3日、広東省に出張していた筆者は、現地の中学生と交流する機会を得た。政治に話が及ぶ。中国の小中高生は、地域や学力を問わず、国際関係に大きな興味を抱く。国家の経済発展に勢いがあり、それを肌身で感じるからだろうか。
自国民が海外の人たちからどう思われているか、という「私の国際関係」に、極度にセンセーショナルになっているからだろうか。
講演が終わり、荷物を整理し終えた。食事の会場に向かおうかというまさにその時、見るからにシャイで、交流会でもおとなしくしていたひ弱な女の子が単刀直入に聞いてきた。
12歳の少女に本質を突かれ逃げ出したくなった!
「加藤先生、日本の政治家は主権とか領土とかあまり気にしないんですか? 日本は海洋国家ですよね?」
「政治家がリーダーシップを取って、国民の主権・領土に対する意識を高めること。安全保障って、そこから始まるんじゃないんですか? 日本の政治家が日頃何に忙しくしているか興味あります。教えていただけませんか?」
言葉も出なかった。地方の一中学生にここまで本質を突かれるとは、思ってもみなかった。年齢をこっそり聞いた。12歳だった。今年26歳になる筆者は、恥ずかしくなり、その場を逃げ出したくなった。
11月1日、ドミトリー・メドベージェフ大統領がロシアの国家元首として初めて北方領土の国後島を訪問し、視察した。中国漁船との衝突事件に続き、北東アジアにおける領土を巡る紛糾が後を絶たない。
日本のマスコミは菅直人内閣の外交を徹底批判している。昨年9月に政権を奪取して以来、民主党政権は外交におけるハンドリングに苦しみ続けている。
政府は今は何よりも挙閣一致で取り組め!
北京に戻ってきた。あの12歳の少女から菅首相へのアドバイスをお土産として持ち帰ってきた。
「民主党政権の外交戦略は不明確、外交政策は不安定、外交戦術は不成熟、と言わざるを得ません。民主主義とか言論の自由とかいう次元を超えて、少なくとも挙閣一致で取り組まないと外交にならないと思います。それができなければ、そもそも政府じゃありません」
尖閣諸島、北方領土、ともに戦争が歴史に残した後遺症と言える。前者は日本が、後者はロシアが、それぞれ実効支配している。中国と日本が、それぞれ「不法支配」だと、異を唱えている。
外国人ジャーナリストから同情され、日本人として悔しくないわけがない。ここで闘志を燃やさなければ、筆者は日本人として失格だ。ただ、感情的になっても意味がない。冷静に情勢を分析し、理解する以外に、戦う術はない。
彼らは明らかに「大使召還」を過大評価していた。事態発覚後、前原誠司外相は11月2日午後の記者会見で「どういうバックグラウンドがあったのか、事態を聞くために河野大使に一時帰国していただく」と述べている。
菅内閣がロシアに強硬に出られない3つの理由
「ロシアは大事な国だと思っている。領土問題を解決し平和条約を結んで、日ロ間の経済面での協力を強くしていく方向性は何ら変わらない」とも付け加えている。
外交上の「強い抗議」ではない。状況把握のため、そして、国内外に向けて、日本の対北方領土政策における最低限のスタンスを提示するための、ソフトな暫定措置であった。
11月13日から横浜で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)にメドベージェフ大統領が出席する予定も、現段階では変更はない。両国の外交当局は、ともに「逃げ道」を残しながら、交渉に当たっている。
菅内閣として、ロシアに対し強硬策に出られない理由は少なくとも3つある。
1つに、北方領土をロシアが実効支配しているのは客観的事実であり、日本はそもそも劣勢にあるという点。
ポスト金融時代、新たな世界の火薬庫が火を噴き始めた?
2つに、菅政権の支持率が急降下していて、その大きな原因の1つが中国漁船との衝突事件を巡る不手際であり、再び直面する「領土問題」を前に、慎重にならざるを得ないという点。
3つ目に、ホストとして迎えるAPECを前に対外関係で墓穴を掘りたくないという点、が挙げられる。
領土を巡る紛争は対中国、ロシアというバイラテラル(2国間)のみの問題ではない。北東アジアという「ポスト金融危機時代のバルカン」とも言える地域における、日本、ロシア、中国、そして米国間の地政学的なパワーゲームが激化したことを意味する。
各プレーヤーの同地域における戦略、国益への執念、国際益への協調性が試されている。
メドベージェフ大統領は漁船衝突事件を巡る日中摩擦を上手に利用した。国内選挙向けに「近日中に北方領土を必ず訪問する」と公言していた。有言実行でポイントを稼いだ。
ロシア大統領は日本を真似しただけ!
前回中国を訪問し、胡錦濤国家主席と会談した際も、歴史問題を巡る対日政策で「阿吽(あうん)の呼吸」を戦略的に際立たせた。「あのテキストにおける『歴史』には『領土』も当然含まれている」(中国共産党関係者)。
近未来中に日露間で北方領土を巡る双方の立場が変わる可能性はほぼない。ステータス・クオ(現状維持)が続くであろう。メドベーージェフ大統領の「歴訪」によって、ロシアの実効支配色がより強まったのは既成事実であるが。
冷静になって考えれば、メドベージェフ大統領は日本の海上保安庁が中国の漁船船長を逮捕したのを「真似た」だけだということが分かる。
日本の対中、ロシアの対日、ともに自らが実効支配する領土・領海の範囲内で国内法を行使し、既成事実をより一層強化したに過ぎない。もちろん、された側の中国と日本はそれぞれ独自のやり方・言い分で抗議する。外交辞令である。
知り合いの中国政府系シンクタンクの軍事専門家は、「メドベージェフ大統領の対日強硬策は中国の対尖閣諸島強硬策の影響を受けたものであり、中国は漁夫の利を得た」と議論を吹っかけてきた。
最大の受益者は太平洋のかなたの米国!
筆者は即答で「その見方には賛成できない」と異議を申し出た。前述のように、「漁船船長逮捕」と「大統領歴訪」は全く同じ性質を持つ「外交事件」である。実効支配する側が国内法を行使し、実効支配される側が苦しまぎれに抗議しているに過ぎないのだ。
中国国内では情報統制・プロパガンダの一環として、「実効支配」という概念が全く報道されていない。メディアは「日本のやり方は非合法であり、けしからん」と、事実関係・ディテールに一切触れることなくセンセーショナルに民衆を煽るだけだ。
中国共産党は「実効支配」という言葉が、国際世論の影響を受けて、国民の間で広まってしまうことを極度に恐れている。
米国が最大の受益者であることに異論はないであろう。北東アジアから最も遠い場所に位置する同国は地政学的に余裕がある。
日露、日中間の摩擦を横目で見ながら、しっかりと漁夫の利を得た。日米安保条約が同地域で機能する、地域の平和と安定に寄与するという大義名分を、特に一連の領土摩擦に臆病になっている東南アジア諸国に認識させた。
「最大の敗者は日本」と中国の軍事専門家!
「日米中対話」まで提案している。米国は東アジアのピンチを自らのチャンスにすり替え、同地域におけるプレゼンスと支配力を確実にメンテナンスしていくのだ。台頭する中国を牽制し、中国の「核心的利益」のボトムラインを探っている。
前述の軍事専門家は続ける。「最大の敗者は間違いなく日本だ。一連の事件で日本の国家としての国際競争力は格段に落ちた」
筆者はあえて異議を申し立てなかった。大事なネタ元である彼との関係を維持するために、そうせざるを得なかった。
筆者は少なくとも、日本が最大の敗者だとは見ていない。そもそも、米国が最大の勝者となったパワーゲームにおいて、その同盟国である日本が最大の敗者に陥ることは考えづらい。
漁船衝突事件が起きて以来、米国は東アジアにおける日米安保条約の有用性、実効性を幾度となく強調してきた。尖閣諸島付近で一触即発の事件が起きた場合、米国は迷うことなく日本を守るということだ。
中庸外交が求められる時代!
米国の対中国政策は、日本という極東の駒を上手く利用しながら、その台頭を封じ込める(contain)と同時に、日米中対話などマルチラテラルなプラットフォームを創出しつつ接触する(engage)、という2作法を同時に活用していく。中国が潜在的な相手である事実に変わりはない。
特に経済・貿易関係という分野において中国と「引っ越しのできない」関係にある日本としては、米国の安全保障面での影響力をてこに使いながらも、中国との戦略的互恵関係を粘り強く促進していく必要がある。
日米同盟の強化は歓迎すべきであるが、その代価が対中関係の悪化であってはならないということだ。
文武両道ではないが、「米中両道」という、したたかな「中庸外交」がオールジャパンの時代には求められる。
中国は13億のマーケットという巨大な外交カードを行使し日本に制裁を科した。と同時に、同じく「領土問題」を抱える東南アジア諸国に圧力をかけた。
中国に進出する2万5000社以上の日本企業、1000万人以上を雇用!
メドベージェフ大統領の北方領土訪問を間接的に支持し、対領土問題強硬というスタンスを国際世論にアピールして見せた。
ただ、残念ながらこのロジックは通用しない。理由は前述の通り、メドベージェフ大統領は日本当局が9月8日に取った漁船拿捕という国内法の真似をしただけであり、領土問題における実効支配という既成事実を助長したにすぎないからだ。
それだけではない。中国政府の対日強硬策は決して当局者の願望を反映するものではないのだ。中国には中国の有権者がいる。世論に遠慮して、対外的に強硬策に出ざるを得ないのだ。内政と外交の関係という点では、日本も中国も変わらないのだ。
ましてや、日中民間交流があらゆる分野で深化している時代である。2万5000社以上の日本企業が中国市場に進出し、1000万人以上の中国人労働者を雇用しているという事実を見逃してはいけない。
経済関係だけでなく、政治関係という点でも、日本は中国の内政の安定に大きな作用をもたらしてきた。
反日無罪を煽れば国益を害す!
1978年、中国が改革開放を推し進めた当初、1989年、天安門事件直後の国際情勢という中国が一番苦しく、外部からの援助が喉から手が出るほど必要な時期に、政府開発援助(ODA)、制裁解除という形で真っ先に中国に手を差し伸べたのは、ほかでもない日本である。
日本を仮想敵国として、「反日無罪」を煽るやり方が中国の長期的な国益に即さないことは明らかである。
胡錦濤国家主席、そして次なるリーダーはこの内政的に最大のジレンマにどう対応していくのだろうか。
日本としては、中国体制に内包される弱みを正確に認識し、手を差し伸べながらも、実利を取るという大きな戦略を描き、政治家のリーダーシップでそれを実行していく以外に道はない。
今の日本には「中国強硬論」や「中国異質論」を感情的に放り出し、自らそこに溺れている余裕は、少なくともない。
シェールガス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%82%B9
クリーンエネルギーで世界の覇権を取れ!~(12)
2010.11.08(Mon)JBプレス 一尾泰啓
今回は、近年「シェールガス革命」と呼ばれ、脚光を浴びている米国を中心としたシェールガス開発が、なぜ「革命」とまで呼ばれるのか、そして、このシェールガスがクリーンエネルギー産業に与える影響を分析します。
ここ数年、米国を中心に、従来の天然ガスの採掘技術では回収が難しい非在来型天然ガスの一種である、シェールガスの開発が活発化しました。
シェールガスとは?
シェールガスのシェールの語源である頁岩(けつがん)とは、泥土が堆積してできた泥岩のことで、シェールガスとは、この泥岩である頁岩に閉じ込められた天然ガスの呼称です。
それに対して、従来技術で生産されるいわゆる在来型天然ガスは、砂が堆積してできた砂岩の中に埋蔵されています。
シェールガスと在来型の天然ガスの大きな違いは、その埋蔵されている場所である頁岩と砂岩の浸透率の違いによります。浸透率とは、堆積岩中の流体の流れやすさを示し、浸透率が高いということは、ガスが堆積岩中を移動しやすくなり、その分ガスの生産性が高まります。
頁岩の浸透率は、砂岩に比べて非常に低いため、井戸を掘っても十分な生産量が確保できずに、経済性が成り立ちませんでした。これが、シェールガスの存在自体は長年知られていたにもかかわらず、最近まで開発が進まなかった理由です。
シェールガス台頭の理由!
では、なぜ米国において、1990年初頭から一定レベルの生産量で安定推移していたシェールガスが、2005年頃から急速に伸び始め、今後もその生産量の上昇が予測されているのでしょうか?(図39)
その理由の1つが、米国の天然ガス価格の上昇です。米国の井戸元天然ガス価格は、1980年代・1990年代を通じて100万BTU(British Thermal Units――天然ガスの熱量単位)当たり2ドル前後で安定的に推移していました。
しかし、2000年代に入り上昇を続け、2005年には年平均の井戸元ガス価格が100万BTU当たり7ドルを超え、2008年にはほぼ100万BTU当たり8ドルに達しました(図40)。最高値としては100万BTU当たり13ドルを突破しました。
米国の天然ガス価格が上昇したことによって、在来型の天然ガスに比べ生産性が低く、結果的に生産コストが高くなるシェールガスでも、その経済性が一気に高まったのです。
もう1つの大きな理由は、シェールガスの採掘技術の目覚ましい進歩によるガス生産量の増加です。特に、フラクチャリング技術と水平坑井の掘削技術です。フラクチャリング技術とは、水圧によって頁岩を砕き、フラクチャー(割れ目)を入れて浸透率を高める技法です。
水平掘りは、井戸を地面に対して水平に掘削する技術で、従来の垂直に井戸を掘るやり方に比べて、ガス層に触れる面がより広くなりますので、結果的にガスの生産量が増えます。
この天然ガス価格の上昇と採掘技術の進歩という複合的な要素によって、シェールガス開発の経済性が大幅に改善され、生産が急増したのです。
約100年分ある天然ガス!
その結果、何が起きたのでしょうか? 米国の天然ガスの埋蔵量が急増したのです。
米国エネルギー省(Department of Energy: DOE)のまとめたリポート「米国における近代シェールガス開発」(Modern Shale Gas Development in the United States)によると、確認分と未確認ながら技術的に回収可能とされる埋蔵量を加えた米国の天然ガスの総埋蔵量は、1680兆立方フィート(Trillion Cubic Feet: TCF)から2247TCFと見積もられています。
2007年の米国の天然ガスの生産量が19.3TCFでしたので、米国には87年から116年分の天然ガスが埋蔵されていることになります*40。
しかし、つい数年前まで米国では自国の天然ガス供給が需要に追いつかないという見方が市場を支配していました。不足する天然ガスはLNG(Liquefied Natural Gas)の輸入で賄う以外に手段がないとの考えから、多くのLNG受け入れ基地の建設が計画されていたのです。
LNGの輸入から輸出へ!
NGI(Natural Gas Intelligence)によりますと、2006年3月の時点で、米国を中心とした北米市場において稼働していたLNG受け入れ基地の総LNG受け入れ量は1日当たり5.24十億立方フィート(Bcf/d)でした。
当時管轄規制当局から建設許可取得済みの計画中LNG受け入れ基地だけでも、その数は17プロジェクトに上り、これら新設LNG受け入れ基地の総LNG受け入れ量は、既存受け入れ量の約5倍に当たる24.2Bcf/dにも達していました。まさに、新規LNG受け入れ基地の計画ラッシュといった状況だったのです。
しかしながら、その後シェールガスの台頭があり、実際に建設に入ったプロジェクト数は4つ。うち3つのプロジェクトは現在稼働中で、残りの1つも2010年中には稼働を開始する予定になっています。
その一方で、シェールガスによる供給増加に加え、景気後退によるガス需要の減退も相まって米国天然ガス価格は低レベルで推移しています。
一般的にコストの高いLNGは、現状の天然ガス価格レベルでは経済性が厳しいため、当初の予定の通り米国にLNGが輸入されるケースはほとんどなく、LNGがより高値で取引されているアジアやヨーロッパ市場向けに販売されています。
その結果、上述の新設の3つのLNG受け入れ基地は完成したものの、実質ほとんど稼働しておらず、米国エネルギー省(DOE)に対し、輸入したLNGを米国市場で販売するのではなく、再び他国に輸出するためのライセンスや、LNG受け入れ基地そのものをLNG出荷基地に転換する申請を行っています。
事実、LNG出荷基地への転換を申請中のプロジェクトの1つはDOEの許可を取得し、現在、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)の審査を受けています。
つまり、米国の市場プレーヤーは、天然ガスを輸入しなければならないどころか、米国は海外へ輸出するだけ十分な天然ガスが埋蔵されていると考えているのです(ただし、エネルギー安全保障の観点から、米国のLNG輸出には慎重論もあります)。
同様の動きは隣国カナダでもあります。ブリティッシュコロンビア州沿岸の街キティマット(Kitimat)で計画されているLNGプロジェクトは、計画当初はLNGを輸入するLNG受け入れ基地として開発されていました。
しかし、プロジェクト開発会社の言葉を借りると、“天然ガス市場環境の激変”によって、2008年9月にLNGを輸出するLNG出荷基地として開発し直すとの発表があり、計画を180度変更しました*41。カナダにも莫大なシェールガスの埋蔵量があるとされています。
後退する原子力ルネッサンス!
さらにシェールガスの影響はLNGにとどまりません。2010年10月に米国大手電力会社コンステレーション・エナジー(Constellation Energy)が、計画中の新規原子力発電プロジェクトへの政府ローン保証申請の取り下げをDOEに通達しました。
建設費が100億ドル(9000億円)に上るとされるハイリスクな当プロジェクトにとって、政府ローン保証申請の取り下げは、計画の凍結を意味します。
このコンステレーション・エナジーがメリーランド州で計画している原子力プロジェクトは、2010年2月に政府ローン保証が付与されたジョージア州で計画されている大手電力会社サザーン(Southern Co.)に次いで政府ローン保証を獲得して、プロジェクト実現へ大きく前進すると期待されていただけに、今回の発表は市場関係者に驚きとショックをもって迎えられました。
申請取り下げの最大の理由として、コンステレーション・エナジーは、政府の要求するローン保証の申請費用の高騰を挙げていますが、シェールガス開発による天然ガス価格の下落が電力価格を抑え、この傾向が長期的に継続するとの見通しから、原子力発電の経済性の見直しを迫られたことも一因と考えられています。
米国では、スリーマイル島原子力発電所事故以来、30年以上にわたり原子力発電所が新設されていません。
しかし、昨今のエネルギー価格の高騰によるエネルギー安全保障と環境意識の高まりから一気に原子力が注目され、コンステレーション・エナジーのプロジェクトも含め20以上の新規原子力プロジェクトが計画されています。
この久々の新規原子力計画ラッシュは、「原子力ルネッサンス」と形容されていますが、シェールガスはこの米国原子力産業の再生に冷や水を浴びせています。
シェールガスは天然ガス市場にとどまらず、エネルギー産業全体に影響を及ぼしているのです。そして、このシェールガスは米国やカナダといった北米大陸だけではなく、東欧を中心とした欧州諸国や、中国にも豊富に存在することが確認されています。
このシェールガスの台頭によって、ここ数年という短期間に、「天然ガスは意外と豊富にあるんだね」という話になってきたのです。まさに、世界のエネルギー産業に“革命”を巻き起こしているのが、シェールガスなのです。
リリーフピッチャーから先発ピッチャーへ!
それでは、シェールガスのクリーンエネルギー産業への影響はどうでしょうか? 以前紹介したように、天然ガスは化石燃料の中では最もクリーンな燃料です(第3回連載:図10参照)。
そのため、今までも天然ガスはクリーンエネルギーが本格的に普及するまでの、いわばリリーフ的な存在として期待されていました。
天然ガスの価格は、基本的に需要と供給のメカニズムによって決定されます。従って、供給が100年程度確保されているということになると、よほど需要が増加しない限りは、当分の間、価格の上昇はある程度のレベルで抑えられるでしょう。
そうしますと、先の原子力発電の例と同様に、クリーンエネルギーは天然ガスとの価格競争の面で厳しい立場に立たされます。今までリリーフピッチャーと見なされていた天然ガスが、先発しかもエース候補として名乗りを上げそうな勢いなのです。
筆者は一時期、米国の某製油所で、カナダのオイルサンド(超重質油)の精製によって副産物として生産される石油コークスを利用した事業開発を担当していました。
石油コークスは、原油からガソリン・灯油・ディーゼルなど「軽い」製品を順番に精製した最後に出てくる、いわば原油の「搾りかす」なのですが、たとえ「かす」でも、熱量が高く、燃料としての価値があります。
しかし、炭素の塊であるコークスをそのまま燃やしてしまうと、CO2を多く排出する問題があります。そこで、石油コークスをガス化して、その過程でCO2を回収し、クリーンな合成ガスを製造するプロジェクトを仕込んでいました。
しかし、問題は、ガス化設備コストが高いため、投資回収するためには15年という長期にわたって、競合する天然ガスの価格より安いコストで合成ガスを製造できなければ、経済性が成り立ちませんでした。
当時は、シェールガス開発が今ほど脚光を浴びる前だったのですが、それでもシェールガスの米国天然ガスの長期価格に与える影響が未知数でリスクが高いとの判断から、投資決定を見送った経験があります。
このガス化プロジェクトは一例ですが、天然ガスは、電力の燃料になったり、自動車の燃料(天然ガス自動車)になったりしますので、その価格は、リニューアブル発電やバイオ燃料の普及に大きく影響を与えることになります。
シェールガスのリスク!
日の出の勢いのシェールガスですが、環境汚染リスクの可能性を背負っています。それは水です。先ほど説明しましたように、フラクチャリング技術は水を使って頁岩にフラクチャーを入れますが、その際に大量の水が必要となります。
このフラクチャリング用の水源の確保と同時に、フラクチャリングで利用する水による地下水汚染の可能性が問題になっています。
特に、フラクチャリング用の水には溶剤などの化学物質が含まれていますので、この化学物質が混入した水が地下のシェールガス層から帯水層へ拡散し、飲料水を含む水供給システムを汚染するリスクが指摘されています。
前回連載で紹介しました、ポストBP原油流出事故の新しいエネルギーコスト方程式(図38: 供給コスト + CO2コスト + 環境汚染コスト = エネルギーコスト)をベースに、シェールガスとクリーンエネルギーの正味コストを比較する必要があります。
いずれにしても、今後、世界のシェールガスの開発動向が、天然ガスの価格および相対的なクリーンエネルギーの競争力に影響を与え、クリーンエネルギーへの本格的な移行スピードを左右することは間違いありません。
クリーンエネルギーで21世紀の覇権を取れ!~(2)
2010.08.30(Mon)JBプレス 一尾泰啓
エネルギーの供給源の主役は、長い年月を経て変化してきました。人間は、もともと木材をそのまま燃やして燃料としていましたが、人間社会の工業化は、人間に化石燃料を開発し利用する術を与えました。
木材から石炭、そして石油へ!
木材から化石燃料へエネルギーの主役がシフトしてからも、今度は化石燃料の中で、石炭から石油・天然ガスへと主役交代がありました。米国を例に、1845年から2000年まで155年間のエネルギーの供給源の変遷を見てみましょう(図5)。
このエネルギーの主役交代をエネルギー革命と呼ぶことにします。では、エネルギー革命は、なぜ起きたのでしょうか?
それは、その時々の時代背景がエネルギーの世代交代を誘引したのです。分かりやすいように、エネルギー革命の時代の変遷を概念的に図式化したのが図6です。
18世紀に英国で始まった産業革命によって、製鉄業を中心とした工業化が起こります。同時に生産規模の大型化が進み、エネルギーの需要が大幅に伸びました。
ジェームズ・ワットが引き起こした石炭革命!
従来の木材を燃料としていたのでは需要に追い付かなくなり、英国内に豊富にあった石炭が注目され、開発が活発化しました*5。
さらに、ジェームズ・ワットの蒸気機関によって石炭の利用が急速に拡大し、19世紀は石炭の世紀と呼ばれるようになります。つまり、石炭へのエネルギー革命は、産業革命が引き金となったのです。
そして19世紀半ばに、米国ペンシルベニア州で近代的な石油採掘が開始され、ジョン・ロックフェラーが石油精製事業に乗り出します。
彼はスタンダードオイルを創設して、近代石油会社の礎を築きました。余談になりますが、スタンダードオイルは、全米の約90%の石油精製事業をコントロールするまで成長しましたが、1911年に反トラスト法により、34社に分割されました。
そのうち、スタンダードオイル・ニュージャージーとスタンダードオイル・ニューヨークは、それぞれエクソン、モービルに、(両社は1999年に合併してエクソンモービル)、スタンダードオイル・カリフォルニアはシェブロンに、オイルメジャーへと成長を遂げることになります。
その一方で、19世紀後半になると、ガソリンエンジンが発明されました*6。これによって石油の普及が加速し始めます。
ウィンストン・チャーチルが引き金引いた石油革命!
20世紀に入ると、石油採掘技術の進歩に合わせて、石油の利用も自動車から、船舶、飛行機へと拡大し、人々の移動がより頻繁に、かつ長距離化しました。
つまり、社会のモータリゼーション・モビリティー化が石油の利用を加速させ、20世紀は石油の世紀となったのです。
石炭から石油への燃料の主役交代が、20世紀初頭に軍事の世界でも起きた話は有名です。それは、第1次世界大戦直前、ドイツと熾烈な海軍増強競争を展開していた英国で起きました。
1911年に海軍大臣に就任したウィンストン・チャーチルが、自国のウェールズに良質な石炭があるにもかかわらず石油に目をつけたのです。
熱量の高さや燃料補給のやりやすさなど、石油の利点を十分理解していたためでした。そして、新しく造船する軍艦をすべて石油燃料に切り替える英断を下したのです*7。
シェルに頼らず弱小石油会社を育てる道を選択!
石油と国家安全保障が結びつき、石油が国家の戦略物資になった、その最初のマイルストーン的な出来事だったと言えるのではないでしょうか。
話しが少しそれますが、軍艦の燃料を石油に切り替える決定をしたものの、一滴も国内で石油が採れなかった英国は、石油の調達・供給を、当時から巨大石油会社であったシェルか、弱小のアングロ・ペルシャ・オイル(現BP)のどちらに委ねるか思案していました。
英国政府は、オランダ資本の入ったシェルへの敵国ドイツの影響を懸念して、最終的にはアングロ・ペルシャ・オイルの株式の51%のシェアを獲得したうえで、20年の長期石油供給契約を結んだのです*7。
アングロ・ペルシャ・オイルは、その後1954年にブリティッシュ・ペトロリアム(英国石油)に改名します。マーガレット・サッチャー政権による国営企業を民営化する政策で1987年に英国政府が株式を放出するまで、国営石油会社だったのです。
歴史に“もしも”は禁物ですが、もしも、当時の英国政府がシェルと石油供給契約を結んでいたら、今のBPは存在していなかったかもしれません。
石油のシェアが77%を超え、天然ガスの本格普及が始まる!
話を本題に戻しますと、石油の普及と同時に天然ガスの利用も広がりました。
1970年代に、2度にわたる石油ショックによる原油価格の高騰によって、石油代替エネルギーの気運が高まりました。そこで注目されたのが天然ガスです。
また、天然ガスは燃焼時に排出するCO2量が少なく、化石燃料の中では最もクリーンな特性も需要を押し上げました。
日本でも、1973年に石油が1次エネルギー供給に占めるシェアが77%に達したピーク時から(図2参照)、天然ガスが本格的に普及し始め、石油依存度の低減に貢献してきました。
日本は天然ガス生産地から遠く離れており、パイプライン輸送が経済的に成立しないため、天然ガスをマイナス162℃にいったん冷却することによって液体にして、特殊タンカーで運ぶLNG (Liquefied Natural Gas、液化天然ガス)として、天然ガスを輸入しています。
1969年にアラスカより最初に輸入されて以来、主に発電や都市ガスの燃料・原料として利用され、2007年には約6800万トンのLNGを輸入し、今や日本は世界最大のLNG輸入国となっています。
そして21世紀初頭の今、新しいエネルギー革命が進行中なのです。今回のエネルギー革命は、石油・天然ガスからクリーンエネルギーへの主役交代です。では、今回のエネルギー革命を促している時代背景は何なのでしょうか?
1990年代に入り、地球温暖化問題が世界的にクローズアップされてきました。1992年に環境と開発に関する国際連合会議(地球サミット)が開催され、その中で地球温暖化問題に対する国際的な枠組みを設定した気候変動枠組み条約が採択され、1994年に当条約として発効しました。
そして、気候変動枠組み条約の交渉の最高意思決定機関が、お馴染みの気候変動枠組み条約締約国会議(COP: Conference of the Parties)と呼ばれるものです。
条約は発効したものの、法的拘束力のある議定書にすべきとの流れの中で、1997年に京都で開催されたCOPの3回目の会議COP3で採択されたのが、京都議定書なのです。
京都議定書の歴史的な意義とは何か!
京都議定書は、2008年から2012年の期間中に、先進国全体でCO2を含む温室効果ガスの排出量を1990年に比べて少なくとも5%削減することを目指し、参加国ごとに、それぞれ一定量の温室効果ガスの削減目標を設定しました。
京都議定書の発効によって、一般の人々の地球温暖化問題への認識が高まったと同時に、削減目標達成のために、CO2の排出権取引や先進国と発展途上国間で温室効果ガスを削減するスキームであるCDM(Clean Development Mechanism、クリーン開発メカニズム)などの新しい制度が立ち上がりました。
いよいよ国際社会が、地球温暖化問題解決に向けて具体的に動き出したのです。
地球温暖化問題が大きな社会問題になり、国際社会が問題解決へ一歩踏み出した一方で、世界のエネルギー需要は増加の一途をたどっています(図8)。
1975年から世界のエネルギー消費は倍増した!
1975年の世界の1次エネルギー消費量は、原油換算で約57億トンでしたが、2008年には113億トンと約2倍に伸びました。
特に、2000年以降の中国を中心とした非OECD諸国のエネルギー消費の伸びが大きく、2007年にはOECD諸国と非OECD諸国のエネルギー消費量がほぼ並びました。
この非OECD諸国に引っ張られる世界のエネルギー消費の上昇トレンドは、今後も継続すると思われます。
エクソンモービルも、2005年から2030年までの25年間に、エネルギー需要は年率1.5%のペースで増え続け、さらに35%上昇すると予測しています*8。 このエネルギー需要の増加を引き起こすのが、世界人口の増加です。
世界の人口は2000年には61億人でしたが、2030年には83億人、2050年には91億人に増加すると予測されています(図9)。特に人口増加が目覚ましいのは、アジアとアフリカです。
アジアとアフリカの2大陸で人口が爆発!
それぞれ2050年まで、15億人、12億人の人口が増え、世界の人口増加分の90%は、この2大陸が寄与すると予想されています。
先ほど紹介した、近年の非OECD諸国のエネルギー増加トレンドと符合します。人口が増えれば、そこに新たな経済圏が生まれ、消費するエネルギーも必然的に増えることになります。
地球温暖化という環境への懸念に加え、将来予想される世界人口の膨張、アジアやアフリカへの経済圏の拡張、それに伴い予測される世界的エネルギー需給の逼迫を背景に、“持続可能な低炭素社会”という、新しい社会のあるべき姿への要求が高まってきました。
従来の20世紀型社会は、環境を犠牲にしながら、先進国中心の大量生産・大量消費を繰り返してきた社会であり、それを支えたエネルギー源が、石炭・石油・天然ガスといった化石燃料でした。
化石燃料の限界!
ご承知の通り化石燃料は、燃やせばCO2を排出しますし、供給量の限られた有限の資源であり、さらに我々は2008年に1バレル145ドルの石油価格を既に経験済みですが、将来の価格上昇も予見されます(化石燃料の特徴については、次章で詳しく紹介します)。
つまり化石燃料は、残念ながら環境性、持続性の両方とも持ち合わせていないのです。
“持続可能な低炭素社会”が要求する、環境に負荷を与えないと同時に、今後も予測されるエネルギー需要の増加に持続的に対応できるエネルギー源、この条件を満たすのがクリーンエネルギーなのです。
21世紀型社会へのパラダイムシフトが進行中である今、それに促される形で、エネルギーも化石燃料からクリーンエネルギーへのシフトが進行中なのです。これが、21世紀の新たなエネルギー革が起きている背景なのです。
では、21世紀のエネルギーの主役であるクリーンエネルギーとは、どのようなエネルギーなのでしょうか。第2部では、その実像に迫ります。
仙谷 由人
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%99%E8%B0%B7%E7%94%B1%E4%BA%BA
スポーツ報知 11月6日(土)8時1分配信
ユーチューブに動画を投稿した「sengoku38」。仙谷由人官房長官(64)を意識しているとみられるが、「38」の意味をめぐって永田町関係者やネットユーザーの間ではさまざまな観測を呼んでいる。
〈1〉「仙谷左派」説 学生時代に全共闘の活動家だった過去から、週刊誌などで「赤い官房長官」などと揶揄(やゆ)される仙谷氏。思想的に「左」と判断し「38」は「左派」と読む説。
〈2〉「仙谷さんパー」説 3を「さん」、8を「パー」と読み、今回の問題で中国人船長を逮捕しながら、処分保留で釈放した外交姿勢を揶揄しているという説。
〈3〉憲法“38”条説 黙秘権や拷問や脅迫などが伴う自白は証拠とすることができない、などの規定がある。責任の所在を那覇地検に押しつけ、衝突事件について「だんまり」を決め込んだという批判のある仙谷氏への当てつけ?
〈4〉中国語ワンパー説 中国語でバカ、愚か者などを意味する「忘八(ワンパー)」から転じて38(サンパー)になったとする説。
〈5〉ルーレット説 米国式ルーレットは00、0を含め1~36の38の数字にチップを賭ける。今回の投稿で「賽(さい)は投げられた」というメッセージ?
〈6〉何の意味もない説 「sengoku」がユーザー登録済みだったため、自動的に候補として出てきた「sengoku38」をそのまま選んだ、という説。
最初の投稿は4日午後9時ごろ。「sengoku38」は5日午前7時40分にはユーザー登録を削除し、“逃亡”している。国籍は「日本」で年齢は25歳だった。投稿者のコメント欄には「尖閣松涛(しょうとう)事件の真相」とあったが、「松濤」は東京都渋谷区の高級住宅街の地名。「諸島」の変換ミスとみられる。
◆仙谷氏「私はユーチューブに投稿しない」
○…“犯人”にダシにされた形の仙谷氏本人は、この日午前の閣議後の会見で、投稿者が「sengoku38」というハンドルネームだったことをテレビの報道によって知ったと明かした。「あれっと思った。投稿者がハンドルネームというのを書き込むんだそうですね」とした上で、「私はあんまりユーチューブに投稿したりすることはしておりません」と説明した。
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http://www.uonumakoshihikari.com/
魚沼コシヒカリ理想の稲作技術『CO2削減農法研究会』(勉強会)の設立計画!