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2010年11月18日 DIAMOND online 辻広雅文 [ダイヤモンド社論説委員]


「この国のかたち」を決める選択を、日本経済を構成するおよそ10%程度の既得権集団が左右していいものだろうか。

 環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を巡って、農家と農家に関わる数多くの企業、団体、政治家、官僚が必死の抵抗を試みている。

 日本の国内総生産(GDP)における農業の比率は、わずか1.5%に過ぎず、極めて小さい。ただし、関連産業が多数存在する。土木、建設、機械、肥料、飼料…それらすべてを合計すれば、「GDPの10%程度に膨れ上がるだろう」と浦田秀次郎・早稲田大学院教授はみる。

 このGDP10%の構成員たちは、政治においてはその数倍もの力を発揮する。彼らは主に地方に根を張っており、全国農業協同組合連合会(農協)を核として結束力が強く、選挙における投票率も高い。自民党政権時代には、地方出身の農林族を支配し、農林水産省を含めて既得権のトライアングルを構成し、強力な存在感を発揮した。

 近年は、就農人口の減少に加え、政権交代などで農協の組織率の低下とともに政治力に陰りを見せていたのだが、「TPPを絶好のチャンスと捉え」(官邸関係者)て、農業関係者の危機を煽り立てることで再び結束、圧力団体としての力を取り戻しつつある。その凄みに、にわかに菅政権がたじろいでいる。

 復習しておこう。

 TPPの最大の特徴は、関税撤廃に原則として“例外を設けない”ことにある。原則100%の貿易自由化なのである。この点が、二か国・地域間で結ぶ自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)と決定的に違う。FTAはモノやサービスなどの貿易上の関税などの障壁を取り除く協定だ。EPAはFTAを柱に、さらに労働者の移動の自由や投資規制の撤廃などを盛り込んだ協定である。

だが、ともに“例外が認められる”。実際、貿易総量のおよそ10%は例外である。日本は数多くの国々とEPAを結んでいる。それでもコメの777%をはじめとして数多くの農産物が高関税で守られているのは、この例外規定のおかげである。だが、TPPでは原則認められない。安いコメが大量に入ってくる。だから、農業関係者が反対運動に狂奔するのである。

TPPは現在、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの小国4か国ですでに稼働中である。そこに、米国、オーストラリア、ペルー、マレーシア、ベトナムが参加交渉を開始した。大国である米国の参加表明で、TPPはがぜん、注目を浴びることになった。

 米国の意図は言うまでもない。オバマ政権が掲げる「輸出倍増計画」を達成するには、自由貿易圏として成長著しいアジア圏を取り込むことが必須だからである。米国の参加は、他国にとっては巨大な輸出市場の出現である。こうして、9か国が交渉に入っている。この9か国のGDP合計は世界の28%(といっても、米国が20%を占めるのだが)に達する。

 実は、TPPは通過点に過ぎない。ゴールはアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)である。FTAAPは、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の21カ国・地域が参加する自由貿易協定構想である。実現すればロシア、カナダ、韓国なども含む世界人口の40%、世界のGDPの50%を抱え込む巨大経済圏となる。FTAAPにいたる3つのロードマップの一つとして今、TPPが最も注目されているのである。

 ちなみに他の2つは、上図にある「東南アジア諸国連合(ASEAN)+3(日本、中国、韓国)」と、それにインド、オーストラリア、ニュージーランドを加えた「ASEAN+6」である。

 つまり、TPPに参加しないと判断することは、FTAAPにも入らないということである。それは、グローバル資本主義に生きる道を捨て、いわば鎖国の決断をすることと同義であろう。冒頭に「この国のかたちを決める選択になる」と書いたのは、そういう意味である。

 菅政権はTPPへ参加するか否かを、来年2011年6月に決定する方針だ。前述したように、9か国はすでに交渉を開始しており、3回の会議を終えている。さらに6回の会議が設定され、来年10月には合意に至るスケジュールだ。とすれば、日本が来年の6月に参加を決めたとしても、交渉は終盤に差し掛かっている。だから、日本の主張を反映するには、遅すぎる。日本の参加表明を歓迎している9か国にしても、本音ではもっと早く決めてほしいと思っているだろう。

国際交渉に乗り遅れそうなほど参加成否の検討に時間がかかるのは、いうまでもなく抵抗する農業対策のためである。政府は農業構造改革推進本部を設置、来年6月に政策決定を行うことにした。

 たとえば、農水省はTPPに参加すれば低価格の農産物の輸入急増によって、日本の農業は11兆6000億円の損失が生じ、340万人の雇用が失われると試算している。

 一方、経済産業省はTPP不参加ならば、2020年の時点でGDP10兆5000億円が減少し、81万2000人の雇用機会が失われる、としている。逆に、TPPに参加すれば、自動車や電子製品といった日本が国際競争力を保っている分野の輸出が拡大し、GDP10兆5000億円と81万2000人の雇用が得られるということである。

 農業保護に固執する農水省と自由貿易促進の経済界を代弁する経産省に対し、内閣府はTPP参加で得られる利益と損失を差し引けば、2兆4000億円~3兆2000億円のGDP増加が望めるとしている。多くの専門家は、「内閣府の試算は中立的で、妥当なもの」(浦田・早大大学院教授)として受け止めている。

 そうだとすれば、このGDP増加分はさまざまな経路で全国民に還元されることになる。全体の利益という立場に立てば、TPPに参加しないという選択肢はないのである。

 ただし、長期的には全国民に利益をもたらすことにはなるが、短期的には非常な痛みが局所に発生する。兼業農家、とりわけ第二種兼業農家では損失が発生する。第二種兼業農家とは、全収入の50%以上を農業以外から得ている農家である。彼らは低価格の輸入農産物に対してまったく競争力を持っていないから、おそらく撤退、廃業、失業に追い込まれることになる。

 だが、それは農業を救うチャンスにも変わる。

 なぜ、兼業農家が競争力を持っていないか。過去数十年に渡って、日本はコメ、小麦、酪農製品などに高い関税をかけ、農地所有者を税制で優遇することで保護した。規制強化によって守られた産業は、例外なく生産性を下げ、イノベーションを欠いて、競争力を落とす。とりわけ、固定資産税や相続税を大幅に軽減されている既得権を最大限に生かそうと、休眠地や農作放棄地を抱え続けた農家の堕落ぶりはひどく、さまざまなメディアに取り上げられている。それが、農業以外の収入のほうが大きく、農作をしなくても生活に困らない第二種兼業農家である。

 かねて日本の農業には構造改革の必要性が叫ばれてきた。小規模農地、休耕地、農作放棄地を集約し、土地の大規模化を図り、専業農家にモチベーションを与え、新規参入を緩めて競争を刺激し、生産性を向上する――。一言でいえば、兼業農家には農業をあきらめ、土地を拠出してもらうことが、構造改革である。

世界の先進国いずれもが戦略的に進めた農業の構造改革を、日本は自らの手で成しえなかった。これからも同じであろう。既得権に縛られたまま、農業の弱体化はさらに進み、壊滅の危機に瀕する。自力でそれを回避できないのであれば、外圧を利用するしかない。その格好の外圧が、TPPである。TPP参加によって兼業農家は苦境に陥るかもしれないが、農業全体は救われ、活性化のチャンスを得られるのである。

 この兼業農家を中心とする被害を最小限にすることが今、政府に突き付けられている難題である。だが、仮に単純な所得補填政策――所得がそれほど減らない第二種兼業農家も少なくないだろう――をしたとしても、財政の悪化が進むだけで、日本が直面している課題の解決にはならない。

 日本経済の停滞の主要因は、潜在成長率が低下し続けていることにあり、今や1%を切っているとみられている。その原因はさまざまだが、主因は労働人口の減少と生産性向上の停滞にある。そうだとすれば、減少し続ける労働資源を生産性の高い産業分野に集中する政策こそ必須なのである。

 この観点から、二つのことが言える。第一は、生産性の低い分野から生産性の高い分野に労働資源を移転させることが必要であり、そのためには、生産性の低い分野は輸入によって代替してもらうという選択が有効である、ということだ。生産性の低い分野に労働力をとどめておくことは、今の日本にとってとんでもない無駄遣いだ。その生産性の低い分野の典型が農業なのである。TPP参加は、輸入拡大の最も有効な政策となる。日本人は輸出には非常な関心を持つが、輸入に関してはあまり深く論考しない。この点は当コラムの【第109回】「 “輸出が大好きな日本人”が自覚できない欠落」を参照してほしい。 

 第二は、労働市場改革が必要である、ということだ。生産性の低い分野、つまり廃業などによって浮いた兼業農家の労働力を、生産性の高い分野に移転、誘導するには、日本の労働市場の硬直性にメスを入れ、流動性を豊かにする仕組みが必要だ。そのためには、さまざまな制度の改変が必要となる。これもまた、日本のタブーにメスを入れる構造改革となる。

 最後に付け加えたい。

 TPPからFTAAPに至る道のりは、「新しい国際制度を構築する試みでもある。それは自由貿易にかかわる制度だけではなく、たとえば各国国内法である独占禁止法や知的財産権に関わる法制度を包括的に組み込む作業になる」と、浦田・早大大学院教授は強調する。

 グローバル資本主義の公正、公平、成熟を高める制度設計ともいえる新しい国際作業に参加せず、知的格闘もなく、自国の主張も反映できないとなれば、それは独り鎖国するということである。日本企業はとても戦えまい。日本から国際競争力のある企業は、相次ぎ脱出するであろう。

 開国か鎖国か――ワンフレーズによる二分法は上滑りの熱狂を招くという危険は十分に承知しているけれど、日本にとって、この選択を掲げて総選挙に打って出るほどの分かれ目だと思われる。

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尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E8%89%B2%E6%AD%A3%E6%98%A5

2010年11月17日 DIAMOND onlin 山崎元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

普通は」得にならない内部告発!

 もともと本人が名乗り出ており、既に一部の週刊誌では実名が報じられているので、名前を秘する必要はあるまい。神戸海上保安部所属の海上保安官・一色正春氏(43歳)が、尖閣諸島沖での中国漁船と巡視船の衝突の模様を映したビデオを流出させた問題に関して、警察・検察当局は、同氏を逮捕せずに、任意で取り調べを継続する方針を決めた。今後、起訴され有罪になる可能性が無くなったわけではないが、問題の画像が保護すべき秘密であったことを立証する難しさ、さらには問題の中国人船長を釈放しておきながら、事実の一部を公開しただけの一色氏の罪を問うバランスの悪さなどを勘案すると、起訴にいたらないのではないかという観測が流れている。

 ただし、法的には罪を問われないかもしれないし、問われても軽い(公務員の守秘義務違反は50万円以下の罰金)公算が大きいが、一色氏が負っているリスクは決して小さくない。

 一色氏の行動はおそらく海上保安庁の内規の禁止事項に触れているだろうし、時の政権から海上保安庁が管理責任を問われている以上、何らかの処分を求められる公算が大きい。端的にいって、一色氏は失職する可能性がある。『週刊現代』(11月27日号)の記事によると、一色氏はいったん民間企業への就職を経験した後だが、商船高等専門学校を経て海上保安庁に就職している。商船高専卒業者にとって海上保安庁は良い就職先だろうし、世間の注目を惹いた後なので失職した場合、再就職は簡単でないかも知れない。家庭もお持ちで、お子さんもいるようだ。本人は現在も相当の不安を抱えているだろうし、悩んだ上での内部告発だっただろう。

 今回の内部告発とその後の自首について、世間の様子を見て名乗り出る卑怯な行動だ、という評があるようだが、これは内部告発者の立場に対する配慮を欠いた議論だと思う。

 一般に、内部告発は、最高に上手く行っても、告発した本人の得にはならない。本連載でも取り上げたが、オリンパスで上司の不正行為を社内の告発窓口に通報した社員は、社内で不当な扱いを受けたとして裁判で争うに至ったし、ミートホープ社の不正を告発した社員は、世間に同社の不正を知らしめることには成功したが、会社が潰れて職場を失ってしまった。その他、各種の食品を巡る問題や、金融を巡る不祥事の告発者も、不正の周知に成功することはあっても、告発した本人が、本人にとっての正義の達成以上のメリットを得たケースを知らない。

今回の告発の特異性!

 今回の一色氏の内部告発は、主に企業を中心に行われてきた過去の内部告発といくつかの点で異質だ。

 内部告発者は、組織にとって不利な情報を流したとされて、組織内で疎まれ、憎まれる存在になることが多いが、推察するに、今回の告発に対して、海上保安庁内部では、「大変なことをしてくれた」という声もあるだろうが、「国民に事実を知って貰ってよかった」、「よくぞ、やってくれた」声が多いのではないだろうか。所属組織内で支持を受ける内部告発者は珍しい。

 また、前述のように、個人としては得にならないばかりか、生活をリスクにさらすことになるので、内部告発者は、自分から名乗り出ないことが多い。しかし、今回、一色氏は捜査が迫ってきていたとはいえ、自分から名乗り出た。

 加えて、一色氏が望むところではないかも知れないが、国民の多くは、同氏の動画投稿を支持している。今後のことはよく分からないが、一色氏が多くの人の支持を受ける「スター」的な存在になる可能性もある。

 だから彼は名乗り出たのではないか、という声もあるが、それは「小さな問題」だろう。仮に、彼が好意的に迎えられる有名人となることがあるとしても、いちいち嫉妬しない方がいい。

告発者のメリットになってはいけないか?

 告発を行ったことで本人が何らかのメリットを得てはいけないのかというと、少なくとも「常にそうだ」とは言えまい。

 たとえば、ミートホープの社員の内部告発がなければ、多くの消費者がそれとは知らずに殆どゴミのような異物が混ざった食品を口にしていたかも知れない。消費者は、告発者に感謝すべきだろうし、告発者がより幸せになることを願っていいはずだ。

今回の告発はどうなのだろうか。法的な立件の可否はともかくとして、行為の性質として公務員の守秘義務からの逸脱であることは間違いない。また、時の政府が隠そうと決めていた情報が漏洩したのだから、行政の失敗として、ひいては国の統治の乱れとして重大な問題であったことも間違いない。

 しかし、一色氏は、失職の可能性を含む組織内での処分、あるいは冷遇の可能性といった自ら受けるかも知れないデメリットを承知の上で、それでも問題の映像を国民は見るべきだと判断して行動したのだから、行動自体の善し悪しを総合的に判断するのがフェアだろう。

 筆者個人は、一色氏が画像を公開したことに関して、公務員としての守秘義務を逸脱したことの拙さ以上の公共のメリットがあったと判断している。衝突の画像は、事件の事実関係を判断する上で国民が「見たい」画像だったし、政権の対応が適切であるか否かを判断するためにも「見ておいた方がいい」画像だった。

 ネットの情報には信頼性がないと言っていたはずのテレビが、繰り返しユーチューブの画像を流していたのは奇妙な光景だったが、既存メディアとしても「これは国民に見せる価値のある映像だ」と判断したからだろう。政府が、この画像の公開が本当に国益に反すると考えるなら、この件に関して、一色氏や海上保安庁の責任を言い立てるだけではなく、テレビ報道のあり方にも文句をつけるのでないとバランスが取れない。

 海上保安庁は、自衛隊や警察に連なる物理的「力」の行使を伴う組織だから、この組織が政府の意思に反した行動を取ることの重大性を、太平洋戦争前の軍部の暴走などに重ね合わせて危惧する意見も一方にある。しかし、政府の判断に問題がある場合、国民がそれを公務員の内部告発を通じてしか知り得ないとしたら、内部告発が起こらないこと自体を問題視しなければならない。少なくとも、その内部告発及び告発者を「守秘義務違反」としてしか評価しないのは問題だ。

問われるべき政府の責任!

 仙谷官房長官は、今月10日に一色氏への取り調べが始まった時点の記者会見で、「大阪地検特捜部の(証拠品改ざん・犯人隠避)事件に匹敵する、ゆゆしき事案」(『読売新聞』11月16日朝刊)だと述べたという。仙谷氏が、現在もそう思っているとすれば、今回の警察・検察の判断とは大きく異なる理解だといわざるを得ない。中国人船長の逮捕以来、独自のルートを使って中国政府と交渉してきたとされる仙谷氏としては、重大犯罪だという認識になるのだろうが、仙谷氏のこの問題に対する対処は適切だったのだろうか。

 『毎日新聞』(11月8日)の報道によると、仙谷氏は、民間コンサルタントである篠原令氏に中国との橋渡しを依頼し、その結果、細野剛志氏を中国に送り込むなどして、中国側当局者と、「衝突事件のビデオを公開しない」、「仲井真(沖縄県)知事の尖閣諸島視察を中止して貰いたい」との先方の要求に同意したのだとされている。

 率直にいって、俄には信じがたい判断と行動だが、政府としてあらためて動画を公開すべきだという野党の要求を呑めずにいるところを見ると、先方と本当にこのように約束していたのだろうと推測される。

 仙谷氏に対して好意的に解釈すると、中国との経済関係に配慮して問題を早く解決しようとしたということなのかも知れないが、過剰かつ不適切な譲歩だったのではないかという疑念が拭えない。

 タラ・レバの話になるが、画像を早期に公開していれば、中国側の立場がもっと弱かった可能性があるし、そもそも、国政に関わるこれだけの大問題なのだから、日本国民に対して画像を公開しないという判断がおかしい。撮影された動画が捜査資料であるという建前があったとしても、必要だと判断すれば、これを公開できる手続きを考え、実行してこそ、意味のある「政治主導」といえる。

 問題の大きさは、海上保安庁の情報管理よりも、日本政府の対中国外交の方が遙かに大きい。

 政府を批判する立場にある野党や、本来ならば政府をチェックすることが期待されるメディアは、今回の問題を、海上保安庁や同庁を管轄する国交省の情報管理の問題に矮小化することは不適切だ。端的にいって、馬淵国交相の責任など問うてもつまらない。自民党をはじめとする野党は、もっと適切にターゲットを絞るべきだろう。

 先の経緯が本当なら、仙谷官房長官と前原外相の責任が問われるべきだろうし、これだけの問題になれば、菅首相にも責任がないとはいえない。船長の逮捕、釈放、対中交渉といった一連のプロセスについて、菅内閣は説明責任を果たすべきだ。

「小泉マジック」に学び政調会に歳出削減策を出させよ !

玄葉光一郎
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%84%E8%91%89%E5%85%89%E4%B8%80%E9%83%8E

2010年11月16日 DIAMOND online 上久保誠人 [立命館大学政策科学部准教授]

菅直人政権が、「事業仕分け」第3弾と、2011年度予算の「元気な日本復活特別枠」配分を決める「政策コンテスト」に取り組んでいる。「政治主導」による予算編成を目指すものだが、その手法の限界が見えてきている。

「事業仕分け」の限界
「事業仕分け」第3弾では、天下りや無駄な事業を生む土壌になっていると指摘されてきた「特別会計(特会)」が仕分け対象となった。国土交通省所管の「社会資本整備事業特会」、経済産業省所管の「貿易再保険特会」、厚生労働省所管の「労働保険特会」などの「廃止」や「漁船再保険及び漁業共済保険特会」など農林水産省所管3特会の「統合」などが次々と決定した。

 しかし、特会を「廃止」して一般会計に戻しても、その事業そのものが廃止されるわけではない。例えば、貿易再保険特会を廃止しても、実質的には独立行政法人「日本貿易保険」が業務を行っている。農水省の3特会統合も中の勘定が別なら実際は同じである。

 また、蓮舫行政刷新相は「目標金額は示さない」として、仕分けの主眼が財源捻出よりも特会の透明性確保にあることを強調している。仕分けの予算削減効果は限定されているからだ。例えば、昨年11月の事業仕分け第1弾では、予算削減効果はわずか7000億円程度であった。

 官僚はさまざまな手を使って予算を復活させている。「廃止」や「見直し」の判定を受けながら別名称で事業を続けたり、廃止された複数の事業を統合して予算を増額要求したり、判定で示された予算の縮減幅を小さくしたり、廃止時期を延長して事業を存続させたりしている。

 実際、来年度予算要求では、厚労省の「健康増進対策費」、外務省の「日本国際問題研究所補助金」、総務省の「宝くじの販売促進・普及宣伝事業」、厚労省の「女性と仕事総合支援事業」など仕分けで廃止と決定された事業が、名前を変えてゾンビのようにゾロゾロと復活しているのだ。行政刷新会議は、特会の仕分けと別に、これらの「再仕分け」を実施するが、どれだけ官僚の抵抗を排除できるかは不透明だ。

「政策コンテスト」の限界
 菅政権はムダ削減の一方で、新成長戦略などへの予算の重点配分のために「元気な日本復活特別枠」(1.3兆円規模)を設けた。この特別枠には各省から「主要都市間の高規格幹線道路整備」「高速道路無料化」(国交省)、「在日米軍駐留経費負担」(防衛省)、「小学1、2年生の35人学級実現」(文科省)、「農業戸別所得補償」(農水省)などを含む189事業(総額2.9兆円)の要望が提出されている。

 これらを絞り込むために、政務三役が要望の説明を行い、玄葉光一郎国家戦略担当相を議長として評価する「政策コンテスト」が公開ヒアリング方式で行われた。ヒアリングはインターネット上で公開し予算編成の透明化と「政治主導の演出」を図る狙いがある。

 しかし、ヒアリングで各省に割り当てられた持ち時間はわずか30~45分。政策の効果などについて深い議論ができたとは言えない。与党内からは「単なるパフォーマンス」との批判も出てきた。復活した民主党政務調査会では、個別利益を要求する「族議員」の声が強まる(第54回参照のこと)。この特別枠を巡る争奪戦も激しさを増すだろう。結局、省庁や族議員を抑えられず、最終的に財務省が仕切ることになるとの見方がある。

「抵抗勢力」政調会に歳出削減策を立案させた
「小泉マジック」に学べ
 この連載では、玄葉光一郎政調会長が国家戦略相を兼務することで、むしろ族議員を抑えるのは難しくなり、「政治主導」は困難に陥ると指摘した(第58回参照のこと)。しかし、玄葉政調会長には参考にすべき格好の事例がある。小泉純一郎政権が最終の年(2006年)に取り組んだ歳出削減策だ。

 2005年、衆院総選挙の地滑り的大勝利で、小泉政権は郵政民営化を実現した。自民党内の「抵抗勢力」の一掃に成功した小泉首相(当時)は、内閣改造・党役員人事で経済財政相に与謝野馨氏、政調会長に腹心の中川秀直氏を起用し、経済財政諮問会議と自民党が一体となって動く政策立案システムの構築を目指した。

一般的に小泉首相は「官邸主導」体制構築を目指したとされる。しかし、実は「官邸主導」は小泉首相にとって、あくまで「構造改革」を実現するための「手段」に過ぎなかった。小泉首相が究極的に目指していたのは、政調会の主流が改革派となり、それを首相が掌握する政策決定メカニズムの実現であった。

 そして、小泉首相は歳出削減策の立案を自民党政調会に命じた。族議員の温床である政調会は、それまで予算を「要求」しても、その「削減」に取り組んだことはなかった。小泉首相は族議員の政調会への影響力が雲散霧消したことを好機とみて、前代未聞の「マジック」を繰り出したのだ。

 中川政調会長は政調会に「歳出改革プロジェクトチーム」を発足させた。各政策分野の責任者(主査)には「族ボス」以外の政調副会長の面々を任命し、各分野別会合メンバーは各部会長や各省の副大臣・政務官を起用した。歳出削減決定のプロセスに、なるべく多くの自民党議員を参加させ、取り込むことが狙いだ。そして、最終的な意思決定は、従来のボトムアップではなく、中川政調会長、甘利政調会長代理、伊藤達也政調会長補佐と主査のトップダウンで進める形にした。

 歳出削減プロジェクトチームは、2ヵ月に渡り、5つの分野別会合だけで合計63回の議論を行った。自民党内からは参議院を中心に死に物狂いの抵抗が起こったが、中川政調会長はそれらを拒絶した。

 結局、小泉政権最終年度の「骨太の改革2006」には、11.4兆円~14.3兆円の歳出削減策が盛り込まれた。小泉首相は「財政改革は財務省だけじゃできなかった。諮問会議だけでもできなかった。党も巻き込まなければできなかった」と絶賛した。

 玄葉政調会長は、族議員化が進む民主党政調会を改革勢力に変えるために、「小泉マジック」を参考にすべきだ。少数のパフォーマーによる「政治主導」演出の限界を自覚し、より多くの議員が改革に参加する仕組みを作り上げることに、玄葉政調会長は「政治力」を発揮すべきである。

尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%96%E9%96%A3%E8%AB%B8%E5%B3%B6%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E6%BC%81%E8%88%B9%E8%A1%9D%E7%AA%81%E6%98%A0%E5%83%8F%E6%B5%81%E5%87%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6

2010.11.15 zaKzaK

沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突ビデオ映像流出事件で、流出を“自白”した神戸海上保安部勤務の海上保安官(43)の実名が一部週刊誌によって報じられた。保安官は連日、捜査当局の任意の事情聴取を受けているが、実名が表に出たことで事態が思わぬ方向に動く可能性も出てきた。

 保安官を実名報道したのは、15日発売の「週刊現代」11月27日号。14ページにわたる民主党批判特集の冒頭に流出事件を取り上げ、保安官の実名も掲載した。

 記事自体は保安官に直接取材したものではなく、周辺取材を集めて構成されたもの。ただ、保安官と近い海保職員の証言として、「ビデオ流出の直接のきっかけは、民主党を中心とした議員たちのとぼけた反応」など保安官の動機にまで言及している。さらに、保安官の出身地や父親の職業、きょうだいの有無や経歴などにも踏み込んでいる。

 流出事件は国民的関心が非常に高い事件であることから、各報道機関は保安官の行動や素顔について、さまざまな報道を行っている。

 しかし、あくまで逮捕前であることから、どの報道機関も実名報道は控えている。過熱報道に保安官が自ら牽制(けんせい)する動きもあった。保安官は13日未明、報道機関あてに手書きのコメントを公開。「本日私がここに宿泊しますのは、貴方たちマスコミのおかげです。私がこの建物を出たならばさらに多大なる迷惑をかけてしまうからです」「過熱した報道を少しはひかえて下さい」とする要望を出した。

 保安官は、神戸市内の自宅に残した妻と幼い2人の子供たちのことをしきりに気にかけているが、ついに実名が出たことで家族の生活にも影響が出ることは必至だ。

 保安官の周辺が騒がしくなる一方で、捜査は異例の長期に及んでいる。

 保安官を庁舎内で軟禁状態にして行われている任意の事情聴取はすでに6日目に入った。捜査当局は15日中にも立件の可否を検討するが、「国家公務員法(守秘義務)違反で立件しても公判維持ができるかは五分五分の情勢」(司法関係者)と言われている。

プレスリリース 平成22年11月3日 青山社中(株)
http://aoyamashachu.com/

NPO法人プロジェクトK「霞ヶ関構造改革」
http://projectk.jp/modules/aboutus/

「新しい霞ヶ関を創る若手の会(プロジェクトK)」のメンバーを中心とする3名が、
世直し法人「青山社中(株)」(本社:東京都港区)を設立します。
新会社は、シンクタンク事業、リーダー塾事業、コンサル事業を通じ、「世界に誇れ、
世界で戦える日本」の人材・政策・組織を創ることを目指します。
会社設立は、2010年11月15日の予定です。

1.ごあいさつ
減らない自殺者、増え続ける高齢化率、改善の兆しを見せない株安と円高、中国やロ
シア等の近隣諸国の台頭・・・。日本を取り巻く諸状況は近年ますます厳しくなってきて
います。
そんな中、約14年勤めた霞ヶ関を飛び出し、仲間と「青山社中」という世直し組織
を立ち上げることにしました。設立日は、坂本龍馬の誕生日かつ命日である11月15日
です。具体的には、「世界に誇れ、世界で戦える日本を創る」ことを標榜し、人づくり、
政策づくり、組織づくりの各方面から日本の建て直しを図ります。
このような決意をするにあたり、特に強く思ったことは「自由な身分で、未完の霞ヶ
関改革を更に進めつつ、日本の活性化に取り組みたい」ということです。
7年前に仲間と立ち上げた「新しい霞ヶ関を創る若手の会(プロジェクトK)」で取り
まとめた霞が関構造改革案は、国家戦略室の設置や公務員制度改革という形でかなり実現
してきました。
しかしながら、霞が関改革の究極の目的であるところの日本の国力の増進は、目を覆
うばかりの状況になっており、これ以上の「中からの改革」のみによる国の立て直しには
限界があります。
特に、主要な政策課題について、より自由な身分・時間を得て骨太な政策案を策定し、
霞ヶ関改革の更なる推進と同時並行的に取り組むことが重要だと思っています。
少なくとも今のままでは、日本は衰退の一途です。荒唐無稽なやり方であることは重々
承知していますが、「義を見てせざるは勇なきなり」という言葉と矛盾した生き方はでき
ないと思いました。
今後は「青山社中」で、日本活性化のために死力を尽くしたいと思います。今後とも
ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
筆頭代表 朝比奈一郎

2.企業概要
(1)企業コンセプト
①世直し法人
日本の活性化を究極の目標とします。「世界に誇れ、世界で戦える日本」を構築す
「新しい霞ヶ関を創る若手の会(プロジェクトK)」のメンバーを中心とする3名が、
世直し法人「青山社中(株)」(本社:東京都港区)を設立します。
新会社は、シンクタンク事業、リーダー塾事業、コンサル事業を通じ、「世界に誇れ、
世界で戦える日本」の人材・政策・組織を創ることを目指します。
会社設立は、2010年11月15日の予定です。
るために活動します。
②自立促進法人
何でも政治や行政のせいにするのを止めて(脱政治依存、脱役所依存)、日本人・
日本の組織の「自立」と「自律」を目指して活動します。
③理念型法人
戦争(究極の非営利事業)から商売(営利事業)まで行った亀山社中にならい、
理念の実現のため営利・非営利を問わず活動します。ただし、戦争はしません。

(2)メンバー
筆頭代表(CEO)就任予定:朝比奈一郎(経済産業省)
1973 年生まれ。経済産業省でエネルギー政策、インフラ輸出政策などを担当。「プロ
ジェクトK」代表。(2010 年11 月12 日退職予定)

共同代表(COO)就任予定:遠藤洋路(元文部科学省)
1974 年生まれ。文部科学省で生涯学習政策、知的財産政策などを担当。「プロジェク
トK」理事。

取締役(社外)パートナー就任予定:神谷学(元文部科学省)
1974 年生まれ。文部科学省退職後、現在は上場企業の経営企画部長として中長期計画、
事業戦略、新規事業開発、M&A などを担当。

3.事業内容
青山社中は、「世界に誇れ、世界で戦える日本」のための人材・政策・組織を創ること
を目指します。

①政策づくり事業(シンクタンク)
政策の総合性を意識し、行動を大切にするシンクタンク。政策発信、各界への働き
かけ、自らによる事業化を重視した活動を行います。最初の事業として、来年の統一
地方選に向けたマニフェスト作成支援を行います。

②人づくり事業(リーダー育成塾)
国や社会のあるべき姿を意識し、大きな変革を実行できるリーダーを育成する塾。
塾生を日本の活性化を目指す「同志」に育てます。来年5月頃開講を予定しています。

③組織づくり事業(コンサルティング)
気軽な起業、若い組織(若手起業家による企業、NPO、自治体など)の強化を目
指す事業を行います。

*情報随時更新中*
公式HP http://aoyamashachu.com/
公式ツイッター http://twitter.com/aoyamashachu

(お問い合わせ先)
青山社中株式会社設立準備委員会(担当:遠藤)
電話:03-3449-7717
FAX: 03-5770-7883
Email:office@aoyamashachu.com

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1954/01/01
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農業
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自己紹介:
私は、魚沼産コシヒカリを水口の水が飲める最高の稲作最適環境条件で栽培をしています。経営方針は「魚沼産の生産農家直販(通販)サイト」No1を目指す、CO2を削減した高品質適正価格でのご提供です。
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