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http://www.orientalgiken.co.jp/
【第120回】 2010年8月6日 週刊ダイヤモンド編集部
モノづくりを支える“研究施設のプロ”オリエンタル技研工業社長 林進
木目が温かな棚に大理石調のテーブル。高級マンションのシステムキッチンかと見まがうほどだが、研究施設用の「実験台」である。従来の機能一辺倒で無機質な製品に対し、“快適性”を重視したデザインが研究者たちに好評だ。
有害な化学物質などを取り扱うための「ヒュームフード」(下の写真)では、環境対策を徹底している。排気風量を作業状況に合わせて自動調節し、非使用時には扉が閉じて使用エネルギーを大幅に節約。各設備はLANで結ばれ、CO2削減量を表示、研究者に省エネを促す。
安全で、作業効率のいい研究所をつくりたい──。林進が、研究実験用設備機器メーカー、オリエンタル技研工業を設立したのは1978年。当時、メーカーでも大学でも、研究所は薄暗く、化学薬品のにおいが立ち込めているのが当たり前だった。「高度成長期で、大手メーカーでも生産施設には力を入れていたが、研究施設は古いままだった。事故も多発し、これでいいのかという思いがあった」。
林は理化学機器メーカーに13年勤め、開発や営業に従事した。機器の立ち上げで長期間研究現場に立ち会うこともあり、旧態依然とした設備環境に対する疑問を強めていた。
「どこでも作っているようなモノではダメだ」と、37歳で会社を立ち上げた。資本金の1000万円は、兄弟で住宅資金を出し合って捻出した。
スタート時の社員は、自身も含めて3人。「昼は営業、夜は設計」という毎日が続いた。当初は資金繰りにも苦労した。妻の実家に頼み込んで資金を借り、窮地を脱したこともある。
最も苦しかったのは「人が採れなかったこと」だ。斬新で使い勝手のよい製品が好評を得て、初年度から黒字達成。以後一度も赤字を出したことはなく、堅実に成長を遂げてきた。ところが時代はバブル期、大手志向の学生には見向きもされなかった。
状況が変わったのは設立10年目、茨城県つくば市に工場兼ショールームを建設してからだ。「これを見て、徐々に学生が入ってくれるようになった」。今では社員100人、博士課程修了者や海外で研究経験を持つ一流の人材が望んで入社してくる。
ライバルと一線を画す提案力と開発力で
大手から引き合い殺到
設備機器の分野では、競合メーカーは多数ある。しかし林は「われわれのようなビジネスモデルはほかにない」と胸を張る。
オリエンタル技研工業は、単に設備機器の製造販売にとどまらず、「どういった施設・設備にすればいいのか」というコンサルティングから、機器導入後のメンテナンスまで一貫して行う体制を備える。「そうでなければ、研究者のニーズに合ったものは作れない」。子会社に日本で唯一の“研究施設専門”一級建築事務所を持ち、コンペで大手を打ち負かして施設そのものの設計から手がけることもある。
顧客は、まず製薬、バイオテクノロジー、化粧品、食品などのメーカー。日本を代表する企業の名が並ぶ。むろん大学や、国の研究機関も同様だ。
特に現在は、製薬業界からの注文が活況だ。主力商品の特許が相次いで切れる“2010年問題”に直面して各社とも新薬開発に躍起であり、大規模な研究施設を競って建設しているからだ。さらに、少子化のなかで学生を集めるため、施設・設備の充実に力を入れる私立大学からの引き合いも多いという。
ユーザーの高い評価を支えるのは、45年に及ぶ林の経験とノウハウ、そして「最先端の研究開発には、最先端の施設・設備が必要」という理念である。いまや作業効率だけでなく、居住性やデザインも、研究者の能力を引き出す重要な要素だ。
世界の先を行く「最先端の研究施設」で
モノづくりを支援
日本の研究開発環境は、米欧と比べいまだに3割遅れているというのが林の実感だ。留学した研究者が、「ろくな設備がないから」と帰って来たがらないような現実もある。「だからわれわれが、魅力ある環境を提案していく」。そのために、世界の最新動向を常に探り、米欧企業とのタイアップも積極的に行う。
もちろん、現場の研究者のニーズをくみ上げることにも余念がない。というよりも、林の考えに賛同する研究者たちとコラボレーションを行っているというほうが近い。つくば市の工場には、打ち合わせのために日本中から研究者が足繁く訪れる。林は長年、筑波大学産学連携会の理事を務め、また東京農工大学に寄付口座を設けるなどで、大学とのパイプも太い。
さらに、世界の一歩先を行くために打ち出したのが、地球環境にも配慮した「グリーンラボラトリー」のコンセプトだ。冒頭で紹介したヒュームフードはその一端だが、これらの機器は数百台もの単位で納入されるため、省エネ・環境負荷低減の効果は大きい。CO2削減は研究施設でも喫緊の課題であり、ランニングコスト削減にもなるため好評を博している。
「日本が生き残るためには、やはりモノづくりで負けるわけにはいかない。その意味で、研究開発環境というのはきわめて重要であり、ニーズがすたれることはない」。日本中が不況にあえぐなかで、今年度は大幅な増収増益を見込む。成長を急ぐつもりはないが、売上高100億円が当面の目標だ。(敬称略)
(「週刊ダイヤモンド」編集部 河野拓郎)
http://e-kit.jp/e-kitshop.htm
秋月電子通商
http://akizukidenshi.com/
【第97回】 2010年8月11日 週刊ダイヤモンド編集部
「生産活動を行う消費者」たち 電子工作ブームが意味する未来
今、電子工作がブームとなっていることをご存知だろうか。かつての電子工作と違うのは、インターネットの技術と情報、そして理念が盛り込まれていること。じつはこれは大きな意味を持つ。「生産者」となった個人は、大手メーカー中心のものづくりを脅かす存在になるかもしれない。そんな当世の電子工作ブームを読み解いていこう。(「週刊ダイヤモンド」副編集長 深澤 献)
私、結構寝坊をするんですけど、目覚まし時計をインターネットにつなぐとおもしろいかも、と思って作ったのがこれです」
岩淵さんの作る作品に共通しているのは、ウェブとメカの融合。「これからはウェブとハードができる技術者が強い」というのが持論 http://koress.jp/
Photo by Toshiaki Usami そう言って岩渕志学さんは、「ソーシャル目覚し時計」を掲げてみせた。パッと見はなんの変哲もないが、裏側を見るとディスプレイとLANポートが付いている。
「パソコン(PC)を介さず単体でネットに接続でき、ネットからアラームの時刻を設定できるんです」
しかも、ソーシャルネットワーキングサービス「mixi」上で動作するmixiアプリとしても機能する。マイミク(相互に友人関係を登録した相手)の人が自由にアラーム設定できる趣向だ。アラーム設定時間にはディスプレイに設定者のIDが表示され、止めた時間もmixiに記録される。こうして、起床時間と起こした人の履歴が残るというわけだ。
岩渕さんの本業は、大手ウェブ企業のエンジニア。2007年2月に、同じウェブ関連のエンジニア3人でウェブの新サービスを開発するサークルを立ち上げたが、「本業だけに閉じていたら、大事なものを見落とす可能性がある」と気づき、2年前からハードウエアの製作に取り組み始めた。
最初に作ったのは「2ちゃんねる赤色灯」。ある話題で発言数が急増し、いわゆる“祭り”が起こると、赤色灯が大回転して教えてくれるもの。赤色灯にLANポートが付いておりネットに直結、2ちゃんねるを24時間巡回するようプログラムされている。
「モノが実際に動いたときの感動の大きさは、ウェブとはレベルが違った」と岩渕さんは振り返る。
最新作は「秋月ドランク」。機械に息を吹きかけると、血中アルコール濃度を検出し、ツイッターに「へべれけなう」などと自動で投稿するマシンだ。アルコールセンサの実験のために酒を飲んでいるうち、酔っ払ってはんだごてを持つ手が怪しくなったという苦心の作である。
年前までは電子工作の知識はゼロだった。情報源はもっぱらネット。他人の回路を読みまくった。「たとえば『○○・自作』と作りたいものを検索すれば、必要な情報はほぼ得られる。真空式モノクロテレビを自作している人までいて驚いた」と岩渕さん。
岩渕さん自身も、ウェブサイトで製作物を紹介するのはもちろん、電子工作愛好家のメーリングリストを運営したり、電子工作のイベントがあれば積極的に出かけ、これまでの成果を発表している。
インターネットが担う
共有コミュニケーション
常に愛好家たちでにぎわう、秋葉原の電子部品専門店「秋月電子通商」http://akizukidenshi.com/ Photo by TU 秋葉原にある電子部品専門店の秋月電子通商は、電子工作愛好家のあいだでは“聖地”と呼ばれる有名店。電子機器の組み立てキットや、各種電子部品、回路図集などを求める人びとで、常に溢れ返っている。また、巷では電子工作を披露し合うイベントや、初心者からの電子工作教室なども頻繁に開かれ、活況を呈している。今、明らかに電子工作がブームだ。
そう聞けば「自分もかつては鉱石ラジオや真空管アンプといったアナログ回路の製作に精を出した」と懐かしがる読者諸兄もいるだろう。そして、最近の主流はコンピュータを活用したメカトロニクスであり、ネットを絡めたガジェットの作製なのかと理解するかもしれない。
確かに、過去の電子工作ブームとの大きな違いはネットの存在だ。だが、必ずしも工作物がネットにつながっているというわけではない。製作過程ではネット上の情報収集は不可欠だし、製作物はネット上に公開して、感想を求めたり、場合によっては他者がよりよく作り替えたりすることもある。
ネット時代は集合知の時代といわれるが、成果物を大勢で寄ってたかってよりよいものに高めていくという動きは、いかにも当世の電子工作ブームの特徴といえる。
たとえば、ネットの動画共有サイト「ニコニコ動画」にニコニコ技術部というカテゴリーがある。何かを「作ってみた」「やってみた」といった動画に付与されるタグだ。ここでは、ハードウエア、ソフトウエアを問わず、作品を発表し、お互いにコメントし合っている。それが、次の製作へのモチベーションにつながっていく様子が見て取れる。
こうした「共有コミュニケーション文化」こそが、今の電子工作ブームの最大の特徴といってよい。
05年に米国で創刊され、06年8月に日本語版が登場した「Make:」(オライリー・ジャパン刊。6ページのキーワード参照)という雑誌も、今の電子工作ブームを象徴する存在だ。
担当編集者の田村英男さんは「当初は“一風変わった工作雑誌”というとらえられ方だったが、07年頃からニコニコ動画やユーチューブで製作物を公開するような動きが始まり、さらにArduino(6ページのキーワード参照)の登場で流れが変わった」と語る。
Arduinoというのはイタリア生まれの8ビットマイコン。ボードと開発環境がセットになっており、PCでプログラミングを行える。設計情報が無料で公開されているオープンソースハードウエアなのでボードを自作することも可能だが、数多くの既製品が販売されている。最も標準的なモデルで3200円程度。これにより、できることのレベルがぐんと上がった。さらにArduino上で使用するXBeeという無線モジュールや、温度センサなどの部品も数多くラインナップされたことで、電子工作人口の増加にも貢献した。
Wiiリモコンで、壁を駆け上がる自作ロボットを操作する勝さん
http://jksoft.my.coocan.jp/ Photo by TU 「じぇーけーそふと」というハンドルネームで電子工作を発表している勝純一さん。本業は組み込みプログラマーだが、趣味で電子工作を楽しんでいる。最新作は、壁ライントレーサー「うおーるぼっと」。既存のロボットキットに磁石を取り付け、スチール製の壁を走れるようにし、さらにArduinoとXBeeの組み合わせで、無線操作できるようにした。それも任天堂のWiiリモコンで操作できるよう、自らプログラムを組んだ。
現在、日本で流通するArduinoの8~9割方はスイッチサイエンスという販売代理店で売られている。2年前、スイッチサイエンス代表の金本茂さんが、自分で使うためにイタリアから個人で仕入れたのが最初。おもしろいのでほかの人にも分けてあげようと、まとまった量を買っているうち、販売代理店の誘いがあった。「それでも当初は週3~4件の注文だったのが、今は1000個仕入れて2ヵ月持つか持たないか」と金本さんもその人気に驚きを隠さない。
欲しいものは自分たちで作る
前出の「Make:」が掲げるコンセプトは、「Do It With Others」。欲しいものは自分たちで作るというものだ。
まさにその精神を体現するのが、ウェブのプロデュース、システム構築などを行う技術ベンチャーのチームラボ。同社には、社員旅行先で「卵を2メートルの高さから落としても割れない仕組みを作れ」といったお題に、チーム対抗で挑んだりするのを恒例行事とするような、ものづくりを楽しむ文化がそもそもある。
たとえば、入社2年目の山本遼さんは、「らぼかへ」と名づけられた社内カフェ(社員の1人が勝手にコーヒーメーカーを置いて、1杯60円で販売)の残量を、全社員にリアルタイムで知らせるシステムを自作した。ウェブカメラで残量を計測し、ネットのブラウザのステータスバーに表示するというものだ。「PCの画面に向かったまま、ちょっと視線をズラすだけで自然に見られる」と山本さんは説明する。
このシステムを作ったところ、「トイレの空き状況もネットでわかるといいんだけど」という要望がメールで寄せられた。というのも、男性社員の数に比べトイレの個室の数が少なく、わざわざ足を運んでも空いていないということが多いからだ。そこで作製したのが、トイレ個室センサ「ヘブンズドア」だ。仕組みは至ってシンプル。個室のドアに無線マウスがくっついており、ドアを閉めるとクリックされる。その信号がトイレの外に置いてあるPCに届く。空き状況は、らぼかへと同様、ブラウザに表示される。
さらに、「殺伐としたトイレに癒やしを加えるため」(山本さん)にトイレ癒やしガジェット「アクトトイレ」を作製。トイレットペーパーを引っ張ると、その動きに合わせて画面上のネズミが地球を回るアニメが動くというもの。ペーパーの回転は、これまたマウスを応用し、赤外線センサで感知する仕組みとした。難点は、楽しくてついついペーパーをたくさん使ってしまうこと。そこで、回し過ぎるとネズミが疲れて死んでしまうオチにしたという。
一方、チームラボの創業メンバーで取締役CTO(最高技術責任者)を務める青木俊介さんは07年、チームラボとは別にユカイ工学という会社を立ち上げた。
ホンダの二足歩行ロボットASIMOがニューヨークの地下鉄の階段を上ってくるCMを見て、涙が出るくらい感動し、そして焦ったという青木さんがこだわるのは、ロボット開発。ただし、必ずしも人の役に立つロボットではなく、「自分たちがユカイと思うものを作り出していきたい」と語る。
これまでにはカッパ型ロボット「カッパノイド」、鳥取県の水木しげる記念館の「目玉おやじロボット」を用いたデジタル妖怪探しゲームなどを開発。現在は、若い女の子がPCのそばに置いて楽しむ「ココナッチ」という小型ロボットを鋭意作製中だ。
青木さんは開成高校から東京大学工学部を卒業したいわばエリート技術者だが、大手メーカーに入るという発想はまったくなかったという。「自分でやったほうがおもしろいし、ワクワク度が違う。ネットによる物流革命で、今は個人で買える部品の範囲が広がっているし、サンプルを小ロットで製造するのも簡単にできる。大組織のメリットは限りなく、なくなってきている」と青木さんは言う。
もっとも現状は、収益は上がっていない。チームラボでアルバイトをしていたところ、同社に誘われた鷺坂隆志さんは現在、東大の大学院博士課程2年目。その他のコアメンバー2人も学生だ。「彼らが学生でいるあいだに、なんとか会社を軌道に乗せたい」と青木さんは意気込んでいる。
最終型はパーソナル・ファブリケーション
電子工作の事業化を目指す事例としては、茨城県つくば市にユニークな取り組みがある。
「FPGAカフェ」の開店準備に追われる相部さん
左の基盤が右の4つのモジュールになる http://www.susutawari.org/ 相部範之さんは、筑波大学大学院で「パーソナライズド・ガジェットの開発・販売支援の事業化に関する研究」というテーマで研究活動を行っている。
相部さんは、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)から認定された「天才プログラマー/スーパークリエータ」(前出の青木さんや後出の小林茂さんも認定)の1人で、FPGA(Field Programmable Gate Array)というLSIを用いた事業計画を練っている。
FPGAは、回路をはんだづけしていく通常のLSIと違い、PCで回路をプログラムできるチップである。家電メーカーでも試作段階ではFPGAを使いつつ、商品化の際には専用LSIにして大量生産するのが普通だ。最終製品に使用されることはまずない。しかし、個人が自分だけのガジェットを作ろうとする場合には、FPGAは使い勝手がよい。
相部さんは、FPGAの設計情報をライブラリーとして公開し、個人でさまざまなLSIを作れる時代を目指している。そして、独自に取り組んでいるのが、通常は1枚の基板に集積する回路を、機能別に分割し、5センチメートル角にモジュール化するという研究。モジュールはブロックのように積み重ねられ、必要な機能だけを組み合わせて使えるというものだ。
この研究は、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の09年度の「若手研究者ベンチャー創出推進事業」に採択されており、3年間で約3000万円の研究費が与えられている。「プロジェクトが終了する2年後までに50種類のモジュールを開発し、起業したい」と相部さんは目論む。
5月末には、つくば市内で日曜日だけ開くカフェをオープン予定。知り合いから超格安で借りた店舗には、JSTの研究費で購入したデジタル回路の動作確認を行うロジックアナライザや、チップマウンタやプロッターなど高度な工作機器が揃っている。
「カフェと並行して、物販をやります。秋葉原でしか買えないような部品をつくばの研究所や大学をターゲットに販売したり、自分が開発した商品も売りたい。そして最終的には、LSIモジュールを使って、お客さんがコーヒーを飲んでいるあいだに、個々のリクエストに応じたハードウエアを組み立て、動く状態で持って帰ってもらうような店を考えています」
それこそが、相部さんの思い描く“パーソナライズド・ガジェット”のイメージなのだ。
「いまや、商品づくりのベースのアイディアに、大企業も個人も差はない」と語るのは、フリーランスのデザイナーである北村穣さん。
http://www.rudesign.jp/form/
個人のアイディアが大手メーカーを経由せずとも製品になる──。たとえば、北村さんがデザインしたiPhoneやiPad用のスタンドは、自らレーザーカッターで切り出し、すでに最終製品のかたちになっている。そして、PCで作製した展開図を、別の者がダウンロードして、自分のレーザーカッターで“出力”すれば、同じものをどこでも、いくらでも作れる。まさしく「パーソナル・ファブリケーション」だ。
なにしろレーザーカッターや3Dプリンタといった出力マシンの価格は下落の一途。いずれ街中に出力ショップが生まれ、それどころか家庭にまで普及するかもしれない。インクジェットプリンタが家庭に普及し、年賀状や写真を家で印刷する時代になったように、である。
「いずれ、デザインやプロダクトも、データで買える時代になる」と北村さんは言う。
アルビン・トフラーは1980年に発表した著書『第三の波』のなかで「生産活動を行う消費者」、すなわち「プロシューマー」という概念を提示した。情報を容易に共有化でき、生産コストが格段に下がったことで、真のプロシューマーが活躍する舞台は完全に出来上がった。
昨今の電子工作ブームは、その序章ともいえる。
DIAMOND online 【第29回】 2010年8月10日
江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)副総経理]
未整備な流通チャネルにこそ、商機あり!
――上海美優文化伝播有限公司の北野貴宗CEOに聞く
美容に対する意識が高い中国の女性たちをターゲットにしたビジネスは、底知れない可能性を秘めている。広告代理店業として現地に進出し、中国人スタイリスト向けのトレンド雑誌『絲路』や中国最大級のポータルサイト『美優網 BeauBeau』を運営する上海美優文化伝播有限公司は、中国の美容・コスメ市場にいち早く楔を打ち込むことに成功したケースだ。同社の北野貴宗CEOに、成功の条件を聞いた。
――中国でビジネスを軌道に乗せた経緯を教えてください。
進出当時は、個人レベルで広告ビジネスを始められる環境ではありませんでした。外国資本が広告事業を行なうためには、中国企業と合弁企業を作る必要があり、なおかつ世界レベルの超大手外資広告代理店でないと、そのような合弁企業は作れないのが現状でした。
その後巡り合えた中国の事業パートナーが、超有名女性誌を発行していた会社の社長だったこともあり、渡航後は広告代理事業を拡大しながら、2004年に高級ヘアサロンに勤める中国人スタイリスト向けのトレンド・最新技術専門雑誌「絲路」を発行しました。
80元という当時にしてはかなり高めの価格設定だったのですが、同じ黒髪を扱う日本のトレンドや最新技術情報を欲していたスタイリストのニーズにマッチし、発行部数も3万部(隔月刊)となりました。
――主要事業は「美容(特に化粧品)のネットメディアビジネス」ですが、参入した経緯は?
いくつかある理由の1つが、美容やコスメの専門媒体が存在していなかったことです。
2つ目の理由が、中国人ヘアスタイリスト向け専門誌の発行を通じて、「日本が美容大国であること」がわかったこと。中国では、「日本のカット技術が最高」とされていました。収入の高い中国人ヘアスタイリストの中には、日本の美容学校に留学する人もいたくらいです。
中国人スタイリストの間では、日本はトレンド発信源と見られていて、「アジアのヘアトレンドは日本がリードしている」というイメージが浸透していました。
また、中国のヘアサロンにシャンプーなどを卸す代理商から、「日本の良い美容商品を紹介してほしい」と、よく言われていました。実際、世界トップの製造技術で造られた日本ブランドの化粧品は、フランスに負けないくらいのトレンドポジションがあるのです。
中国語ではモノは「東西」と書くくらいですから、自分で作るものではなく、東から西に流すものという感覚があるのでしょう。特に流通させやすい「有名ブランドの化粧品」は、代理商の格好のターゲットになるのです。
とはいえ、商品やブランドイメージを大切にし、自前主義にこだわる日本の化粧品メーカーは、いくら現金を積まれても安易に中国の代理商とは取引しないこともわかっていました。だとすれば、「ここに我々のビジネスチャンスがある」と思ったのが3つ目の理由です。
このような理由から、化粧品を中心とした「美容」に関する情報を、一般中国人女性向けに提供するメディアを運営するビジネスは、面白いと思ったのです。
そして、中国で美容メディアを運営するとしたら「ネットしかない」と思っていました。中国全土を対象にリーチできるネットは、消費者の重要な情報取得手段となります。
希少価値のある全国レベルの美容メディアを運営すれば、中国市場をターゲットにして、今後進出してくる日系化粧品メーカーに提供できる付加価値が生まれます。そうなれば、中国市場における化粧品販売ビジネスに繋がっていきます。最初に情報の流れを作り、その後でモノの商流に入っていく。そういう戦略を、当初から描いていました。
――運営するビューティーポータルサイト「美優網 BeauBeau」には、どんな特長がありますか?
弊社では、「美容・化粧品」というカテゴリーにおいて、中国最大級のポータルサイト「美優網 BeauBeau」(www.beaubeau.com.cn)を運営しています。2007年1月のサイト開設以来、順調に知名度も上がり、現在会員数は25万人、口コミ50万件まで成長しています。
会員の9割以上が20代、30代の女性で、会員の7割強が月収4000元以上です。また、サイト上で欧米や日本ブランドを中心に、1.5万点の化粧品などの情報を掲載しています。
「美優網BeauBeau」は、コミュニティサイトというよりは、美容、特に化粧品に関する「専門家サイト」というポジションを狙っています。中国人女性が化粧品に関して調べたいことがあれば、「まず美優網BeauBeauにアクセスする」という存在を目指しています。
――ネットだけでなく、フリーマガジンも発行していますが。
上海、北京、広東で、美容情報のフリーマガジン「美優」を毎月合計17万部発行しています。有名企業のオフィスなど、「美優網BeauBeau」のターゲットとなる女性が多くいる場所に毎月配布しています。ピンポイントの読者に継続的に雑誌を見てもらうことにより、「美優網BeauBeau」のファンになってもらうことを狙っています。
「美優」は、自社で全てのコンテンツを制作しています。海外の有名雑誌の中国版を発行する企業が多い中国では、非常に珍しいケースだと思います。弊社の編集力、制作力、クリエイティブ力は、雑誌の読者、広告主の化粧品メーカー様からも、かなり高い評価を頂いています。
このような評価も手伝って、最近では化粧品メーカーから、中国で販売する化粧品のパッケージ、POP、販売什器などのデザイン、プロデュースの依頼も増えてきました。また、化粧品の中国販売及び販促に関するパートナーとして、一括して任せていただく事例も増えています。
――「美優網 BeauBeau」は、政府系サイトとの提携が多いと聞きました。
そうですね。美容という比較的柔らかいカテゴリーのサイトですが、お堅いイメージのある政府系のサイトとの連携が意外と多いのです。
「違法コンテンツがないこと」、また「全て『made in China』のコンテンツを配信していること」が、政府系サイトからお声がかかる理由だと思います。具体的には、東方網(上海市政府系)、中国網(国務院系)、国際在線(中国国際ラジオ系)、中華網(新華社系)といったサイトの美容コンテンツとして、「美優網BeauBeau」がリンクされています。
――メディア事業だけでなく、化粧品の販売事業も始めた理由は?
創業当初より、「情報流を作った後にモノの商流に関わる」という戦略だったので、いよいよ販売事業を展開するフェーズに入ったという感じです。
昨年末から北京・天津のセブン-イレブン全店(約100店舗)で、今年4月末からは上海久光百貨店の地下1階で「BeauBeau」の専用什器を設置して、化粧品を販売しています。8月には、上海 徐家匯のメトロシティ(美羅城)で化粧品専門店(BeauBeau Plaza)をオープンする予定です。
全く小売店運営実績のない我々が、セブンイレブン、久光百貨店、メトロシティのような最高立地店舗で販売できるのも、「美優網 BeauBeau」というメディアがあり、メディアの会員を店舗に誘導できるからでしょう。
「マーケティングの4P」のうち、「Product」と「Price」は必然的に化粧品メーカーが握っています。我々は、化粧品の中国販売に関して、残り2つの「Place」「Promotion」で貢献できればと考えています。
――中国の化粧品の小売ビジネスには、まだ新規プレイヤーが参入するチャンスがありますか?
中国の化粧品流通チャネルは、まだ非効率です。大手化粧品メーカーで自前の流通チャネルを構築しているところはありますが、卸売や小売でチェーン展開しているのはワトソンズやLVMHグループの「SEPHORA」(セフォラ)くらいです。
そのワトソンズでも、中国全土の店舗数はまだ700店舗程度、SEPHORA(セフォラ)は70数店舗です。それ以外は無数の小規模プレイヤーが占めていて、チャネル全体としては非常に非効率な状況が続いています。
今後は中国でも、いくつかの大きなチェーンへの統合が進み、流通チャネルの効率化が進むはずです。我々も影響力のある立地での店舗数を増やし、この一角を占めるプレイヤーに名乗りをあげようと思っています。
――店舗では、どのような化粧品を販売していますか?
店舗で販売するのは、百貨店の1Fにあるカウンセリング販売の高級化粧品ではなく、消費者が自ら棚から取って思わず買いたくなるような、比較的廉価な「セルフコスメ」が中心です。日本では、プラザスタイル(旧ソニープラザ)やマツキヨなどで販売されています。
最近中国では、こういった日本のセルフコスメの人気が高まり、セルフコスメブランドの中国市場進出が増えています。しかしながら、消費者のブランド志向が強く、流通チャネルも混沌としている中国では、中小メーカーが単独で中国市場を開拓するのはなかなか難しいのが現状です。
そこで、美容メディアを持ち、女性消費者から「化粧品の専門家」と信頼されている我々が、「BeauBeau」ブランドの店舗を展開することで、日本のセルフコスメをスムーズに中国デビューさせ、共に新しい市場を創っていければと思っています。
――同じく、廉価な化粧品を販売するワトソンズなどの競合とは、どのように差別化をしていますか?
現時点で店舗数で劣る我々は、「違い」を出していかなければ勝てません。我々は、日本の「プラザスタイル(旧ソニープラザ)」のような化粧品小売になることを目指しています。売る場所、見せ方、売り方にオリジナリティ、そして何よりもファッショナブルであることを前面に出して、差別化していこうと考えています。
ファッショナブルであることは、流行を作り出す能力に繋がっていきます。「BeauBeau Plazaで売れている商品なら私も欲しい」というトレンドをいかに創っていくか、そして何よりも中国の女性がワクワクしながら楽しくコスメを選べる最高の店作りを目指していきます。
――中国人の「美容」に対する考え方やおカネの使い方は、日本人と比べてどう違いますか?
美容に限った話ではないと思いますが、中国人は、効果に「即効性」を求めるのが特徴でしょうか。「つけたらすぐ肌が白くなる」とか、「クマがすぐ取れる」とか、「髪がすぐにしなやかになる」というような効果が連想できる商品に人気があるようです。
――経営面で一番こだわっているのは、どんなことでしょうか?
「BeauBeauオリジナル」へのこだわりでしょうか。
中国では、後発で事業を立ち上げる場合、トッププレイヤーのやり方をそっくり真似る戦略を取るのが普通です。たとえば化粧品小売をやりたいなら、トッププレイヤーのワトソンズのマネをして、「第2のワトソンズを作る」という具合です。
しかし、2位や3位を目指す戦略ならそれでいいと思いますが、それではトップはおろかオンリーワンにもなれません。我々はマネをせず、「オリジナル」で勝負をするアプローチを取っています。
中国には、「瑞麗」や「Only lady」という女性向けのナンバーワン・ポータルサイトがあります。潤沢な資金があれば別ですが、後発の我々が女性ポータルサイトとして、10年以上の歴史のある彼らに勝つことはできないでしょう。そこで、「美容」というカテゴリーを新たに作り、このカテゴリーでナンバーワンになることを目指しています。
また、最近始めた化粧品専門店も初めての試みです。現在、自分たちで試行錯誤しながら、「BeauBeauならでは」のオリジナル店舗スタイルを作っているところです。「先行するプレイヤーのやり方を、部分的にマネをするのはいいと思いますが、何も考えずに全てコピー&ペーストすることは止めなさい」と社員に言っています。
また、採用方針として、競合に勤めていた人は中途採用しないことにしています。ネットメディアを始めるときも、ネットメディアの経験者ではなく、コンサル・広告出身者、新卒などを採用して始めました。
今回のように化粧品小売事業を始めるときも、たとえばワトソンズからそれなりの人を引き抜けば、短期的には早く事業が立ち上がるのかもしれません。しかし、それでは結局ワトソンズを超えることができないので、我々はそういう方法を取りません。「BeauBeauらしさ」は、自前で一から作り上げることで生まれると思っています。
当然、オリジナルにこだわり、自分達で一から仕組みを作り込むアプローチを取ると、スピードも遅くなり、経営者としてじれったいのは事実です。しかし、あえてこのオリジナルアプローチを継続していくことにより、企業として強固な基盤を創り上げるつもりです。
会社を立ち上げたときから一緒にやってきている、BeauBeauを本当に愛してくれている社員たちが、現在マネジャーとして弊社の中核を担っています。そういう中核のメンバーが自ら頭で考えて作り上げてきたビジネスだからこそ、愛着を持って働いてくれるのだと思います。そしてこういうことの繰り返しで、カルチャーができ上がっていくのだと思います。
――今後の事業の展望は?
現在の化粧品市場規模は、日本が2.5兆円、中国は1.5兆円ですが、今後5年で中国が日本を抜くと言われています。この差額1兆円の争奪戦に、まさに我々も参戦しているのです。
昨年から今年にかけて、創業時に描いていたビジネスプランが、ようやく目に見える形にまとまってきたと感じています。3年をかけて土台を築いてきた美容ポータルサイトの「美優網 BeauBeau」は、順調に会員数も増えています。
また、昨年から今年にかけて、日系の化粧品メーカーから中国販売に関する問い合わせもかなり増えています。そして昨年末に満を持して参入した化粧品のリアル店舗販売も、遅くとも今年の終わりくらいまでには「BeauBeau」オリジナルのノウハウが貯まり、多店舗展開へ舵を切れると思います。
加えて、中国のネット上で最も成功している美容専門ポータルサイトである経験を生かし、女性向け消費材のPR及びコミュニケーション業務を行なっております。スタッフは全員女性。女性ならではの視点で、ブランドの中国デビューから成長への宣伝をサポートします。
――最後に、これから中国マーケットに進出しようと思っている日本企業の経営者に、一言アドバイスをお願いします。
中国で9年間ビジネスをしていて思うのは、日系企業が中国で成功するためには、「創業者自らが第二創業するくらいのエネルギーをつぎ込まないとダメだ」ということです。
創業者が経営するオーナー企業が多い日本の中小メーカーは、ある意味一度成功した企業です。ただし過去に成功した理由は、商品の魅力や経営者の能力だけではなく、そのときの時流や流行もあります。
つまり、中国大陸において同じやり方で再び成功できるかどうかは、未知なのです。日本で人気がある商品は、中国でも人気が出る可能性が高いことは否定しませんが、単に市場に投入するだけでは、中国で人気商品にはなりません。
そこには、人気商品にするための「論理的な戦略」が必要となります。しかも、日本の成功体験を引きずった戦略ではなく、中国の市場にあった戦略が必要です。中国は、創業オーナー自らが、「人任せではなく第二創業」という意気込みで、創業時と同じエネルギーを投入しなければ、うまくいかない市場なのです。
中国は今、ビジネス・オリンピックの会場です。世界各国の企業や個人がこの巨大市場を手に入れるために、しのぎを削っています。ビジネスが成功した後の分け前を増やすことを考えるよりも、まずは競合に勝ち、ビジネスを成功させることが重要です。
ビジネスの成功確率を高めるためには、全て自前でやろうなどと考えずに、最初から必要かつ適切な事業パートナーと組み、必要な規模の投資も行ないながら、競合に先んじて行くことが大切でしょう。
■「美優網/BeauBeau」について
「美優網/BeauBeau」は、三井物産や日本最大のコスメコミュニティ「@cosme」を運営するアイスタイル社との資本提携を経て2007年1月にグランドオープン。中国国内で販売されている国内外の400ブランド、13,000点の商品データベースと、化粧品(美容)のみならず美髪、美体に関するコンテンツを備えた、中国最大規模の化粧品クチコミ&美容情報ポータルサイトです。さらにフリーマガジン「美優」とのクロスメディア展開により良質な読者を囲い込み、読者と共に作り上げていく中国初の本格的コスメ・ポータル&コミュニティ・メディアとなっています。
阻集器
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BB%E9%9B%86%E5%99%A8
8月9日16時3分配信 毎日新聞
福島大(福島市)は、飲食店などの廃水に含まれる油脂を分解し、浄化する微生物を発見、培養に成功したと発表した。これまで国内外で見つかった同様の微生物で最高の能力を持つといい、近く特許を出願し、実用化を目指す。
共生システム理工学類の杉森大助准教授(生物工学)の研究室が発見した。2年間にわたり、土壌や植物の葉など数百のサンプルを収集・分析し、県内の公園の土から油脂を栄養源にして生きる珍しい微生物を見つけた。0・3グラムの油脂を含む水100ミリリットルに対し、微生物の培養液1ミリリットルを入れると、24時間で60%を分解する。植物性と動物性の両方の分解が可能という。
飲食店や食品加工場などの廃水は通常、タンクなどに集めて浮いた油脂を取り除き、河川に流される。集めた油脂は産廃として焼却される。この方法では完全に油脂を除去することが難しいうえ、二酸化炭素も排出される。発見した微生物をタンクにすまわせれば、人手を使わないでほぼ完全に取り除け、油のにおいも消えるという。
杉森准教授は「非常に能力が高い微生物で、水環境の改善に向け幅広い利用が期待できる。まだ誰もやっていない研究」と話している。【関雄輔】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B9
8月9日13時7分配信 RBB TODAY
ピクセラは、デジタルカメラ等で撮影した写真に、撮影場所の位置情報や撮影日時をマッチングできるGPSロガー「PIX-PG012-PUW」を発表。8月19日からソースネクストのオンラインストアで発売する。価格は4,980円。
同製品は、本体に差し込んだmicroSDメモリーカード(同梱)に位置情報を記録するGPSロガー。デジタルカメラ等で撮影した写真の撮影日時情報とマッチングすることで、各写真の撮影場所を確認できる。
基本的な仕組みとして、電源ONからOFFまでの位置情報を測位して日時とともに記録し、あとで、どの日時にどこにいたかを確認可能。連続駆動時間が最大16時間となっており、長時間の移動にも対応する。
測位中に撮影した写真であれば、デジタルカメラの撮影日時からGPSの位置情報を照合し、撮影場所と日時をマッチングできる。ただし、デジタルカメラとGPSユニットの日時を事前に合わせておき、ともに携帯して利用することが必要。データの照合とマッチングは、PCにUSBで接続し、PC上で行なう。
PC上での作業には専用ソフト「PhotoPlaceGPS」を使用。記録データをGPX形式やKML形式に変換することで、Mac OS XのiPhoto’09や他のGPS対応ソフトウェアでも利用可能。また、Google Earthを使い、写真を撮影した場所や移動した経路をGoogle Earth上で確認することもできる。登山やサイクリング、旅行や散策などで使い勝手が広がる。
本体サイズは幅約42×高さ72×奥行き26.1mm、重さは約34g(microSD含む)という手のひらサイズの小型・軽量ボディで、携帯しやすいストラップを付属。インターフェースはUSB2.0。バッテリは単4形乾電池×2。付属品はUSBケーブル/ストラップ/microSDメモリーカードなど。専用ソフト「Photo Place GPS」の対応OSはWindows 7/Vista/XP、対応画像形式はJPEG。なお、日本ウォーキング協会が提供する「GPSウォーク」サービスの利用は不可。
*Google、GPS機能強化の「Google Earth 5.2」をリリース
6月15日19時46分配信 ITmedia エンタープライズ
米Googleは6月14日(現地時間)、「Google Earth 5.2」をリリースしたと発表した。無料版のほか、有料の「Google Earth Pro」もアップデートした。
新版では、GPS機能を強化した。バージョン5.0ではGPS端末からインポートした追跡データに基づいてGoogle Earth上にルートを表示できたが、これに加えて高度や速度などの情報をグラフとして表示できるようになった。心拍数や歩調に対応するGPSであれば、そうした情報もGoogle Earth上に表示できる。
また、取り込んだルートの再生方法も強化した。タイムアニメーションボタンをクリックするだけで、ルートが滑らかに再生できるようになった。
さらに、Google Earth内でWebブラウジングできる埋め込みWebブラウザが追加された。Google Earthで検索したリンク先を、Google Earthを離れることなく表示できる。リンクをクリックするとWebブラウザが表示され、「Back To Google Earth」をクリックすると元の画面に戻れる。
有料版のGoogle Earthの新機能としては、米国の統計や交通量データレイヤーやMGRS(Military Grid Reference System)グリッドのサポートなどを追加し、GIS(地理情報システム)のインポート機能を向上させたとしている。【佐藤由紀子】
*アイ・オー、親指サイズで手軽に持ち運べるUSB接続GPSレシーバー
2009年9月11日(金) 14時28分 RBB TODAY
アイ・オー・データ機器は、USB接続GPSレシーバー「UMGPS/MF」を発表。10月上旬から発売を開始する。価格はオープンで、直販価格は9,800円。
同製品は、PCのUSBポートに接続する、親指サイズの軽量、コンパクトなGPSレシーバー。ノートPCやネットブックへ挿し込めば、手軽に現在地の表示やルート検索ができるモバイルGPSナビとして使用可能となる。
ソフトは、PC用カーナビソフト「MapFan Navii(30日間体験版)」、インターネット地図ソフト「Mapfan.net」が付属し、購入後すぐに利用できる。また、吸盤付きのUSB延長ケーブルが付属。ドライブ中にGPS受信感度を上げたい時は、フロントウィンドウなどに取り付けることで対応可能にした。
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