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ボツリオコッカス・ブラウニ
 
オーランチオキトリウム
 
微細藻燃料分科会 
 
 
2011年3月1日(火) 日経ビジネス 山田久美
 
 原油価格のさらなる高騰が懸念されている。世界各国にとって、エネルギー安全保障の強化はもはや待ったなしの段階だ。そんな中、石油の代替燃料となる油を生成する微細な藻類が脚光を浴びている。
 ただし、現時点では生産コストが高いため、藻類系バイオ燃料が商業ベースに乗るメドは立っていない。この課題を解決するには生産効率を今の10倍以上に引き上げる必要がある。そして2010年12月、これまで最も有望視されてきた藻類の10倍以上の生産効率を示す新たな藻類を、筑波大学大学院生命環境科学研究科の渡邉信教授が発見した。
 
「日本が産油国になるのも夢ではない」。筑波大学大学院生命環境科学研究科の渡邉信教授はこう話す。渡邉教授は2010年12月、従来の10倍以上の生産効率で、重油と同質の油を作り出す「藻類」を沖縄県の海で発見したのだ。
 「オーランチオキトリウム」という名前で、直径5~15マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の球形をしている。これまで発見された中で最も油の生産効率が高いとされてきた「ボトリオコッカス・ブラウニー」の約12倍の生産効率を示すことを渡邉教授は明らかにした。
 「工業利用ができると考え、すぐに特許を申請した。エネルギー政策を考えるに当たっても、日本にとって大きな武器になる」と渡邉教授は話す。
 

食糧価格高騰を招いたバイオ燃料

 
 中東や北アフリカ諸国の情勢不安、そして、エネルギー資源の枯渇に伴い、原油価格のさらなる高騰が懸念されている。世界各国にとって、エネルギー安全保障の強化はもはや待ったなしの段階だ。特に石油と石炭をほぼ全量、輸入に頼っている日本においてはなおさらだ。
 そんな中、石油に替わるカーボンニュートラルな(二酸化炭素を吸収して作る)燃料として、米国を中心に、数年前から注目を集めているのが、トウモロコシや大豆など陸上植物を原料とするバイオ燃料だ。
 ところが、食糧を燃料にするため、その需給関係に影響を与えて食糧価格が高騰。加えて、東南アジアでは、油やしを栽培するため、広大な面積の森や湿原を開墾するという、本末転倒のような事態が発生した。CO2排出量を低減するどころか、環境破壊が進行してしまったのである。そのため、現在は、欧州を中心に、サトウキビやトウモロコシを原料とするバイオ燃料に関しては、開墾から栽培、生産、輸送までを評価対象にするライフサイクルアセスメント(LCA)でのCO2削減効果の検証が進められている。
 このような社会的背景を受け、新たなバイオ燃料の原料として、にわかに脚光を浴びているのが、油を生成する微細な藻類である。
 
藻類であれば、食糧の需要に影響を与えない。また、水中で培養するため、森林伐採とも無縁だ。陸上植物に比べて収穫までの期間が短く、そのため、生産効率が10~数百倍も高い。しかも、陸上植物から採れる油の多くが、酸素や硫黄など燃料としては不要な元素を含むのに対し、ボトリオコッカス・ブラウニーやオーランチオキトリウムから採れる油は重油と同質の炭化水素だ。そのため、従来の石油工場の設備を使って、軽油やガソリン、ナフサを簡単に作ることができる。陸上植物のバイオ燃料が抱えていた問題をすべて解決できる。

 

約4時間で2倍に増える

 
 米国は国家事業として藻類系バイオ燃料の商品化に取り組んでいる。2010年6月にエネルギー省(DOE)が、藻類系バイオ燃料の開発に携わる3つの研究コンソーシアムに対し、最大2400万ドルの助成金を供与すると発表した。米国以外でも、オーストラリアやイスラエル、中国、インド、インドネシア、韓国など多くの国々がこぞって、微細藻類の研究開発に軸足を向け始めている。
 このような状況の中、今回の渡邉教授によるオーランチオキトリウムの発見は、日本にとってまさに朗報だ。なぜなら、現在、藻類系バイオ燃料の商業化の大きな妨げとなっているのが生産コストだからだ。
 これまで、最も有望視されてきたボトリオコッカス・ブラウニーですら、1リットル当たりの生産コストは約800円。これを、石油と同等の1リットル当たり50円程度にまで引き下げることができないと、石油の代替燃料として商業化できない。そのためには、生産効率を今の10倍以上にして、収穫量を現在の1ヘクタール当たり年間100トンから1000トンに引き上げる必要があったのだ。
 
そこで、渡邉教授は2008年にプロジェクトを発足させた。
 生産効率を10倍にするための方法は2つだ。1つ目は、突然変異や遺伝子組み換えによる品種改良によってボトリオコッカス・ブラウニーの生産能力自体を上げること。2つ目は、ボトリオコッカス・ブラウニー以上の生産能力を持つ微細藻類を探すことである。そして、後者を進める中で発見したのが、オーランチオキトリウムだったのだ。
 オーランチオキトリウムの最大の強みは増殖の速さにある。ボトリオコッカス・ブラウニーが約6日で2倍に増殖するのに対し、オーランチオキトリウムはなんと4時間で2倍になる。そこで、培養装置の容量や藻類の濃度の上限などを考慮した上で、1年間に採れる油の量を計算し、比較してみた。すると、オーランチオキトリウムの生産効率が、ボトリオコッカス・ブラウニーの約12倍になることが分かった。
 そこで今度は、面積1ヘクタール、水深1メートルの培養装置を使って、オーランチオキトリウムを4日ごとに収穫するという生産システムを想定したところ、1ヘクタール当たり年間1000トンの油が採れるという計算結果が得られた。

 

耕作放棄地と休耕田の54%で賄える計算

 
 渡邉教授は説明する。「現在の日本の石油と石炭の輸入量は年間約3億3500万トン。一方、日本の耕作放棄地と休耕田は62万ヘクタールある。そこで、その54%にあたる33万5000ヘクタールを使ってオーランチオキトリウムを培養すれば、年間輸入量をすべてまかなうことができる」。
 さらに、同じ培養装置を使って4時間ごとに容量の67%分を収穫し、そこに、同量の新鮮な培養液を補充する連続生産システムにすれば、1ヘクタール当たり年間1万トン以上、油の収穫が見込めるという。
 現在の世界の年間石油需要量は約50億トン。この連続生産システムの場合、日本の耕作放棄地と休耕田の80%を使えば、その全量をまかなえる計算になる。日本を産油国にするという夢も、絵空事ではなくなってきた。
 
その夢の実現に向けて、現在、渡邉教授らが取り組み始めているのが、培養装置の大規模化だ。
 「商用化するには、大量培養技術を確立しなければならない。そのためには、大規模な培養装置を使った実証実験が不可欠だ。しかし、我々だけで人材と費用を捻出するのは難しい。今後、産官学の連携を強め、1日も早い商用化に努めたい」。渡邉教授は熱い思いを語る。
 そのため、現在、藻類の基礎研究で世界トップレベルを誇る筑波大学が中心となって、「藻類産業創成コンソーシアム」を結成。国内の大学や研究機関や、つくば市、50社を超える企業が参画し、藻類バイオマスエネルギー技術開発等に取り組んでいる。

 

有機廃水を浄化する一石二鳥

 
 加えて、渡邉教授は、廃水や廃棄物の水処理プロセスへの適用も検討している。
 実は、ボトリオコッカス・ブラウニーとオーランチオキトリウムは、どちらも重油と同質の油を生成する藻類という点では同じだが、特性が異なる。ボトリオコッカス・ブラウニーが、光合成をしてCO2から油とその他の有機物を生成する緑藻類であるのに対し、オーランチオキトリウムは、水中の有機物を細胞内に取り込んで、油を生成する単細胞の従属栄養藻類だ。そのため、オーランチオキトリウムを培養するには、有機物を与える必要がある。
 そこで、渡邉教授が目を付けたのが、焼酎やビールの製造工場、繊維工場などの有機廃水を利用する方法だ。有機廃水を浄化しながら、油も生産しようというわけである。
 廃水や廃棄物の水処理プロセスは、ボトリオコッカス・ブラウニーにとっても都合が良い。水処理プロセスを通して出てくる処理水には、ボトリオコッカス・ブラウニーの増殖を促進してくれる窒素やリンが多く含まれるからだ。
 この処理水を使って、光とCO2を与えながらボトリオコッカス・ブラウニーを培養すれば、増殖が促進されるだけでなく、新たに培養装置を設置する必要もなくなる。処理水の豊かな栄養分が大きな原因となっていた水域のアオコの大量発生も防ぐことができる。さらに、ボトリオコッカス・ブラウニーが生成した有機物を有機廃水に還元すれば、オーランチオキトリウムのエサにできる。油を搾取したあとの藻類の残りカスも無駄にしない。メタン発酵させれば、メタンガスが取り出せる。

 

健康食品市場や化粧品市場への展開も

 
 一方、ボトリオコッカス・ブラウニーとオーランチオキトリウムが生成する油は、燃料だけでなく、工業原料として使える可能性もある。石油化学製品や高分子材料などさまざまな用途への応用が期待できる。
 特に、オーランチオキトリウムの油は、「スクアレン」と呼ばれる炭化水素で、善玉コレステロールの基となるものだ。現在、サメの肝油などから抽出されたものが、サプリメントや化粧品として高値で市販されている。オーランチオキトリウムの大量培養が実現すれば、健康食品市場や化粧品市場への展開も考えられるのである。
 「このように、藻類は、石油化学産業ならぬ一大藻類産業を興させる可能性を持っている。まずはバイオ燃料としての商用化を目指す。2020年には実現させたい」。渡邉教授はこう締めくくった。
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