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4.米陸軍に波及したRMA
 
(1)ストライカー戦車の登場
 
 さてこうして米空軍に始まった米国のRMAであるが、米国ではこれを「トランスフォーメーション」と呼称した。
 トランスフォーメーションは概念的にはRMAよりも広く、RMAによって生じたそのほかの改革、例えば多国籍軍等を含む他国との連携、米国内の他省庁の改編ならびに国防総省との連携、国防予算執行上の改革、志願兵制度の改革などなど、その対象は多岐にわたっている。
 これらを包括してブッシュ大統領が“トランスフォーメーション”という言葉を最初に使用したことから、その後、米国では「トランスフォーメーション」をRMAの場合でも使用している。
 さて、そのトランスフォーメーションの中で、最も注目すべきは、米空軍の変化が米陸軍に及ぼした影響であろう。
 その第1は、米空軍の「空からする砲撃」の有効性を認めた米陸軍が、米陸軍の保有する20トンを超える自走榴弾砲や加農(カノン)砲を帯同せずに「機動展開」することを考え始めたことである。
 すなわち米陸軍は、それまで敵の砲兵やそのほかの火器を征圧するための榴弾砲や加農砲といった重火器を持参することなく、また、敵の重火器が戦闘の早期段階で「空からする砲撃」で沈黙させることができるのであれば、重戦車を持参することもなく、装甲歩兵戦闘車であっても強度の高い装甲を必要としなくなり、軽量で機動力のある歩兵戦闘車を帯同する方が「前方展開(Forward Deployment)」にも有利であると考えた。
 そのようなことから事前に「前方駐留(Forward Presence)」することなく、緊急時に空輸で戦場に運べる、軽量で機動性のあるストライカー戦車を取得することとなったのである。
 上のチャートに示すように、これが従来の重戦車である。重量が60トンを超え、とても空輸は不可能で、紛争地には輸送船かもしくはあらかじめ事前配備しておかなければ緊急の対応ができなかった。
 そしてこれに代わって登場したのが下のチャートに示した新しい戦車・ストライカーICV(Infantry Combat Vehicle)なのである。
 その重量は16~18トンであり、重戦車に比較して3分の1と軽量、しかも極めて高度な機動性を有している。
 この重量であれば、空輸も可能であり、空輸が可能なのであれば、わざわざ前方配備しておく必要がなくなった。
 これがいわゆる「師団の軽量化」なのであるが、米陸軍や海兵隊の師団はこうして次のように改編された。
 すなわち、大規模で強力な火力を有する固定化された部隊編制であった過去の陸軍から、より小規模部隊を中心に編成された自己完結性の高い部隊編制となり、結果として師団規模の人員を擁することなく、旅団規模の人員で新たな部隊を編成した。
 そして、このような旅団を米陸軍は、「モジュール化された戦闘旅団」と呼称しているのである。
 
(2)米陸軍の21世紀型「戦闘旅団」の胎動
 
 さて米陸軍の変革の第2目となるのが、それはいまだに完成していない、いわゆる Future Combat Systems を装備した、いわば新世代の革新的な「戦闘旅団」創設に向けた研究開発である。
 米陸軍が2014年までにはその開発を終了し部隊配備を開始するとされている Future Combat Systems は、18の有人・無人兵器とを連接し、また末端の兵士までを結ぶネットワークであり、相互の情報の共有が可能となるシステムを構成するものである。
 このシステムが導入されれば、約1.2万人で構成され、その行動範囲も45キロ×150キロであった旧来の師団は、人員は約4000人でありながら、その行動範囲は300キロ×400キロとなるFCS化された旅団として登場することとなるとしている。
 これを端的に言えば、これまでの師団はコンパクトな旅団に改編され、しかも米国を離れて「前方駐留」することなく、緊急時に空輸により紛争地に赴き、機動力を主体とした戦闘を実施することとなろうということなのである。
 このような米陸軍の革命的改編は、結果としてその戦域における「散開戦」の傾向を促すこととなる。
 これがRMA後の戦闘の実態であろうことは、すでに筆者が先に示した「激変する現代戦争の実態」で明らかである。グーグルの検索で、「岡本智博」と名前を入れてみると、幸運な方はその論文に遭遇できるはずだ。
 以上縷々述べてきたことは、夢のような米陸軍や米海兵隊の革命なのであるが、ごく最近の情報では、Future Combat Systems の完成は相当遅れるであろうとのことである。
 ユビキタス社会が世界中で実現し、ITが熟成すればそのような時が来るのであろうが、ここはしばらく成り行きを見守るしかないということであろう。
 
5.21世紀の戦闘方法が生み出した悪魔たち―“テロ”という名の「散兵戦」
 さて、こうした21世紀の戦闘方式を実現しているのは、米国をはじめとする英、仏、独、露、瑞(スウェーデン)などの欧州諸国である。
 アジアにおいては、台湾、韓国、それに中国が、近年、大規模な軍事費を投入して努力を重ねているものの、革命の段階は、欧米諸国に比較してまだまだ低いと見られている。
 従って、我が国に対する戦争の脅威は、従来の戦闘方式が踏襲される公算が大きいと考えてよかろう。
 すなわち、大規模空襲と大規模船団からする着上陸侵攻ということになろうが、国家間の真面目な戦争は、CNN効果などにより、よほどの正義が成り立たなければ実施できない時代を迎えていることも事実である。
 むしろ Network Centric Warfare の時代は、もはや包囲・塹壕戦ではなく、散開戦ないし散兵戦の様相が卓越すると考えられる。
 もはや国家同士の戦争は考えられないという新たな環境下、ごく一般の人が大量破壊兵器やIED(Improvised Explosive Device)を保持して自爆行為を行うという、テロやゲリラ、サイバーテロといった散兵戦の流れに属する脅威、いわばRMAが生み出した21世紀の悪魔たちが、我が国に対する脅威となる蓋然性が高くなっているのである。
 特に「新たな戦争」としてのサイバーテロは、Network Centric Warfare の中核がコンピューターであるならば、そのコンピューターの作動やネットを妨害して、戦闘を有利に導こうとする戦術として極めて有効である。
 サイバーテロは、国家の政・経・軍の中枢機関、水道・エネルギー・交通の中枢といった社会インフラを支えるコンピューターシステムやネットへの攻撃に拡大され、さらにその矛先はネットを形成する宇宙空間の衛星群に対しても向けられようとしている。
 このような攻撃は Computer Net Attack(CNA)と呼ばれているが、CNAの対象はコンピューター、通信網、そしてこれをつなぐプロトコルなどである。
 コンピューターにはハードへの攻撃とソフトへの攻撃、通信網には衛星回線、グラスファイバーケーブル、伝統的な電線などへの物理的攻撃やその周波数への妨害・欺瞞といった攻撃も考えられる。
 サイバーテロは敵が見えないということ、すなわちそれはまず意図的なのか事故なのか、実行者は対象となったシステムの従事者なのかテログループなのか、個人なのか国家とかその他の集団なのかというように、テロ実行者の特定ができない。
 敵対者が明確でないということは「抑止の概念」が成立しない。
 従ってその対策としては、システムとしての抗堪性・障害回復能力の向上、他システムとの連携排除、テロ組織の資金の流れや人物の特定といった情報活動、集会・結社に関する動向の分析、教育やマスコミを通じてのコンピューター犯罪防止へのキャンペーン、あるいは後進国のコンピューター社会への移行促進など、間接的な活動によるものとならざるを得ない。
 21世紀の新たな戦闘形態の1つであるサイバーテロの出現は、正しく Network Centric Warfare がもたらしたものであり、防御手段が限定されているという点で先進諸国にとっては深刻な問題なのである。
 
おわりに
 夙(つと)に述べたように、20世紀を風靡した第2次世界大戦型の大規模空襲と大規模船団からする着上陸侵攻といった戦争は、世界の相互依存関係の強化とマスメディアの発展による国民の情報共有力の増大により、大きく抑制される時代を迎えている。
 他方、テロリズムと包括される「散兵戦」が世界各地で頻発している。
 ごく最近の例はモスクワ近郊、ドモジェドボ国際空港で本年1月24日に発生した自爆テロ事件であろう。厳しい保安体制が敷かれているロシアの「空の玄関口」が初めて狙われた事件として、世界に与えた衝撃はきわめて大きいものがあった。
 しかしこのようなテロ事件もまた、インターネットを駆使したテロ実行犯の情報活動がその根底にあることを認識すべきであり、「情報戦」こそ、現代社会の実相なのではなかろうか。
 また、前述したサイバーテロや密かに侵入した実行犯による水源地汚染や原子力発電所などへの攻撃、特にグライダーのような軽飛行機を使用した航空自爆テロによるガス貯蔵施設など重要施設への攻撃、鉄道運行を管理するコンピューターへの攻撃、あるいは日本では既に現実となったサリンなどWMD(大量破壊兵器)を使用した大規模集客施設への攻撃などなど、考え始めると枚挙に暇がないほど、実に迫る危険は、我々の生活空間に広がっているのである。
 こうした「散兵戦」的な脅威に対し、我々はどのように対応すればいいのであろうか。
 その具体的な方策は、今般、自衛隊に付与された「国民保護等派遣」の対象となる、上記に示したような緊急対処事態への迅速な対応が最も緊要なのであるが、「テロにはマスの力で対応」することが原則ではなかろうか。
 すなわち、国民一人ひとりの旺盛なる警戒心と、「何かおかしい」と感じた時にその情報を当局にいち早く通報できるような「コールセンター」などの組織化・活性化、あるいはこれらを包括する「緊急対処事態国民行動要領」といったような新たな法制の整備が果たされれば、緊急の通報を受けた行動機関が迅速に対応し、マスの力でテロの被害を局限することができる。
 こうした観点から、是非とも早期に、与野党が連携して、「緊急対処事態国民行動要領」といった法律を成立させ、国民一般の関心に対応することを、真摯に願う次第である
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