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岸博幸
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%B8%E5%8D%9A%E5%B9%B8

DIAMOND online【第100回】 2010年8月6日
岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

*安易な追加経済対策発言と勢いづく構造改革批判、政治家・官僚・メディアに広がる無責任と無気力!

ここのところ、経済政策を巡る不思議な勘違いがいろいろなところで起きているように感じます。政権が無能で政治が停滞すると、こうなるのかとも思いますが、その要因は3つに分類できると思いますので、今週はそうした勘違いの3類型について考えてみます。

■政治家の定見の欠如
 第1の類型は、政治家の経済に対する定見が欠如しているがゆえの勘違いです。菅総理をはじめとする今の官邸が、その典型ではないでしょうか。

 例えば、8月3日(火)の国会審議で、菅総理は景気の現状について「何らかの対応が必要か検討しなければならない時期に来ている」と述べ、追加経済対策を検討する考えを示しました。

 これは実は非常に奇妙なことです。その前の週に来年度予算の概算要求基準を閣議決定していますが、そこでは、歳出の大枠(一般歳出+地方交付税)は今年度予算と同額の71兆円と決めているからです。歳出の大枠を同額にするということは、来年度予算の歳出規模は今年度予算とほぼ同じになることを意味します。来年度の政府支出は景気に対して中立的となり、何の景気刺激効果も持たないのです。

 かつ、閣議決定に際して、景気の先行きについて議論したり、誰かが問題提起をしたという形跡はありません。つまり、来年度の景気について総理以下の閣僚は無関心だったのです。その翌週になって突然景気への危機感を表明するというのは、経済運営についてあまりに鈍感であると言わざるを得ません。

 今年の秋以降に経済成長が鈍化するのは明らかですが、もし真面目に景気の先行きを懸念しているならば、補正予算を言い出す前に、来年度予算の規模をどうすべきかについて、財政再建だけではなく景気の維持の観点からもしっかりと考えるべきだったのではないでしょうか。年度予算は、ある意味で最大の経済対策だからです。

 付け焼き刃の補正予算は、効果が薄い一方で、財務省の査定や国会審議が厳しくないなどの点で官僚にとってもっとも嬉しい、タチの悪い予算です。それにもかかわらず今回のような対応をする菅総理と官邸の政治家は、経済に関する定見がないことを自ら露呈したと言わざるを得ません。

■官僚のレベルの低下
 第2の類型は、官僚のレベルの低下ゆえの勘違いです。その典型例は、3日に発表された労働白書ではないでしょうか。

 労働白書では概要、「労働者派遣事業の規制緩和が労働者の収入格差を拡大した」、「今後は正規雇用化を進めて技術・技能の向上と所得の底上げを目指すべき」といった分析をしています。これは本当に正しいのでしょうか。

 例えば、収入格差拡大の原因は派遣労働者が増えたことだけでしょうか。より本質的な要因として、企業が中高年の正規雇用者をリストラできないので、その分、新規の正規雇用を抑制して派遣に切り替えた面があるはずです。中高年の正規雇用者の既得権益を守るために、若い人が犠牲になっているのです。また、デフレが10年以上続く中では、どうしても所得の面へのしわ寄せは低所得者に集中することになります。

 そうした様々な要因を無視して、何でも構造改革が悪いとするステレオタイプな主張は、良識ある分析とは言えないのではないでしょうか。

 また、「今後は正規雇用化を進めるべき」という主張に至っては、空いた口が塞がりません。企業が直面する競争状況は業種によって様々であり、正規雇用化が正しい選択である業種もあれば、そうじゃないところもあります。例えば標準技術・低コスト・大量生産の業種の企業にそれを強いたら、海外に出て行くか倒産するしかなくなります。そうした現実の多様性を無視したステレオタイプな結論は、分析としては落第点と言わざるを得ません。

 こういうレベルの低い分析結果を政府が公表するから、メディアや民間の側もそれを鵜呑みにしてしまい、経済に関する間違った認識を信じてしまうのではないでしょうか。

■メディアと評論家の堕落
 このように、政治や行政は経済政策に関してかなりいい加減な主張や対応をしていますが、メディアや評論家がその問題点を批判することなく、むしろステレオタイプな主張に同調して騒ぎ立てるだけに終始している感もあります。それが第3類型です。

 例えば、最近あるテレビ番組に出演したら、そこで高名な政治評論家の方が「小泉・竹中改革が地方を悪くした」と仰っていました。それは本当に正しいでしょうか。構造改革を実際に進めていた者としては、的外れと言わざるを得ません。それは、構造改革はむしろ未だに地方の基幹産業であるゼネコンをソフトランディングさせるためのものだったからです。

公共事業費の削減などにより、地方のゼネコンは本業の建設業の売り上げが年々大幅に減少しています。そのため、多くのゼネコンは新規事業として、介護・保育などのソーシャル・サービスや農業などに進出しています。しかし、新規事業の多くは規制業種で既得権益が存在するため、参入しても本業の売り上げ減を補えるだけの収入はなかなか得られません。

 しかし、地方での雇用の維持を考えるとゼネコンの倒産は望ましくありません。そうなると、政策対応としては、公共事業費の減少ペースはできるだけなだらかにしつつ、その一方で、規制改革で新規事業への参入を容易にし、地方で需要が今後増えるソーシャル・サービスなどの市場を拡大させるべきです。

 これは一例に過ぎませんが、こうした方向こそが構造改革が目指したものです。逆に今の政権は、公共事業費は前年度比18%と極端に削減しながら、介護・福祉などの分野での規制改革は進めていません。どちらの政策対応が正しいかは、明らかではないでしょうか。子ども手当などで家計にお金をばらまけば地方のゼネコンが救われ、地方の雇用が維持されるのでしょうか。

 それにもかかわらず、未だに構造改革が諸悪の根源であるかのような主張がメディアや評論家から流布されているのは、非常に残念です。

 このように、政治・行政やメディアというのは本来もっとも信用できるはずだったのに、経済政策を巡るそれらのプレイヤーの勘違いは最近ひどくなっているように思えます。

 それに対して私たち国民はどうすべきでしょうか。騙されないように身構えることです。常に疑ってみること、常識をベースに自分なりに考えることが重要ではないでしょうか。それらのいい加減な勘違いを鵜呑みにして自分の行動に関する重要な決断をしたら、痛い目に遭うだけですし、政治や行政はその尻拭いはしてくれません。何ともしんどい時代になったものです。
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