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全国民必読 シリーズ「人口減少社会」!
2011年02月15日(火) 週刊現代
住宅市場はすでに供給過剰。これから人口がどんどん減れば、空き屋が増えてくる。もちろん値段も下がる。住宅ローンを支払い終わった頃に、家の価値がゼロになっている。そんな悲劇が訪れる。
国交省作成「衝撃レポート」!
北海道札幌市から高速道路を利用して約1時間の秩父別町ではいま、画期的な宅地分譲が行われている。人口2700人、水田風景の広がるこの町では人口減少が深刻な問題となっていた。そこで移住者を少しでも増やそうと、宅地を「1m2あたり1円」で販売することにしたのだ。
3年以内に住宅を建て、住民登録をして5年以上住むことが購入の条件。1区画は460m2で、本来なら230万円ほどのところをわずか460円で購入できるとあり、「これまでに相当数の問い合わせを受けた」(秩父別町企画課)という。ところが、販売は思惑通りに進んでいないようだ。
「13区画を販売していますが、契約を結んだのは11区画です。町内からの応募が2区画、町外から来ていただいたのは9区画で、現役を引退されたシニアの方からの応募でした。残りの2区画は北海道移住を希望している若い方でしたが、販売間際までいってキャンセル。できればファミリー層に来ていただきたかったのですが、人口が減り続け、経済も落ち込んでいるこの町での就労が難しいということがネックになったようです」(同企画課)
これは自治体の話だが、民間不動産業者にしても似たような話はいくらでも聞こえてくる。日本を襲う未曾有の人口減少がいま、不動産業界に暗い影を落としているのだ。
「不動産の価格を決定する際に用いるのは『収益還元法』というもので、土地や物件がどれほどの収益を生み出すかによって価格が決められる。特に重視されるのが、『その土地をどれくらいの人が利用するか』ということ。人口減少はもちろん、土地や家の価格下落に直結する。とはいえそれを止める手立てはないので、不動産業界としては行方を戦々恐々として見守っているだけというのが現状です」(都内の不動産業者)
2005年を境に死亡率が出生率を上回ったところから、日本は人口減少社会に突入。このままいけば、歴史上例を見ない急速なスピードで人が減っていき、50年以内には1億人を割り込むと言われている。毎年、60万都市が一つずつ消えていく計算だ。
そうした中で、人口減少の実態を赤裸々に描写したあるレポートがいま、一部の不動産業者の間で話題となっている。
「国土の長期展望に向けた検討の方向性について」と題されたそのレポートは、昨年末、国交相の諮問機関である国土審議会政策部会に提出されたものである。出生率・死亡率・人口移動率などといった大量の統計的データを収集、それに精密かつ複雑な解析を加えて作成されたもので、人口減少がこのまま進んだ場合、2050年に日本の国土がどのように変貌していくかを克明に示している。
価格破壊が始まる!
その内容は、衝撃的なものばかりだ。
「所有者不明な土地が増加」
「居住地域の2割が無居住化」
「里地里山から人間がいなくなる」
同レポートの特徴は、こうした「人口増減度」「無人化度」や「過疎度」「高齢化度」などが超微細なエリアごとに色分けされ、表示されていることにある。そのため、市町村の中でもどの区域というレベルまで詳しく、将来像が把握できてしまうのだ。
「人口減少の激しい地域の住民が、このレポートを見て、その土地から逃げ出す可能性もある。となれば不動産は大暴落しかねない」(前出の不動産業者)
同レポートで、特に人口減少が激しく進むと指摘されているのは北海道。'05年比で43.4%減ということだから、人口が約半数となるということになる。それに次いで減少幅が大きいのが東北圏(39.8%)、四国圏(38.9%)、中国圏(37.4%)で、こちらも10人中4人がいなくなるとされている。想像以上に急速に進む人口減少の実態が垣間見える。
ただこれ以上に恐ろしいのは、まったく住む人がいなくなる「無居住化」エリアまで出てくると指摘されていることだ。
まず先に「無居住化」が進むのは、北海道、中国、四国の3地方。中国、四国地方では現在人が住んでいるエリアの3割弱ほど、北海道では5割ほどの地域から人がいなくなってしまうという。
ただこれはほかの地方も他人事ではない。人口減少によって過疎状態になると、高齢化が同時進行で引き起こされ、猛烈なスピードで人がいなくなる。同レポートには、最終的には日本全国の居住エリアの2割から人がいなくなると書かれているのだ。
そうなれば不動産への影響が計り知れないことになる。実際すでに、冒頭でみたような「価格破壊」がいたるところで起きている。
たとえば北海道では、住宅地の平均地価が'98年から13年連続で下落している。1m2あたりの地価は1万9600円になっているが、これは約30年前の水準だ。
中国5県でも基準地価の下落幅が2年連続で拡大。中でも岡山、山口、鳥取では住宅地の価格が10年以上も下落している。みずほ証券の試算によれば、東京圏、名古屋圏、大阪圏を除く、ほとんどの地方圏で、商業地、住宅地ともに10年近くも価格下落が続いているという。
「人口増減率と地価の変動率との相関関係は、地方で顕著に出てくる。人口減少が今後も続けば、二度と地価が上がらないという地域も多く出てくるでしょう」(みずほ証券チーフ不動産アナリストの石澤卓志氏)
そしてすでに人口減少が著しいエリアでは、不動産の売買契約が成り立たなくなっている。売買があったとしても、身内や近隣の人に引き取ってもらうという特殊な取引がほとんど。しかも所有権移転に伴う手続きにかかる出費を嫌がって、過疎地域では引き取ってもらうことすらできなくなっているという。
そして最終的には、こんな末路が待ち受けている。
「家や土地が取り引きできなくなるので、値段がつかなくなる。いま住宅ローンを組んで家を買っても、ちょうど支払いの終わる数十年後には、資産価値がなくなっているということです」(経済ジャーナリストの荻原博子氏)
想像してみて欲しい。
広大な土地にポツンと建つ住宅が10軒ほど。周囲にはかつて人が住んでいた空き屋が「廃墟」のように並んでいる。住民はみな80代の高齢者ばかり。都会に出て行った息子も孫も、こんな閑散とした地元にはもう戻ってこない。
スーパーマーケットやコンビニ、商店で栄えていた中心街はもぬけの殻。食料は1ヵ月に一度、遠く離れた中心街に買い溜めにいく。電車も廃線になったので、腰の痛みをガマンして、車を1時間ほど走らせなければいけない。
土地を売って、都会に出ようと思ったこともあったが、時すでに遅し。いくら売値を下げても、買い手はみつからなかった。気づけば、土地に縛られたまま、ただ死ぬのを待つだけだ—。
庭付き戸建ては値が下がる!
では、都市圏はどうなるのか。
地方から人が流入することで、人口減少は過疎地のようには進まないから安心とはいえない。郊外ではこんな「不動産危機」の予兆が始まっている。
「埼玉、千葉など都市圏の郊外ではすでに人口が減り始めています。このまま人口減少が進めば、地方と同じように鉄道需要が減少、それにともない不採算路線が短縮、撤退される可能性が出てくる。そうなれば交通機関がなくなり、通勤や日常生活に支障をきたすことも考えられる。もちろんスーパーや日用品店も撤退していく。土地や住宅の需要も大幅に下落すると考えられます」(人口減少問題に詳しい政策研究大学院大学教授の松谷明彦氏)
最近では東京都内でも郊外エリアとなると、スーパーまで行くのに徒歩20分以上かかるという買い物難民が発生している。例えば多摩ニュータウンでは10年ほど前から近隣のスーパーなどの生活必需品店が消え始めている。
「全国に作られたニュータウンの多くは、入居開始から数十年経って、住民が高齢化もしている。世代の入れ替わりが起きれば活気も出てくるが、若者は集まらず、空き屋が目立つところもある。近隣経済が衰退すればなおさら悪循環となり、『陸の孤島化』が加速する危険がある。最後に待っているのは、ゴーストタウン化でしかない」(自治体関係者)
地方や郊外は「見捨てられた土地」となり、不動産の価値はゼロに近づいていく危険性が高い。
では一方の都心部は「人口増→不動産価格上昇」となるかというと、そう簡単にはいかない。
都心部では「二極化現象」が起きるというのだが、どういうことか。
「都心部でまず起こるのが高齢化です。過疎地域や郊外での生活が成り立たなくなると、都市部への人口集約が進むからです。同時に単身世帯化も進む。これは高齢者に限った話ではなく、若い世代でもシングル世帯が増えていく」(石澤氏)
都心部での高齢化の勢いは、すさまじい。東京圏の65歳以上の人口は、'05年の599万人に対し、2050年には1122万人と約2倍にまで増加。名古屋圏、大阪圏ではそれぞれ1.5倍の331万人、538万人にまで増えるといわれている。さらに、高齢者単独世帯は、東京圏で312万世帯、名古屋圏で80万世帯とそれぞれ3倍に、大阪圏で156万世帯と約2.5倍にまで膨れ上がる。
その結果、不動産市場に起きるのが「二極化」なのだ。
「単身の高齢者には庭付き戸建ては広すぎて、使い勝手が悪い。代わってバリアフリーが完備され、買い物の利便性の高い大都市の中心部のマンションが人気となる。若者の単身世帯にしても、管理を任せられるなど利便性がよいマンションを求める。結果、いままで『憧れの棲家』とされてきた都心近郊の一戸建ては需要が減少、代わって小ぶりなマンションの価格が上昇していく可能性が高い」(石澤氏)
実際すでに、東京都では30m2~70m2の住居に需要が集まり、面積が大きくなればなるほど、販売が難しくなっているという調査結果も出ている。
「そのため、巨大な邸宅ばかりが並ぶ高級住宅地から人が去り、空き屋だらけになるかもしれない。早めに売り抜けることに失敗した人は、巨大な『廃墟』にかこまれて、だだっ広い邸宅で一人暮らすという寂しい老後を送る可能性もある。代わりに別の場所には、利便性の高い中層マンションが立ち並ぶ新たな人気住宅街ができ、高齢者、若者が共存して住む活気のある街になる」(国交省関係者)
どう転んでも暴落する!
ただ長期的な視点で見ると、「二極化」の後に新たな悲劇が始まるという。
「高齢化の影響で大都市の財政は今後何十年も悪化を続けるでしょう。このままなにも対策を講じなければ、行政サービスが悪化、都心部の富裕層が再び周辺に流出することも考えられる。大都市は中心部に多くの貧困層を抱え、人口流出による税収悪化の悪循環に陥る。こうなると都心部全体に貧困層が溢れ、不動産価格が大幅に下落する可能性がある」(松谷氏)
実際、1970年代にニューヨーク市が財政破綻を経験した際には、人口の13%、約100万人が郊外に流出。その多くは生活環境の悪化を嫌った富裕層だった。人口減少社会では、様々な要因が地価下落の「トリガー」となりかねないのだ。
さらにこうした不動産市場の激変が、日本経済全体に与える影響も忘れてはいけない。
「まず始めに不動産仲介業者は壊滅的なダメージを受ける。土地もマンションも売れないから、手数料が稼げない。住宅はすでに供給過剰なので、ゼネコン、デベロッパー、住宅メーカーなどは新規開発もできず、売り上げがたたなくなる。追い討ちをかけるように、金融機関が貸し出しを渋るようになり、財務状況が逼迫。巨大倒産が続出するというシナリオは十分にありえる」(都内の不動産鑑定士)
家が売れないのだから、住宅ローンを売る金融機関も大ダメージを受ける。
「いま銀行が窓口でせっせと売っているのが住宅ローンと投資信託。その一つが壊滅的になるのだから、キツイ。大規模不動産開発案件に融資するようなビッグビジネスのチャンスも減る。人口減少で経済全体が縮小する中で、中小企業も大企業もバタバタ倒れるので、貸し倒れも増える。資金需要も、投資先もないとなれば、銀行自体がいらないということにまでなりかねない」(金融業界を担当するアナリスト)
こうして倒産が起きれば、大量の失業者が街には溢れることになる。行き着く先には、こんな悪夢のような街の様子が浮かび上がる。
「生涯賃金が下がる人、失業した人が増加し、彼らは持ち家すら持てなくなる。そうなると賃貸住宅の需要が上がり、家賃が高騰する。しかし、国も自治体も財政が圧迫される中で、年金支給額がさらに下げられ、高い家賃を払えない高齢者は行き場を失う。街にお年寄りのホームレスが急増することになるのです。見かねた行政は、いたるところに『公営低賃貸住宅』の整備を強いられる。市街地に公共住宅が増えれば、高価格の民間の住宅需要は下がる。そして住宅も土地もまた、価格下落の道を辿ることになるのです」(松谷氏)
これが人口減少社会の現実だ。あなたはそれでも、家を買おうと思いますか。
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