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アメリカの意向を気にせず、国益だけを考えて議論せよ!

2011年2月15日 DIAMOND online 田村耕太郎

誰も知らないTPP!

 ネットで日本のメディアをみると毎日のように“TPP”という言葉が出てくる。いつのまにか首相の公約になっていて、混迷極める政権の命運がかかった政策の一つになっているようだ。私が知る限りにおいてだが、アメリカでは経済番組でも一般ニュースでも“TPP”という言葉に出会ったことがない。私が在籍するエール大学はじめニューヨークやボストンアメリカ東海岸の知識人層の間でもTPPの意味がわかる人に出会ったことがない。

 結論から言うと、TPPの参加の議論について、アメリカの意向を過剰に気にする必要はないと思う。TPPをどうしようが、アメリカにとって日本の相対的な重要度は損なわれることはない。日本の重要性は増す一方だろう。“日本の国益にとってどうなのか”に集中した議論をするべきだ。その上で参加の可否を問えばいい。

 先日、私の所属するエール大学マクミランセンターでロバート・ゼーリック世界銀行総裁の講演があった。エール大学のグローバライゼーション研究所所長のエルネスト・ゼディージョ教授との対談形式だ。旧知の二人の対談を、シニアフェローとして最前列で聞かせていただいた。

 余談だが、ゼディージョ教授は2000年までメキシコ大統領を務めていた人物だ。TPPの先行事例でもあるNAFTAの実情を知る人物である。ゼディージョ氏は元大統領だからエールの教授をしているのではない。彼は博士号をエール大学で取得しており、その実績も考慮されてエール大学で教鞭をとっている。各分野のノーベル賞受賞者にも学校行事でよくお会いするが、元大統領とかCIA元長官の教授がゴロゴロいるところがアメリカの名門大学のすごさだ。

世銀総裁とメキシコ元大統領の激論!

 一方のゼーリック氏の経歴は、米大統領補佐官、USTR(米通商代表部)、国務副長官を経て第11代の世銀総裁に就任。WTOドーハラウンドの生みの親といわれる人物だ。その間にハーバード大学ケネディスクールで研究員をつとめ、ゴールドマン・サックスのアドバイザーも歴任。政府・ビジネス・学界を行き来する“回転ドア”の成功例の典型だ。

もう一つ余談になるが、講演の冒頭、ゼーリック世銀総裁はアメリカの回転ドアシステムの有用性を説いた。「政策の現場、ビジネスの実務、学問的追求の場、これらを経験していないと今の国際問題に貢献できない」と熱く語っていた。その通りだと思う。ビジネスをやったこともない政治家や官僚たちが考える成長戦略が全く機能しない日本がいい例だ。回転ドアシステムについては、弊害も議論されるが、私はメリットの方が大きいと思う。これについていつかこのコラムでページを割いて持論を述べたい。

 “机上の空論”とは程遠い、実務家同士の対談形式の講演だったので、全く退屈しなかった。話題は金融規制、欧州財政危機、WTOFTANAFTA、そしてG20誕生秘話まで面白すぎた。ゼーリック総裁はG7でもG20においても、中央銀行・蔵相会議のメンバーだから「世界経済金融問題について本格的な議論の場が、G7からG20に移る過程の舞台裏」の生情報も披露してくれた。ゼディージョ教授も最近までWTOのアドバイザーだったので、WTOFTANAFTAAPECの場での各国の駆け引きの様子を教えてくれた。

 前述のTPPはやはり話題にならない。世界貿易体制の実務家である二人の激しい応酬の中でさえTPPのTの字も出ない。一番前の二人の目に入る席に、日本人である私が座っていることに二人は気づいていたはずであるが、TPPは所詮その程度の、存在感がない政策なのだ。

 無理もない。アメリカは忙しい。アメリカしかみていない日本とは違う。エジプトをはじめ、中東、北アフリカ情勢、欧州財政危機、アフガニスタン、対中国戦略、世界的インフレ傾向、そして自国経済対応等で忙殺されている。

日米関係は心配なし!

 日本におけるアメリカ謀略論者は、「これをしなければアメリカに嫌われる」とか「アメリカは黙っていない」などと論じているようだが、かなり怪しい。彼らが言うアメリカって誰のことだろう?そういう人たちに限って、“アメリカは日本を常に注視していて意識している”ようにいうが、アメリカだけ気にしていればいい日本と違ってアメリカは世界中の騒動に関与して忙しい。

ワシントンの日本への信頼性は他国に比べたらかなり高い。日本を信頼しているからこそ、対日本のために割く資源(時間的、人的)そして関心は、他国に比して限られている。日本が政策判断をするとき、アメリカを過剰に意識することは政策判断を誤ることにつながると思う。

 国民も日本政府もメディアも、かつてないほどのグローバルな時代に入り、外から日本をみる視点をさらに養う必要がある。

 TPPに関しても、対米外交を過剰に意識しない方がいいと思う。東京やワシントンの対日チームの意見がオバマ政権の意見と完全に一致しているかも疑問だ。前述のごとく日本を信頼しているからこそ、日本専門チームの影はホワイトハウスで薄くなっている。

 何とか目立ちたい対日チームが論功行賞を焦って大統領の名を借りて日本にプレッシャーをかけている面もあるかもしれない。日本専門チームは、中東や中国問題で忙しい大統領への報告時間もなかなか取れないだろうから、大統領周りの注目を集めるために、センセーショナルな報告を上げているかもしれない。何事も、駐日アメリカ大使館経由のパイプではなく、ホワイトハウスと直接のパイプも構築し、政権の本意もうまく確認しながら交渉すべきだろう。

 政府も国会も日米関係を危惧しているようだが、日米関係は全然悪くない。それは二国間関係というのはすべて相対的であるからだ。日米がよいか悪いかは、他の二国間関係と比べて判断すべきことだ。米中、米欧、米中東、米南米、米ロ、米印等と比較して、“日米”は断然ましである。

「開国」につながるか?

 アメリカが、これだけ覇権国家としての力が凋落し、中国インドそしてブラジル等の新興国に追い上げられている中で、日本というこんな美味しい同盟国を手放すわけはない。欧州は財政破たん寸前で外交どころではない。力をつけつつある南米諸国は、存在感を示すためイランロシアと交流したりして、アメリカのいうことを聞かない。新興国はアメリカに対抗する主張を強める。

アメリカ政府関係者と話すと、TPPという戦略がアメリカで浮上してきた背景には、オバマ大統領の意向があるようだ。FTAで一国づつ各個撃破するより、枠組みを作って一網打尽戦略に打って出ることを、オバマ大統領が好んでいるようだ。ワシントンでも対日関係者の間では鼻息が荒いが、全体的にはTPPはそうプレゼンスが高くはない政策だ。

 アメリカに限らず、国際貿易の枠組みでの提案は、常に提案者の土俵に有利になっているのは当たり前だ。「アメリカの罠にはまる」という議論も拙速だ。TPPに参加を決めるかどうかは、自国の国益を特定の産業に絞って考えるのではなく、できるだけ広く捉えて、TPPというものを日本経済にどう活かすかを検討してからだ。日米外交まで過剰に持ち出す必要はない。

 TPPは欧州ではさらに誰も知らないので、TPPが首相の言う「開国」のイメージを世界に与えるかは定かではない。ただ、ダボスで首相が発信した「開国」のメッセージは世界に衝撃を与えている。意外なほど世界の期待を集めているようだ。本当は、仲間を作って自国に有利で「開国」のイメージにつながる大胆な貿易政策を、自ら説得力をもって国際舞台で提案できるのがベストなのだが、そこまで今の日本政府に要求するのは酷だろう。

 対米外交のためではなく、日本の幅広い国益のために、国民全体でしっかり議論して決断することを期待したい。

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