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ナチュラルキラー細胞(-さいぼう、NK細胞)
http://ja.wikipedia.org/wiki/NK%E7%B4%B0%E8%83%9E
抗がん剤
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%97%E3%81%8C%E3%82%93%E5%89%A4
「混合診療」という障壁、高額の医療費…「矛盾」と戦って勝った女性患者の記録
2010年10月31日(日)現代ビジネス
余命3ヵ月の卵巣ガン患者に免疫療法と抗ガン剤治療を併用して行った結果、2ヵ月でガン細胞が消滅した---。
ガン治療に関する驚くべき報告がなされたのは、8月22日から6日間、75ヵ国、約6000人の医療関係者・研究者が参加した今年の「第14回国際免疫学会議」でのことだ。
この治療を施されたのは、45歳の女性、杉本由佳さん(仮名)。杉本さんの病状は、ステージⅢcの卵巣ガンで、腹膜やほぼ全身のリンパ節に転移していた。正常値が35以下の腫瘍マーカー(CA125・註1)の値は911を示した。今年1月、子宮、卵巣などの摘出手術を行ったが、リンパ節などに残るガンを完全に取り除くことはできなかった。
そんな杉本さんを救ったのが、蔵前内科クリニック(東京都台東区)の曽振武(そしん ぶ)院長に勧められた、NK(ナチュラルキラー)細胞を使った免疫療法と抗ガン剤治療の併用だった。
曽院長は、この免疫療法と抗ガン剤治療を組み合わせたことで、双方の効用を最大限に引き出し、ガン患者を救うことに成功したのだ。再発の可能性を考慮に入れたとしても、曽院長が行った療法は、末期ガン患者の希望をつなぐものとして、学会でも注目されることになった。
だが、ガンが消えるまでに杉本さんの前に立ちはだかったのは、教科書通りに抗ガン剤治療だけを勧める大病院の慣例と、後述する混合診療という障壁=高額の医療費負担だったのである---。
杉本さんが身体に異常を感じたのは、1年ほど前のことだった。
「昨年の9月頃だったと思います。腰のあたりにコリッとしたものを感じたのが始まりでした。それは徐々に大きくなっている感じがして、かかりつけの病院に行くことにしたんです」
杉本さんが訪れたのは、東京・新宿区内にある総合病院だった。検査を終えると、主治医は黙って診察室の裏に入って行った。だがその医師の話し声が筒抜けで、杉本さんは不安が現実となったことを知った。「入院の手配をして」---。
「診察室に戻ってきた先生は、深刻な顔をしていました。コリコリしたものは10cmほどの塊になっていたらしく、『卵巣ガンかもしれない。詳しく検査しましょう』と言われました」(杉本さん)
精密検査の結果は、やはり卵巣ガンだった。まもなく、腹膜や全身のリンパ節に転移していることが判明した。ガンの進行度は、前述の通りステージⅢc。進行ガンで、余命は3ヵ月だった。
卵巣ガンは一般的に、ステージⅠ~Ⅱであれば手術で完全に切除できるが、Ⅲ~Ⅳになると手術だけでは完治できないとされている。
「何を言われているのか分からない感じで、自分がドラマの中にいるようで現実感もありませんでした」(杉本さん)
主治医は手術で早急にガンを取ることを勧めた。
しかしその一方、「ガンが膀胱の上の大きな血管の上にベタッと癒着している状態なので、すべては取り切れないかもしれない」と、診察や説明の中で「治る」という一言を口にすることはなかった。
皮肉なことだが、主治医のあいまいな態度が、結果として杉本さんの命を救うことになる。恐怖心が拭えない杉本さんは、夫が見つけてきた蔵前内科クリニックの門を叩いたのだ。
この時、曽院長がさも当たり前のことのように言った言葉を記憶している。
「ガンは治せるからね。大丈夫だからね」
定的なニュアンスの言葉を総合病院で聞き続けた杉本さんは、「精神的にすごく楽になれた」という。杉本さんは総合病院での手術後に、蔵前内科クリニックで治療を受けることを決めた。
「抗ガン剤には賭けられない」
杉本さんが受けることを決めたNK細胞療法とは免疫療法の一つで、人間が本来持っている免疫力を回復あるいは増強することでガンに打ち勝つという治療だ。患者から30~50cc程度の血液を採取し、リンパ球の一種であるNK細胞を抽出する。
これを無菌状態で約2週間増殖させ、再び体内に戻す方法である。培養によって増殖させるNK細胞の数は30億~50億個。健康な人の場合、血液中のNK細胞は5億~10億個なので、最大10倍のNK細胞が注入される計算になる。
「ガンを退治できる最大のポイントは、NK細胞を増やすとCD4と呼ばれるリンパ球が増えることにあります。CD4はガンを倒す司令塔のようなもので、CD4が増えればガンに対する免疫力が向上するのです」(曽院長)
蔵前内科クリニックは '98 年からNK細胞療法を取り入れており、日本におけるNK細胞療法の草分けだ。
訪れる患者の多くは他の病院でさじを投げられた進行ガンか末期ガン患者が多い。NK細胞療法だけでなく他の病院で抗ガン剤や放射線治療などを並行して受ける患者も多いが、5年生存率は2割弱あるという。
日本においては、ガンが発生部位から離れた臓器に転移している末期ガン患者の5年生存率は8.7%なので、蔵前内科クリニックの実績がいかに突出しているかが分かるだろう。
1月末、杉本さんは総合病院で子宮摘出手術を受けたが、やはりガンは取り切れなかった。
手術前に担当医からは「ガンが取り切れなかった場合、抗ガン剤治療をしましょう」と簡単な説明はされていたが、手術後改めて抗ガン剤治療を勧められた。しかし、杉本さんには抗ガン剤に対する不安があった。
「抗ガン剤治療で身体がボロボロになった友人が身近にいたからです。自分の子供がまだ小さいのに、身体がどうなるか保証のない抗ガン剤治療に賭けるわけにはいかない、と思いました」
そんな杉本さんの心配をよそに、担当医は『治療法は抗ガン剤しかない』と言うばかり。
普通の人なら大病院の医師の勧めをなかなか断れないものだが、杉本さんは、「免疫療法をやってみたい」と医師に告げ、2月初めに総合病院を退院し、NK細胞療法を受け始めた。
曽院長が回想する。
「抗ガン剤を使うにはリンパ球CD4が充分にないとダメなのです。しかし、この時の杉本さんはCD4が正常値の半分にまで落ちており、抗ガン剤治療を行うのは危険でした。
CD4が不足した状態で抗ガン剤を使うと、抗ガン剤で死ななかったガンが、免疫力が落ちているスキをついて一気に全身に転移してしまうからです。
しかも、抗ガン剤の影響でCD4自体もやられてしまい、数が減って元に戻らなくなってしまいます」
退院直後の2月頭から始めたNK細胞療法は4月末に1クール12回が終了した。だが、治療の成果を確認するため5月初めに「PET/CT」で検査をしたところ、予想に反してガンは悪化してしまっていた。
「若いのでガンの勢いが非常に強く、全身のリンパだけでなく、脾臓にまで転移していました。こうなるとNK細胞療法だけではガンを退治できません」(曽院長)
そこで、曽院長はNK細胞療法に加え、抗ガン剤も使うことを杉本さんに勧めた。当初、正常値の半分にまで落ち込んでいた免疫力(CD4の数値)も正常値に回復し、それを維持できていた。
「免疫力が正常に戻った状態で、NK細胞を大量に体内に送り込んでいれば、抗ガン剤を使ってもCD4は減らず、むしろ増えていく。このため抗ガン剤本来の効果が発揮されるのです」(曽院長)
曽院長はこのタイミングで抗ガン剤を使えば効果はあると確信していた。しかし、杉本さんのショックは大きかった。
「抗ガン剤と聞いた時『私はもうダメなのか』と思いました」
迷い、動揺したが、「もう他に選択肢はない」と自分に言い聞かせ、抗ガン剤治療を受けることを決意する。
そして、ガンが消えた!
抗ガン剤治療は保険が適用されるが、NK細胞療法は自由診療、つまり全額自己負担である。蔵前内科クリニックの場合、1クール12回で240万~360万円もの費用がかかる。
しかも、日本の医療制度では、保険診療と自由診療の二つを同時に受ける混合診療を選択すると、自由診療分だけでなく保険が適用されるはずの抗ガン剤治療も原則的に全額が患者の自己負担となってしまう。
杉本さんが大病院で抗ガン剤を勧められた理由の一つには、この混合診療の問題がある。
「今の保険医療において、杉本さんのような病状で使用できる治療法は抗ガン剤しかありません。保険がきかなくなるので医師は自由診療との併用を患者に勧めることができないのです」(曽院長)
杉本さんはNK細胞と抗ガン剤の混合診療を始めることになったのだが、設備がないので蔵前内科クリニックでは抗ガン剤治療を受けることができない。結局、埼玉県所沢市のクリニックで抗ガン剤治療を受けることになり、5月末から治療を開始した。効果はすぐに顕れた。
「腰のあたりにあったコリコリしたものが日に日に小さくなっていくのが分かりました。1ヵ月後、腫瘍マーカー(CA125)を調べたのですが、併用治療前には一時1554にまで上昇した値が173と一桁も減っていたのです」(杉本さん)
さらに1ヵ月後には、腫瘍マーカーの値は15.5と正常値にまで下がった。「PET/CT」でも、ガンがきれいに消滅していることが確認された。ガン消滅から3ヵ月近く経ったが、今のところ、杉本さんに再発の予兆は現れていない。杉本さんのガンはきれいに消えたのだ。
NK細胞療法は末期ガン患者の希望となりえるのだ。杉本さんのケースについて、東京女子医科大学先端生命医科学研究所の有賀淳教授はこう分析する。
「抗ガン剤治療とNK細胞療法を併用して効果が高かったという結果が出ることは不思議ではありません。免疫療法の一つである『がんペプチドワクチン療法』(今年5月に厚生労働省が高度医療として承認)の臨床試験でも、抗ガン剤を一緒に使い効果が出たという話も聞いています。
杉本さんはNK細胞と抗ガン剤の混合診療を始めることになったのだが、設備がないので蔵前内科クリニックでは抗ガン剤治療を受けることができない。結局、埼玉県所沢市のクリニックで抗ガン剤治療を受けることになり、5月末から治療を開始した。効果はすぐに顕れた。
「腰のあたりにあったコリコリしたものが日に日に小さくなっていくのが分かりました。1ヵ月後、腫瘍マーカー(CA125)を調べたのですが、併用治療前には一時1554にまで上昇した値が173と一桁も減っていたのです」(杉本さん)
さらに1ヵ月後には、腫瘍マーカーの値は15.5と正常値にまで下がった。「PET/CT」でも、ガンがきれいに消滅していることが確認された。ガン消滅から3ヵ月近く経ったが、今のところ、杉本さんに再発の予兆は現れていない。杉本さんのガンはきれいに消えたのだ。
NK細胞療法は末期ガン患者の希望となりえるのだ。杉本さんのケースについて、東京女子医科大学先端生命医科学研究所の有賀淳教授はこう分析する。
「抗ガン剤治療とNK細胞療法を併用して効果が高かったという結果が出ることは不思議ではありません。免疫療法の一つである『がんペプチドワクチン療法』(今年5月に厚生労働省が高度医療として承認)の臨床試験でも、抗ガン剤を一緒に使い効果が出たという話も聞いています。
ただし、抗ガン剤、NK細胞どちらが効いているのか、ということになると分かりませんし、すべての化学療法との併用で効果が出るとも思えません。どういう種類の抗ガン剤との併用が良いのかなど、検証する必要があるでしょう」
NK細胞療法のような免疫療法は、外科手術、抗ガン剤、放射線に次ぐ「第4のガン治療」として期待されているが、前述の通り制度的に患者はその治療を選択しにくいのが現状なのだ。
医療とは患者のためのものだ。そう考えた時、結論は自ずと見えてくる。効果が期待できる免疫療法を速やかに保険適用の治療にすれば、患者の負担は減り、ガン治療の選択肢は広がる。有効な免疫療法について、国の予算で検証し、保険適用の道が開けることに期待したい。
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