平成22年 第12回「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」(松江市)有機栽培・JAS認定部門で特別優秀賞を受賞。(食味90・味度83・計173点)
平成25年、第15回魚沼と第16回北京開催運動中!
無農薬魚沼産コシヒカリ生産農家・理想の稲作技術『CO2削減農法』
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インドとの協力を初めて明記!
2010年12月24日(金)日経ビジネス 潮匡人
菅直人内閣が12月17日、新防衛大綱を閣議決定した。日本の安全保障政策の中期(5~10年)の指針である。
このコラムでは、外交官や自衛隊のOB、国際政治学者などの専門家に新大綱を評価していただく。日本を取り巻く安全保障環境にかんがみて、新大綱は適切な指針なのか? どこが優れているのか? 何が課題なのか?
専門家らは既に、「あるべき防衛大綱」の「私案」を明らかにしている。特集「私が考える新防衛大綱」も併せてお読みください。
第2回の著者は、潮 匡人氏。
政府は2010年12月17日の安全保障会議と閣議で、新たな防衛計画の大綱(防衛大綱)と中期防衛力整備計画(中期防、2011~15年度)を決定した。マスコミ報道ではクローズアップされなかったポイントをいくつか紹介しよう。
まず、新大綱は「中国・インド・ロシア等の国力の増大ともあいまって、米国の影響力が相対的に変化しつつあり、グローバルなパワーバランスに変化が生じている」と指摘した。前大綱では「唯一の超大国である米国」と明記していた。米国に対する認識の変化は注目すべき、隠れたポイントの一つであろう。
同様に、新大綱は「アジア太平洋地域における協力」として「韓国及びオーストラリアとは、二国間及び米国を含めた多国間での協力を強化する。そして、伝統的パートナーであるASEAN諸国との安全保障協力を維持・強化していく。また、アフリカ、中東から東アジアに至る海上交通の安全確保等に共通の利害を有するインドを始めとする関係各国との協力を強化する」と明記した。かかる脈絡の中で「インド」の国名を明記したのも今回が初めてである。
新大綱は以下の「留意事項」も示す。「この大綱に定める防衛力の在り方は、おおむね10年後までを念頭に置き、防衛力の変革を図るものであるが、情勢に重要な変化が生じた場合には、その時点における安全保障環境、技術水準の動向等を勘案し検討を行い、必要な修正を行う」。
他方、前大綱はこう書いていた。「この大綱に定める防衛力の在り方は、おおむね10年後までを念頭においたものであるが、5年後又は情勢に重要な変化が生じた場合には、その時点における安全保障環境、技術水準の動向等を勘案し検討を行い、必要な修正を行う」。
一見、似ているが、よく読むと、新大綱には「5年後」の修正の字句が消えていることが分かる。今後10年間は見直さない姿勢のようにも見えるが、字句通りに受け止めれば、「情勢に重要な変化が生じた場合には」、たとえ5年以内であろうと「必要な修正を行う」姿勢とも読める。仮に近い将来、政界再編や政権交代が起きれば、そのとき、新政権が大綱を見直す根拠となり得よう。
日本版NSCの設置を明記!
また、新大綱は「安全保障会議を含む、安全保障に関する内閣の組織・機能・体制等を検証した上で、首相官邸に国家安全保障に関し関係閣僚間の政策調整と内閣総理大臣への助言等を行う組織を設置する」とも明記した。
組織の名称は明示されていないが、かつて安倍晋三内閣が検討を進めた「日本版NSC(国家安全保障会議)」を念頭に置いたものであろう。いわゆる霞が関文学の常識において、「設置する」と明記したことの意味は重い。菅直人内閣は先日、防衛省から首相秘書官を初めて起用した。ともに安全保障に対する前向きな姿勢として評価したい。
基盤的防衛力整備構想から脱却!
他方で、新大綱が残した課題も大きい。
昨年、鳩山由紀夫内閣は「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」を設置。懇談会は今年8月27日に「新たな時代における日本の安全保障と防衛力の将来構想―『平和創造国家』を目指して」と題した報告書を菅首相に提出した。
先般、当サイトの特集「私が考える防衛大綱」の拙稿で指摘したように、この報告書は「基盤的防衛力構想」が「有効性を失った」と明言した上で、同構想からの「脱却」を明記したことで注目を浴びた。
今回、新大綱はこう明記した。「防衛力の存在自体による抑止効果を重視した、従来の『基盤的防衛力構想』によることなく、各種事態に対し、より実効的な抑止と対処を可能とし、アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化とグローバルな安全保障環境の改善のための活動を能動的に行い得る動的なものとしていくことが必要である。このため、即応性、機動性、柔軟性、持続性及び多目的性を備え、軍事技術水準の動向を踏まえた高度な技術力と情報能力に支えられた動的防衛力を構築する」。
従来の「基盤的防衛力」に代わる「動的防衛力」の構築を打ち出した背景には、先の報告書が影響している。
私事ながら前記拙稿で潜水艦について「現在の16隻体制から22隻体制への増強が水面下で検討されている」と書いたが、これは新大綱の別表が掲げた数字に合致する。新大綱における変化はおおむね、筆者が拙稿において予測した範囲に収まった。
非核三原則や集団的自衛権の見直しには踏み込まなかった!
以下、積み残された課題を指摘しよう。前記拙稿で述べたように、案防懇の報告書は、政権交代を「国民がこれまでの政策の不合理なところを見直す絶好の機会でもある」と定義し、憲法解釈を含めた従来の基本的な防衛政策の変更を提起した。
「国是」とされてきた非核三原則についても「一方的に米国の手を縛ることだけを事前に原則として決めておくことは、必ずしも賢明ではない」と見直しの必要性に言及した。自衛隊が「必要に応じて危険にさらされた海外の邦人救出に努めなければならない」とも提言した。「弾道ミサイルおよび巡航ミサイルに対しては、防御に加えて、打撃力による抑止を担保しておくことが重要である」とも踏み込んだ。国連PKO参加五原則の修正も訴えた。対人的情報収集(ヒューミント)や秘密保護法制の必要性にも言及した。
懸案の集団的自衛権行使に関しても「日米安保体制をより一層円滑に機能させていくためには、改善すべき点が存在するが、その中には自衛権行使に関する従来の政府の憲法解釈との関わりがある問題も含まれている」と指摘しつつ、「日米同盟にとって深刻な打撃となるような事態が発生しないようにする必要がある。こうした対応策を事前に決めず、先送りすることは、平素からの想定や訓練の点でも難があり、望ましいことではない。政府が責任をもって正面から問題に取り組み、事前に結論を出して、平素から準備をできる状態にすることこそが大切である」と大胆に踏み込んだ。
だが、新大綱はこうした提言を反映していない。
武器輸出三原則の見直しは喫緊の課題だ!
喫緊(きっきん)の問題は「武器輸出三原則等」の見直しである。慎重な言い回しが目立った報告書ではあったが、この問題については「現状の方式を改め、原則輸出を可能とすべきである」と明言。加えて「時機を逸すれば、世界的な技術革新の波に乗り遅れ、取り返しのつかないことになりかねない。共同開発・共同生産についての見直しの決断は、できるだけ早く行われることが望ましい」と訴えた。
しかし、新大綱は「国際共同開発・生産に参加することで、装備品の高性能化を実現しつつ、コストの高騰に対応することが先進諸国で主流になっている。このような大きな変化に対応するための方策について検討する」との記述に留まった。
結局、武器輸出三原則等の見直しには踏み込めなかった。次期主力戦闘機(FX)の選定作業に悪影響を及ぼしかねない。F2戦闘機の納入が完了すると、国内生産は途絶える。20社を超える部品メーカーが既に生産をやめている。このまま行けば、防衛産業の根幹が揺らぐことになる。
報告書が明記した通り「時機を逸すれば、世界的な技術革新の波に乗り遅れ、取り返しのつかないことになりかねない」。今回も同じことを書く。「見直しの決断は、できるだけ早く行われることが望ましい」(報告書)――もし、政府が「先送り」するなら、日本の安全保障に致命的な禍根を残す。
2010年12月24日(金)日経ビジネス 潮匡人
菅直人内閣が12月17日、新防衛大綱を閣議決定した。日本の安全保障政策の中期(5~10年)の指針である。
このコラムでは、外交官や自衛隊のOB、国際政治学者などの専門家に新大綱を評価していただく。日本を取り巻く安全保障環境にかんがみて、新大綱は適切な指針なのか? どこが優れているのか? 何が課題なのか?
専門家らは既に、「あるべき防衛大綱」の「私案」を明らかにしている。特集「私が考える新防衛大綱」も併せてお読みください。
第2回の著者は、潮 匡人氏。
政府は2010年12月17日の安全保障会議と閣議で、新たな防衛計画の大綱(防衛大綱)と中期防衛力整備計画(中期防、2011~15年度)を決定した。マスコミ報道ではクローズアップされなかったポイントをいくつか紹介しよう。
まず、新大綱は「中国・インド・ロシア等の国力の増大ともあいまって、米国の影響力が相対的に変化しつつあり、グローバルなパワーバランスに変化が生じている」と指摘した。前大綱では「唯一の超大国である米国」と明記していた。米国に対する認識の変化は注目すべき、隠れたポイントの一つであろう。
同様に、新大綱は「アジア太平洋地域における協力」として「韓国及びオーストラリアとは、二国間及び米国を含めた多国間での協力を強化する。そして、伝統的パートナーであるASEAN諸国との安全保障協力を維持・強化していく。また、アフリカ、中東から東アジアに至る海上交通の安全確保等に共通の利害を有するインドを始めとする関係各国との協力を強化する」と明記した。かかる脈絡の中で「インド」の国名を明記したのも今回が初めてである。
新大綱は以下の「留意事項」も示す。「この大綱に定める防衛力の在り方は、おおむね10年後までを念頭に置き、防衛力の変革を図るものであるが、情勢に重要な変化が生じた場合には、その時点における安全保障環境、技術水準の動向等を勘案し検討を行い、必要な修正を行う」。
他方、前大綱はこう書いていた。「この大綱に定める防衛力の在り方は、おおむね10年後までを念頭においたものであるが、5年後又は情勢に重要な変化が生じた場合には、その時点における安全保障環境、技術水準の動向等を勘案し検討を行い、必要な修正を行う」。
一見、似ているが、よく読むと、新大綱には「5年後」の修正の字句が消えていることが分かる。今後10年間は見直さない姿勢のようにも見えるが、字句通りに受け止めれば、「情勢に重要な変化が生じた場合には」、たとえ5年以内であろうと「必要な修正を行う」姿勢とも読める。仮に近い将来、政界再編や政権交代が起きれば、そのとき、新政権が大綱を見直す根拠となり得よう。
日本版NSCの設置を明記!
また、新大綱は「安全保障会議を含む、安全保障に関する内閣の組織・機能・体制等を検証した上で、首相官邸に国家安全保障に関し関係閣僚間の政策調整と内閣総理大臣への助言等を行う組織を設置する」とも明記した。
組織の名称は明示されていないが、かつて安倍晋三内閣が検討を進めた「日本版NSC(国家安全保障会議)」を念頭に置いたものであろう。いわゆる霞が関文学の常識において、「設置する」と明記したことの意味は重い。菅直人内閣は先日、防衛省から首相秘書官を初めて起用した。ともに安全保障に対する前向きな姿勢として評価したい。
基盤的防衛力整備構想から脱却!
他方で、新大綱が残した課題も大きい。
昨年、鳩山由紀夫内閣は「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」を設置。懇談会は今年8月27日に「新たな時代における日本の安全保障と防衛力の将来構想―『平和創造国家』を目指して」と題した報告書を菅首相に提出した。
先般、当サイトの特集「私が考える防衛大綱」の拙稿で指摘したように、この報告書は「基盤的防衛力構想」が「有効性を失った」と明言した上で、同構想からの「脱却」を明記したことで注目を浴びた。
今回、新大綱はこう明記した。「防衛力の存在自体による抑止効果を重視した、従来の『基盤的防衛力構想』によることなく、各種事態に対し、より実効的な抑止と対処を可能とし、アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化とグローバルな安全保障環境の改善のための活動を能動的に行い得る動的なものとしていくことが必要である。このため、即応性、機動性、柔軟性、持続性及び多目的性を備え、軍事技術水準の動向を踏まえた高度な技術力と情報能力に支えられた動的防衛力を構築する」。
従来の「基盤的防衛力」に代わる「動的防衛力」の構築を打ち出した背景には、先の報告書が影響している。
私事ながら前記拙稿で潜水艦について「現在の16隻体制から22隻体制への増強が水面下で検討されている」と書いたが、これは新大綱の別表が掲げた数字に合致する。新大綱における変化はおおむね、筆者が拙稿において予測した範囲に収まった。
非核三原則や集団的自衛権の見直しには踏み込まなかった!
以下、積み残された課題を指摘しよう。前記拙稿で述べたように、案防懇の報告書は、政権交代を「国民がこれまでの政策の不合理なところを見直す絶好の機会でもある」と定義し、憲法解釈を含めた従来の基本的な防衛政策の変更を提起した。
「国是」とされてきた非核三原則についても「一方的に米国の手を縛ることだけを事前に原則として決めておくことは、必ずしも賢明ではない」と見直しの必要性に言及した。自衛隊が「必要に応じて危険にさらされた海外の邦人救出に努めなければならない」とも提言した。「弾道ミサイルおよび巡航ミサイルに対しては、防御に加えて、打撃力による抑止を担保しておくことが重要である」とも踏み込んだ。国連PKO参加五原則の修正も訴えた。対人的情報収集(ヒューミント)や秘密保護法制の必要性にも言及した。
懸案の集団的自衛権行使に関しても「日米安保体制をより一層円滑に機能させていくためには、改善すべき点が存在するが、その中には自衛権行使に関する従来の政府の憲法解釈との関わりがある問題も含まれている」と指摘しつつ、「日米同盟にとって深刻な打撃となるような事態が発生しないようにする必要がある。こうした対応策を事前に決めず、先送りすることは、平素からの想定や訓練の点でも難があり、望ましいことではない。政府が責任をもって正面から問題に取り組み、事前に結論を出して、平素から準備をできる状態にすることこそが大切である」と大胆に踏み込んだ。
だが、新大綱はこうした提言を反映していない。
武器輸出三原則の見直しは喫緊の課題だ!
喫緊(きっきん)の問題は「武器輸出三原則等」の見直しである。慎重な言い回しが目立った報告書ではあったが、この問題については「現状の方式を改め、原則輸出を可能とすべきである」と明言。加えて「時機を逸すれば、世界的な技術革新の波に乗り遅れ、取り返しのつかないことになりかねない。共同開発・共同生産についての見直しの決断は、できるだけ早く行われることが望ましい」と訴えた。
しかし、新大綱は「国際共同開発・生産に参加することで、装備品の高性能化を実現しつつ、コストの高騰に対応することが先進諸国で主流になっている。このような大きな変化に対応するための方策について検討する」との記述に留まった。
結局、武器輸出三原則等の見直しには踏み込めなかった。次期主力戦闘機(FX)の選定作業に悪影響を及ぼしかねない。F2戦闘機の納入が完了すると、国内生産は途絶える。20社を超える部品メーカーが既に生産をやめている。このまま行けば、防衛産業の根幹が揺らぐことになる。
報告書が明記した通り「時機を逸すれば、世界的な技術革新の波に乗り遅れ、取り返しのつかないことになりかねない」。今回も同じことを書く。「見直しの決断は、できるだけ早く行われることが望ましい」(報告書)――もし、政府が「先送り」するなら、日本の安全保障に致命的な禍根を残す。
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1954/01/01
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農業
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私は、魚沼産コシヒカリを水口の水が飲める最高の稲作最適環境条件で栽培をしています。経営方針は「魚沼産の生産農家直販(通販)サイト」No1を目指す、CO2を削減した高品質適正価格でのご提供です。
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