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日本の脅威はテロより中国・北朝鮮!


2010年12月22日(水)日経ビジネス 孫崎享

国内の新聞は「選択と集中」を評価した!

 新たな防衛大綱が12月17日、閣議決定された。当面、この防衛大綱は新聞報道の解説に従って理解される。

 朝日新聞の見出しは「動的防衛力 照準は」、「監視能力生かし即応」、「中国の台頭警戒」などである。社説では「中国の軍事動向への警戒心を色濃くにじませるとともに、脅威には軍事力で対応するというメッセージを前面に打ち出した」「“基盤的防衛力”に代えて、“動的防衛力”という概念を取り入れた」としている。

 日本経済新聞は「新防衛大綱、戦略を転換」「脅威にらみ“選択と集中”」「中国けん制鮮明」「海空を重視」「南西シフト」とした。

 防衛大綱のポイントとして次を紹介した。


・ “動的防衛力”を構築
・ 朝鮮半島で軍事挑発を繰り返す北朝鮮の動向は喫緊かつ重大な不安定要因
・ 従来の基盤的防衛力構想によらず、即応性、機動性、柔軟性、持続性、多目的性をそなえた動的防衛力を構築
・ 日米同盟は必要不可欠
・ 島しょ部に必要最小限の部隊配置
とした。

 18日付日本経済新聞は1面に秋田浩之編集委員の解説を掲載した。「“選択と集中”。経営の世界では、資金や人材をこれと思う重点部門に集中し、成果を高めようとする戦略をこう呼ぶ。(中略)新たな防衛大綱にも同じ言葉が当てはまる。(中略)そこで重点をおいたのが、中国と(中略)北朝鮮だ」。

 「“動的防衛力”という看板を掲げ(中略)直面する脅威に優先度をつけ(た)。(中略)手薄だった南西諸島や島しょ部の防衛強化を掲げたのは、中国を意識した布陣だ。一方、北朝鮮のミサイルを念頭に(中略)イージス艦を6隻に増やす」。

 簡潔、要領を得た解説である。特に出だし「“選択と集中”」と切れ味よく文
章を切り出したのに感心した。もっとも、朝日新聞を見ると種明かしが出ている。「仙石由人官房長官は17日の会見で、新防衛大綱のポイントの一つに“選択と集中”を挙げ(た)」。


海外メディアは大綱の主眼を「中国の脅威への対抗」と報道!

 海外のメディアはどう評価しているか。

 米軍の準機関紙である星条新聞は「日本、防衛政策を中国、北朝鮮にシフト(Japan shifts defense strategy toward N. Korea, China)」の標題を掲げ「冷戦時の戦略を動的防衛力に置き換え、安全保障の焦点をロシアから北朝鮮・中国にシフト。米・韓・豪・印との地域的安全保障の結びつき強化を呼びかけ。新たに6隻の潜水艦と2隻のイージス艦を獲得。米国は日本、韓国に日韓合同演習を呼びかけているが両国ともこれを受け入れていない。マレン統合参謀本部議長は20世紀の問題を越えてこの地域をより守る方向に動くべきだと強要した。日韓連合をつくるべきだとの米国の努力は効果をもたらしていない」と報じた。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「中国に焦点を絞り直し(China warning raised in new defense policy / Pushes shifting SDF presence to Nansei isles)」の標題で報じ、ファイナンシャル・タイムズ紙は「日本、中国不安に備え軍を再編(Japan retools military to face China fears)」の標題で「日本は勃興する中国の力に脅かされる南方の島々の防衛を強化するため、その軍事力の焦点を変える歴史的指示を行った」と報じた。

 ニューヨーク・タイムズ紙も「日本、中国に対抗する防衛政策を発表(Japan Announces Defense Policy to Counter China)と報じた。これらの報道はいずれも新防衛大綱の最大の眼目を中国の脅威に対抗するためとしている。

新防衛大綱には「戦略」がない!

 これまで、日本の新聞、および海外で新聞の報道ぶりを見た。今後日本の新防衛大綱が論ぜられるとき、こうした報道を基礎に論ぜられるからである。

 では、私個人はどう見るか。最大の問題点は新防衛大綱における戦略の欠如である。あるいは戦略を考える弱体さである。

 防衛大綱は日本における国防政策の基本的指針を決定するものである。我が国をどう守るか、その基本を示すべきだ。では、この重要な課題を、世界各国と同様の高いレベルで考察しているか。

 私は著書『日本人のための戦略的思考入門』で戦略を「人、組織が死活的に重要だと思うことに目標を明確に認識する」と定義し、戦略を考えるのに最も優れた枠組みはマクナマラ戦略であるとしてこれを紹介した。マクナマラは第二次大戦時代空軍に入り、大量の軍用機を管理した後、米国自動車会社フォードに入社し、社長に就任した。その後ケネディ大統領時代に国防長官に登用された。マクナマラは軍、企業での経験を生かして戦略を生み出した。

 マクナマラは戦略を次のステップに分類した。
第1段階、外的環境の把握(将来環境の変化)、自己の能力の把握
第2段階 課題の把握(組織生存のために何が課題か検討)
第3段階 目標設定、代替戦略の提示、戦略比較、選択
第4段階 任務別計画策定、資源配分、スケジュール

 新防衛大綱の最大特色の一つが“動的防衛力”の採用である。「従来の基盤的防衛力構想に頼らず、即応性、機動性、柔軟性、持続性、多目的性をそなえた動的防衛力を構築」としている。

 基盤的防衛力構想の骨子は「わが国に対する軍事的脅威に直接対抗するよりも、自らが力の空白となってわが国周辺地域における不安定要因とならないよう、独立国としての必要最小限の基盤的な防衛力を保有する」というものである。私は日経ビジネスオンラインの10月20日付のコラム「新防衛大綱は自主防衛の重要性を意識せよ」において「基盤的防衛力構想」を脱するべきことを説いた。確かに新防衛大綱は「基盤的防衛力構想」を捨てた。

 しかし、私は同時に、(1)敵が誰か、(2)いかなる手段で攻撃してくるか、(3)いかなる防衛手段があるかを考察した形をとって新防衛大綱を作成するべきであることを主張した。

 即応性、機動性、柔軟性、持続性、多目的性をそなえた動的防衛力はその要件を満たしているか。上のマクナマラ戦略を見ていただきたい。動的防衛力はまさに「第4段階 任務別計画策定、資源配分、スケジュール」の範疇である。

 私は『日本人のための戦略的思考入門』の中で「ジョンズ・ホプキンズ高等国際研究大学院が第一次大戦から第二次大戦までの期間と第二次大戦間で、10数名の学生(米軍の佐官クラスを含む)とともに行った評価で戦術、作戦では各国別に差はない。日本はトップクラスにいる。しかし、戦略になると、極端に低くなる。前者の期間では10点満点中の3点、後者の期間では2点である」ことを紹介した。「基盤的防衛力構想」に代わる戦略構想は「“動的防衛力」と言われてもただ驚くだけである。これは運用方針であって戦略ではない。日本の安全保障関係者の戦略的思考の欠如を改めて知らされた。


何が脅威か、明示すべき!

 新防衛大綱は「防衛力の在り方」において次の項目を列挙している。
・情報収集などによる情報優位の確保
・周辺海空域に関して侵害行為に実効的に対応
・島嶼部の防衛
・弾道ミサイルに実効的に対応

さて、戦略を「人、組織が死活的に重要だと思うことに目標を明確に認識する」として、日本に対する死活的脅威は何であろうか。

 中国に関しては核兵器であり、弾道ミサイル、クルーズミサイル攻撃である。

 11月4日付ワシントン・ポスト紙は「中国ミサイルは米国基地を破壊できる(Chinese missiles can ravage U.S. bases)」との見出しの記事で「80の中・短弾道弾、350のクルーズ・ミサイルで在日米軍基地を破壊できる」と報道した。クルーズ・ミサイルは地形を自ら照合しながら、レーダーによる捕捉が困難な低高度を飛ぶことができるとされている。この記事では対象は米軍基地であるが当然日本のどこでも対象として破壊できる。現在中国は通常兵器でも、これだけの対日攻撃が可能である。

 では北朝鮮はどうか。北朝鮮は射程約1000~1300km で日本全土を射程に収めるノドンを有し、配備数は150-320基と言われている。これが日本にとって最大の脅威である。それは中国の潜水艦などの海軍力よりはるかに日本にとって脅威である。

 なぜその脅威を詳細に述べないのか。「我が国を取り巻く安全保障環境」の分析の中で、長々と述べているテロなどのグローバルな脅威よりはるかに重要である。あたかもこれに対抗するにミサイル防衛が役立つように記述しているが、日本の政治・経済・社会の中心地が攻撃対象地になったときには全く無力である。仮にミサイル防衛システムの構築が可能となる日が到来するとしても、それははるか将来の話である。この防衛大綱が対象とする期間中に、実効性のあるミサイル防衛システムはとても構築できない。

 こうした中国の短距離弾道弾やクルーズ・ミサイル、さらには北朝鮮のテポドンに対抗する唯一の答えとして、新新防衛大綱は「日米関係の強化」に言及しているだけである。確かに、米国は北朝鮮には抑止として有効である。しかし相手が中国になり、80の中・短弾道弾、350のクルーズ・ミサイルにどう対応するかのなると、術がない。


日米同盟は必要、ただし「同盟強化」を唱えるだけでは不十分!

 かつて、キッシンジャーは、代表的著書『核兵器と外交政策』の中で、核の傘はないと主張した。キッシンジャーは、ニクソン、フォード両大統領の国務長官と国家安全保障問題担当補佐官を務めた。米国内で外交・安全保障の第一人者とみなされてきた人物である。

・ 全面戦争という破局に直面したとき、ヨーロッパといえども、全面戦争に値すると(米国の中で)誰が確信しうるか、米国大統領は西ヨーロッパと米国の都市50と引き替えにするだろうか
・ 西半球以外の地域は争う価値がないように見えてくる危険がある

 また1986年6月25日付読売新聞1面トップは「日欧の核の傘は幻想」「ターナー元CIA長官と会談」「対ソ核報復を否定。米本土攻撃時に限る」の標題の下、次の報道を行った。

 「軍事戦略に精通しているターナー前CIA長官はインタビューで核の傘問題について、アメリカが日本や欧州のためにソ連に向けて核を発射すると思うのは幻想であると言明した。我々は米本土の核を使って欧州を防衛する考えはない。アメリカの大統領が誰であれ、ワルシャワ機構軍が侵攻してきたからといって、モスクワに核で攻撃することはありえない。そうすればワシントンやニューヨークが廃墟になる」。

 「同様に日本の防衛のために核ミサイルを米国本土から発射することはありえない。我々はワシントンを破壊してまで同盟国を守る考えはない。アメリカが結んできた如何なる防衛条約も核使用に言及したものはない。日本に対しても有事の時には助けるだろうが、核兵器は使用しない」。

 こうした問題に解を出してこそ、日本の防衛大綱になりうる。「日米同盟強化」を唱えれば、すべて解決するとするのはあまりにも教条的すぎる。

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