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日本人が思う以上に世界に精通している上海市民?

2011.01.24(Mon)JBプレス姫田小夏

中国のメディアが面白い。中国の新聞・テレビと言えば「情報統制」という図式を思い描くが、これがだいぶ変化しているのだ。

 もちろん、チベット問題天安門事件など、共産党の政権維持に不都合なことは報道しないのが大前提。しかし、それを差し引いたとしても十分に楽しめる。

 中国が国家として成長するスピードに合わせるように、記者も紙面もずいぶん成長しているなと実感する。以前よりも、ニュースの伝え方が変化に富むようになってきた。

 上海在住の梁信さん(仮名、男性、50代)は、「メディアが大きく変わったきっかけは、2008年の四川大地震ではないか」と話す。

 梁信さんは、地元紙「新民晩報」を10年近く購読している。その紙面の変化を次のように語る。「四川大地震では、被災地への募金が、本当にそれを必要としている人に届けられていないことが明らかになった。記者の意識もその頃から変わったのだろう。官僚の腐敗を暴くような記事が増えてきた」

 四川大地震がもたらしたものは、物理的な被害だけではなかった。市民の善意が地方政府の役人の懐に落ちてしまうという社会構造の暗部も露呈されたのだ。

 清華大学公共管理学院の調べでは、700億元を超える寄付金のうち、8割が地元政府に吸い取られたという。そんな火事場泥棒のような腐敗を暴き、市民に伝えたのが、ネットや新聞、テレビの報道だった。

次々に暴かれた地方官僚の腐敗ぶり!

 四川大地震をきっかけに、少なくとも上海における報道が「政府寄り」から「市民目線」に近づいたことは確かに実感できる。

 2008年から2009年にかけて、上海のメディアは以下のような官僚の腐敗を次々と暴き、記事にして伝えた。

 上海市浦東新区の元副区長は、長期にわたって土地取引の特別な権利を握り、自分と妻名義の資産として16カ所の土地を隠し持っていた。

 また、上海市の外高橋保税区管理委員会の役人は、たった1人で29戸のマンションを所有していることが発覚した。

さらに重慶市では、元司法局局長が6つの暴力団の活動に深く関わっていた。暴力団を庇護する見返りとして、9戸の不動産物件、数千万元の現金(1元=当時13円)、高級車、高級時計、骨董品、恐竜のタマゴなどを贈られ、秘匿していたという。

 これらの官僚の腐敗ぶりを知った市民は、あいた口がふさがらなかった。

 日常的に「民主化」「司法改革」「反腐敗」という政治の話題を取り上げる広州の新聞に比べると、上海の新聞はまだまだ政府の監視が厳しく、政治的な話題を取り上げにくいというのが、これまでの共通認識だった。それだけに、こうした一連の変化は注目に値する。

共産党国家の新聞が「人情」を伝える!

 上海で普及している一般紙はほとんどがタブロイド判で、読みやすい。カラー写真も豊富に使われており、記事は臨場感に溢れている。

 最近は1面に全面広告が掲載されることもしばしばだ。オメガやブルガリといった高級ブランドの広告が、その日のトップニュースよりも前に出てくるのは、いかにも今の中国らしい。広告が元気なのは、メディアが元気な証しとも言えるだろう。

 一方、新聞にとって逆風と言えるのは、ここ上海でもネットメディアが台頭していることである。ニュースサイトやブログなどに読者が流れる傾向があり、新聞は「いかに真実を描くか」という記者の力量がいよいよ問われてくる時代になった。

 しかし、政府の規制は相変わらずで、政治に関してはなかなか深掘りした記事が書けないという状況は変わらない。

 ある上海の識者は、「突破口となるのは民衆の生活、すなわち民生に関する記事でしょう」と語る。

 例えば、農産物の値段が高騰した時、「東方早報」の記者は、産地の中国東北部に飛び、高騰のカラクリを見開き2ページで解説した。

 そこで明らかにされたのは、農産物の価格が輸送の途中に釣り上げられていく構図、そして一般消費者を巻き込んだ買い占めの実態だった。市民は「そうだったのか!」と驚きを持って記事を受け止めた。

 2010年は違法な「食用油」に関する記事にも、市民は驚かされた。上海の食堂について、市民は「こんな安い値段で、なぜ経営が成り立つのか」という長年の疑問を抱いていた。「実は、使い回し油が多くの食堂で使われていた」という新聞記事に、市民は衝撃を受けた。その報道後、市民は「よほど名の通った店でない限り、料理を食べられない」と、外食を控えるようになった。

最近は、人情味あふれる出来事を伝える記事も少なくない。そうした記事からは、記者の良心が垣間見える。

 2010年12月1日、東方早報が見開き2ページを使って報道したのは、広西省柳州市に住む6歳の孤児の話だった。

両親をエイズで失った小龍君は、たった1人で生活している。彼自身もエイズに感染しており、面倒を見ようという親戚がいないのだ。ご飯を作るのも1人なら、寝るのも1人。日が暮れれば長い夜が始まる。テレビもなく話し相手もいない。記事中の写真のキャプションは、「友達は1匹の犬『クロ』だけ」とある。

 東方早報はその記事を掲載する前日に、「上海のエイズ感染者が2009年比で29%増」と伝えていた。読者は2日間にわたる記事を読んでエイズ問題を再認識し、小龍君への支援にも目を向けることとなった。

売店のおばさんも見ている経済チャンネル!

 中国では新聞だけではなく、テレビも変わり始めている。

 国営放送の中国中央テレビCCTV)をはじめ、中国には実に多くのチャンネルがある。その数は実に約270チャンネルとも言われている。

 CCTVは確かにお堅い政策宣伝番組だが、毎日のニュースは変化に富んでいる。党人事、外交、新政策導入、訃報、事件、社会ネタ、天気予報・・・、などなど。

 中でも筆者が面白いと感じているのは、外交ニュースだ。共産党幹部が、今日は南米、明日はアフリカと、ふだんはほとんど名前を聞かないような国で外交を展開し、その国のトップと握手する様子が伝えられるのだ。こうした世界の隅々の様子は、日本のテレビでは決して分からない。

各家庭で受信できるチャンネル数は限定的だが、それでも上海の家庭によっては、経済チャンネルですらCCTV、上海テレビ、台湾の鳳凰衛星テレビと、少なくとも3つの局の中から選ぶことができる。

 いずれも主に株価ニュースが中心だが、1日中、延々と経済情報を流している。テレビ画面の上部には、「不動産予報」(正確には「報告」)がテロップで流れ、その日の成約戸数や平均価格を都市ごとに速報する。

経済学者も入れ代わり立ち代わりで登場し、経済予測を披露する。いつも筆者に釣り銭を投げてよこす、売店のなじみのおばさんが食い入るように見ていたのは、経済学者である国民経済研究所所長の経済解説だった。

 とにかく上海のテレビでは、世界各国のありとあらゆるニュースが伝えられる。世界中に張り巡らされた華人ネットワークによるところが大きいのか、そのスピードも速い。

 キルギスタンからニュースを送ってくる女性特派員の映像を見ると、「こんな政情不安定なところでよく頑張ってるなあ」とエールを送りたくなる。日本ではほとんど報道されない国のニュースが、中国では見られるのだ。

中国のバラエティー番組は日本とどう違うのか!

 翻って日本のテレビはどうだろう。

 国際ニュースとしては、チリの炭鉱の救出劇が記憶に新しいが、当時、日本でこれを見ていた来日中の中国人はこうコメントした。「どの局もチリの同じニュースばかり流している。世界のニュースはこれだけではないだろう」

 筆者は、日本のテレビ番組がお笑い芸人の天下になっていることが気になる。中国にもバラエティー番組がある。しかし、日本とは違うなと思うのは、中国のバラエティー番組は「民衆が主役」になっていることだ。日本の番組のように、芸人が素人をいじって面白がるわけではない。あくまでも市井の人が主役であり、素のままの自分をさらけ出すのだ。

 例えば、大ヒット中のあるお見合い番組では、「私の手を握れるのは彼氏だけ。それ以外の人なら1回20万元」という女性や、「あなたにはお金の匂いがしない」などと暴言を吐く女性が登場。あまりにも極端なキャラクターが次々に登場するので、「やらせ疑惑」すら出ている番組だ。だが、どの出演者もどこか憎めない人間臭さを漂わせており、魅力的な番組なのだ。

 恋人関係、親子関係、親戚関係など、人と人の良好な関係の築き方に焦点を当てた番組もある。東方衛星テレビの「幸福魔方」がそれだ。古い社会通念や親の世代の偏見と闘う若者が登場した時は、思わずその若者に共感し、応援してしまった。

 共産党国家とはいえ、中国の新聞やテレビ番組は侮れない。

 お笑いや芸能・スポーツ番組にひたりきった日本人が思う以上に、中国人(特に上海市民)は世界情勢や国内経済に通暁しており、真実を知ることに飢えているのだ。

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