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少子化、就職難の今こそ日本の教育を考える!
2011.01.24(Mon)JBプレス 佐田重夫
1.就職難に喘ぐ若者たち!
景気が思うように回復しない中で若者は就職難に喘いでいる。大学は卒業したものの就職先が見つからず、留年して翌年の就職に再チャレンジする者もいるという。
少子化と高齢化というダブルパンチが同時に押し寄せる厳しい時代に、日本の将来を担う人材としての若者が職に就けず貴重な時間を浪費する。
このことは本人はもとより、国家としても大きな損失と言わねばならない。
雇用環境を見ると今後企業のグローバル化は一層進んでいくだろうし、海外進出企業は既に採用しているが、国内企業も有能な外国人(特に若者)の採用数を増加する傾向にあり、この先景気が回復しても日本の若者にとって簡単に就職環境が改善されるとは思われない。
加えて日本の若者は、この住みやすい日本(将来どうなるか分からないが)から外に出て新しいことにチャレンジしようという気概が以前に比し低下してきており、グローバル化の流れに全く逆行している。
お隣の韓国は、国内だけでの努力では発展に限界があるとして、早くから海外に目を向け留学や海外企業への就職を積極的に行い、一流の最先端分野で経験を積み、その一部が母国に帰り国内企業発展の大きな原動力となっている。
一方、日本はバブルが崩壊してからの20年、かつての成功方程式の幻想や既得権の呪縛から抜け出せず、抜本的な改革の手が打てずに、ずるずるとここまでやって来た感がある。そのため世界の流れから周回遅れという評価もあるくらいだ。
自衛隊OBである筆者がここで景気回復の手をどうすべきだと述べる資格も能力もないので、政府の景気回復や雇用拡大施策を待つしかないが、その成果が表れるまでは当分時間がかかりそうであるし、このような状況は常態化することも考えられる。
従ってこのように就職したくてもできない意欲的な若者に対し、無駄に時間を費やさせずに自衛隊を活用して、日本再生の原動力として期待すべく若者世代に不足するものを補って世に送り出す方法はないものだろうかとの提案である。
2.若者の成長環境と特色!
今年の新成人は、平成2(1990)年生まれ、全国で124万人(4年連続過去最低を更新、将来は100万人を切りそうだ)、人口全体に占める割合が初めて1%を割り込み、まさに先細り現象だ。
つまりこれから成人になる若者は、すべて平成生まれで、大学を卒業する者もやがて平成生まれの人ばかりになる。
この平成生まれの若者は、バブル崩壊後に生まれ成長したが、豊かさがまだ感じられる中で核家族の一人っ子として大事に(中には甘やかされて?)育てられたが、途中から停滞(衰退?)していく日本の状況も感じつつ成長した。
高卒者の多くが大学に進学(平成21=2009年度大学・短期大学進学率56%、浪人を含む)しているが、それほどの激しい競争もなく入学でき、大学は学ぶところというよりも受験勉強や親から解放されて自由を楽しむところとの感覚が強い。
卒業すれば何とかなるとの思いで、単位は卒業に必要な程度で学生生活を過ごしてきた者が多いのではないか。
もちろん、中には卒業後に目指すべきものをしっかり定めて世界を視野に学問、研究、芸術、スポーツなど熱心に励んでいる学生もいると思うが、その傾向は右下がりである。
この世代の人は、住み心地のよい時代(ピークは過ぎていたが)に成長したためか平和や繁栄は当然あるものと思い、それが厳しい競争や微妙な力のバランスの上に成り立っているとの実感はあまりない。
そのために国家安全保障や国の防衛といったことには関心がなく、日本という国家意識や国家への義務感は低く、日本の歴史や文化に対する誇りも薄い。
生活面で見ると祖父母や多くの兄弟姉妹と共に生活をした者は少なく、食べることの苦労もあまりしていない。
まして人間としての倫理・道徳観や宗教観となると古臭いと感じるのか教わっていないのか、理解しがたい領域である。
誰にも迷惑をかけなければ(本人は気づかないだけで周りは迷惑を受けているのであるが)いいではないかとの思いが行動の基準である。難しく言えば、人間が有すべき根源的な戒め(持戒)とは何かの意味が理解できていないのである。
反面、流行や人間関係には異常なほど敏感に反応する傾向がある。従って楽しいこと、面白いこと、珍しいことには関心が強く、出会う人(先生、友達、先輩)によって善くも悪くも大いに影響を受けやすい。
つまり関心のあることや人や環境との出会いによって大きく変わる、成長できるということである。
そんな若者たち、好むと好まざるとにかかわらずこのような平成の時代環境に生まれ育ち、育てられたのである。
平成の時代環境を内政面で見ると、少子高齢化の頭でっかちの人口構造、巨額な財政赤字という重荷、景気の停滞、それらを解決する目途が立たない不安定な政治情勢が挙げられる。
一方、外交・防衛の面では、日本周辺が先行き不透明で何が起こるか分からない厳しい安全保障環境、経済面ではグローバル化による新たな発展・流通システムの構築が迫られるなど、日本は厳しい舵取りをしなければならない状況にある。
これからそんな厳しい環境に対応していかねばならないのであるが、危惧されるのは個人や国家が元来持っていた日本人としての文化・伝統・価値観といったものの骨幹(軸、芯)が崩れかけ、あるいは溶けかけているのではないかと言われ始めていることである。
だからなのか個人としても国家としても何を根拠(根本理念・思想)にして何をすべきなのか見出せず、重苦しい明るさ(展望)の見えない厚い雲(閉塞感)で日本全体が覆われている感じである。
従ってせめて今が、自分が、自分の国がよければと、一時的・利己的・内向きな考えになっているように思う。
もちろん、このような環境の中でも志を世界に向け、自分たちの世代が何とかしなければという意識を有する将来に期待が持てる若者も育っているだろうが、それはまだ一部の人に限られ、世代としての勢いが感じられるところまでは至っていない。
若者が益々減少(出生者数は昭和24=1949年のピーク時で269万人に対し平成18=2006年は109万人)していく中で、多くの若者が職に就けずにいたらどうなるのか。成長は止まり意欲は低下し、社会での活躍を期待するどころか社会のお荷物になる可能性すらある。
そうなったら多くの課題を抱える日本は、いったいどうなるのか。
3.若者に対する期待
それでは、今の時代どんな若者が求められるか。これからの時代を考えるとグローバル化、ハイテク化、ハイスピード化という状況の中で、多くの課題と向き合いこれを解決していける若者の意欲や行動力そして若者世代の勢いに期待したいのである。
以前、団塊の世代が若者であった時代からはその数が半減し、将来は3分の1近くになりそうである。減少した分だけ質の方は倍増、3倍増してもらわねばならないのである。
具体的には、グローバル化の中で日本の置かれた状況を世界的視野で観察し、日本の進むべき方向を見定め、その中で世代の役割を十分理解し周り(人、社会、国、世界)を動かして行動できる人が求められる。
つまり日本の現状をよく理解したうえで、日本(国益)のために汗を惜しまぬ人である。これは、国家が本腰を入れて育成しなければ、実現できないのである。
4.自衛隊の教育機関とその活用!
陸・海・空各自衛隊には自衛官を志願する人に対し必要な基礎的教育を行う機関(新隊員教育隊)がある。
当初の3カ月間は自衛官候補生(昨年できた制度)として、徳操・使命教育(人間教育)、自衛官共通の基礎的事項を、後半の6カ月間は、自衛官として各職域に必要な基礎的知識・技能を修得する。
人員は、ピーク時には年間3万人程度教育していたが、最近は、景気低迷による退職者の減少や定数削減が影響して採用数が極めて減少し2000人程度であり、かつての10分の1以下になっている。
この自衛隊の教育機関を就職待ちの若者に開放し育成に活用したらどうか。つまり就職浪人の若者たちを自衛隊を活用して教育できるようにする制度を法制化・予算化するのである。
教育の目的は、学校を卒業した平成の若者に対し、将来を期待される日本人として必要な教育(欠落している分野を補うもの)を施し、志と自信を持たせて社会に送り出すことである。
結果として若い世代に国防の理解者が拡大できるし、少子化が続けば必ずや自衛官の確保も難しくなる。その時にこの制度の修了者がいろいろな面で役に立つものと思う。
教育要領は、いろいろなことを考慮して決定しなければならないが、一案を提示すると次のようなものである。
教育人員は、この十数年の教育実績と新隊員(自衛官候補生)の教育所要があるので当面1万人を上限とする。期間は、3カ月コース(基本教育)と6カ月コース(基本教育+部隊での技能教育と実習)2コースを準備する。
期間については、教育効果があれば更に延長することも考慮する。募集は、厚生労働省や文部科学省の協力を得て、各都道県に所在する自衛隊地方協力本部が有する機能を使って自衛官候補生の要領に準じて行う。採用は、この制度の特性から論文と面接を重視する。
身分は、自衛官として入隊するのが望ましいが、自衛官定員の関係で困難であると見込み、定員別枠の防衛省職員とする。在籍する大学などからの教育委託学生とする方法も考えられる。
経費については、新隊員教育と同様に教育に必要な経費および隊内での生活経費は国が負担する。手当については、身分により異なるので細部検討する必要がある。
資格は日本国籍の男女で、年齢は高校卒業年齢の18歳から大学卒業年齢の23歳までとする。
各コース修了後、希望者は所要の手続きや補備教育を受ければ現役自衛官や予備自衛官の道を選べるようにする。また修了者に対しては、自衛隊のよき理解者として必要な協力関係を結ぶようにする。
一般企業への就職は国(防衛省と厚生労働省が連携)が斡旋する。また修了者の雇用協力企業に対しては、何らかの特別措置を考慮する。
教育課目は、新隊員教育隊の課目を基本にするが、日本国民としての意識・誇り・役割(使命、義務)の認識を講義と実技・実務で促す教育を重視する。教育内容によっては自衛隊以外から適任の教育者を招致することも考える。
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