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「京都」「アキバ」頼みを脱する!

2011年1月19日(水)日経ビジネス 安西洋之、中林鉄太郎

「クールジャパン」という政府の事業がある。

 2010年1月に産業構造ビジョンとして作られた。今まで日本の経済をリードしてきたのは自動車産業やエレクトロニクス産業だった。しかし、これからは、ほかの産業も強くならないといけない。インフラ産業では原子力発電所や新幹線などの輸出が期待されているが、もう1つの核が文化産業の育成と強化だ。

 そこに、クールジャパンの狙いがある。文化産業を支援するため、昨年6月、経済産業省にクールジャパン室が設けられた。2011年度からの施策実行を目指し、昨年11月より有識者会議がスタートした。年内にはクリエイティブ産業の振興を目的とした組織再編を行う予定だ(詳細は未定)。

 そこで、事業の推進役である渡辺哲也クールジャパン室長に、戦略の背景を語ってもらおう。

「私の前職はアジア太平洋州課です。そして、アジアやオセアニアなどの国々を見てきて、日本の存在感が恐ろしいほどの勢いで失われていると実感しました。『クールジャパン?何、それ。日本に魅力なんてあるの?』という感じなんです。ケータイでも食でも韓国の人気は凄いし…。特に、若い世代がそうなんですね。経済力が低下し、ハブを失うというのは、日本がスルーされるってこと。ただでさえ、東の端にある国なのに、ますます他のアジアの国と距離が広がるわけです」

 クールジャパンは内向きと外向きの2つの目的がある。1つは国内に眠っている「売れるネタ」を再発見して、自信を取り戻すこと。2つ目は、それらを海外市場で売れるようにすること。「でも、だからといって独りよがりの発信になってはいけません。相手の欲しがるものを用意しないと。ですからローカリゼーションは施策の肝になります」と渡辺氏は見ている。

 今回、クールジャパン事業を紹介するのは、ローカリゼーションマップと日本の経済政策が「結果的」にどう関係するか、それを示すためだ。クールジャパンという表現や政策については批判も多々あるが、この意図を深く理解して、ローカリゼーションマップとの距離を正確に知ること大きな意味があると思っている。そのことによって、日本が世界で戦うための戦略が、より明確に見えてくるからだ。

モノを売る」から「コトを売る」時代へ!


 今、モノが、それ1つの価値だけでは売れにくくなっている。色々なモノが繋がってコトにならないと駄目だ。例えば、パソコンとスマートフォンとデジカメが繋がって、やっと一人前のデジタルライフが実現する。こうした現象は、デジタルネットワークの分野に限らない。

 創作料理と伝統工芸の皿が出会い、それらが昭和モダンのテーブルの上に置かれた時にユーザーがどう感じるか、そこが売り手の関心テーマになる。即ち、いろいろな分野の商品に目が利き、文化や文脈を作れないと売れない時代になっている。だから、従来の分断された業界でモノを見ていると、ニーズが見えてこない。そこで「文化産業」という聞きなれない言葉がでてくる。そんな新しい消費について、渡辺氏はこう解説する。

 「これからの消費のあり方は、同じ機能のモノであっても、時代の気分や物語りを感じることが重要であり、それが消費活動に繋がっていくと思うんです。買う場所へのこだわりもそうですね。これまで『ライフスタイル産業』と言われていたものに近いかもしれませんが、なかなかピッタリくる言葉がないんです…。文化産業やクリエイティブ産業という言葉も、広く認められているものではないですしね」

 歯切れが悪い。それが、この事業の複雑さと難しさを物語っている。対象となる分野も、当然ながら幅広い。

 「アニメなどのコンテンツや食、ファッション、デザインだけではなく、雑貨や家具といったモノ作りも入ります。特に力をいれようと思っているのは、本当は海外で売れるはずなのに、売る仕組みが作れなかったがために内需型になっているネタを、どうやって開拓していくか。予算要求にあたってパブリックオピニオンを募集したんですが、地方の方からのご意見が予想以上に多くて驚きました。地元の伝統工芸が国内はもちろん、海外でも売れるようになれば、地域活性化に繋がるという期待が大きいんです」

 文化産業は、分野を特定することが難しい。インバウンド政策(外国人観光客誘致)も含まれる。ライフスタイルという意味では、ソーシャルメディアの主役であるスマートフォンも重要な分野だし、スマートフォン化するEV(電気自動車)も同様に大切だ。産業の線引きは、微妙で難しい。言ってみれば、賞味期限の切れ始めている従来の枠組みを捨てて、産業の新しい枠組みを作って日本経済の強さを再構築する――。それがクールジャパンの趣旨だ。

日本のあらゆる場所に散らばっているコンテンツを、どう売れるように編集するか。これがテーマになっている。


なぜ日本はコンテクストを作れなかったのか?

 これは古くて新しいテーマとも言える。なぜなら、これまでも「地場産業をどう再生するか」という議論が続いてきたし、実際に補助金が付けられて海外の展示会に出展されてきたモノも多い。しかし、それが本格的なビジネスに発展したという話はあまり聞いたことがない。ごく限られた領域で認知が高まったに過ぎないのだろう。原因をあげれば色々と出てくるが、個人的には「独りよがり」が大きな理由ではないかと想像している。

 こんな例が挙げられる。ある地方では、良い米がとれるし、優れた日本酒醸造メーカーもある。それだけではない。レベルの高い和食器を作る職人もいる。デザインセンターだってある。だから、こうした業種が集まれば、魅力的な食空間を提案できるはずだ。

 ところが実際には、一緒にコンテクストを創造していこうという様子があまり見られない…。少なくとも、今までは、そういうもったいない地域が多かった。原因を考えてみても、「コンテクストを作り、市場を共有する必要性を感じていなかった」としか言いようがない。

 だから、クールジャパンの目指す方向は間違っていない。コンテクストが重要になってきた時代に、その流れに沿っている。世界が日本に関心を持つ「とっかかり」を作らないといけないわけだ。日本のモノやコトを見ると、何か「ひっかかり」がある、そんな戦略的な「きっかけ」を世界中に埋め込んでいく。フック作りだ。フジヤマ、ゲイシャ、クルマ、寿司、ポケモンだけでは足りない。フックは多いほどいい。それも、日常的に接するシーンで見えるものが効果的だ。

 

日本のイメージは「京都」と「アキバ」だけ!

 「とっかかり」を多く作るには、どうしたらいいのか。要は、日本のイメージを集中させるのではなく、拡散させることだ。

 グーグルの画像検索で英語やイタリア語で日本を検索すると、特定のイメージ画像しかでてこない。極論すれば、京都と秋葉原の文化で、日本が成り立っている。英語版グーグルイタリア語版グーグルで比較すると、やや内容に差異があり、違った日本観を持っていることが分かる。フランス語版グーグルは、さらに特徴が出てくる。それでも画一的な印象は拭いきれない。もっと様々な日本の画像が出てくるのが理想だ。

 だからこそ、渡辺氏は海外に日本のモノを次々と出していくことで、画一的な日本の印象を変えていこうとしているのだろう。また、日本人も、自分たちを客観視して、それぞれの市場に合わせて変わっていかなければならない。

 「多くの外国人と接しながら日本を見てる方は、かえって日本の良さが分かるでしょう。でも日本に住んでいる多くの方は、日本が海外からどう見られているのか分かりません。だから、とにかく色々なモノを外で売ってみて、取り引きを経験していかないといけないと思うんです。実際に、売ってみないと自分たちがどう見られているのか分からない。国内だけで商売してきた人たちにとっては、勝負はこれからなのです」

 日本の伝統文化、大手メーカーが生み出す製品、オタクの文化…。日本のイメージはこれらに集中しがちだったが、文化産業を推し進めることで広がっていく。そして、ビジネスチャンスが増える。そんな好循環が出来上がってくるのだ。結果的に文化産業だけでなく、それこそ自動車や電機といった業界をも側面支援していくことになる。

 「ファッションやアニメといった産業は、自動車や電機の産業規模と比べれば小さなものです。でも、フックにはなり得る。きっかけがないところでは、何も起こらないのです。潜在力のあるエリアを掘り起こしながら、外で勝つパターンを作っていかないと。外食やコンビニといったリテールのサービスもそうですね。とにかく間口を広げないといけないのです」

 冒頭に書いたクールジャパン事業に対する典型的な批判の1つは、「マンガやアニメ、ストリートファッションで一国の経済を背負えるか」という疑念だ。しかし、経産省もこれらの産業を経済の背骨にしようと思ってはいない。が、これらがないと背骨の強化ができない。もちろん、マンガやアニメが「捨て駒」ではない。全てのエレメントはそれなりの存在意義を持ち、それらが全体に貢献するという設計図を描こうとしているのだろう。

ハイエンド市場の攻略法を準備せよ!

 今、海外市場の開拓で注目されるのは新興国。特に中国やインドを中心にしたアジア諸国だ。その時によく言われるのは、「中間層というマス市場をどう狙うか」。これまで北米や欧州に対して、最初はローレベルのモノで市場に入り込み、次第に「高品質・高機能・高価格」のモノに移行していった。長期間にわたるローからハイへの上昇戦術で、一定の程度まで日本製品は認知度を高めた。ところが、ある時から、このハイエンドへのアプローチがグローバル市場での普遍的感覚に目を向けない、「独りよがり」であると判断されるようになった。日本市場の特殊性ばかりに目を向けすぎた、と。それを日本の企業も強く意識した。

 アジア諸国の所得水準を考慮すると、これまでの先進国市場戦略とまったく違った発想で取り組まないといけない。そう認識するようになったが、「独りよがり」の反省は強く作用している。先進国市場での失敗の二の舞は回避せねば、と考えている。だから、大衆市場を把握することに注力している。

 これはこれで大切だが、ハイエンドを売るストラクチャー作りはどうなっているのだろう。昨年10月の当コラム「「マルちゃんする」とメキシコで独自解釈されたカップ麺」で紹介したように、寿司も高級市場から中間市場へ広まっていった。しかし、その逆を行くのはなかなか難しい。日本ブランドのファッション品を買った客が、所得が上がってフランスやイタリアのファッション購買層に移行してしまう…。そんな事態を、指をくわえて見ることがないように、事前にハイエンドの戦略を考えておく必要がある。

 渡辺氏曰く、「ハイエンドは大事です。これまでは、おカネを持ったら日本車をドイツ車に乗り換えるのがアジア市場での一般的な傾向でしょう。それを変えていかないといけませんね。例えば、インド人はヨーロッパの消費動向をよく見ています。それならば、日本企業はヨーロッパ市場でブランドを確立して、それからインドに持ち込む、といった発想が欲しいところです。マスの中間層が憧れる高いポジションを得ないといけないわけです」

要するに、ハイもミドルも両方視野に入れていないと行き詰る。ミドルの客は永久にミドルの客ではない。肝心なのは、ハイに上がる動きがどういうタイミングで生じるかの見極めだ。

 緩いネットワークで売る!

 日本ではメーカーや販社が社員を主体として営業部隊をつくる傾向が強い。しかし、ヨーロッパでは「レップ」あるいは「エージェント」が販売の根幹を成している。彼らは自分が持つ地域ネットワークを活用しながら、複数の商品を抱えて売り込んでいく。基本は歩合制である。鍋釜からベッドまで一緒に売り歩くこともある。もちろん、この制度ゆえの脆弱な点もあると思っている。だが、こうした商売のあり方が、日本とは違ったヨーロッパのビジネスパーフォーマンスを生み出していることも事実だと思う。

 クールジャパン事業のコアコンセプトである「コンテクストの中で売る」という観点で見れば、このエージェント制度という考え方は有効ではないか。1人が受け持つ担当がもっと幅広くならないといけないし、そうした一人一人がネットワークでつながっていくことも重要だ。

 そのネットワークは、緩くないといけない。何から何まで意見が一致する集団などあり得ない。何となく同じ方向を見ている人たちでいいのだ。でも、互いの顔が分かっていれば、必要な時に力になる。そういう「第三者には見えない緩いネットワーク」あるいは「看板のないネットワーク」を作っていく必要がある。渡辺氏はそこに、クールジャパンの存在意義を見いだしている。

 「日本は今、海外ビジネスのプロデューサー的な人材が求められるのですが、実際にそんな人は多くいません。じゃあ、育成すればいいのかというと、それも難しい。もちろん、政府が顔を出しすぎるとおかしいことになります。だから、バラバラなネットワークを繋げるきっかけを作るとか、そこで起きた経験を広く伝えていく仕組みを作っていく。つまり、政府が触媒となり、みなさんが経験を増やす機会を提供することが役割だと考えています」

ローカリゼーションマップとの類似性!

 ビジネスは民間が作っていくものだ。でも、現状では、余裕のある企業があまりにも少ない。異業種と組んでコンテクストを作るには、個々のプレイヤーが持つ「糊しろ」があまりないわけだ。

 それでも、こうした企業群が外へ出て行かないと、日本経済は閉塞状況を打ち破れない。そこで、クールジャパンが、その一歩目を踏み出す環境を作ろうとしている。こう私は理解している。クールジャパンは今後、難航することもあろうが、その意図することは重要であり、取り組みを継続していかないといけない。

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