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店舗名:麺処 NAKAJIMA
オープン日:5月1日(土)
席数:33席(カウンター席9席、テーブル席12席、座敷12席)
※全席禁煙
営業時間:昼 11:30から14:00
夜 17:00から21:30(21:00 L.O.)
※休業日無し
料金:昼 コース 1800円から
夜 コース 4000円から
※サービス料別
自慢作のカレーうどん
「麺処NAKAJIMA」
関東と関西では水の硬度が異なるため、このような工夫が求められるわけです。蕎麦のダシには枕崎産の鰹節にホテルの地下水と栃木県日光の水をブレンド。そば粉は、茨城の契約農家や信州長野産を吟味して取り寄せ、ホテル専用に製粉しています。そして、自慢作がカレーうどん。ホテルの伝統のカレーをベースに高知県産の生姜をたっぷりと使用。独特の風味となっていると思います」
「やはり女性層を意識したことで、圧倒的に女性客が多いですね。勿論、スーパースイーツシリーズ目当てというお客さまも多いわけですが、蕎麦とスイーツが同じ場所で楽しめるという便利さが好評を得ています。一方で、ワイン、日本酒、焼酎へのこだわりを見せたことで、“バー感覚”のご利用も多いですね。焼酎のそば湯割りは隠れた人気メニューとして既に定着した感があります」(ホテル広報)。
「先日は、ホテル滞在のイタリア人のお客さまが一人で来店されて、掛けうどん(1000円)をあっという間に2杯も平らげていました。ホットヌードルといった感覚なのか、とても満足されていました」(中島氏)。
最後の詰めはなんと言ってもNAKAJIMAスイーツ。2点盛り(スーパーショートケーキ・ミルクジェラート)700円など、こちらは例外なくオーダーされる定番の人気メニュー。
主なメニュー
「夜のコースメニュー」4000円
・ こだわり食材の前菜六点盛り
・ 温物
・ そばまたはうどん(江戸前そば・下町うどん)
・ NAKAJIMAスイーツ
「昼のコースメニュー」(1800円)
・ 健康野菜三点盛り
・ そばまたはうどん
・ NAKAJIMAスイーツ
単品メニュー
・ 冷菜9種類600円~2400円
・ 温菜8種類500円~1900円
NAKAJIMAスイーツ5種類700円~1000円
■ホテル ニューオータニ
「麺処 NAKAJIMA」(ガーデンタワーロビー階)
TEL:03-3221-2789
ドリンクメニュー 11:30 a.m.~2:00 p.m. / 5:00 p.m.~9:30 p.m.
世界最優秀ソムリエコンクール日本代表(2010年)の狭き門に召集されたホテルニューオータニの宝である森 覚 ・ 谷 宣英ソムリエが麺処 NAKAJIMAのために厳選したアイテムを贈ります。是非お試しください。
甲州 鳥居平畑 2008 | ボトル | ¥7,500 |
(山梨県、勝沼町) |
グラス | ¥1,500 |
シャンテY.A ますかっと・ベリーA プラス 2008 | ボトル | ¥7,500 |
(山梨県、勝沼町) |
グラス | ¥1,500 |
鶴齢 | 本醸造 | ¥900 |
|
純米吟醸 | ¥1,400 |
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大吟醸 | ¥1,700 |
八海山 | 本醸造 | ¥1,000 |
麦焼酎 | 夢ひらり | ¥700 |
|
千亀女 | ¥800 |
芋焼酎 | しま美人 | ¥700 |
|
伊佐美 | ¥1,200 |
米焼酎 | 亀 | ¥800 |
蕎麦焼酎 | 亀の海 | ¥800 |
|
そば湯割り | +¥100 |
サントリー角 | ハイボール | ¥700 |
|
水割り | ¥700 |
Chivas Regal 12 yrs.old | |
¥1,000 |
Yamazaki 12 yrs.old | |
¥1,500 |
鶴齢 | うめ酒 | ¥1,000 |
コカ・コーラ | ¥600 |
オレンジジュース | ¥600 |
ウーロン茶 | ¥600 |
産経新聞 2月13日
大手商社が相次ぎ中国のテレビ通販に参入している。中国国内では沿岸部の都市を中心に家電、アパレル製品、雑貨、食品などの生活用品市場が急成長しているため、テレビ通販の活用で内陸部の消費者も取り込む狙いだ。中国では物流や決済制度など通販事業の環境は十分に整っていないという課題もある。成否のカギは、環境整備がどこまで進むかにかかっている。
三井物産は1月、中国のテレビ局向けの商品供給や物流サービスなどを手がけるCCTVショッピング(北京市)に25%出資した。伊藤忠商事が昨年8月、韓国ロッテグループと共同でテレビ通販大手ラッキーパイに当初約63%出資したのに続いての参入だ。伊藤忠、三井物産とも、出資を足がかりに、日本の通販で扱っている商品を中国に紹介する計画だ。
背景には中国でのテレビ通販市場の急拡大がある。日本総合研究所の試算によると、2010年は前年比約30%増の300億元(約3750億円)を超えたもようだ。自宅で買い物ができる手軽さに加え、「画像で商品が見られる安心感が受けている」(業界関係者)という。
扱われている商品は衣料品や化粧品、家電、健康器具など日用品を中心に広範囲に及ぶ。自動車もヒット商品で、中国・上海の人気テレビ通販番組「東方CJ」は、トヨタ自動車や独BMW、アウディなどの自動車を09年9月~10年7月中旬までに月2回販売したところ、計438台を売った。放送時間にして平均96秒あたり1台が売れた計算になるという。
ただ、課題もある。物流と決済面の整備の遅れだ。注文しても品物が届かないケースもあるとされるほか、決済環境の整備も進んでいない。参入を見送っている別の大手商社は「今後の成長は環境整備の進み具合次第」と指摘している。(松元洋平)
◇日経スペシャル「ガイアの夜明け」 7月14日放送 第374回
熱狂と混乱の中国通販 ~目覚める13億人の消費パワー~
2008年秋のリーマンショック以降、すっかり落ち込んだ世界経済。その世界経済復活のけん引役に期待されているのが、中国だ。事実、上海では休日ともなればたくさんの買い物袋を下げた人々で町は賑わいを見せており、消費意欲は依然旺盛だ。
そんな中国で躍進しているのが通信販売。電話やインターネットで簡単に欲しいものが手に入るこの手法は、国土の広い中国の消費拡大の一翼を担い始めていた。しかし、そこには〝顔を合わせずに買い物ができる通販〟特有の落とし穴も…。
中国で急拡大する通販市場を通して、世界が注目する13億人の消費力の実態に迫る。
【急成長するテレビ通販~目玉商品は、なんとクルマ】
中国内陸部の湖南省。ここから中国全土に放送している湖南衛星テレビ。地方発ながらバラエティなどの娯楽番組で、北京や上海をはじめ中国中で人気のテレビ局だ。そんな湖南テレビが、手掛けて最近注目を集めているのがテレビショッピング。美しいモデルを使い、高級感を打ち出しながら商品を次々と売っていく。メイドインジャパンの家電製品も人気商品だ。
湖南衛星テレビの通販チャンネルを率いる陳社長にはある野望があった。それは上海進出。地方の小さなテレビ局が上海で放送を開始する…言って見ればチャイニーズドリームだ。放送開始の6月14日には上海から生放送を行うという。このイベントを成功させるために陳社長が考えた目玉商品とは、なんと自動車!1台330万円のアメリカ車だ。中国では、テレビショッピングでクルマまで売れてしまうのか?
【通販の落とし穴~業者の内部にカメラが潜入!】
インターネット通販も急成長を遂げている。すでに9兆円の市場規模に達したという報道もある。そんな熱狂の陰で、問題も多いのが現状だ。23歳の会社員、許さんはある悩みを抱えていた。それは若くして薄毛であること。このままでは結婚が危ぶまれると、許さんが意を決して購入したのが〝とねがわ〟という会社の育毛剤。数ヶ月前にネット通販で買ったという。しかしこの薬、全く効き目がないどころか、毛が抜けるという。許さんは言う「ネット上で世界各国で販売していると出ていたので信じてしまった。」返品したくて電話しても一向に応じてくれず、許さんは困り果てていた…。「カネか毛どっちか返して下さい」。
〝とねがわ〟という会社はどんな会社なのか?ホームページを見てみると、本籍は日本にあり、日本の化粧品市場で30%ほどのシェアを持つと書いてある…。日本の富士山脈(?!)にある朝鮮人参を原材料に使っている上、ノーベル賞を受賞した日本人とも深い関係があるという。正体を探りに会社に乗り込んだ取材班。そこで取材班が見た驚きの事実とは?!
【日本式通販も参戦!~カタログを届けろ】
急拡大を遂げる中国の通販市場。日本企業も手をこまねいている訳ではない。日本の通信販売の草分け、千趣会は中国で本格的なカタログ通販に乗り出した。日本品質という信頼の元、順調に売り上げを伸ばすかに見えたのだが…そこに立ちはだかったのが中国の郵便事情。ポストが日本に比べて小さかったり、郵便局員がカタログを勝手に捨てたりと様々な理由からカタログの到着率は一番高い上海で57%、成都ではなんと12%という低い数字に。カタログ通販はカタログが届かなくては意味がない。そこで千趣会が考えたのがカタログを小さくすることだった。小さくしてポストに入りやすくすれば到着率も上がると考えたのだ。しかし、カタログを小さくすることで商品数が減り、売り上げが落ちてしまったのだ!
カタログは小さいままで商品数を増やすにはどうすればいいのか…千趣会が打ち出した起死回生の策とは?!
◇日岩帝人商事(上海)董事長兼総経理 林 永造氏!
2010/08/19 Whenever ONLINE
テレビ通販にいち早く参入=東方購物の「販路」開拓も視野に!
テイジングループのNI帝人商事の現地法人、日岩帝人商事(上海)が、テレビ通販に参入して1年が経過した。これまでの販売を通じ、女性用下着・インナー、家庭用品などで手応えを掴んでいる。テレビ通販市場は今後10年で10倍に成長することが期待され、競争が激化している。同市場で生き残り、成果を上げるため、業界1位の東方購物の「販路」開拓の模索も始めた。同社董事長兼総経理の林永造氏に同事業の現状や課題、今後の目標などを聞いた。
―昨年7月、アジア・ネットワーク・ベンチャーズ・リミテッド(ANV社)に200万ドルを出資し、11月よりANV社のテレビ通販番組へ商品供給を開始した。
「ANV社は、中国テレビ通販業界で売上規模が第4位だ。江蘇省、浙江省、上海市郊外、山東省、広東省、甘粛省などの約60都市のテレビ局で通販を展開し、約1600万世帯をカバーしている。昨年7月、ANV社が新規発行した普通株式200万米ドル相当を引き受けた後、11月の放送から商品の供給を開始した」
―日系の商社の中で、他社に先駆け中国のテレビ通販へ本格参入した。
「参入の理由はなんと言ってもその市場性だ。中国の通販市場は現在約2兆円規模で、その中でテレビ通販市場は2500億円だ。これが今後10年で10倍の規模に成長することが期待されている。中国市場が拡大する中、当社では近年、内需開拓をテーマにしており、非常に大きなポテンシャルを持つテレビ通販に着目した」
―自社製品と顧客パートナーの商品を供している。
「テレビ通販事業では、当社が商品の開発・生産・供給を行う“ 共同開発商品事業”と、顧客パートナーの商品を販売する“プラットホーム事業”の2つで展開している。共同開発商品事業では、当社がこれまで対日本向けOEM事業で培ってきた生産のノウハウとインフラを活用している」
―どんな製品の引き合いが多いのか。
「テレビ通販の視聴者は主婦層が多い。また、ANV社の番組は2、3級都市で放送されるため、消費力は上海などの大都市よりも少し劣るようだ。放送開始から10カ月、こうした層がどんな商品を求めているのか模索してきた。これまで反響が良かったのは、女性用下着・インナー、電気毛布などの家庭用品だ」
―化粧品やサプリメントの取り扱いにも乗り出す。
「今後、販売に注力したいのがサプリメントと化粧品だ。また、家庭用品のアイデア商品なども扱ってみたい。利便性が高く、主婦層にすぐに欲しいと思わせるメイド・イン・ジャパンのアイデア商品が受けそうだ」
―現在、業界1位の東方購物の「販路」開拓も模索している。
「テレビ通販業界は現在、過当競争となっている。こうした中、トップの東方購物の番組に、商品供給を行うことも検討している。東方購物は上海を中心に放送しており、購買力の高い層に向けた商品の拡販が期待できる」
―内販企業は、テレビ通販をテスト販売のツールとして活用することができる。
「テレビ通販は無店舗で、販売員も要らず、店舗販売に比べてコストは非常に安い。これから中国内販を本格化させる企業にとっては、マーケティング調査やテスト販売のためのツールとして活用できる」
―3年後の売上目標は5億円だ。
「3年後に売り上げを5億円に拡大、5年後には30億円を目指す。今後、試行錯誤しながらマーチャンダイジングの精度を向上させ、提携先の拡大にも取り組んでいくつもりだ」
―テレビ通販事業とともに、事業の柱となっている繊維内販事業も好調に推移している。
「これまでは対日本向けの衣料品の製造輸出が中心だったが、近年は内販に主軸をシフトしている。われわれは中国で長年日本企業向けOEM事業を通じて、生産・品質管理やデザインのノウハウ、インフラを構築しており、これらを活用し、現在中国企業の顧客に日本品質の商品を提供している。代表的なお客様は、中国最大手のスポーツ用品メーカー、リーニン(李寧)だ。リーニンとはテイジングループ一丸となってビジネスを展開しており、今後取り引きをさらに拡大していきたいと考えている」
上場投資信託(ETF)
http://ja.wikipedia.org/wiki/ETF
密かな人気 投資信託なんか、やっている場合じゃない?
2011年02月09日(水)現代ビジネス
投資信託よりずっと低コスト。証券会社にとっては旨味の少ない商品だから、窓口に出向いても勧められない。
表に出されず、こっそり隠されている。そんな「お宝」商品を見つけてしまった---。
米国ではすでに人気沸騰中!
貯蓄から投資へと謳われてから約10年、やっと日本人もタンス預金にしまいこんでいたおカネを投資に回すようになってきた。中高年の夫婦が証券会社や銀行の窓口に出向き、商品を見比べながら購入している姿はいまや全国で見られる。
預金に代わる代表的な投資先となったのは、投資信託。投資信託協会が先日発表した調査結果によると、投信残高は2年連続で増加したという。
だが実はここ数年、金融先進国である米国では投資信託への投資熱が冷えこみ始めていることはあまり知られていない。さらに投資信託と「似て非なる」ETFなる商品の人気が過熱しているともいう。何が起こっているのか。
「かつては米国でも投資信託が人気でしたが、個人投資家が不利益を被っているとされる不正取引などが相次ぎ、信頼が落ち込んだ。そこで代わりに人気が集まったのがETF。ETFは投資信託の一種で、『何に投資しているか中身がすべて公開されている』『手数料が安い』というメリットが付け足されていることが特徴です。
個人投資家のみならず、ハーバード大学の年金基金など機関投資家もETFへ殺到したことで、この10年で市場規模(時価総額)が100倍以上に拡大、商品数も1000を超えた」(日米中など世界の金融市場情報を提供するT&CホールディングスCEOの田中茂樹氏)
米国ではあと2~3年で投資信託の市場を追い抜くとも言われているETFの最大の特徴は、投資信託にくらべて手数料が安いことにある。そのため手数料ビジネスで稼ぐ証券会社にとっては「旨味の少ない商品」として積極的に売られてこなかったが、一連の不祥事を通じてその"欺瞞"が発覚し、証券会社が売りに出ざるをえなくなったということだ。
さらに、こんな事情もETF人気を後押ししている。
「米国では中高年が資産運用しようとする場合、証券会社の窓口に行くのではなく、ファイナンシャルアドバイザー(FA)と呼ばれる専門家を雇うケースが増えている。FAの報酬は運用して儲けたおカネの何%という成果で決められるため、顧客の儲けを第一とする投資を行ってくれるからです。
ではFAがまず何を勧めるかというと、投資信託でも個別株式でもない。長い目でみて値上がりが期待できるETFなんです」(米国の金融事情に詳しい投資アドバイザー会社S&Sインベストメンツ代表の岡村聡氏)
証券会社は売りたがらないが、安定的に儲けられる可能性が高いのがETFということ。
そして日本でもいま、投資信託への不信がくすぶりつつある。「毎月、分配金が出るので年金のように使える」などと勧誘されて購入したはいいものの、一向に儲からないと感じる投資家が増えているからだ。
実際、投資信託(公募型)の運用損益は昨年だけで3兆円超のマイナス。基準価額を下げている投信も多く、元本割れによって数百万円単位で損失を被った投資家も出てきている。
ETFは日本ではまだ馴染みは薄いが、実はすでに100本以上売られており、その魅力に気付いている投資家の間で密かに人気を集め始めてもいる。一般投資家も米国に倣って「投資信託を売ってETFを買うべし」といきたいところだが、よくわからない商品では及び腰になってしまうだろう。
ここからはETFの詳細・魅力についてひとつひとつ見ていこう。
手数料がバカ安!
■そもそもETFとは!
ETFは「Exchange Traded Funds」の略。投資家から集めたおカネを、運用のプロが株式や債券などに分散投資する投資信託の一種である。
ただ大きく違うのは、上場されていて、市場で売買できるということだ。
「ETFは企業の株式のように取引所に上場されている投資信託というイメージで考えればよい。取引所が開いている間は、時価で売買できる。ただ購入できるのは証券会社だけで、銀行などでは買えない。日経平均などの株価指数に連動して値動きする商品(インデックス型)が中心です」(楽天証券経済研究所客員研究員で経済評論家の山崎元氏)
■投資信託との比較 1
気になるのは、投資信託とくらべてETFがどれほど優れているかということだろう。まず目につくのはそのコストの低さだ。
購入時にかかる販売手数料を見ると、投資信託の場合、一般的に購入金額の2~3%かかるが、ETFはネット証券などを利用すると1%以下におさえられる。
さらに保有し続けている期間中はずっと払い続けなければいけない信託報酬は、投資信託の場合2%前後のものが多い。この高コストが「落とし穴」となって、信託報酬を払いすぎた結果、トータルで見ると損をしていたということもある。一方でETFの場合ずっと低く、0.5%くらいのものがほとんどだ。
「たとえば60歳の中高年が退職金で1000万円投資した場合、初年度で約20万~30万円も差が出る。さらに毎年払う金額も10万円ほど違うので、積み重なればバカにできない金額になります。ネット証券がやっている売買手数料をゼロ近くまで下げるキャンペーンなどを利用すれば、より差は大きくなる」(岡村氏)
■投資信託との比較 2
投資信託にくらべて優れている点はほかにもある。
「投資信託の価格(基準価額)は1日に1回しか決まりません。そのため株価が大暴落している日に持っている投資信託を急いで売ろうと思っても、マーケットが終了したあとに決まる超安値でしか売れない。
一方でETFは株式と同じなので、取引所が開いている間はいつでも売却することができるのです」(『ETF投資入門』などの著書があるインデックス投資アドバイザーのカン・チュンド氏)
■ETFの凄さ!
たとえば日本の製薬業界はこれから成長すると確信しているが、どの企業が伸びるかまでは判断できないとする。こういう時、プロ投資家は莫大な資金を元手にアステラス製薬、第一三共などの個別製薬株を網羅して買うことで、業界全体の成長に投資することができる。手持ちの資金が限られている個人投資家にはできない離れ技だが、これをETFは可能にする。
「この場合、『NEXT FUNDS 医薬品(TOPIX-17)上場投信』というETFを1口買うだけで、日本の製薬業界全体に投資できる。しかも現在の価格は1万4000円ほど。そんな安価でプロ並みの投資ができるのです。新興国が伸びると思ったら、新興国全体をカバーするETFを買えばいい。ほかにも中国、ブラジルといった国ごとのETF、金、銀、プラチナなど商品ごとのETFもあります」(カン氏)
ここまでをまとめると、ETFとは「手数料が安く」「簡単に」「プロ並みの投資ができる」ということだ。とはいえ、日本に上場されている銘柄だけでも100以上ある。具体的に何をどう買えばいいのか。そしてどれくらい儲けられるのか。投資のプロ達に続けて教えてもらおう。
資産400万円増も!
■何を買えばいいのか
ETFの強みはなんといってもインデックスに連動しているということ。ただインデックスと一口に言っても、日経平均、TOPIX、NYダウといった代表的なものから、ロシアの株式指数RTS、ブラジルの株式指数ボベスパなど様々ある。どれに投資すればいいのか悩むところだが、シンプルに考えればよい。
「特定の国や業種のどこが上がるかを調べるのは面倒ですし、それが当たるとは限らない。であれば最初から世界の株式市場全体に投資するのが一番でしょう。人類が滅亡しない限り株式市場はなくならないし、資本主義が人間の欲望によって自己増殖するシステムだとすれば、長期的には市場は拡大、株価は上昇を続けるからです」(ベストセラー『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』などの著書がある作家の橘玲氏)
世界の株式市場全体に投資すると言われると途方もないことのように聞こえるが、実はこれもETF一つでカバーできる。
「具体的にはNASDAQに上場している『iシェアーズRMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス・ファンド』やNY市場上場の『バンガード・トータル・ワールド・ストックETF』を買えばいいだけです。これらのETFは国内市場には上場していませんが、SBI証券や楽天証券などのネット証券を通じて購入することは可能です」(橘氏)
上のグラフは世界市場全体がどれほど伸びているかを示すインデックスの推移。波はあるものの、10年スパンで見れば2倍、20年だと4倍に成長していることがわかるだろう。
ただ上記に挙げた二つの銘柄は海外の市場に上場しているETFのため、手数料が高くつくというデメリットがある。しかし国内市場に上場されている銘柄を組み合わせることでも、世界全体に投資することは可能だ。
「以下の3つを保有すればいい。具体的には日本を除く先進国20ヵ国以上をカバーしている『上場インデックスファンド海外先進国株式』、新興国をカバーしている『上場インデックスファンド海外新興国株式』、それに日本の市場に連動した『TOPIX連動型上場投資信託』。世界経済全体は、サブプライムショックの時は落ちこみましたが、平均で4~5%は伸びています。ETFについてもそれほどの上昇が望めるということです」(岡村氏)
■儲けはどれくらいか
では世界全体が仮に5%で成長を続けると仮定した場合、どれくらいの儲けになるのか。月に5万円ずつ投資した場合、どれくらい資産が増えるかを示したのが下の表である。いまメガバンクの普通預金金利が0・1%にも満たないことを考えると、儲けの差は10年で約200万円、15年で400万円以上も膨らむことになる。
「あとは何%の利回りを目指すかということによって組み合わせるETFを変える。日本を含めた先進国だけをカバーすれば3%ほどの成長が期待できるので、それを目指すのなら前出の『上場インデックスファンド海外先進国株式』と『TOPIX連動型上場投資信託』の二つを保有。もっと高い成長を求めるなら、新興国をカバーするETFの割合を増やせば7%も目指せるかもしれない。ただ新興国の株価は変動が大きいので、注意が必要です」(岡村氏)
日銀も買っている!
定年退職し、手元に1000万円ほど持っていたとしても、一気に資金を投入するのは得策ではない。
「毎月、買う日を決めておいて、同程度の金額で購入していくのが一つの方法です。インデックスに連動しているから中長期では値上がりが期待できるとはいえ、短期では上下の値動きがでてくる。
だから読みを誤ると高値をつかまされる。代わりに高いときも安いときも買うことで、平均購入価格を引き下げることができるのです」(証券アナリストの植木靖男氏)
■バカ儲けはできないのか!
そもそも大儲けを狙える商品ではないが、買い方によっては大きな値上がりもゲットできる。
「いま投資するとすれば日経平均株価やTOPIXに連動するETFを短期売買してはどうでしょう。実は日銀が金融政策の一環として、ETFを購入することが決まっている。となれば大きな値崩れリスクが軽減されます。たとえば、『日経225連動型上場投資信託』は昨年8月にくらべ今年1月は2000円ほども値上がりしている。ただ大きく値上がりするものは、大きく値下がりする可能性があることを忘れてはいけません」(ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏)
■最近人気の金はどうか!
最近、人気が高い金の市場に連動しているETFもあるが、これはあまりオススメしないという。どうしてか。
「金価格が上昇すると読んでいるのなら、金鉱株の個別株投資や金鉱株ファンドに投資したほうがより効率的に儲けることができる。しかも個別株投資なら配当も得られるが、ETFは信託報酬をとられる。そうした点からもETFで金に投資する合理的な理由は見あたりません」(山崎氏)
■気をつけたいリスクとは!
もちろん元本保証ではないから、値下がりリスクを忘れてはいけない。さらにETFには、「上場廃止」という仕組みがある。
「出来高が極端に少なくなると、ETFの運用が取りやめられることがあるのです。この場合、上場廃止として、そのときの時価ベースでおカネを投資家に返すことになります。ただそれぞれのETFの出来高は公表されているので、それで危険なETFを見極めて欲しい」(カン氏)
見てきたように、ETFは素人でも簡単に確実に資産を運用できる。銘柄はたくさんあるので、投資の楽しみもある。ただむやみやたらに手を出すべきではないと専門家は口を揃える。
「あくまで日経平均や世界の株式指数など、市場や世界の株価動向に連動するものをETFで買って、中長期で少しの値上がりを楽しむ。それ以上のギャンブル性などを求める人は、やるべきではないでしょう」(山崎氏)
10年で100万~200万円と資産を増やせれば、豪華な海外旅行にもでかけられる。目減りする投資信託を黙って抱え込んでいるより、よっぽどいい投資生活が送れるはずだ。
エアロトレイン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3
「アホウドリ」がヒント、速くて省エネの新交通システム!
2011年2月1日(火)日経ビジネス 山田久美
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110126/218156/?top
最高時速は時速500キロメートル。世界最高時速581キロメートルを誇るJR東海の「磁気浮上式リニアモーターカー」と同等の速さを実現しながら、リニアモーターカーの約9分の1のエネルギーで移動できる新交通システム「エアロトレイン」の研究開発が進んでいる。
1500キロメートル――。これは、アホウドリが1回の食事で移動できる飛行距離だ。我々人間が徒歩で移動する場合、時速5キロメートルとしても300時間、つまり2週間近く、休むことなく歩き続ける計算になる。では、なぜアホウドリはこんなに“燃費”が良いのか。その理由の1つが「地面効果」と呼ばれる自然現象である。
地面効果とは、地面とスレスレの高さを翼を使って移動する際に、地面と翼の間に挟み込まれた空気がもたらす強い上向きの力のことだ。
移動中のエアロトレイン
地面と翼の間に空気を挟み込む!
その地面効果を応用して、時速500キロメートルという高速移動を可能にする新交通システム「エアロトレイン」の研究開発が進んでいる。動力に利用するのは太陽光発電や風力発電など自然エネルギーだけ。手がけているのは、東北大学未来科学技術共同研究センターの小濱泰昭教授である。
飛行機は「揚力」を使って浮上する。翼は、前方から風を受けることで、翼の上の部分よりも下の部分の方が、空気の圧力が高くなる。その結果、翼が下の部分の空気によって押し上げられ、機体が浮き上がるというわけだ。この上向きの力が揚力である。
ここで機体の高度を上げないとどうなるか。地面と翼の間に空気が集まるため、翼の下の部分の空気の圧力が高まり、揚力が増すことになる。これが、地面効果である。
地面効果は地面から離れるに従って弱まるため、機体はある程度浮上し、地面効果がなくなった時点で下降し始める。しかし、前進している限り、地面と翼の間に挟み込まれた空気があるので、それがクッション代わりとなって、地面に落下することはない。地面からの高さは、速度が決まればある一定のところで落ち着く。つまり、地面スレスレの高さを飛び続けることができるのである。
エアロトレインには、機体に4枚の翼が取り付けられており、3方が壁面に囲まれた凹型の専用路「ガイドウェイ」内を浮上走行するように設計されている。
翼の先はL字型になっており、L字の部分は安全翼と呼ばれる。翼と地面との間、そして、安全翼と壁面との間の計8カ所で、地面効果を発生させるようになっているのだ。安全翼と壁面との間に発生する地面効果は、機体が壁面にぶつかるのを防ぐ働きを担っている。
推進力は、機体の両脇に取り付けられた2つのプロペラを回転させることで得る。プロペラの動力は、ガイドウェイ脇に設置した太陽電池を利用する。現在は充電池にためて機体に積んでいるが、将来はパンタグラフ式にして、常時、電力供給ができるようにする計画だ。
一方、自動車や鉄道など地上を走る乗り物は、速度を上げると急速に空気抵抗が高まる。通常、空気抵抗は速度の2乗に比例して増大する。速度が2倍になれば空気抵抗は4倍に、3倍になれば9倍になってしまうのだ。
それに対し、エアロトレインが極めて少ないエネルギーで高速移動できるのは、地面効果が、空気抵抗を下げる働きを持っているからだ。
実は、地面効果を利用した乗り物はこれまでにも開発されてきた。しかし、その中心は水面を地面効果で浮上走行する軍用の「水面効果艇」で、地上を走る一般向けのものはなかった。しかし、水面に立つ波を受けて沈没するなど事故が後を絶たなかったため、現在は製造されていない。
元々、飛行機などの空気抵抗の研究をしていた小濱教授が地面効果を知ったのも、水面効果艇が最初だった。1986年から2年間、ドイツに留学した際、同僚が水面効果艇のモデル実験を進めており、それに衝撃を受けたのだ。
「これは面白い!と思った。帰国後も地面効果のことが頭から離れなかった」。小濱教授はこう振り返る。
そして帰国後、小濱教授はすぐさま、エアロトレインの研究開発を始めるきっかけとなるプロジェクトに携わることとなる。それは、新幹線の初代「のぞみ」号の開発プロジェクトだった。
新幹線が開業したのは1964年のこと。ここで改めて、初代の0系の「ひかり」号から最新のN700系まで、新幹線の歴代の先頭車両を見比べてみると、形状がより流線型に近づいていることが分かる。空気抵抗を下げるためだ。特に顕著に表れているのが、開業以来、維持してきた最高時速220キロメートルを、一気に時速270キロメートルに引き上げた初代のぞみ号だ。そして、その先頭車両の形状を考えたのが、この小濱教授である。
「しかし、残念ながら、先頭車両の形状の改良による空気抵抗の低減効果は、“スズメの涙”程度だった。地面に密着して走る限り、先頭車両の形状をいくら工夫しても、空気抵抗の大幅な削減は期待できない」。小濱教授はこう打ち明ける。
新幹線は床下の空気抵抗が壁に!
これまで鉄道で空気抵抗というと、先頭車両ばかりに目が向いていた。ところが、実はそれ以上に大きな空気抵抗を生んでいたものがあった。それは、車両の床下面と路面との間の部分の空気抵抗だったのだ。
車両の床下面と路面との間は狭く、かつ床下面も路面もデコボコしている。そのため、乱流が発生し、それが大きな空気抵抗となっていたのだ。しかし、この部分の改良は難しい。しかも、新幹線は16両編成で全長が400メートルもある。
「要するに、鉄道車両における空気抵抗の軽減には自ずと限界があり、高速化と燃費のバランスを考えると、N700系の時速270キロメートルがゴールだという結論に達した」。小濱教授はこう語る。
そうなると、気になるのが、2027年の開業を目指し、研究開発が進められている磁気浮上式リニアモーターカーだ。それに対しても、小濱教授の見方は厳しい。
「リニアモーターカーは燃費という観点から見ると、非常にエネルギー効率が悪く、新幹線の3倍もある。お世辞にも環境に優しい乗り物とは言えない」。
理由は、まず、超電導方式のリニアモーターの場合、投入する電力に対し、その1%程度しか推進力に変換できないため。そして、時速500キロメートル以上で走るにも関わらず、車両と3方を囲む壁の間が狭く、空気抵抗が大きいためだ。
では、高速化と燃費の維持・向上を両立させるような、地上を走る交通システムはもうないのか――。この課題に直面したとき、小濱教授の頭をよぎったのが地面効果だったのだ。
「飛行機のように翼を持たせ、地面効果を使って、地面からスレスレの高さを高速で浮上走行する新幹線のような乗り物を作ろう」。1986年、小濱教授は、のぞみ号のプロジェクトと並行して、この夢の実現に向け、行動を開始した。
最初の約10年間は、机上での理論計算が中心だった。しかし、1997年から1998年にかけて大きな進展があった。
まず、旧運輸省の支援により、エアロトレインに関する調査委員会が発足。時速500キロメートルを前提とした場合、新幹線の3分の1、そして、リニアモーターカーの9分の1のエネルギーで走行できるというお墨付きをもらったのだ。これにより、小濱教授は自信を強めた。
次いで、財団法人鉄道総合技術研究所(JR総研)が、宮崎県日向市にあったリニアモーターカーの実験線を山梨県に移転するのに伴い、日向市の実験線跡地の有効利用者を募集し始めた。それは、エアロトレインの実験走行に最適な施設だったため、絶妙なタイミングだった。小濱教授はすかさず応募し、無償で借りることができた。
小濱教授は、早速、これまで積み重ねてきた理論研究を実証するため、エアロトレインの第1号機を製作し、走行実験を開始した。そして、1999年、世界で初めて、地面効果によって地面の上を安定して浮上走行できることを証明した。
羽田-成田間の地下トンネルで走らせる!?
第2号機では、少ないエネルギーで走行できることを示すため、太陽光パネルで発電した電力のみで推進することを実証した。
そして、現在は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受け、幅3.3メートル、長さ8.5メートルの2人乗りの第3号機で実験を繰り返している。産業技術総合研究所の提案により、機体は難燃性のマグネシウム合金製に変えた。これは、同等の強度を保つアルミニウム合金に比べ約60%の軽量化が図れる新材料だ。
第3号機を使った実験には、NEDOから宿題が出ている。2011年3月までに、「1人の人間を、時速200キロメートルで、1キロメートル移動させるために必要なエネルギーを35キロカロリー以下に抑える」というものだ。「達成のメドは立っている」と小濱教授は自信をのぞかせる。
これがうまくいけば、来年度からは実用化研究の段階に入る。最終的には、3両編成、360人乗りを開発し、45メガワットの発電量で、区間500キロメートルの距離を、時速500キロメートルで、12分間隔で、往復走行させる計画だ。2025年には実用化できると踏んでいる。
「そのため、今後はますます産業界からの支援や協力、理解が重要になる」と小濱教授は話す。
とはいえ、エアロトレインを導入するには、ガイドウェイを敷設する必要がある。日本にはすでに新幹線という高速鉄道が整備されており、新幹線をエアロトレインに置き換えるというのは、あまり現実的ではない。そこで、現在、小濱教授が目を付けているのが、羽田空港と成田空港間の地下トンネルだ。これが実現すれば、羽田と成田を約10分間で移動できることになるという。もちろん、今後、新交通システムの導入が見込まれる新興国へも積極的にアピールしていく計画だ。
羽二重(ケース16ロール→販売価格2,980円 (税込 3,129円)TEL 088-854-0831)
http://www.habutae.net/
土佐藩(1)~望月製紙の「羽二重」
2011.02.01(Tue)JBpress
望月製紙(高知県土佐市)がつくる「羽二重」は、まさに常識破りのトイレットペーパーだ。
まず、その柔らかさ。スーパーマーケットやドラッグストアで売っている一般的なトイレットペーパーとは、触った時の感触がまったく違う。「ふわふわ」という言葉がぴったりするほど軽くて柔らかく、肌触りが優しいのである。
また、価格も常識破りだ。スーパーの安売り商品は、1ロール当たりの値段が50円を切るのが当たり前。店によっては20円を切るものすらある。ところが羽二重は1ロールが300円近くもする。日用品としておいそれとは買えないような高額商品なのだ。
最も常識破りなのは、購入する人の目的かもしれない。世の中でトイレットペーパーを買う人は、まず間違いなく自宅(もしくは自分たちの会社や店など)で使うためである。ところが羽二重は贈答品として購入する人が多い。なんとトイレットペーパーをお中元、お歳暮として、お世話になった人に贈るのである。
「柔らかいって言われるのにひりひりするやないか」と開発に着手!
そんな超高級トイレットペーパー「羽二重」を開発したのは、望月製紙の4代目社長、森澤良水さんだ。
四万十川、仁淀川といった清流が流れる土佐は、古くから和紙づくりが盛んだった。望月製紙はその地で、昭和初期に手すき和紙づくりで創業した。
「2代目社長の時からトイレットペーパーをつくっていて、当時から『柔らかい』という評判をいただいていました。けれども、ごく普通のパルプを原材料にして、安くつくっていました。特に柔らかさを追求していたわけではありません」(森澤社長)
転機となったのは、2000年頃だ。森澤社長が体調を崩して、頻繁にトイレに行く時期があった。「おしりをひんぱんに拭くものだから、痛くなってきたんですよ。うちの商品は『柔らかい』って言われるのに、ひりひりするやないかと。そこで、どうせならとことんこだわって柔らかい紙をつくったら面白いんやないかと思ったんです」
安売り合戦の中で利益を上げて生き残っていくためにも、望月製紙ならではの特徴ある商品の開発が求められていた。
こうして、森澤社長はとことん柔らかいトイレットペーパーを目指して、一から開発に着手。約5年の開発期間を経て誕生したのが「羽二重」(2005年発売)である。
ふんわりした柔らかさを生み出す製法の秘密!
その柔らかさの秘密は、原材料となるパルプと、加工方法にある。
羽二重は、数種類のパルプを独自の配合比率で組み合わせてつくられている。
「パルプというのは何種類あると思いますか? 実は100種類以上あるんですよ。繊維が太いのもあれば細いのもあるし、固いのも、柔らかいのもある。そういうのを片っぱしから取り寄せて、どれとどれを組み合わせると柔らかくてふんわりしたのができるのかを、徹底的に調べていきました」
加工の時間のかけ方も他社の商品とはまったく違う。まず、漉いた紙の乾燥に十分な時間をかける。
「ホットケーキを焼く時に、あわててヘラでぎゅうぎゅう押し付けたら、硬くなりますよね。逆に、とろ火でじっくりと焼いたら、ふんわり焼けます。それと同じように、ゆっくりゆっくり乾燥させる。すると、ふんわりとして温かみのある紙になるんです」
紙を巻き取る機械の回転速度も、一般的な製法と比べて桁違いにスローだ。
大手メーカーは生産効率を考えて、機械をできるだけ高速に回そうとする。だが、回転速度を上げると、紙が切れてしまう。そこで、切れないようにするために、原料の段階で「叩解度」を上げているのだという。
つまり、繊維と繊維をからみ合わせて強くしているのです。でも、そうすると、つるつるした洋紙みたいな紙になってしまいます。それではトイレットペーパーとして柔らかくないし、使いにくいですよね。そこで、紙の表面にデコボコ(エンボス)を付けることで、柔かく感じさせるようにすることが多い。表面にローションを塗って、柔らかくしている製品もあります」
一方、羽二重は、素材の力と加工の工夫だけで柔らかくしているのだという。
「柔らかい紙をつくるためには、できるだけ機械の回転速度を遅くしなければなりません。最適な回転速度について、さんざん試行錯誤してきました。その結果、うちの機械の回転速度は大手メーカーの10分の1ぐらいなんですよ」
使うたびに贈ってくれた人の顔を思い出す!
羽二重を発売してから2年後の2007年には、羽二重をさらに柔らかくしたトイレットペーパー「羽美翔(はねびしょう)」を発売した。三笠宮家にも献上しているという、皇室御用達の最高級品である。
望月社長にとって、柔らかさの追求にゴールはない。「もっと柔らかくなるんじゃないかと思って、今もずっと改良を続けています。パルプの組み合わせの研究も継続的に行っています」という。
こうした休むことのない改良・開発のモチベーションとなっているのは、購入者から送られてくるハガキである。
望月製紙の商品には、意見や感想を書いてもらうハガキが同梱されており、毎月、全国の購入者から100通近くのハガキが返送されてくる。
ハガキの内容は例えばこんな具合だ。
<育児疲れをこの紙で癒やしています>
<これを使うと我が家がみんな笑顔になります。家庭円満にもつながっているみたいです>
<友人に贈ったところ、使うたびに私を思い出してくれるとのことです>
森澤社長は、「こういうハガキをもらっていると、いい加減な商品をつくってはいけないし、いい商品、喜ばれる商品をつくらなければならない、と思いますよね」と語る。
2010年は、羽二重と羽美翔を合わせた売り上げが、前年比で約2倍に拡大した。大量生産できないので通信販売のみ。広告宣伝も打っていない。しかし、テレビや新聞、雑誌などで取り上げられ話題になったこともあり、知る人ぞ知る商品としてファンを増やしている。
何よりも、プレゼントとしてもらった人が自分で注文してくるケースが増えているという。もらった人が使い心地に感激し、今度は他の人に「使ってほしい」と思うようになるのだ。
望月製紙がつくっているのは、もはや「たかがトイレットペーパー」ではなく、人と人をつなぐ魔法のトイレットペーパーなのである。
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