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2010/11/03(水)サーチナ
中国太平洋経済協力全国委員会事務局長の呉正竜氏が「日本がTPP参加に意欲的なのはなぜか」と題する論評を発表した。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は同論評より。
日本の菅直人首相は10月24日、全閣僚にTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加についての調整を急ぐよう指示した。日本はこれまでに何度もTPP参加に意欲を示してきたが、実際の行動にはまだ出ていない。
菅首相は、11月に横浜で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、日本がTPP参加を表明することを示唆した。日本がTPPに参加すれば、アジア太平洋自由貿易区の建設に大きな影響を与えるため、各方面からの注目を集めている。
TPPの交渉は今年始まり、すでに3回の交渉が行われた。参加国は米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、シンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリで、次の交渉は12月上旬にニュージーランドで行われる。米国によると、TPPは「21世紀に向けた、高水準の自由貿易協定の締結」「参加国をすべてのアジア太平洋地域の国に拡大」を目的としている。
日本のTPP参加意向には、多くの意図が含まれている。
まず、日米同盟強化の姿勢を経済分野で具現する。TPPは米国がアジアに回帰し、アジア太平洋地域の自由貿易区の建設を再始動させ、APECを主導する上で一つの足がかりとなる。しかし、オーストラリアなど7カ国の市場規模はあまりに小さく、米国の雇用増加と輸出拡大の戦略目的を実現することはできない。米国は日本を引き入れ、雪だるま式にTPPを大きくし、最終的に中国を含むすべてのアジア太平洋諸国のTPPの潜在的な市場規模を大いに引き出すことを考えている。そのため、米国は日本のために力を尽くしている。日本はTPP参加に積極的に取り組み、米国の戦略目標の実現に一肌脱いでいる。
次に、これは日本のアジア太平洋市場を開き、輸出を拡大し、経済成長を実現するための戦略でもある。日本は「失った20年」と世界金融危機の影響を経て、財政赤字の増加、負債の増加、デフレ、高齢化などの経済に関する難題が山積みになっている。TPPという「自由貿易の急行列車」に乗り込めば、日本企業の不利な競争地位を変え、工場の急速な海外移転の動きを転換し、経済の起死回生の道を切り開くことができる。
最後に、現在は日本がTPPに参加するのに重要な時期である。これまでの3回の交渉では枠組み協定や、執行中の自由貿易協定との関係が主に話し合われ、農産品や繊維製品、労働者の保護、政府調達、知的財産権の保護など実質的な項目の話し合いはまだ行われていない。この時期に参加すれば、具体的な項目の話し合いに直接参加し、自国の利益を保護することができる。ところがこの時期を逃せば、新参者はすでにまとまった項目や案文に従うしかなく、選択の余地はなく、受け身になる。
日本のTPP参加意向は交渉を複雑にするに違いない。交渉はこれまでの米国とほか7カ国に対するものではなく、米国と日本の駆け引きになるだろう。世界一と世界3位の経済国である両国の貿易の利益と要求には大きな差があり、交渉は複雑さを増すと考えられる。
そのほか、日本がTPPに参加すれば、TPPの吸引力は大幅に増加するだろう。マレーシアがTPP参加を表明したほか、すでにタイ、フィリピン、カナダなども参加意向を示している。日本はドミノ効果を引き起こし、アジア太平洋諸国は参加を競うことになり、アジア太平洋のそのほかの国は関心を高め、対策を練る必要がある(編集担当:米原裕子)
*TPPに参加するならば、2つの“地雷”に注意せよ!
2010年11月01日 藤田正美,Business Media 誠
横浜で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議を前に、菅首相がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加のアドバルーンを上げている。シンガポールやニュージーランドとの首脳会談で「参加を検討している」と表明したのだ。
TPPとは2006年にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国の貿易協定から始まった。現在はさらに米国、ベトナム、マレーシア、オーストラリア、ペルーを加えて9カ国で多国間の自由貿易、経済連携の協定締結に向けて話し合いが進んでいる(ちなみにこのTPPのもともとの英語はTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement、まだ訳語が定着していないが、ここでは外務省の訳に従った)。
多国間と2国間との大きな違い!
TPPの特徴は多国間の経済連携協定であること。FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)は2国間の協定だ。日本は先頃、インドとのEPA締結で合意した。これで12カ国・地域と自由貿易協定を結ぶことになるが、韓国や中国もこうした2国間協定を積極的に進めており、日本は「出遅れ」を指摘されている。
多国間と2国間との大きな違いは、多国間の場合、それぞれの国の事情に伴う「例外」が認められにくくなるということだ。153カ国もの国が参加しているWTO(国際貿易機関)のドーハ・ラウンドは、簡略化して言えば先進国と発展途上国との対立をなかなか解くことができないでいる。しかし2国間であれば、関税撤廃の例外品目を交渉することも可能だ。実際、日本が各国とFTAやEPAを結ぶ場合はそうしてきた。しかしTPPの場合は、原則として例外品目を設けないとしている。
こうなると「参加を検討」と首相が言っても、そう簡単に事は進まない。すでに与党内からも慎重論や反対論が相次いでいる。民主党の山田正彦前農水相が会長となって「TPPを慎重に考える会」が結成され、鳩山由紀夫前首相がその顧問に就任している。農水省は、もしTPPに参加して農産物が自由化された場合、現在の食糧自給率40%が14%に低下するとの「衝撃的」な試算を発表した。また北海道庁も、年間で2兆円を超える打撃を受けるとの試算を発表している。
郵政問題を抱える民主党!
農業だけでも説得するのは難しいのに、もう1つ「郵政」という大問題もある。TPPは貿易だけでなく経済全体のバリアを撤廃の方向に持って行こうとするもの。その中では郵政民営化を180度逆転させようとするいわゆる「見直し法案」はTPPの方向性とは相容れない。もちろんこの交渉を主導する米国からは郵政民営化を推進するように要求が出るはずだ。
そうなったら連立相手の国民新党との約束を反故にしなければならない。それに民主党そのものも民営化には反対していた。なぜなら労組の問題があったからである。TPPに参加するというのなら、郵政民営化を逆転させる「見直し法案」の再提出が困難になることは火を見るよりも明らかだ。TPP推進派と言われる前原外相や仙石官房長官は、果たしてこの問題まで見据えているのだろうか。国民新党との連立解消などということになったら、政権を維持すること自体危うくなるだろう。
農業と郵政という地雷!
農業では超党派の反対論が巻き起こり、郵政では与党や連立政権内の対立が浮き彫りになる。これだけ政治的に難しい課題を11月半ばまでに解決する気が本当にあるのかどうか、かなり疑問だ。
それでもTPPへの参加は必要だと思う。1つの大きな理由は、急速に経済力をつけ、外交的な圧力を増しつつある中国に対抗するためだ。TPPでは日本のほか、フィリピンや中国にも打診をしているが、関税の撤廃が大きな眼目である以上、中国がすぐに参加するのは難しいという見方が強い。その意味で、日本が参加するかどうか、中国は気にするはずなのである。
東シナ海や南シナ海で中国の影が大きくなっていることを考えれば、米国も参加しているTPPに日本やベトナム、フィリピンが加わることで、中国に対する“牽制球”になるだろう。日本にとって尖閣諸島が重要な領土であることは自明のことだが、南シナ海も日本の生命線という意味で極めて重要だ。米国が「航行の自由」を盾に南シナ海での中国の勢力拡張を牽制しているのも同じ理由である。
そうした状況の中で、日本が外交的にコミットしていこうとすれば、経済関係を強めるしかない。ベトナムで原発を受注したのは、ビジネスとしてプラスであることはもとより、外交的にもコミットを深めるという大きな意味がある。
TPPに参加するためには、農業と郵政という地雷が埋まっている地雷原を無事に渡りきらねばならない。「消費税とは違う」と言って覚悟のほどを語った菅首相だが、失敗すればそれこそ内閣が吹き飛びかねないエリアに足を踏み入れたことを本当に自覚しているのだろうか。
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