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与謝野馨
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8E%E8%AC%9D%E9%87%8E%E9%A6%A8

2011年01月17日(月)JBプレス 高橋洋一

菅再改造内閣が14日発足した。目玉は与謝野馨経済財政担当大臣だ。昨年4月に民主党打倒を掲げて「たちあげれ日本」を結党したが、同党を離党してまでした今回の入閣だ。

昨年末の本コラムで、与謝野氏が離党して入閣する見通しを書いたが、その通りになった(『新年は政界再編の年 座標軸は「増税」vs.「増収」立ち上がれ日本との連立話で見えた消費税増税路線』http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1813 )。そこで、菅政権は増税路線まっしぐらであることも書いた。本コラムを昨年初から読んでももらっている読者はわかるだろうが、菅総理は財務大臣時代から財務省事務方から消費税増税の相当な洗脳を受けている。財務省による洗脳は徹底していて、菅総理のよくパートナーである信子夫人にも及んでいたようだ。

来年度予算を見れば、財務省の戦略として増税がすぐそこまで迫っていることがよくわかる。仙谷由人前官房長官はあと2年持たないといったようである。しかし、これも財務省の手のひらのうえでの発言である。

デフレを放置して名目経済成長率を上げずなければ、税収は伸び悩む。そこに社会保障の自然増がある。資産売却をせずに、霞ヶ関埋蔵金も発掘せず、特別会計などのムダ使いも直さない、公務員人件費も減らさないということであれば、あと数年しかもたないーー与謝野氏の発言はそれだけの意味だ。しかも、民主党は、自民党政権時代の政策見直しや予算組み替えをせずに子ども手当などの新たな政策を上乗せして歳出を膨張させたので、財政破綻させようとすればすぐにできるのは当然である。

こうした増税逼迫予算案をねじれ国会で通すのは至難の業だ、その意味で、菅政権はすでに死に体である。しかも、仙谷前官房長官と馬淵前国交大臣が問責決議されていたので、政権末期の追い込まれ改造である。

興味深いのは、そんなとき与謝野氏はいつも政権にやってくることだ。政権末期になると、政権内での主導権争いもあり、またさらに泥舟なので、閣僚というエサをまいてもなかなか政治家は寄ってこなくなる。その一方で、政権側は、末期であることを糊塗するために、それなりの人物をそろえなくてはいけない。こういうときに、与謝野氏もあわよくば政権を乗っ取りたいという思惑があるのだろうか、政権に入っていくる。しかしその直後に政権は終わる。

これは、小泉政権の末期から繰り返された光景なので、自民党関係者から「墓堀人」と呼ばれている。

はじめは、小泉政権の最後、郵政民営化の仕上げに竹中平蔵氏が経済財政・郵政民営化担当大臣から総務大臣に異動したときだ。与謝野氏は竹中氏の後任の経済財政担当大臣になった(2005年10月31日 -2006年9月26日)。このときは郵政民営化の論功行賞であった。

 しかし、小泉政権の任期満了が近づき、徐々にレイムダック化するにつれて、与謝野氏は郵政民営化と同時に行った政策金融改革について財務省の意向に従い巻き返したり、増税の地ならしをしていた。もっとも、小泉総理のパワーが強かったので、それらの改革逆行は不発だった。

 私は、竹中氏が総務大臣に転身したあと、政策金融改革をできるだけ守るように1ヵ月間内閣府に残り、与謝野氏と一緒だった時期がある。その時、財務省は与謝野氏を使って政策金融改革の骨抜きしようとしたため、私は与謝野氏と大臣室でしばしば議論した。与謝野氏は「政策通」といわれるが、私の説明に対して政策論は一切なかった。財務省の具体的な担当者の名前をあげ、そのいうとおりにせよと、およそ経済財政担当大臣らしかぬ発言をしたので強く印象に残っている。

安倍、福田両政権は入閣1ヵ月で崩壊!

 次は安倍政権の最後だ。閣僚の不用意発言などで参院選に惨敗した安倍晋三総理は内閣改造し、与謝野氏は官房長官になった(07年8月27日 - 同年9月26日)。官房長官の本命であった菅義偉氏になぜか急に事件が起こり、急遽与謝野氏に差し替えになったのである。与謝野氏は官房長官になると、体調不良の安倍総理を出し抜いて官邸人事などを牛耳った。私の場合、安倍総理から官邸に残れという指示であったにもかかわらず、結局官邸から追い出された。そして、あっという間に安倍政権は崩壊した。

三番目は福田康夫政権。福田改造内閣で与謝野氏は経済財政担当大臣に就任した(08年8月2日 - 同年9月24日)。このときも安倍政権のときと同様に1ヵ月あまりで政権は終わっている。

最後は麻生政権である。与謝野氏は福田退陣を受け、持論の消費税増税を掲げて総裁選に立候補した。そのまま麻生政権でも経済財政担当大臣に就任(08年9月24日 - 09年7月2日)。中川昭一財務大臣が辞任したあとは財務大臣も兼務している(09年2月17日 - 同年9月16日)。財務大臣の間、金融担当大臣も兼務した(09年2月17日 - 同年9月16日)。麻生政権では、ほとんどすべての経済政策は与謝野氏が関わっていた。その麻生政権は、発足直後に支持率が上昇した時が総選挙の機会であったが、それを逃して、結局09年の総選挙で惨敗し、政権交代になった。

こうしてみると、与謝野氏が自民党関係者から「墓堀人」と呼ばれるのがよくわかる。


珍発言を繰り返すのに「政策通」?

 与謝野氏の経済運営手法は、財務省主張そのもので、「タカ派」の財政至上主義ともいえるものだ。財政収支均衡を最優先し、その手法は増税に頼る。

 財政再建を重視するとしても、まずは経済主義にたって経済を立て直して税増収を上げ、それと同時に、資産売却、霞ヶ関埋蔵金発掘、歳出カットするという手法もある。これまで自民党内では、財政至上主義と経済主義の争いがあった。経済主義を代表している中川秀直氏の公式ブログでは、与謝野氏の面白い発言を集めている。

1.GDPギャップが残っていても(つまりデフレでも)成長率が潜在成長率を上回ったときには増税できる
これは、麻生政権の時に言った。ボトムから少しでも上向けば増税するというのだから、驚いてしまう。

2.名目成長率を高める政策は悪魔の政策である!

これは、小泉政権時代からの与謝野氏の持論である。本コラムでしばしば言及しているが日本の名目経済成長率は先進国中最下位である。それを高めると悪魔なら、世界中は悪魔だらけだ。小泉政権の最後に、デフレから脱却する前に日銀は量的緩和を解除してしまった。その後予想通り景気が悪くなって、その後にリーマンショックがあった。リーマンショックの震源地でないのに、日本への打撃が大きかったのは、量的緩和解除が時期尚早であったからだ。しかも量的緩和解除には閣内で反対意見もあったが、担当である与謝野氏が強硬した。

3.埋蔵金は伝説の類!

財務省の言いなりになって、これまでないと言い続けている。しかし、2006年から5年連続で、年末になると出てきた。累計は40兆円以上だ。今年もないと言い続けるだろうし、増税を言うためには存在しても隠すだろう。

4.リーマンショックは蜂に刺されたようなもの!

量的緩和解除が時期尚早だったので、こう言わなければいけなかった。初動が遅れたし、財政政策はそこそこやったが、金融政策はまったくの無策だった。その点については、昨年1月8日付け本コラム(『なぜ日本経済だけが一人負けなのか 鳩山政権は日銀に「デフレターゲット」を捨てさせろ』 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/60 )。

マクロ経済を長くやってきた割に、与謝野氏には財務省と同様、金融政策の理解が決定的に欠けている。実は、マクロ経済政策は財政政策と金融政策があるが、1999年にノーベル賞を受賞したマンデル=フレミング理論から変動相場制の下では金融政策のほうが効果が大きいことが知られている。日本でそうした環境になってきたのは、金利自由化が終了した90年代からであろう。

ところが、90年代の経済低迷に対して、バブル崩壊での羮に懲りて膾を吹くように金融政策は引き締め気味であり、従来のように財政政策で対応しようとした。それはかなり間違ったポリシーミックスだった。

人は誰でも若いときの影響から後世も抜け出られない。90年代以前はマクロ経済政策で有効なのは財政政策であり、金融政策は効かなかった。そうした時代に生きていた人は金融政策の威力がわからない。

しかし、世界各国はリーマンショック以降、強烈な金融緩和に加えて財政政策も打つという非常手段に出ている。与謝野氏は、今なお、デフレ脱出で財政・金融に依存すべきでないという考えを表明している。金融政策の理解ができていないので、昨年10月18日の本コラム(『「円高無策」の日本は蚊帳の外 「基軸通貨」を狙うユーロと中国「連携」の動き G20の裏側で何が起きるのか』 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1390 )で述べたように、為替がほとんど金融政策で決まってくることも理解していない。

今度の改造内閣では、「増税すれば景気回復する」という菅総理、「利上げすれば景気回復する」という枝野官房長官、「円高指向、財政再建指向」の藤井副長官と、デフレ・増税論者のそろい踏みだ。もしそれが実行されたら、与謝野氏が昨年1月に書いた本の題名通り、「民主党が日本経済を破壊する」だろう。

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