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台湾は中国の一部ではない~李登輝元台湾総統インタビュー(最終回)

2011.01.03(Mon)JBpress

 マット安川 李登輝閣下は日本統治下の台湾に生まれ、敗戦によって日本が台湾統治を放棄するまで「日本人」として生き、次いで中華民国の「中国人」として生きてきました。しかしその実は、「台湾経験」に裏打ちされた強烈な自意識を持つ確固たる「台湾人」です。

 混迷を深める日中関係そして東アジア情勢を、日本と中国互いの隣人として、同時に当事者として捉えられる稀有な人物であると言って過言ではないでしょう。

 船頭がどこへ向かおうとするのか一向に見えないばかりか、そもそも船頭がいるのかさえ疑われる日本は、いまこそ閣下のことばに耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。

 かつて日本には国家百年の計があり、それを支える教育政策があった。ことばの端々からそのことがうかがわれたインタビューの最終回。日本への力強いメッセージが語られます。

日本人はなぜ中国にぺこぺこ頭を下げるのか!

李登輝 日本においては指導者のリーダーシップの不在というようなことが言われますが、アメリカが何か言うたびに「Yes, Yes」とか、ことあるごとに中国に頭を下げる必要はないんですよ。

 私が分からないのはね、いまの日本の政権を握った人たちは、なぜどの人もこの人も中国に対してペコペコ頭を下げているのか。これだけ実力のある国が・・・でしょ?

 田中(角栄)・大平(正芳)以降、この状態がクセになっちゃっている。(日本は田中首相・大平外相のときに台湾との日華平和条約を廃止し、日中国交正常化を実現させた)

 しかし考えてみれば、やっぱりアメリカは国際的に一番力があるし日米同盟もあるし、将来における西太平洋の主導権を誰が握るかという問題もある。

 やはり日本、台湾、アメリカの関係をうまく維持するように、昔のクラシカルな連中が考えるようなやり方ではなくて、自由諸国、民主主義諸国がお互いに平和的にやっていく方向で解決しなくちゃならないんです。

 日本にもそういう外交官が出てきて、アメリカとこういうことをちゃんと話し合う。それにはまず第一に、総理が非常に大事です。総理がこういう気持ちでアメリカと話し合う。

アメリカとはそれができるはずですよ。アメリカ人は日本の文化を尊敬しているんだ。

 オバマ大統領が日本を訪れて天皇陛下に会ったとき、彼は天皇陛下に90度の最敬礼を挙げたでしょ。その後で中国に行ったときには、そんなことはやっていない。

 もともとアメリカ人の知識分子は中国に対して好意的である、これは間違いありません。アメリカ知識人の考え方は非常に中国に同調しているでしょ。

 これは中国が諸国から圧迫されてあちこち占領されていた時期、出遅れたアメリカはどこにも入っていけなかった。だから機会均等、門戸開放を呼びかけた。これが中国に対しては中国に味方すると言ったんだな。

 このような考え方が深く入り込んで、アメリカ人は中国にある程度味方をしている。

オバマが天皇陛下に頭を下げた理由!

 そんな中で、なぜオバマは天皇陛下に最敬礼したのか。

 オバマはアメリカで大統領になった最初の黒人ですよ。黒人がアメリカでやっと大統領になれた。アメリカはすでに黒人に大統領をやらせないとうまくいかないところまで来ている。

 そのかわりオバマは苦労してきた。例えばキング牧師、私が非常に尊敬している牧師ですけどね、私がアメリカにいたときに暗殺されました。そんなふうに黒人はアメリカで苦労してきた。

 オバマは恐らく心の中では、いろんなことを考えているんですよ。その彼が天皇陛下に対して90度頭を下げたのは、私に言わせると日本文化に対する尊敬ですよ。

 天皇陛下は日本の文化を代表する、そして日本にはこういう文化がある、この文化に対するアメリカ人の、黒人としての尊敬ですよ。

日本の新聞、雑誌、テレビはこのことについて何も言わないけれども、これを日本ははっきり知らないといけない。

 オバマの後で、習近平が日本にやって来て天皇陛下に会いましたね。ああいう若者がああいう態度を取るというのは、日本を見くびっているんですよ。それがオバマと違うところ。

 中国人の日本に対する考え方を、あんがい日本は知らないんですよ。中国人の中に深く入ったことがないから。

 私は22年間、「日本人」でした。日本の教育を受けて日本の生活に入って、軍隊にも行ったしいろんなことをやっている。

 そして今度は「中国人」として中国社会に入ると、中国人とは何か、北京政府が何を考えているか、台湾における中国人が何を考えているか、われわれには分かりますよ。

習近平は日本を見くびっている!

 彼らは現実的ですよ、ものすごく。

 習近平が今までどこにおったかご存じ? 福建省(大陸の台湾対岸)の主席ですよ、だから彼は台湾のことをよく知ってる。

 ものすごく現実的で、日本を見くびっていて、台湾のことをよく知っている。こういう人物が胡錦濤の次の指導者になるんです。

 こういうところでも私は、日台関係を将来どうすべきかということを考えなくちゃならないんです。

 日台関係で私が言うのは、心と心の絆を築き上げろということ。いまだんだんと、そういう状態が出てきております。台湾龍馬会もそうですし李登輝学校もそうです。

日本においては「李登輝友の会」というのがありましてね。2006年に山口県周南の児玉神社に私が書いた扁額が納められました。友の会の支部から児玉神社に書いてくれと言うてきましてね、それで書いたんですよ。(同神社には4代台湾総督・児玉源太郎が祀られている)

 一昨年(2008年)には松島の瑞巌寺に、「奥の細道」ゆかりの土地を歩いたときに私と家内の歌った句が碑になって芭蕉の脇に建てられました。ノーベル賞をもらった以上の名誉だと思ったな(笑)

 私の現在の考えと実践を整理してみると、東西文明の融合と中華思想の精神的束縛からの解放という経験を得て、日本人と台湾人の中国からの精神的自立によって国交なき日台関係を心の絆に結びつける、これによって日本と台湾の主体性、アイデンティティー形成に寄与するという意図が働いています。

 日本が主体性を獲得するためにこれから変わらなくちゃならないのは、日本人が精神的に解放されるのが、まず第一です。

 日本はいま心理的に閉鎖状態に置かれておるんです。これは第2次世界大戦に負けたという事実が、日本人をして精神的な鎖国に入らしめている。これをなくさないといけない。

台湾も無血革命の明治維新を経験した!

 なくすにはどうするか。心理的ないろんなファクターを取り除く必要があります。それによって日本人が精神的に解放され、中華思想の呪縛から精神的に自立できる。

 台湾では台湾経験がこれをもたらしました。厳しい独裁政治の中で、平和的な方法で血も流さず、民主的な自由な形の政権に変えてきた。

 これはそれまでの政治学や社会学で言えば、こんなやり方でやることではない。政治改革とは、革命によって血を流して、社会をひっくり返してやるというのがそれまでの考え方ですよ。

 坂本龍馬もあまり血を流さなかった。鳥羽伏見の戦い、蛤御門とあることはあったけど、全国的な問題はほとんどありませんでした。それでも明治維新が出来上がった。

 台湾もそのようにして政治改革をやり遂げました。ところがこの経験以外に、いまの台湾には国際的な地位がない、法的な地位が与えられていない。

だから台湾は「国」として、ほかの国との間に公式な外交を結ぶというのが非常に難しい。でもそれで私は総統として、歩き回っていろんな実質外交をやってきた。このような考え方は常識的な考え方からは出発できないですよ。

 これが私の台湾経験。この「台湾経験」というのはちょっと難しい概念だけれど、台湾における純粋経験です。

 純粋経験というのは、西田哲学の『善の研究』で言われているのは、主観と客観が分裂する以前に、見たそのものから直感を得る、主観客観を離れて直感的に物事をとらえて、とらえたこれから何かを進めてやっていく。

 こんな考え方はいまは当たり前ですがね、昔はこんなことは誰も考えていなかった。台湾経験については、東京外語大の井尻(秀憲)教授が『李登輝の実践哲学 五十時間の対話』の中で書いております。

 いま中国と台湾の間にはECFA(海峡両岸経済協力枠組協定)というヘンテコな協定があります。(2010年6月締結)

台湾を中国と同一視するのは蔑視以外の何ものでもない!

 イギリスが香港を放棄したとき中国はCEPA(中国本土・香港経済連携緊密化取り決め)を作って、ポルトガルがマカオを放棄したときにももう1つCEPA(中国本土・マカオ経済連携緊密化取り決め)を作って、これらは全部「一中市場」だとしました。

 ECFA中国台湾に一中市場に入れ、台湾も一中市場だと言っています。

 台湾は国際的にはWTOのメンバーですよ。一中市場に入るということは、台湾の主権を無視することなんだ。

 台湾中国が1つの市場を中心にして経済協力をやっていったらば、台湾の労賃は下がります。サラリーも下がります。お金持ちはお金持ちになるが貧乏は増える、失業者が増える。

 これは台湾を非常に侮辱したやり方ですよ、台湾と中国の関係が非常に悪くなる。こんなことはやめなさいと私は言うんです。こんなことをやるよりも、ECFAを凍結してFTAをやればいい。

FTAECFA自由貿易協定で同じじゃないかと言うかもしれませんが、ECFAは一中市場でしょ、「ひとつの中国」の市場でしょ。

 ところがFTAは全世界を中心にした考え方だから、台湾の主権は依然として台湾が握っている。一中市場に入ると台湾は主権を失ってしまいますよ。

 台湾がここまでやってきた、いちばん大事なものは何か。台湾は民主国家であるということです。台湾2300万人の人民が主権を握っているんです。

 いまの国民党政権は中国大陸と台湾をなんとか結びつけようと考えていますが、あと2年、2012年には総統選挙があります。総統が台湾のために働かなかったら、われわれは本当の台湾の人を総統に選びますよ。

 そういうような制度が出来上がっているのだから。台湾は民主国家なのだから。

――インタビューの最後に、日本のみなさんに一言いただけますか。

 台日が協力し合い、アジアや太平洋の新楽章をつくりましょう。

 私は、台日両国がアジア太平洋地域の自由と平和の共同戦略の促進につながり、確実に台日両国の経済、政治、軍事、文化の各領域において全面的な協力体制を強化でき、ともにアジア太平洋の歴史に新たな楽章を書き加えることができることを願っています。

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