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第36回 軽井沢インターナショナルスクール 設立準備財団 代表理事 小林 りんさん (1/4)

今回のC-Suite Talk Liveは、軽井沢インターナショナルスクール 設立準備財団 代表理事 小林りんさんにご登場頂きます。

小林さんは、高校時代にカナダのUWCピアソン・カレッジに単身留学。帰国後は東京大学経済学部で開発経済学を専攻され、外資系投資銀行(モルガン・スタンレー)でキャリアをスタートされました。その後、仲間とともにベンチャー企業を興し、取締役に就任。50名規模の組織で、経営者としての経験を積まれました。

社会人5年目で国際協力銀行(現国際協力機構)へご転進され、かねてから関心のあった途上国支援に関わる機会を実現。その後は、学生時代からライフワークと考えていた教育分野での国際協力への思いが募り、再び海外へ。スタンフォード大学で国際教育政策学(修士)を専攻されました。

そして2006年、念願だった国連児童基金(UNICEF)のプログラム・オフィサーとして、フィリピンへ。ストリート・チルドレンの非公式教育に従事。その活動を通じて新たな気づきを得て、2008年8月に帰国。以後、あすかアセットマネジメントの代表取締役 谷家衛さんとともに、軽井沢インターナショナルスクールの設立準備プロジェクトをリードしておられます。


今の延長線上にはないスクールを!

古森 本日は、設立準備でお忙しいところを有難うございます。この対談シリーズは、企業経営者をはじめ世の中にインパクトのある各界のリーダーにご登場いただいて、何かヒントになることを発信しようという活動です。よろしくお願い致します。

小林 こちらこそ、よろしくお願い致します。

古森 マーサーは主として企業を相手にコンサルティングをしていますが、「会社に入る前の人材育成も大事だな」と思うことが多々あります。グローバル化した舞台で活躍できる人材を増やしていくことが時代の要請ですが、その根本は企業に入社する前に形成される面もたくさんあると思います。そんな中、軽井沢インターナショナルスクールの考え方に大変興味を持ちました。最初に、スクール設立にこめた思いなどをお話し頂けないでしょうか。

小林 そうですね。軽井沢インターナショナルスクールが目指しているのは、「リスクや変化を恐れず、新たな価値観を生み出すことに喜びを見出せる人間の育成」です。それを、一言でいえばこれまでの日本に存在しなかった方法で実現させようという試みです。

古森 まさに、日本という国全体が求めている人材像の一つですね。イノベーションやアントレプレナーシップなどの言葉を想起します。これまでにない方法というのは、具体的にはどのような内容になりますか。それ自体が、まさに新たな価値観への挑戦なのだと思いますが。

小林 まず学校の枠組み的な面から言いますと、全寮制の高校になります。一学年50人前後で、共通言語は英語にして、アジアを中心に世界各国から生徒を集めて多国籍のクラスにします。世界各国で認められている国際バカロレアプログラムを導入する予定の他、日本の文部科学省の高校卒業資格も取得できるようにすることを検討中です。

古森 ダイバーシティにあふれたクラスになりそうですね。全寮制自体はこれまでの日本にもありましたが、男女はもとより、国籍まで含めて圧倒的な多様性を実現するというのは、確かに新しいと思います。

小林 10代といえば、もっとも多感な時期でしょう。その多感な時期を、様々な国籍の生徒が一緒に暮らしながら、時には競い合い、あるいは学び合いながら育っていける環境を提供したいと思っています。

古森 日本人のためだけの学校ではなく、日本という場所にある国際プログラムなのですね。日本の良さも出していきながら、日本人だけを育てることが目的ではない。あくまでも、文字通りインターナショナルスクールなわけですね。

小林 そうです。ここから新しい時代のアジアのリーダーが育ってくれればと願っています。これまでのリーダーシップ論って、どうしても欧米で発達した考え方がベースになっている面が強いと思うのです。でも、アジアにおけるリーダーシップというのは、少し何かが違うのではないかと。

古森 なるほど。

小林 日本人の持っている価値観、例えば、自然をいつくしむだとか、「もったいない」とか、そういった良さは世界に向けて新しいバリューになるのではないでしょうか。こういう国があるということが、これからの世の中で重要な意味が出てくると思っているのです。

古森 日本人でさえ見失いつつある価値観も、再認識されるかもしれませんね。しかしまた、場所も軽井沢ですか・・・。自然あふれる場所ですね。

小林 私が一つ参考にできると考えているのは、スイスです。欧州におけるスイスというのが、日本が目指すべき次の姿に少し近いのかも知れません。そのスイス、英語圏ではないのに、インターナショナルスクールがたくさんありますね。なぜだと思います?

古森 なるほど、言われてみるとそうですね。なぜなのでしょう。

小林 それは、「治安と安全と教育」というキーワードに集約されます。インターナショナルスクールに子弟を送っている親御さんたちの声を集約すると、そのキーワードが見えてくるのです。

古森 なるほど、「治安と安全と教育」ですか。たしかに、子を持つ親の気持ちとしては、それはよく分かりますね。大学以上になると学生自身の判断があるでしょうが、高校くらいまでは、まずはそれが大事だというのは万国共通なのですね。

小林 アジアにあてはめて考えてみると、例えば経済発展著しい中国がアジアのスイスになりうるかどうか。少なくとも現時点では、そういう感じではないですね。シンガポールは印象が良いですが、狭い国ですので環境という点では必ずしも広がりや奥行きがあるとはいえません。ところが日本には、治安も環境も大いに誇るべきものがありますから、あとは世界水準の教育を提供できる学校があればいいのでは、と思うのです。

古森 年々悪化している部分もあるでしょうが、それでも世界を見たら圧倒的に治安と環境のリーディング・カントリーであることは間違いないでしょうね。それで軽井沢なのですね。たしかに、日本の中でもさらに良い場所だと思います。ある意味、スイス的です。ちょっとスノッブなイメージもあるにはありますけど。

小林 そこは議論があったところです。「軽井沢」「インターナショナル」という二語を見ると、何か富裕層向けのプログラムのように思われてしまう可能性もありました。校名を変えようかという話が出ているくらいです。ミッションが明確に伝わるようにする必要がありますよね。つまり、国籍だけでなく社会経済的バックグラウンドや思想や能力など、本当の意味で多様性にあふれる生徒が集う場所を実現したいということですが。

古森 多様性を重視したら、色々な人が参加できるプログラムでなければなりませんね。

小林 はい。たくさんの方に門戸を開くことが重要です。そのために、奨学金のほうも充実させようとしています。

 

カナダとフィリピンでの原体験!

古森 小林さんが「軽井沢インターナショナルスクール設立」というテーマに出会った経緯は、色々なメディアで伝えられているところです。あらためて、ご自身の経験など今の活動のバックボーンになっているものをお聞かせ頂けますか。高校生の頃にカナダに留学されたことが、大きな転機だったと伺っておりますが。

小林 そうですね。これまでの人生の色々なことが支えになっていますが、高校生時代のカナダ留学は、たしかに大きな転機でした。

古森 留学は高校2年からでしたかね。

小林 はい。自分で振り返っても決して優等生ではなかったですね(笑)。野心家で、既存の体制に疑念を抱いていて。生徒会の役員をしていたのに、クラスのみんなを率いて授業をボイコットしたこともありました(笑)。暗記中心の勉強にも納得できませんでしたし、「もっと自分力を伸ばしたい」と思っていました。それが、留学を決めた背景です。

古森 その問題児(?)が、カナダの学校で何を見たのでしょうか。

小林 留学してすぐに野心は打ち砕かれました。得意だった英語が通じない、友達もなかなか広がらないという状態が、1~2ヶ月続きました。試験で何も出来ず、悔しくて泣いてしまったこともあります。

古森 劇的な環境変化ですね。

小林 でも、しばらくすると英語も何とか追いついてきて、授業や会話が理解できるようになっていきました。そうすると、気づくものがたくさんあったのです。

古森 言葉の壁の向こうに、何があったのですか。

小林 何か徹底的にとがったものを持った、様々な個人との出会いです。算数は苦手なのに言語となると六ヶ国語を操るスウェーデン人、数学では飛びぬけた才能を示す中国人、ジャズピアノが天才的にうまいアメリカ人など、日本では考えられないようなすごいクラスメート達と出会ったのです。

古森 日本の一般的な学校の風景とは、だいぶ違いますね。

小林 そういう出会いが、カナダの雄大な自然と美しいキャンパスの中で繰り広げられました。言葉の壁を越えてからの留学生活は、多様な才能に触れ、自分の得意なものを磨くことの大切さを知り、そして生活全体でそれらを吸収していく日々でした。

古森 「自分の得意なものを徹底的に伸ばす」ということの意味は、その現実を見てみないと理解できないかもしれませんね。私も留学中に、日本では見たこともないような飛びぬけた才能と数多く出会って、世界観が変わりました。

小林 もう一つ、今の活動の大きな原動力になっているものは、フィリピンでの経験です。

古森 ユニセフのオフィサーとしてのご経験ですね。そこに至る経緯も含めて、ちょっとお伺いしたいですね。

小林 高校時代の留学経験の影響もあって、私は自然に国際協力に興味を持つようになっていました。帰国後、大学では開発経済学のゼミに入りました。卒業後に外資系投資銀行で勤務したり仲間とベンチャー企業を立ち上げたりしましたが、その後国際協力銀行に入って、開発途上国のインフラ開発の仕事に就きました。

古森 だんだんと、パッションのある方向へと進んで行かれたのですね。

小林 ええ。それと同時に、教育分野にも学生時代からずっと興味がありましたので、「教育分野で国際協力」というのを、いずれライフワークにしたいと思っていました。思いが募って、その後米国の大学院に留学して、国際教育政策学の修士をとりました。

古森 自分が思う方向に、迷わず突き進んでいく感じですね。とんがっているなぁ、と思います。

小林 そして2006年に、国連児童基金(UNICEF)のプログラム・オフィサーとしてフィリピンに赴任するチャンスが巡ってきました。ミッションは、ストリート・チルドレンの非公式教育活動の推進です。そういう人々に教育の機会を提供することこそが、開発途上国の生活改善の起爆剤になると思っていました。

古森 実際にフィリピンに赴任してみて、いかがでしたか。

小林 色々と役に立てたと思います。でも、根本的な問題は別のところにあるということも、身をもって認識することになりました。選挙で大勢の人が亡くなり、汚職の絶えない社会。当のフィリピン人の中にも、自国に見切りをつけて国外へ移住する人がいました。そんな現実を見るにつけ、「教育が普及すれば、投票行為を通じて人々が社会を変えていける」という仮説は、「リーダー層がまず変わらなければだめだ」という信念へと形を変えていきました。

古森 そこで「リーダー育成」というテーマにたどり着くわけですね。

小林 それからは、自分が世の中のためにやるべきことが明確に見えてきました。これまでに培ってきた教育分野の知識、財務や経営の経験、そして、いかに人間の個性が伸びうるかという留学中の実体験などを総動員して、「社会を変えていけるリーダーを育成したい」と考えるようになったのです。

古森 その思いが、今の活動に直結したのですね。

小林 そんな折に、今いっしょに設立準備を進めている谷家 衛さんに出会ったのです。谷家さんは、あすかアセットマネジメントの代表取締役で、投資の世界では有名な方です。その谷家さんに私が考えていたことをお話ししていたところ、「日本にアジアのハングリーで才能のある生徒を迎えるインターナショナルボーディングスクールをつくるべきだと思う。それこそりんちゃんにぴったりでりんちゃんだったら素晴らしい学校がつくれる。一緒にやろう。」と言われました。さらに色々話しているうちにとても共鳴するものがありまして、「いっしょにやりましょう!」ということになったのです。

古森 自分のパッションに沿って突き進んでいくと、運や縁まで味方してくれるものなのですね。色々なものが大きな奔流になって、今の活動に流れ込んでいるようなイメージが浮かびました。

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