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「国の形、大阪から変える」

華々しく政権交代を果たした民主党政権だが、すっかりメッキがはがれてしまった。とはいえ自民党も期待にはほど遠い。民主党もダメ。自民党もダメ。そんな閉塞(へいそく)感を打ち破る異変が大阪府と愛知県で起きつつある。来春の統一地方選は政界激震の序章となるかもしれない。

緻密な戦略家
 「大阪をよくするにはワン大阪しかない。実現にはすさまじい政治闘争に打ち勝たなければならないんです。民主党に国の形を変えてほしいがどうも伝わってこない。それならば大阪から国の形を変えようじゃありませんか!」

 17日夜、大阪・中之島で関西財界人が「大阪維新の会」のために開いた決起集会。維新の会代表の大阪府知事、橋下徹はホールを埋め尽くす約900人から万雷の拍手を受け、確かな手応えを感じていた。

 大阪府と大阪市を統合し、周辺市と合わせて約20の特別区に再編する大阪都構想。橋下はこの構想を「大阪再生の唯一無二の方策」と掲げ、来春の府・市議選などで維新の会の過半数制覇を狙う。

 母子家庭で育ち、地元の名門・府立北野高校ではラグビー部で全国大会に出場。早稲田大卒業後は弁護士となり、平成20年2月に府知事へ転身。「大阪サクセスストーリー」を地でいく橋下はなお8割の支持率を誇るが、裏には緻密(ちみつ)な計算がある。

 「大阪のGDPは40兆円でオーストリアに等しいのになぜ勢いがないのか。なぜ本当の力を発揮できないのか」

 地盤沈下が著しい大阪で橋下は人々の焦燥感を煽(あお)り、プライドをくすぐる。

 メディアの威力も熟知する。毎朝記者団に囲まれ、府政から外交まであらゆる質問に応じる。その歯にきぬ着せぬ発言は関西ローカルニュースで昼夜報じられ、時の首相が同じ質問にあいまいな答えをすればするほど橋下は引き立つ。

 機を見るに敏でもある。自民、公明両党の支援で当選したが、政権交代不可避と見ると民主党を支持。民主党が迷走すると即座に距離を置く。ずる賢くもあるが、大阪人の心情を素直に投影させたともいえる。

「維新の会」旋風
 そんな橋下が「負の遺産」の象徴として目をつけたのが、大阪・南港にそびえる旧大阪ワールドトレードセンタービルだった。大阪市の「バベルの塔」といわれる55階建てのビルは西日本一の高さを目指して建設され、経営破綻(はたん)した。

 ここに府庁を移転するという奇策が「維新の会」の導火線となる。

 昨年3月、自民府議団は移転賛成で党議拘束まで取り付けたが、採決は無記名投票となり、造反者が続出。賛成46、反対65、無効1で否決された。これに反発した賛成派が新会派「自民党維新の会」を結成。今年4月には政治団体「大阪維新の会」となった。当初は他党との掛け持ちもOKだったが、大阪市議補選で自民候補への対抗馬擁立をきっかけに自民党大阪府連が9月に離党勧告。府議ら45人が集団離党、民主党を巻き込み各地で旋風を巻き起こす。

 橋下にとって「瓢箪(ひょうたん)から駒」だったのか。それとも計算ずくだったのか。

地下水脈つながる「名阪」
 「大村さん、愛知県知事選はどうするつもりなの? ダメよ。国政でやるべき仕事があるでしょ!」

 10日夕、都内で開かれた自民党衆院議員、大村秀章のパーティー。党総務会長、小池百合子は壇上で大村に詰め寄った。

 大村は苦笑いしてごまかしたが、腹は決まっていた。臨時国会終了後に知事選出馬を表明。そして昨年4月に民主党衆院議員から名古屋市長に転身した河村たかしとタッグを組み「愛知独立」をぶち上げる。

 大村が14年間の議員歴を捨て知事選に賭けようと思ったのは野党暮らしに嫌気がさしたからだけではない。大阪に続き、名古屋で始まった地殻変動は本物だと嗅(か)ぎとったからだ。

 震源は河村だ。市長就任後、市民税10%減税や議員報酬半減をめぐり、市議会と対立。8月に市議会解散を求める直接請求(リコール)運動を始めた。

 狙いはトリプル選挙だ。市議会を解散に追い込み、自らも市長を辞職、来年2月の愛知県知事選と同日選挙を行う。そこで今年4月に自らが設立した地域政党「減税日本」を率いて名古屋市を制圧する。そのパートナーとして白羽の矢を立てたのが大村だった。

 署名はリコールに必要な有権者の5分の1(36万6千人)をはるかに超える46万5385人分が集まったが、市選挙管理委員会が署名の有効性を慎重に判断するとして審査期間を1カ月間延長したため、トリプル選挙の実現は微妙な情勢となった。

 ただ、愛知県知事選が実施されるのは統一地方選の2カ月前だ。その余波は全国に広がる可能性もある。

3大都市圏の力
 「大阪、名古屋の動きは一地方の反乱ではない。この国のあり方を根本から変えてしまうぞ…」

 大村がこう言い出したのは、大阪維新の会の動きが本格化する前の今年春だった。郵政民営化の是非を問い自民党が圧勝した平成17年の衆院選、民主党が政権交代を果たした昨年の衆院選で3大都市圏のパワーを思い知ったからだ。

 17年の衆院選では首都、関西、中京の3大都市圏で自民党の勝率は9割に迫った。21年の衆院選の3大都市圏の民主党の勝率も同レベル。3大都市圏にどこまで含めるかによって差はあるが、比例代表を含めると衆院480議席の6~7割を占めるとされる。つまり3大都市圏の勝敗が衆院選の帰趨(きすう)を決する。

 しかも都市部と地方のニーズの乖離(かいり)は年々広がっている。都市部では規制緩和、行革などを求める声が強く、道路整備や農業対策の優先順位は低い。地方は逆だ。もはや衆院300選挙区すべてが満足する政策パッケージは作り得ない。大村はこう続けた。

 「自民党は都市、地方ともにいい顔をしようとして両方にNOを突きつけられた。民主党も同じ過ちを繰り返している。民主もダメ。自民もダメ。そんな不満の受け皿が3大都市圏に生まれたらどうなるか…」

夢物語ではない
 大阪府知事・橋下徹「名古屋からどえりゃーことを始めましょう」

 河村「どえりゃー発音がよかった」

 9月20日の名古屋市中区。ポロシャツ姿で河村と並んだ橋下は慣れない名古屋弁を披露。大阪、名古屋が地下水脈でつながっていることを印象づけた。

 2人とも地方改革を声高に唱えるが国政への野心はおくびにも出さない。「国政に影響力を持とうというスケベ心を持てば府民は離れる」と橋下は断じる。

 だが、統一地方選で維新の会や減税日本が地方議会を制圧したらどうなるか。地方議員に集票を頼ってきた自民党はその地から消えかねない。自民党大阪府連会長の谷川秀善が「何が何でも維新の会をぶっつぶす」と息巻く理由はここにある。

 しかも大阪都構想などの実現に法改正は不可欠だ。地方公務員の大量リストラにつながる構想に民主党政権が応じるだろうか。もし拒めば、維新の会が蜂起し、次期衆院選で大阪に30議席を有する新党が誕生する-。これを夢物語と一笑に付すわけにはいかない。

 大阪、名古屋の地殻変動に自民、民主両党執行部の動きは鈍いが、みんなの党代表の渡辺喜美は違った。渡辺は9月26日、都内のホテルで橋下と密会し、こう持ちかけた。

 「アジェンダの一致する範囲で連携しよう」

 維新の会には「ただ乗りする気か」(幹部)と警戒する声もあるが、橋下は前向きに応じたという。

 統一地方選まで半年を切った。「春の嵐」は国政をものみ込みつつある。(敬称略)

2010年11月19日付 産経新聞東京朝刊


看板から外された「理想」 シリーズ1「改革か破壊か」

【地方異変】(中)

 大阪府知事、橋下徹と、名古屋市長、河村たかしの「動き」は、民主党政権の地方政策が、大きく転換したことと無関係ではない。

部屋に当時、国家戦略担当相だった仙谷由人の声が響いていた。

 今春の政府税制調査会の三役会合。首相の鳩山由紀夫が「一丁目一番地」と呼んだ地域主権改革が、財政再建をめぐる議論にのみ込まれていった。

 テーマは、今後の財政の方向性を決める「中期財政フレーム」。地方交付税がやり玉に挙がった。

 自民党政権、とりわけ小泉改革で疲弊した地方を回復させるとの名目で、昨年12月の平成22年度予算編成時に、党幹事長の小沢一郎が積み増した1兆円だ。

 副総理・財務相だった菅直人は腕組みをして言った。「どうひっくり返しても本当にお金が出てこないんだ」。事業仕分けの限界に触れる菅。地方配分を削るしかないと言いたげだ。

 総務相の原口一博が反論するも仙谷の攻撃はやまない。「総務省ばかり、いい目をみているじゃないか」

 原口は橋下、河村と接点が多い。橋下とはテレビのバラエティー番組で共演して以来だ。政権交代が確実視されていた昨年8月、橋下を小沢に引き合わせたのも原口だ。

 大阪に出向いた小沢の前で、「国への拒否権拡大」「税財政の自由度拡大」と橋下は熱弁をふるった。小沢も「まったく一緒だ」とうなずいた。

 「背中から粟粒(あわつぶ)が出るくらい感動した」。橋下は原口に電話で感謝を伝えた。

 原口が橋下と河村を総務省顧問に起用し、地域主権改革を推し進める「地域主権戦略会議」のメンバーに橋下を登用したのも当然だった。

 改革派首長と民主党政権の「二人三脚」…。だが、巻き返しは進んでいた。

 4月。ワシントンで開催された先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議から帰国した菅は、成田空港に着くなり、電話で原口を呼び出した。「とにかくギリシャが大変なんだ」

 G7はギリシャの財政問題に議論が集中。政府債務残高がGDP(国内総生産)比で主要国中最悪の日本は、各国から厳しく財政再建策を問われた。

 その後まもなく首相となる菅は、財政再建を目指す「財政規律派」としての色彩を濃くしていた。

 民主党政権は橋下らに冷淡に対応し始めた。戦略会議の議論もすれ違った。

 「道州制導入」をにらんで広域自治体の将来像を示すよう政府に求める橋下。原口は「大阪府が大阪市を飲み込む垂直統合(大阪都構想)を容認してもいい」と応じたが、菅側近として知られる東大名誉教授、神野直彦は「戦前の東京都構想は戦争遂行で出てきた。『集権』精神を推進する場合もあり危険だ」と退けた。

 民主党政権で、地方政策の変化が決定的になったのは6月だった。

 菅政権は、戦略会議が策定を進めていた今後数年の計画を定める「地域主権戦略大綱」自体を葬ろうとした。「権限、財源を下ろす自治体側の受け皿ができていない」。地方改革論議では必ず出てくる自治体の力量を疑問視する「受け皿論」が政府内を席巻した。

 戦略会議側が反論し、何とか大綱の閣議決定にはこぎ着けたが、大綱には新たな文言が書き加えられた。

 「(一括交付金制度の自治体への配分や総額では)効率的、効果的な財源の活用を図る」。財政規律派が勝利した瞬間だった。

 「菅は地域主権改革に冷たいという人もいるが、私の基本は、松下圭一法政大学名誉教授の『市民自治の憲法理論』だ」。大綱を決定した6月末の戦略会議。こう語る菅の前で、会場は重苦しい空気に包まれた。

 民主党が掲げた「理想」は看板から外され、橋下たちと民主党政権の蜜月も、わずか10カ月で終わった。(敬称略)


【地方異変】シリーズ1「改革か破壊か」(下)

 「このゲームでは、最初に手を挙げた者がバカを見る」

 民主党政権が変質していく中、復権を果たした霞が関官僚の一人は、そう言ってニヤリと笑った。

この官僚が指摘するのは、民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げ、平成23年度予算案編成の焦点でもある「一括交付金」だ。

 「おれだって、補助金改革はたいへん重要な課題だと思っているんだ。実(じつ)があがるようにやってくれ」

 18日夜。官邸の首相執務室。顔をそろえた関係閣僚を前に、首相の菅直人はイライラを爆発させた。

 菅は来年度は1兆円余を一括交付金とし、都道府県に配る方針を示した。だが、そのわずか2時間前。民主党は一括化の最終期限を3年後に“先送り”する提言をまとめていた。菅のけんまくにも、この場で上積みを申し出る閣僚はいなかった。

 ■焦点は国交省の対応

 国が使途を定めた「ひも付き補助金」を束ね、自治体が自由に使える財源に衣替えさせるのが「一括交付金」だ。23年度はインフラ整備関連補助金が対象。概算要求に221件約3兆3千億円が計上されたが、各府省が現時点で交付金化に応じたのは3件28億円。わずか0・1%にすぎない。

 焦点は約2兆4千億円と最大額を持つ国土交通省の対応だ。国交相、馬淵澄夫は「先取りで国交省関連補助金を一本にして社会資本整備総合交付金を作った。上積みしろとの指摘は当たらない」と拒否の姿勢を貫く。

 最近馬淵に会った総務相の片山善博は「国交省内の一括化は前進だが、内閣の大方針、補助金全体の一括化の定義には当てはまらない」とくぎを刺した。

 各府省が高みの見物を決め込むのは、地域主権改革に対する菅の本気度を疑っているからだ。一括交付金の原案にあった「府省の枠を超えて」との表現が「枠にとらわれず」と弱まったことにも、官僚たちは敏感に反応した。

 ■「財政規律派」新たなのろし

 「一括交付金は大したことではない。どうやっても大きくは変わらない」。財務官僚の一人はそう言い放つ。

 10月13日、霞が関の財務省4階で開かれた財政制度等審議会では、一括交付金騒動をよそに「財政規律派」が新たなのろしを上げていた。俎上に載ったのは平成21年度開始の地方交付税の「特別加算」だ。

 「特別加算に期待して、地方が税収増への努力を怠る」。有識者は口々に自治体不信を表明。財務政務官の吉田泉も「極力縮小の方向で臨みたい」と応じた。

 特別加算は政権交代の象徴的なカネだ。小泉純一郎政権が進めた三位一体改革で地方から削ったカネを民主党が補填(ほてん)する。それが、わずか1年で風前のともしびとなった。

 21年度は臨時措置。22年度は雇用対策などで約1兆5千億円が別枠加算。財務官僚はいう。「もういいでしょう」

 政府はすでに6月に決めた財政運営戦略に、今後の姿を書き込み始めた。

 「23年度から3年間は地方交付税を含む予算の大枠を、22年度当初予算並みの71兆円を上回らないようにする」「地方の一般財源総額は22年度水準を下回らないよう3年間は同水準を確保する」。そんな文言だ。

 財務官僚が解説する。「3年間は今年度のレベルを下回らないと喜ぶのか、3年過ぎたらどうなるか分からないとおびえるか」

 厚相経験のある菅なら、削減しにくい社会保障費よりも、次いで規模の大きい地方交付税に手を付けるに違いない。財務省から「国におんぶにだっこの地方の甘えの構図を断ち切るべきだ」(幹部)と声も出る。

 一括交付金化の議論の裏で、本丸・地方交付税をめぐる戦いが動き出している。(敬称略)

 ■シリーズ1は、金子聡、石橋文登、赤地真志帆、橋本亮、山口敦、河居貴司、木村さやか、杉本康士、尾崎良樹が担当しました。

 来年4月の統一地方選に向け、国と地方のあり方を問う「地方異変」は随時掲載します。

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