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間違いだらけの中国人富裕層訪日ツアー !

2010年12月3日 DIAMOND online 姫田小夏 [ジャーナリスト]

今年10月、中国からの訪日客は一転して9ヵ月振りの前年同月比減(1.8%、1900人減)となったものの、今年2月以来、中国からの訪日客は過去最高記録を更新し、1~10月では128万4300人と前年同期比49%増という高い数字となっている。

 確かに数字こそ稼いではいる。だが、中国からの訪日ツアーの「質」はどうなっているのだろうか。実態からは「おもてなし」を受けるどころか、「貧乏国ニッポン」に狼狽する中国人訪日客の姿が浮かび上がる。

 尖閣問題で揺れる今年10月の国慶節、そのさなかに上海からあるツアーが1週間の日程で日本に向けて飛び立った。東京から箱根を経由して大阪に抜けるゴールデンコースは、1週間の日程で1万5000元(約18万7500円、1元=約12.5円で換算、以下同)という超VIP向けオーダーメイドツアーだ。だが、このツアーの参加者は惨憺たる「おもてなし」に呆れ果てて帰国の途についた。

 そもそも上海発日本行きのツアー価格は、5泊6日で4000元(約5万円)程度というのが定番だとされている。3泊4日で3000元(約3万7500円)という激安ツアーも売り出されるなかで、その数倍にも相当するこのツアーがいかに「破格中の破格」であるかがわかるだろう。

超VIPツアーのはずが、宿はシングル9000円のビジネスホテル!

 先日、筆者はこのツアーに参加したAさんと面会した。Aさんはツアーの参加者らを「中国では1日1万元を消費し、150万元超の高級車を乗り回す富豪たち」と描写する。国家機関のトップに属する大物を筆頭に、「やんごとなき人々」がこれに加わったという。

 だが、彼らが日本で受けた「おもてなし」は惨憺たるものだった。Aさんはこう振り返る。

「ホテルは中国人だらけのビジネスホテルでした。あちこちで中国語が聞こえるので、中国と間違えるほどでした」

同ホテルは都心のビジネスホテル。シングルルームで9000円程度の、エコノミー仕様だ。

 これだけの料金を払いながら、宿泊するのはまるで犬小屋のように狭い客室。中国人だからという理由だけで、他の団体客と同じ扱いで押し込められたエコノミーホテルに、参加者らはまったく合点がいかなかったという。

夕食バイキングは「安さ爆発!」接客は横柄な態度の高校生アルバイト!

 さらにAさんは続ける。

「ディナーはバイキングでしたが、肉は固く魚もまずくてもう『安さ爆発!』という感じでした。食事のまずさは百歩譲ったとしても、レストランのサービスのひどさは少なからずショックを受けました」

 Aさんによれば、フロアでの接客担当者は高校生のアルバイトだったという。敬語も使わず、横柄な態度、仮に言葉がわからずとも、明らかに中国人を馬鹿にしていることは一目瞭然だったという。

 日本語が堪能で、滞日経験も長いAさんはこう結んだ。「ここは日本であるはずなのに、中国よりもサービスはひどい。他のツアー客は、日本を相当の貧乏国と思ったに違いありません」

 実は、これは日本での受け入れ先となるホテルやレストランがよくやるパターンだ。中国人旅行客をひとところに集約することで、ピンポイントのサービスを提供しやすいという利点があるからだ。

 そしてまた別の利点もある。「日本人常連客の流出回避」がそれだ。実際に飲食店などからは「大声で騒ぎ、マナーを知らない中国人観光客と一緒の席に座ることを嫌がる日本人は少なくない」との声があるように、中国人客と日本人客をどのように“棲み分け”させるかが、ひとつの課題となっているのだ。

コスト削減とバックマージンの果てに肝心の顧客に「実」が残らない惨状!

 1泊数万円のホテルに、朝夕の豪華グルメ…。観光立国を目指す日本が期待しているのは、まさにこうしたオーダーメイドツアーでやってくるような中国人訪日客だ。目下、日本の関連団体・企業が「富裕層チャンネル」を掘り起こそうと躍起になっているのは、価格競争に終始する「4000元の定番ツアー」とは異なり、「VIPが落とすマネーこそが日本に経済効果をもたらす」という認識があるためだ。

 しかしなぜ、豪華ツアーが貧乏ツアーにすり替わってしまうのだろうか。インバウンドビジネスに詳しい旅行業界のB氏を訪ねた。

「1人1日1万元超を消費する、という情報が末端に伝わっていない可能性があります」

 B氏は、中国側の旅行社が日本のランドオペレーター(宿泊や観光地、現地の交通手段など「地上手配」を行う専門会社のこと)に正確な予算を伝えていないケースが散見されると指摘する。また、正確に伝えないどころか、「5000元の予算」などのように虚偽の報告をしている可能性も考えられるという。さらに、格安ツアーの後に高級ツアー、というように交互に送り込んで、前回の赤字を「高級」で埋めるやり方も常套手段のひとつになっているようだ。

 また、B氏は“ガイドへの丸投げ”も問題視する。「旅行会社がある程度中抜きし、残りの予算をガイドに与えるやり方もある」。日本でのホテルやレストランを手配するのはガイドの仕事となり、結果、ガイドは実入りを多くするために片っ端から「格安」を手配してしまうことになる。

 この丸投げが訪日ツアーの質の悪化をもたらしているとすれば、こうした悪徳ガイドの暗躍を規制すべきだろう。だが、ガイドによっては報酬を旅行会社からもらうのではなく、旅行客を連れて行った買い物先からバックマージンとしてもらう者も多い。彼らが置かれている立場の不安定さ故に、一概にガイドだけを責めることはできないのである。

 むしろ、ガイドに対し「クレームの出ない範囲でうまくやれ」と“知恵をつける”旅行社も存在するわけで、結局はコストを下げさせるためのあの手この手は、旅行社が深く関与しているケースが多い。顧客満足度を上げるには、旅行業界に存在する複合的な問題を解決する必要がある。

 ちなみに、今回の訪日ツアーを受注した旅行会社を調べてみた。HPには「オバマ氏の大統領就任式典に参加するツアー」や「欧州の雪山で堪能するゴルフツアー」「時計コレクター向けスイス豪遊ツアー」など超VIP向けのツアーがズラリ。しかし、顧客の不満が訴えるように、実際のビジネスは羊頭狗肉、結局は「現地への丸投げでよし」とする質の低さが見て取れるのである。

そして観光客が落としたマネーは華人コミュニティを回遊する!

 中国からの訪日旅行者はいまのところ「東京~箱根経由~大阪」のゴールデンコースに8割方集中し、残りのうち1割が「東京~北海道」、さらに1割を「東京滞在」で分けているのが実態だ。日本の各自治体は観光プロモーションに熱心だが、地方の旅館や飲食店などが潤うのはまだまだ先のことだ。

 それどころか、日本に落ちたはずの中華マネーもその実、日本の中の中華コミュニティに吸収されがちなのが現状だ。

 中国人ガイドが日本を案内し、キックバックの多いの中華料理店に連れて行き、華人が経営する免税店に連れて行く。日本ツアーといえども、訪日客らはなんら華人コミュニティから離れることはなく、また肝心の観光客が落とす中華マネーは日本国内の中華ネットワークにとどまる傾向が強い。

 観光に詳しい専門家は「これは日本人が海外旅行に行っても同じこと。現地の日本人ガイドが手配するのは、日系のホテルやレストラン、デパートなど、結局日本人コミュニティの域を出ることがないのです。NYやパリでもジャパンマネーはジャパンコミュニティに落ちるしくみなのです」と語っている。

 とはいえ、やはり最大の問題は、日本の得意とする「おもてなし」がすっかり度外視されてしまっていることだろう。

 背景には価格競争のすさまじさが存在する。最近は冒頭で紹介した3泊4日3000元(約3万7500円)をも切るような超激安ツアーが続々と登場。エアラインを除けば、内訳は宿泊費込みで1日あたり5000円でのやりくりとなる。結果、中国からのツアー客は薄汚れた狭い客室に詰め込まれ、1食数百円の予算で作った激安ディナーを食べるはめになる。

 なかなか日本の「おもてなし」が届かない。ツアーそのものの質が低下するなかでは、等身大の日本すらも伝わらない。しかも、日本が貧乏国のレッテルを貼られるという“風評被害”まで受けたのでは、残念極まりない。
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