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仏作って魂入れずでは、日本は滅びる!

2011.01.14(Fri)JBプレス 高井晉


1、新防衛大綱と安全保障の基本

民主党政府は、2010年12月17日、新たな「防衛計画の大綱」(PDF)と「中期防衛力整備計画」(PDF)を閣議決定した。1976年に防衛大綱が決定されて以来、6年ぶり3回目の改定であった。

日本の外交・安全保障政策は、これまで継続して自民党政府が担ってきており、今般決定された新防衛大綱は、安全保障政策が不明確であった民主党政府が策定したことから、その内容が注目されていたところである。

 新防衛大綱は、日本の安全保障の基本理念として、次の3つを挙げている。

(1)日本に対する直接脅威の防止
(2)アジア太平洋地域の安全保障環境改善による脅威発生の予防
(3)世界平和と人間の安全保障確保への貢献

 その基本方針としては、次の4つを掲げた。

(1)統合的かつ戦略的な取り組み
(2)従来の基盤的防衛力に代わる動的防衛力の構築
(3)日米同盟の深化と発展
(4)アジア太平洋地域における多層防衛など

 自民党政府の基盤的防衛力構想、すなわち必要最小限度の防衛力の保持と武力紛争抑止のための日本領土全体への部隊配置構想は、民主党政府の動的防衛力構想、すなわち多様な事態や脅威に対して機動的に対処する構想へと転換された。

 新大綱は、基本方針の「統合的かつ戦略的取り組み」として、情報収集と分析能力の向上、および国連PKO(平和維持活動)への参加のあり方の検討に加え、国家安全保障に関して首相へ助言する組織の設置を掲げている。

すなわち、安全保障会議を含む内閣の組織・機能・体制などを検証したうえで、国家安全保障政策に関し、閣僚間の政策調整と首相への助言などを行う組織を首相官邸に設置するとした。

 安全保障会議や事態対処専門委員会など、既存の安全保障政策立案組織等を検証し、外交・安全保障政策を首相主導で総合的に策定する意思を表明したのであった。

 日本は、外交・安全保障に関わる政策策定にあたり、外交・安全保障戦略を欠いているとの指摘がなされてきた。

 新大綱で設置が構想された新組織の具体的内容は不明であるが、諸外国に設置されている国家安全保障会議に類似する組織が想定される。

 民主党政府は、新組織と国家戦略室との関係を明らかにしていないが、国家戦略と外交・安全保障戦略との連携を意図して外交・安全保障政策を策定する意図であれば、この決定は高く評価されよう。


2、日本の安全保障会議

 日本の安全保障会議は、「国防会議の構成等に関する法律」(1956年)に基づく国防会議に代わるものとして、安全保障会議設置法(1986年)により新たに設置された。

 安全保障会議の構成メンバーは、内閣総理大臣を議長とし、総務大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、防衛大臣、内閣官房長官および国家公安委員長の9人である。

 内閣総理大臣は、国防の基本方針、防衛計画の大綱、防衛計画に関連する産業調整計画の大綱、武力攻撃事態等への対処に関する重要事項、その他国防に関する重大事項、重大緊急事態への対処に関する重要事項について、安全保障会議に諮問しなければならない。

その後、2006年12月に防衛庁設置法が一部改正され、周辺事態への対処と国際平和協力活動が首相の諮問事項に追加された。

 安全保障会議の下部組織である事態対処専門委員会は、2006年6月、安全保障会議設置法の改正により設置された。内閣官房長官を委員長とする同委員会は、内閣総理大臣が任命する不特定のメンバーで構成される。

 例えば、武力攻撃事態対処法関連3法案が国会提出された2002年のメンバーは、以下の16人であった。

 内閣官房副長官、内閣危機管理監、内閣情報官、総務審議官、消防庁長官、法務省入国管理局長、外務省総合外交政策局長、財務官、財務省関税局長、経済産業省貿易経済協力局長、資源エネルギー庁長官、国土交通審議官、海上保安庁長官、警察庁次長、防衛庁防衛局長、統合幕僚会議議長。

 安全保障政策の中で最も重要な防衛政策は、一般に、国家的な安全保障戦略に基づく必要性があるにもかかわらず、安全保障会議は、外交・安全保障戦略を構築する任務がなく、ともすれば各省庁の縦割り的発想に陥りがちであった。

 国家レベルの外交・安全保障戦略構築が諮問事項にないという安全保障会議の実情に鑑み、首相官邸の機能を強化するシステムが求められていた。



3、諸国の国家安全保障会議

3.1 米国

米国は、早くも1947年に国家安全保障法に基づいて、大統領の直属の機関として国家安全保障会議NSC)を設置した。

 同会議は、安全保障政策の立案や関係省庁間の調整を任務とし、大統領、副大統領、国務長官、国防長官という4人のメンバーで構成されている。

 このほかにCIA長官や統合参謀本部議長などが陪席し、必要に応じて財務長官、司法長官、各分野の民間人専門家がアドバイザーとして招集されることもある。

 米国国家安全保障会議は、設立当初、陸軍長官、海軍長官、空軍長官も構成メンバーであったが、1949年以降は正規メンバーから除外した。

 同会議は、設立以来、歴代大統領の決定に必ずしも有効活用されなかったが、今日では、国家安全保障問題担当大統領補佐官が事務局を統括し、大統領の主導による外交・安全保障政策策定のための重要な機能を果たしている。

3.2 ロシア

 ロシア連邦大統領の直属機関であるロシア連邦安全保障会議は、ソビエト連邦基本法改正に関する連邦法(1990年)に従って設立されたソ連邦安全保障会議を引き継いだものであり、安全に関するロシア連邦法(1992年)によって、大統領府に設置された。

 ロシア連邦安全保障会議は、国防のみならず経済、社会、情報、生態系分野そのほかの戦略的対応が必要な問題について、大統領の意思決定を補佐する組織である。

 同会議はロシア連邦大統領を議長とし、常任委員は安全保障会議書記、首相、副首相、政府官房長官、国防相、外相、内相、対外情報庁長官、連邦保安庁長官、ロシア連邦大統領府長官、ロシア連邦議会下院(国家院)議長、ロシア連邦議会上院(連邦院)議長等の14名が、大統領令により任命される。

3.3 英国

 英国においては、従来、外交・安全保障政策について、内閣委員会が首相への助言や関係各省庁との調整や政策立案を行ってきた。

 平時には、首相、外相、国防相、財務相の4人がメンバーの「海外政策および国防委員会」が、有事には同委員会に代わる特別小委員会の「戦時内閣」が設置されてきた。

 しかし、内閣委員会はあくまで内閣の一組織であったことから、デビッド・キャメロン政権は、2010年5月、最初の改革として国家安全保障会議を設置し、行政府の執行能力を高めるため週1回のペースで同会議を開催している。

 英国国家安全保障会議の議長は首相であり、副首相、蔵相、外相、国防相、国際開発相の6人がメンバーとなっており、必要があれば参謀総長(CDS)、合同情報委員会(JIC)議長、各インテリジェンス機関の長官が会議に招集される。

 同会議は、政府が取り組む政策策定に当たって、政治主導で優先順位を設定する最重要な政府機関として位置づけられている。

 英国では、「国家安全保障戦略」が毎年作成され、具体的な戦略計画を検討する「戦略防衛及び安全保障見直し:不確実性の時代における英国の安全確保」が5年ごとに作成される。

3.4 ドイツ

 ドイツの政権与党のキリスト教・民主同盟は、2008年5月に政策綱領を発表し、ドイツの安全保障の中心的戦略目標として、次の5つを掲げた。

(1)テロリズムとの戦い
(2)大量破壊兵器拡散防止と軍縮推進
(3)エネルギーと原料供給の確保
(4)気候変動の結果の解決
(5)紛争の防止と拡大抑止

 そのうえで、かかる戦略目標を迅速かつ統一的に追求するために、国家安全保障会議による効果的な安全保障政策を実現することを謳っていた。

 また同綱領は、政治的な分析、調整および決定の中心となる国家安全保障会議の任務として、次の3つを挙げている。

(1)ドイツ国内外のあらゆる脅威について包括的かつ省庁の枠を超えた分析
(2)外国における民生上・軍事上の危機の解決と防止の調整
(3)適切な防衛措置と緊急事態計画および郷土防衛隊の出動調整

 ドイツ連邦議会は、同綱領に掲げられた国家安全保障会議の設置に関して審議したが、結論に至らなかった。

 諸国の国家安全保障会議は、それぞれの国情と政治事情に応じて発展してきたものであるが、米国のそれを除いて、冷戦終焉後になって設置される傾向にある。

 諸国は、冷戦終焉後の多様化する国際安全保障環境に対応するため、長期的かつ総合的観点から国家戦略に基づいた、外交・安全保障政策策定の重要性を共通認識としていたと言える。

 

4、安倍構想の国家安全保障会議

 日本の外交・安全保障政策は、従来、国防と重大緊急事態その他重大緊急事態という極めて限定された諮問事項を有する安全保障会議に加えて、内閣官房、外務省防衛省を中心に立案し決定されてきた。

 しかし、幅広い外交・安全保障上の課題について、総合的かつ戦略的に政策を企画立案する体制を欠いていた。

 長期的視野に立った外交・防衛政策を立案するうえで必要な、外交・安全保障戦略が構築されてこなかったと言えよう。

 自民党安倍晋三・元首相は、このような状況を改善する目的で、2006年11月、「国家安全保障に関する官邸機能強化会議」を設置した。

 安倍元首相は、日本の国家安全保障会議の設立を念頭に、制度上は英国の内閣委員会を模範として、役割や権限は安全保障政策の企画立案まで行う米国国家安全保障会議型を一部導入する構想であった。

 首相を議長とする同官邸機能強化会議は、内閣官房長官、国家安全保障問題担当の内閣総理大臣補佐官、その他11人の民間人有識者メンバーで構成され、翌年2月に最終報告書(PDF)を提出した。

 同最終報告書は、次の3つを提言していた。

(1)国家安全保障に関する司令塔の機能を強化すること
(2)大局的な観点に立った議論を行う国家安全保障会議を内閣の下に創設すること
(3)機動的かつ実質的な議論を行うために恒常的な事務局を設置すること

 安倍構想の国家安全保障会議のメンバーは、内閣総理大臣(議長)、内閣官房長官、外務大臣、防衛大臣の4人とし、議長が必要と求めるときは、他の関係閣僚をメンバーとして参加させるとした。

 安倍構想によると、国家安全保障会議の会合は少なくとも月2回とし、同会議の審議事項は次の3つを基本方針とした。

(1)外交・安全保障の重要事項に関する基本方針(国防の基本方針、防衛改革の大綱を含む)
(2)複数の省庁の所掌に属する重要な外交・安全保障政策
(3)外交・安全保障上の重大事態(武力攻撃事態等その他重大緊急事態を含む)への対処

 なお、既存の安全保障会議の諮問事項については、引き続き同会議で審議を行うこととし、事態対処専門委員会は、その機能を強化して、国家安全保障会議の下部組織に位置づけた。

 安倍構想の国家安全保障会議は、資源・エネルギー、海外経済協力、経済外交などの問題については、専門的な見地から議論を深めるため、同会議議長が必要を認める場合、閣僚級その他の専門家会議を設置することにした。

 また、大規模災害、テロ、ハイジャックなどへの対応については、通常の緊急事態対処体制で適切に対処できない場合、国家安全保障会議で審議することもある。

 さらに、首相に常時アクセスして緊密に意思疎通するために、国家安全保障問題担当の内閣総理大臣補佐官の新設を盛り込んでいる。

 国家安全保障会議に関する安倍構想は、日本の外交・安全保障戦略の欠如および安全保障会議の限定された諮問事項など、日本の外交・安全保障政策策定上の実情を踏まえて、国家安全保障会議の任務や構成を具体的に提言しているだけに、高く評価されるべきものであった。

 かかる安倍構想を実現するため、2007年4月、「国家安全保障会議設置法等の一部を改正する法律」案が国会に提出されたが、残念ながら衆院で継続審議となった。

 さらに福田康夫内閣は、同年12月、既存の安全保障会議が機能しているとの理由で、国家安全保障会議の設置を断念したのであった。



5、「新組織」の課題

 新防衛大綱で設置が構想されている「新組織」は、具体的な内容は不明であるが、諸外国や安倍構想の国家安全保障会議と大きく異なるとは思えない。

 冷戦終焉後の国際的な外交・安全保障環境はめまぐるしく変化しており、沖縄米軍基地問題、尖閣諸島防衛問題、北方領土問題、レアアース問題、北朝鮮の核・ミサイル開発問題、その他多くの外交・安全保障問題に対し、国家的な外交・安全保障戦略に基づいて中長期的視野に立った判断と政策策定が必要であることが分かる。

 国防問題は最も重大な外交・安全保障問題であり、国土の防衛のみならず、国連PKO等の国際平和協力活動など非伝統的な軍事力の活用においても、実働部隊である自衛隊が果たす役割は大きい。

 防衛大綱や中期防衛計画の構築に際しては、外交・安全保障戦略に基づく必要があり、今般の新大綱で採用された動的防衛力構想や自衛官1000人削減などが、確たる国防戦略に基づいたものであれば、多くの国民に支持されよう。

 韓国国家安全保障会議は、米国のそれをモデルに設置され、大統領を議長に、国務院総理、外交通商長官、統一部長官、国家情報院長のほか、大統領が定める若干のメンバーで構成されている。

 盧武鉉大統領時代の国家安全保障会議は、特殊な情報分析と意思決定により、それまでの政権が継続してきた外交・安全保障政策を大幅に変更して反米・反日政策などを決定したため、次の李明博政権は、何よりもこれらの国との関係修復に意を注ぐ必要があったという。

 米国や英国そして安倍構想の国家安全保障会議は、実質的な審議を行うため、少人数のメンバーに限定されている。

 新防衛大綱における「新組織」の構成メンバーは、外交・安全保障戦略を審議するのに相応しい、適切な国家観や歴史観を持った見識ある人格者でなければならない。

 政権交代があった場合、内政問題はともかく外交・安全保障政策は、関連する諸外国との関係を覆すような大幅な変更は望ましくなく、一定の継続性が維持されている必要がある。

 「新組織」に事務局を設置する場合は、危機管理と危機対処時の状況判断に関して専門的知識や実務経験を有する少数精鋭のスタッフを置き、外交・安全保障戦略の構築にあたらせることが肝要である。

 さらに「新組織」は、戦略情勢情報の収集や分析、実行可能な戦略計画の策定、公正な戦略評価など、一貫した合理的な外交・安全保障戦略の策定を可能としなければならない。

 「新組織」においては、これらに熟達した優秀な自衛官を配置することも考慮する必要があろう。

 いかに理想的な「新組織」を設立したとしても、その運用に魂が入っていなければ全く無意味なものとなることを銘記しなければならない。

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