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急成長期に入った中国のオンラインショッピング!
2011.01.31(Mon)JBプレス 山谷剛史
中国の沿岸部から内陸部に至るまで、およそ都市という都市では市場がネットに侵食されつつある。これまでブランドショップや家電量販店や電脳街などで購入をしていた若い消費者がオンラインショッピングに流れているのだ。
店舗から中国の若者の姿が消えた?
以前、こうしたリアルな店舗の客は若者が多かった。しかし、最近は売り場でお洒落な若者の姿を見ることがめっきり少なくなった気がする。
わずかな期間で店の変化がはっきり認識できるほど、オンラインショッピングの利用者が急速に増えているのだ。
まずはデータを紹介しよう。
中国のオンラインショッピング利用者は、インターネット利用者4億5700万人の35.1%に当たる1億6051万人(CNNIC調べ)。1年前の調査結果では1億800万人、2年前の調査結果では7400万人なので、いかに急激に利用者が増えているか分かるだろう。
そのほとんどが「淘宝網(TAOBAO)」というサイトを利用する。
ネットショッピングへの不信感!
中国では淘宝網を「個人対個人取引(C2C)」と称しているが、企業が同サイトでネット店舗を運営するケースが当たり前となっているので、オークション形式ではない即落札のヤフーオークションのようなものだと思えばほぼ間違いはない。
ただし、このサイトは利用者は多いのだが、実はここで頻繁にオンラインショッピングを利用する消費者はそう多くない。1回当たりの購入額は500元(約6500円)以下がほとんど。
中国在住の筆者の実感としても、たまに頻繁に買い物をする人は見かけても、高い買い物をしている人は滅多に見られない。
この原因として不信感がある。
近年のオンラインショッピングの利用者増加とともに「不良品を送りつける」「ニセモノを送りつける」、ひどい場合では「携帯電話購入客にモックアップを送りつける」などといった悪徳業者が増加し詐欺事件も頻発している。
中国らしい「騙される方が悪い」!
中国版「消費者センター」への苦情も淘宝網絡みのトラブルばかりが目立つようになった。
CNNICの調査報告「2009年中国網絡購物市場研究報告」によれば、オンラインショッピング利用者の13.2%が「嫌な経験をした」とし、その理由は上位から「写真と異なる商品が届いた(52.3%)」「ニセモノ(25.0%)」「不良品(22.7%)」となった。
日本でも人気のグルーポンでおせち料理を買った人たちが、写真とは似ても似つかぬ料理が届いて大きな問題になっていたが、淘宝網ではそんなトラブルが後を絶たない。
実店舗での取引の時代から「騙される方が悪い」と開き直る悪徳業者は中国では絶えず、オンラインショッピング普及で初めて問題化されたわけではない。
そうした悪しき商習慣を防ぐべく、淘宝網は支払いシステムを商品到着後の後払いとし、当時中国でも最もシェアの高かったイーベイを抜き去り消費者の支持を得た。
急速に人気が出始めたB2Cサイト!
ところが、そうした詐欺防止のシステムを提供してもなお、詐欺に遭う消費者が絶えないのである。
そこで、最近注目されているのが、得体の知れない売り手ではなく、信用ある企業が自社ブランドを懸けて販売する「企業対個人(B2C)」のオンラインショッピングサイトだ。
「淘宝網」のB2Cサイト「淘宝商城」を筆頭に、書籍が主力の「アマゾン中国」や、同じく書籍がメーンで最近ナスダックに上場したばかりの「当当網」、アパレルの「VANCL(凡客)」、家電に強い「京東商城」、ベビー用品をはじめとした女性向け商品に強い「紅孫子」あたりのサイトが上海や北京を皮切りに「知る人ぞ知るサイト」として人気を博している。
特に淘宝商城は、中国地場企業を中心に多くのメーカーやアパレルなどのメーカーがネット旗艦店を出し、タイムセールを行っていることで、淘宝網の知名度との相乗効果により最も人気のB2Cサイトとなっている。
また、ユニクロのネット旗艦店は実店舗同様に成功を収め、売り上げに貢献しただけでなく企業の知名度を高めた。
中国で始まったショッピングデバイド!
「安くて信頼できる」として、オンラインショッピングサイトや中国版ツイッターもどきやフェイスブックもどきに真っ先に飛びついた先進的ネットユーザーがB2Cサイトに飛びついている。
彼らの口コミなどで徐々に利用者が増え、最近では中国全土の都市部でB2Cサイトでの買い物が「賢い買い物」だと認知されるようになっている。
価格の高い商品がオンラインで安心して買えるようになったことから、淘宝網の人気にも影響をそれほど受けなかった家電量販店や電脳街では顧客が激減、店舗では遠方の農村からの顧客やインターネットを利用しない中高年ばかりが目立つようになった。
また、携帯電話販売店では、オンラインショッピングサイトを知らない地方出身の出稼ぎ労働者や大学生ばかりが利用するようになっている。
そこで、中国の蘇寧電器や国美電器などの家電量販店は、インターネットおよびオンラインショッピング利用者の少ない小都市への展開に活路を見出している。
小型の電気店が減少し始めた!
また中国の家電メーカーは、週末や連休になるたびに繁華街に特設販売ブースを出し、ネット旗艦店よりは高い値段なのに「家電量販店よりも安い特別価格」と称してテレビを販売し、地元の中高年や郊外から遊びに来た人々を惹きつけている。
インターネットが利用できる層とできない層が分離し、それぞれ顧客層が一定数以上いるためにそういった売り方が成り立つのである。
ユニクロはネット旗艦店で成功を収めたが、一方でリアル店舗でもバーゲンを行うため客の入りはいい。他のアパレルブランドにしてもしかりである。
一方で小さい都市に移動ができない電脳街では、中国を代表する電脳街「中関村」をはじめとしていよいよ店舗数が減少し始めている。
儲からないためにお客を騙してでも利益を上げようと躍起になり、結果としてさらに実店舗離れが起きるというネガティブスパイラルに陥っている。
日本企業よ、このチャンスを生かせ!
オンラインショッピングが急成長する中、実店舗でも勝ち組と負け組に分けられてきているわけだ。実店舗とネット旗艦店では客層が違うため、それぞれに違ったアピールをする必要がある。
中国では、先進的なユーザーが淘宝商城などのB2Cオンラインショッピングサイトで本格的に買い物をし始めたばかり。
これから「信頼できて安いオンラインショッピングサイトを利用したいというニーズ」の増加が確実視される中、この流れに乗らない手はないのではないか。
また、B2Cオンラインショッピングサイト同士の競争が激化してきている中で、安価な配送費を武器に運送業者がオンラインショッピングサイト投入に意欲を見せる。
このほか、イタリアの高級ブランド、アルマーニなどの世界的ブランドメーカーも「高額でも本物だから信頼して買ってくれる顧客がいる」として参入に意欲を見せている。
高額で高品質の日本製品はオンラインと相性が良い!
今や中国でモノを売りたい企業にとっては、最も知名度の高い淘宝商城への旗艦店出店は特に意味がある。楽天の中国版「楽酷天」も将来有名になればそこでの出店も有意義だろう。
旗艦店を出店し競争力のある価格の商品を提供することによって、それまでの実店舗では値段が高くて地場メーカーを選んでいた消費者の一部が飛びつき、彼らは間接的に企業の広告塔となるだろう。
日本の商品は高額だが高品質の製品であり、ニセモノが出やすい製品でもあり、消費者視点では従来の淘宝網では利用しづらい。
今後中国で「信頼されるB2Cショッピングサイト」がメジャーなサイトになっていくからこそ、中国でモノを売っていきたい日系企業は早めに旗艦店を出店したいところだ。
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