平成22年 第12回「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」(松江市)有機栽培・JAS認定部門で特別優秀賞を受賞。(食味90・味度83・計173点)
平成25年、第15回魚沼と第16回北京開催運動中!
無農薬魚沼産コシヒカリ生産農家・理想の稲作技術『CO2削減農法』
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競争は国有企業の意識すら変えた !
2011年1月20日 DIAMOD online 莫邦富 [作家・ジャーナリスト]
7年前の2004年のことだ。山東省青島市を訪問した私は、早朝の飛行機に乗り、渤海湾を隔てた大連に移動した。
予約している宿泊先のホテルである大連スイスホテル(現・大連瑞詩ホテル)に到着したのは9時半頃だった。持っていた荷物をホテルに預けてから予定している企業訪問をしようとホテルのフロントに立ち寄った。
フロントの女性から「お客さんがチェックインなさるのですか」と聞かれ、早朝でもチェックインできるんだ、と心から自分の幸運を喜んだ。きっとホテルの客室が空いているのだろうと思った。チェックインの手続きをしながら、女性は無線通話機で客室係を呼び出した。「掃除済みですぐに利用できる客室はありますか」と確かめているのを聞いて、びっくりした。客室係の返事を確かめてから、女性は申し訳なさそうに私に向かって謝ってくれた。
「昨日はホテルが満室だったため、今のところは掃除が終わった部屋がまだありません。あと15分ほどお待ちいただけたらご利用できます。それまでラウンジでコーヒーでも飲みながら待っていただけませんか」。そう言いながらコーヒーの無料券を渡してくれた。
私はすっかり感動した。同行した妻に中国でこんなホテルのサービスを受けられるとは信じられないと感想を述べた。
7年の歳月が経った今でもこのことは鮮明に私の記憶に残っている。しかし、それでもその思い出はどことなくセピア色の写真のようなものにすこしなりかけていた。その記憶の写真を焼き直すかのような出来事が今週の中国旅行中に起きた。
今回、私は企業関係者とともに山東省の東営市、済南市を訪問した。16日から19日にかけての慌ただしい旅行だったが、同行の2人はもっと厳しいスケジュールに追われていた。18日午前の高速鉄道(中国版新幹線)で北京へ移動し、そこから飛行機で日本へ帰るのだった。
そのスケジュールに合わせて、私たち全員は早朝6時半に東営を出て、済南へ移動した。2人を鉄道駅に送ってから、残り全員の宿泊先であるホテル、山東大廈に移動し、そのままチェックインの手続きをしようとした。
朝10時にホテルにチェックインすることが日本の常識から見て適切な行動かどうかも考えずの行動だった。フロントの女性はにこやかに受付をしてくれて、そして客室を用意してくれた。しかし、ルームキーを渡しながら、彼女が謝ってくれた。「春節前でホテルはとても混んでいます。客室の掃除はあと20分間で終わります。それまでお手数ですが、19階にあるラウンジでコーヒーを飲みながらお待ちいただけますか」。
その時、目の前の女性の笑顔と重なるかのように、7年前の大連スイスホテルで記憶に焼きこまれたフロントの女性のあの優しい笑顔がはっきりと瞼にまた浮かび上がってきた。7年前に、大連スイスホテルで早朝のチェックインを受け付けてくれたのは、サービスの大切さをよく理解している外資系ホテルならではのサービスだと私なりに理解していた。しかし、山東大廈は国営系のホテルだ。国営系のホテルというと、昔のサービスの「サ」の字も知らないところであった。しかし、7年の歳月と中国の市場競争は国有企業までもをサービス重視の方向に進歩させた。19階にあるラウンジで運ばれてきた温かい紅茶を啜りながら、時代の変化をしみじみと振り返った。
ホテルのサービスの変化といえば、今回のビジネス旅行で、もうひとつ感心したことがある。東営市の開発区にあるホテル「藍海国際ホテル」にたどり着いた時は、すでに夜7時を回っていた。
その日、早朝7時前に東京の家を出た。飛行機で東京羽田~上海~山東省の済南空港まで移動してから、さらに車に乗り換え、2時間半も揺られて東営市へ向かった。ホテルにたどり着いた時は寒さと飢えで疲れていた。
ホテルのフロントで早くチェックイン手続きをして、夕食に行きたいと思った。そこで、フロントの前に置かれているテーブルに温かいコーヒー、紅茶とケーキ―が用意されているのに気付いた。すこし離れたところにはリンゴも置いてある。思わず手を差し伸べて、ケーキ―を一つつまんだ。このささやかな無料サービスにも感動した。
ハードの面で段々と整備されてきた中国では、競争の重点がソフトなサービス分野に移りつつあることを肌で感じた。同行の日本人一行も感激しきった様子だった。
日本人の多くはそれまでの私と同じように、ホテルなどの施設はハードの面では中国の急速な追い上げを受けているが、サービスにおいては日本はやはり一流で、そう簡単に中国に追いつかれないだろうと思っているかもしれない。
しかし、今度の旅行で、サービスという分野でも日本は中国からの挑戦を受けており、日中間はいよいよ刺激的な競争相手になってきているのではないか、と感じた。
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