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古峰山【新潟県と新潟県境の山、百山百色 No 6370】
山と高原地図・昭文社「越後三山」
新潟県南魚沼市姥沢新田
http://www2.plala.or.jp/ja0cno/6370.html

南魚沼市
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E9%AD%9A%E6%B2%BC%E5%B8%82

古峰山は、巻機山の割引岳から西に延びる尾根の末端にある岩山である。巻機山の登山口である清水集落に至るR.291脇にあるにもかかわらず、気が付かない山であるが、麓に立つと、小さいながら一気に頭を持ち上げた姿に登頂意欲をそそられる。

楽天マップ
http://map.rakuten.jp/spot/141079/%E9%AD%9A%E6%B2%BC%E5%8F%A4%E5%B3%B0%E5%B1%B1+(+%E3%81%93%E3%81%8C%E3%82%89%E3%81%95%E3%82%93%E3%80%81710m+)

昭文社の登山地図「越後三山」の中で、巻機山の割引岳から西に下る尾根の末端に、古峰山という山があり、登山道が周回するように付けられているのが目にとまった。一周2時間ほどなので、気楽にピークハントという気持ちで向かった。
 六日町へ高速道を使って移動し、巻機山の登山口の清水に向かうR.291に進んだ。沢口の交差点で、左に曲がると、未舗装の道に変わって荒れた感じのサッカー場の脇に出た。前方に、二つの峰を並べた岩山が見え、それが古峰山のようであった。サッカー場を回り込んだところで、T字路になり、右手へ進む林道入口に車が止めてあって進めなかったので、ここから歩き出すことになった。登山地図では、案内板があると書かれていたが、それらしきものは見つからないので少し変だなとは思った。
 古峰山は、急遽思いついた山で、事前の準備はしていなかった。登山地図にも記載されているコースなので、GPSにコースを転送し、2万分の1地図を印刷する程ではないと横着したのが、苦労の始まりであった。ここからは、登山口を捜しての迷走が始まった。右手の林道を進むと、すぐに林道の終点になった。左にも山道が分かれたので、ここが登山口かと思って先に進んだ。橋を渡ると、杉の植林地の広がる谷間に入った。沢が左手にあるのでおかしいと思って引き返したが、25分のロスになった。林道終点広場に戻って左手の道に進むと、すぐに、台地に広がる畑脇の農道に飛び出した。その先には、古峰山の山頂が見えて、進むべき方向は判った。
 林道終点部で渡った沢は神字川であった。登山地図に従うならば、T字路では左折して、姥沢新田からの道に出て、折り返すように進むことになるようであった。
 地図には記載されていない農道歩きで、古峰山の登山口に到着することができた。ここには大きな登山口の標識が立てられていた。
 尾根の南に進んでから北に方向を変えると急な登りが始まった。登山道は良く整備されており、急登にもかかわらず、歩きやすかった。雑木林の尾根をひと登りすると、第一展望台にでた。麓の集落の眺めが眼下に広がっていた。登山道周辺もしだいに岩場状態に変わっていき、西峰に出ると、ここには第二展望台と書かれていた。
 岩稜を辿った先には、ピラミッド型の岩山がそそり立ち、その背後に白い雪を抱いた巻機山の稜線が広がっていた。予想していなかったアルペン的な眺めであった。その先の岩稜歩きは、難しくはないとはいえ、足元には注意が必要であった。高さ4m程の垂直の壁が現れたが、梯子が掛かっており、難なく通過できた。イワウチワやイワナシの花が多く、目を楽しませてくれた。最後に、急斜面を足場に注意しながら登ると、古峰山の山頂に到着した。
 古峰山の山頂には、古峰神社と書かれた石柱が置かれていた。狭い山頂の縁には、転落防止の立ち入り注意のロープが張られていた。眼下には高度感のある眺めが広がり、岩尾根の先は、割引山へと続いていた。登っていないピークということで、さほどの期待感もなくやってきたが、存在感のあるピークであった。
 登山道が続いていることに引かれて先に進んだ。ピークを乗り越していく岩稜歩きが続いた。再び雨が降り出して、下山を急ぐ必要が出てきた。左手の姥沢川が近づいてきたので、下降点はまだかと思いながら歩いた。鞍部から登りに転じたところで、ようやく下降点になった。登山道は、尾根沿いに先に続いているので、どうなのだろうと興味が湧いてくる。
 足場の悪い泥斜面の、固定ロープ頼りの下りになった。幸い、標高差100m程で、下りも長くはなく、姥沢川に下り立った。丸木橋は、落ちて傾いており、飛び石伝いに渡った。その先で、荒れた林道に飛び出した。金属柱に古峰山登山口、馬止めと書かれていた。この先は、杉林の中の道となり、雷雨になって余計に薄暗く、落ち葉に覆われた道が判りにくくなった。学校林一本杉という天然杉の大木も現れた。この一帯の杉林は、どこかの学校の所有物のようである。
 沢にかかる丸木橋を渡ると、その先で車道の終点となって、古峰山の案内図が置かれていた。車もここまで上がってきていた。
 登山口に戻る台原・学校林連絡路を探したが見つからなかった。地図を良く見ると、丸太橋を渡る手前から分かれているようであった。目の前に車道が見えているとなると、ついそちらへ行ってしまう。
 沢を飛び石伝いに渡ると、山裾を巻いていく道が続いていた。あまり歩かれていないようで、倒木や草がうるさかった。ようやく登山口に戻った時には、傘だけで歩き通していたため、ずぶぬれになっていた。
 今回歩いた古峰山への登山道は、藤島玄氏の「越後の山旅」において、「姥沢・桧廊下・割引山」の項で述べられているコースの一部であった。巻機権現信仰登拝道としては、里に近いことから現在のメインコースの清水からのものよりも早くから開かれたという。登山地図にも一旦は、このコースが赤線で記載されたものの、今年は消されてしまっている。下から見て、山道が高みに続いているのが見えており、どこまで歩けるのか、一度確かめてみたいものである。
 しかし、このような面白い山が知られていないことは残念である。最近も「新潟日帰りファイミリー登山48」という新潟県山岳協会監修のガイドブックが出たばかりであるが、大力山や小千谷城山といった日帰り登山に相応しい山は取り上げられていない。専門山岳会というのは、高山や沢については知っていても、低山についてはまじめに向かい合っていないのではないだろうか。

古峰山、赤崩山、日向倉山、大力山、黒禿の頭より
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