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菅内閣の“山場”は、年初早々に訪れる可能性も。理想の政治に近づくまで、政権交代は繰り返される」
【第1回】 2010年12月27日 DIAMOND online 伊藤惇夫
――しかし、小沢氏が新たな勢力をつくり上げたとしても、すぐに彼らが政権をとれる可能性は低い。小沢氏によって民主党が分裂すれば、結局自民党が政権に復帰するだけではないのか?
必ずしも、以前の自民党政権が復活するわけではないと思う。自民党に内閣不信任案を提出させて、小沢氏と小沢グループがそれに乗って党を割り、解散総選挙になる可能性もある。その後、小沢氏が自民党と連立政権をつくる可能性もあるし、他の政党と連立する可能性もある。再編の組み合わせは、何十通りも考えられる。
国民にとって重要なことは、いざ再編となったときに、それが政策や理念に基づいて行なわれているものか、それとも陣取り合戦なのかを、きちんと見極めることだ。単なる権力闘争では、そもそも政界再編の意味がない。
総選挙の可能性も見据えて、自民や第三極はこう動く!
――今の状態で総選挙になれば、どの党も圧倒的な議席数を確保することが難しく、群雄割拠の状態になることが予想される。今後各党は、再編を睨んでどのように動くだろうか?
まず、民主党のオウンゴールで支持率を上げている自民党は、民主党政権を揺さぶり続けて、何とか解散・総選挙に持っていこうとするだろう。しかしネックは、党内に有力な人材がいないということ。総選挙を睨み、その前の段階で総裁を変えてくる可能性もある。
また、民主党に歩み寄りを見せている公明党は、地方選挙を最も重視している政党だ。今後民主党に対しては、「統一地方選にとってプラスかマイナスか」という判断をベースにして動くはずだ。
みんなの党は、一時より支持率が落ちているが、まだ勢いはある。茨城県議選でも2名当選させた。「民主党にも自民党にも期待できない」という層の受け皿になっていることもあり、統一地方選に向けて、同党から立候補したいという人が殺到している。
彼らの目下の目標は統一選だが、それをクリアすれば、総選挙になっても20~30人の議席を確保できると見ているようだ。再編前の段階で連立に加わるよりも、存在感を示していたほうが得だと考えているため、しばらくは野党の立場を貫くだろう。
――そもそも民主党がここまで追い込まれている大きな原因の1つには、「政治とカネの問題」で揺れる小沢一郎前幹事長が、衆院政治倫理審査会への出席を拒否していることがある。小沢氏の処遇は、政局にどのような影響を与えそうか?
小沢氏の証人喚問も取り沙汰されるなか、その処遇によって今後の見通しも随分変わってくるはずだ。党内事情で苦しい状況に置かれている民主党がとるべき手段は、限られている。
振り返れば、菅内閣の支持率が最も高かったのは、9月に行なわれた代表選の直後であり、その理由は「脱小沢」だった。菅首相自身が評価されたのではなく、小沢切りが評価された側面が大きい。現政権は、小沢切りと内閣改造をセットで行ない、通常国会に向けて公明党などに協力を求めようと考えているはずだ。
具体的には、問責決議を受けた仙谷由人官房長官や馬淵澄夫国交相を辞任させること、小沢氏が政倫審への出席を拒否し続けた場合、離党勧告を行なうことだ。
菅内閣がそういった改革を行なうことができなければ、通常国会で内閣不信任決議案が提出される可能性もある。そうなれば、民主党は首相を変えるしかない。
個別政策を詳しく積み上げても、基本政策がないのが民主党の弱点!
―― 一方で、火種は小沢氏の進退問題ばかりではない。支持率急落の背景には、普天間基地の移設問題や尖閣問題など、迷走を続ける政策への失望もある。
民主党政権への圧倒的な期待が、ここまで大きな失望に変わっている理由は、個々の政策というよりも、全体的な目標設定を明確に持っていないことにある。つまり、「日本をこういう方向へ導きたい」という国家ビジョンがない。
民主党は、自民党を倒して政権与党になることだけを目標にしていたため、実際に政権をとった後の目標を用意していなかった。その象徴的な例が、党の綱領がないことだ。綱領と言っても何も難しいものではなく、単なる了解事項に過ぎないにもかかわらず、それがいまだにないから、皆がバラバラな方向に向いている。そのため、大きな政策の決断を迫られると必ず混乱を起こして、迷走する。
この体質は、民主党という政党の誕生に由来する。民主党は、これまで大きな変化を3回経験している。1996年にできた旧民主党が、98年に新民主党へ発展し、2003年に小沢氏の自由党が合流して、今の形になった。
新民主党の結成は、97年末に小沢氏が新進党を解党させた後、98年夏の参院選で自民党に対抗するため、小さな政党が集まったことに端を発する。自民党、社会党、新党さきがけ、日本新党など様々な政党の議員が参加したため、始めから政策ポリシーは噛み合わなかった。
しかし、選挙のタイムリミットが迫っていたため、政策議論は全て先送りされてしまった。今の民主党は当時の体制をベースにしており、外交・安全保障、経済、教育、エネルギーなど、国家の柱となるべき政策のマスタープランは、いまだに統一されていない。だから政権の座についてからも、必然的にこういう迷走が起きる。
――政権運営のベースとなる政策のあり方を根本的に見直さないと、いずれにせよ民主党は行き詰まってしまうのではないか?
彼らが、マニフェストのようにミクロの政策を積み上げてきたことは、評価されるべきだ。だが、それらは個別政策であって、マクロの基本政策ではない。国の基本政策が必要となる想定外の問題が起きると、ミクロの政策で対応するには限界がある。
外交・安全保障がそのよい例で、小沢氏は日米中の対等外交、鳩山氏は東アジア共同体構想、菅氏は日米基軸外交と、リーダーが変わる度に外交の基本方針まで変わってしまう。民主党の中にも危機感を抱く人が出始めているが、あまりにも遅いという印象だ。
民主党自体が野に下る可能性は?小沢氏の動き1つで再び政界再編へ!
――ゆくゆく民主党自体が野に下る可能性もあるだろうか?
依然として、衆院で圧倒的な勢力を誇っている民主党だが、その可能性は否定できない。来年は、政界再編が起きる可能性もある。
現在小沢氏は、党を割ることを念頭に置きながら、小沢新党への布石を打っているかもしれない。新党が実現すれば、自民党やその他の政党からも、小沢氏に合流する勢力が出るだろう。場合によっては、現在の政界の様相がガラリと変わってしまう。
もし小沢氏が民主党を出て行くとすれば、その時点で刑事被告人になっている可能性が高いため、これまでのように人気がある政治家を前面に押し出し、自分は後ろで実権を握るという手法をとるだろう。
――しかし、小沢氏が新たな勢力をつくり上げたとしても、すぐに彼らが政権をとれる可能性は低い。小沢氏によって民主党が分裂すれば、結局自民党が政権に復帰するだけではないのか?
必ずしも、以前の自民党政権が復活するわけではないと思う。自民党に内閣不信任案を提出させて、小沢氏と小沢グループがそれに乗って党を割り、解散総選挙になる可能性もある。その後、小沢氏が自民党と連立政権をつくる可能性もあるし、他の政党と連立する可能性もある。再編の組み合わせは、何十通りも考えられる。
国民にとって重要なことは、いざ再編となったときに、それが政策や理念に基づいて行なわれているものか、それとも陣取り合戦なのかを、きちんと見極めることだ。単なる権力闘争では、そもそも政界再編の意味がない。
総選挙の可能性も見据えて、自民や第三極はこう動く!
――今の状態で総選挙になれば、どの党も圧倒的な議席数を確保することが難しく、群雄割拠の状態になることが予想される。今後各党は、再編を睨んでどのように動くだろうか?
まず、民主党のオウンゴールで支持率を上げている自民党は、民主党政権を揺さぶり続けて、何とか解散・総選挙に持っていこうとするだろう。しかしネックは、党内に有力な人材がいないということ。総選挙を睨み、その前の段階で総裁を変えてくる可能性もある。
また、民主党に歩み寄りを見せている公明党は、地方選挙を最も重視している政党だ。今後民主党に対しては、「統一地方選にとってプラスかマイナスか」という判断をベースにして動くはずだ。
みんなの党は、一時より支持率が落ちているが、まだ勢いはある。茨城県議選でも2名当選させた。「民主党にも自民党にも期待できない」という層の受け皿になっていることもあり、統一地方選に向けて、同党から立候補したいという人が殺到している。
彼らの目下の目標は統一選だが、それをクリアすれば、総選挙になっても20~30人の議席を確保できると見ているようだ。再編前の段階で連立に加わるよりも、存在感を示していたほうが得だと考えているため、しばらくは野党の立場を貫くだろう。
その他の小政党は、政界再編を通じて存在感を示したいという期待を持って、状況を見ながら臨機応変に動くはずだ。
一方、浮動票の取り込みを狙って、中央政界へ進出する首長も出てくるかもしれない。大阪府の橋下徹知事や名古屋市の河村たかし市長のように、知名度の高い首長が出てきた場合、それなりのインパクトになるだろう。
今はまだ「理想の政治」へと近づく途中、国民は政権交代を通じて長い目で改革を!
――政界再編の気運が高まるなか、数の論理で政権政党が決まり、政策が後回しにされる状況が続く政治に対して、国民は何を問いかけたらよいのか?
尖閣などの外交・安全保障問題を通じて、「国家はまともな政権の下で運営されないとおかしくなってしまう」ということに、国民は改めて気づいたはずだ。
民主党も自民党も、「人気が高い政治家をトップに据えれば政権を維持できる」という考え方を、ずっと持ち続けてきた。今後国民は、人気者を総理にするのではなく、「総理になった人に人気者になる政治をやらせよう」と考えるべきだ。
はっきり言えば、「人気者は危ない」という発想を持ったほうがよい。能力を見極めて地に足のついた人間を選ぶのは、国民の責任でもある。そもそも今の民主党政権を誕生させたのは、我々なのだから。
――戦後民主主義の歴史のなかで、民主党政権が誕生したことの意義とは?
私は、政権交代そのものは評価している。自民党と社会党のもたれ合いの構図のなかで、日本の有権者が事実上政権を選ぶことができない状況が続いてきたことのほうが、むしろ異常だったと言える。それでは、政治に緊張感が出るわけがない。
その意味で、今回の政権交代はよい経験だった。マニフェストを定着させて国民の目を政策に向かせたことは、民主党の成果でもある。
国民は現状だけを見て、「結局、自民党も民主党もダメだった」と諦める必要はない。ダメならもう一度政権交代をさせればよいのだから。民主主義を定着させるには、手間と時間がかかるものだ。理想の政治は短期間で生まれない。
多少時間はかかっても、政権交代を通じて少しづつ政治を改革していく。それができない状況なら、強力な野党を誕生させて政権与党に緊張感を与える。もし「理想の政治の姿」というものがあるとすれば、日本の政治はまだそれに向かって歩き出したばかりの状況と言える。
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