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2010/11/24(水) サーチナ
中国商務部研究院の日本問題専門家である唐淳風氏がこのほど、「日本の釣魚島(日本名:尖閣諸島)占拠の裏にある陰謀と陽謀」と題する論評を発表した。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は唐淳風氏の論評より。
尖閣諸島の問題は、すでに30年以上も討論されており、多くの専門家がこの問題について、深く掘り下げた研究を行ってきた。しかし、日本人はわれわれの研究に基づこうとはしない。彼等が尖閣諸島を占拠しようとするのは、4つの戦略的な重要性があるからだ。
その1 日本の領土拡大における尖閣諸島の重要性
「尖閣諸島」は離れ小島ではない。11の無人島から成る群島で、3つの無名の小島(低潮時に水面から露出する総面積は20平方キロメートルを超える)を除いても、水面下に陸地を有する8つの島の総面積は181平方キロメートルに達し、これは北京市内8区の面積、580平方キロメートルの3分の1に相当する。
尖閣諸島の多くは隆起した珊瑚礁に囲まれ、低潮時には大面積の珊瑚礁が水面上に露出し、島嶼の水域の範囲は8400平方キロメートル以上になる。「海洋法に関する国際連合条約」が規定する12海里(22.3平方キロメートル)に基づくとすれば、その領海面積は1万9577平方キロメートルほどになる。200海里の領海範囲及び350海里の排他的経済水域に基づくとすれば、総面積は日本の国土の何個分にもなり、周辺の重複する海域を除いても、この水域の総面積は10数万平方キロメートルを超える。
よって、日中が奪い合う尖閣諸島は、領土面積の上で日本の国土の半分に相当するというだけでなく、その戦略的意味は領土面積の問題をはるかに超えている。(つづく 編集担当:米原裕子)
その2 海洋資源の争奪及び戦略的通路における尖閣諸島の重要性
尖閣諸島及びその周辺海域には莫大(ばくだい)な経済価値がある。現在までに全世界で開発された石油資源は、主に新生代第三紀(6500万年~200万年前に形成された)岩層で見つかっている。尖閣諸島の海底はまさに新生代第三紀の堆積盆地であり、石油を生成、埋蔵するもっとも理想的な地質的構造条件を備えている。ある専門家は次のように指摘している。尖閣諸島周辺の海域は、世界一石油埋蔵量が豊富である可能性があり、その埋蔵量はペルシャ湾全体の石油埋蔵量にもひとしく、少なく見積もっても800~1000億バレル前後で、100億トンを超える可能性があるという。
また、尖閣諸島海域にはほかにも多くの貴重な金属地下資源があり、周辺海域の漁業資源も豊富である。長年、中国や台湾等の地域の漁民は海域で漁を行ってきたが、年間の漁獲量は15万トンにも及んでいる。これらはすべて、日本にとっては願ってもない重要な富である。
軍事戦略上の価値について言えば、もし日本が尖閣諸島を占領すれば、日本の軍隊は島に海上監視設備や地対艦ミサイル、地対空ミサイルを設置することができ、台湾北部の重要な港や空中の航路を簡単に封鎖することができる。もし、尖閣諸島にレーダーが設置されれば、周囲400~600キロメートルの海域と空域を監視することができ、その範囲は台湾北部、大陸沿岸の福州、温州、寧波等の広い地域に達する。これが現実になれば、中国の軍事上の一挙手一投足が直ちにすべて相手に掌握されることになり、中国封鎖においては掛け替えのない戦略的役割を持つ。
その3 東シナ海の境界における尖閣諸島の重要性
尖閣諸島は海洋境界において、極めて重要な役割を持つ。周知のとおり、「海洋法に関する国際連合条約」が批准され発効すれば、各国が管轄する海域を区分する際に、重複や矛盾が生じることは避けられない。「条約」の規定に基づき、日中両国が中間線で区分したとすれば、尖閣諸島の主権がどちらに帰属するかが大陸棚の区分に大きく影響する。もし、日本が尖閣諸島を占有し、それによって東シナ海の排他的経済水域の範囲を基礎的に区分すれば、「東シナ海の日中間線」は全体的に300キロメートル以上も東に移動し、尖閣諸島が本来有すべき10数万平方キロメートルの領海が日本の所有になるばかりでなく、東シナ海から対馬海峡西水道に至る中間線でも起点が東に移動することで20万平方キロメートル近くを日本に割譲することになり、中国の黄海の一部海域も日本の所有になる。
日本の海洋産業研究会が編集した『海洋開発・利用の新世紀に向けての歩み』という書籍の中では、位置的に重要で主権争いのある一部の島を、公然と、「ロシア、北朝鮮、韓国、中国等の隣国海洋経済区域の境界拡大に大きな役割を果たす鍵」だとしている。日本の政府職員は、かつて、「もし日本が尖閣諸島と北方四島を失えば、日本が管轄する海域は110万平方キロメートル以上も減少する」と漏らしている。
その4 尖閣諸島を占拠して第二次世界大戦の敗戦の雪辱を果たす
周知のとおり、日本の右翼にとって、第二次世界大戦の降伏は納得できるものではなく、中国に敗北したことは日本民族のこの上もない恥辱であると考えている。もし、再び中国の領土を占領し、日本の栄光を取り戻せば、第二次世界大戦降伏の恨みを晴らすことができる。このような心理的な慰めは、領土や資源、戦略上の必要性よりも大きいのである。(おわり 編集担当:米原裕子)
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