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無視される日中平和友好条約の領土保全・平等互恵の原則!

2010.12.08(Wed)JBプレス 横地光明

前言
今回尖閣諸島領海内で発生した中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突(22.9.7事実は漁船の体当たり)事件に係る民主党政権の対応は、中国の威圧に屈せられたと国民をいたく失望させ、世界世論から日本外交の大きな敗北と評され、我が国は国威を著しく失した。

 日本外交の弱さを暴露してしまった政府は、中国側の非を突き奮起して主導権を奪還し、外交主権の再確立を講ずべきであるのに、媚中外交に終始した。

中国が世界世論の厳しさに直面し、また衝突時の模様を撮影したビデオがリークされ事実が明らかになりいささか傲慢ぶりを緩和する兆候を示すと「冷静」「戦略的互恵関係の早期回復」を隠れ蓑に、なりふり構わず中国の意を迎え、ただ首脳会談を持たんとするありさまは国辱的と非難されても抗弁できないものを感ずる。

 加えてその渦中、日本の対中態度を見ていたロシアが「日本は強い姿勢を取れない」と見透かし、日本のたびたびの警告にもかかわらず大統領が北方領土視察をあえて行い、我が国は東西から翻弄され、国際的弱さを内外に露呈してしまった。

 本問題に関し、野党側が糾弾すると政府は「では前政権時代はどうであったのか」と切り返すが、その非は認められるにしても、今回の政治的失態の責めを逃れることはできない。

 もちろん、歴代自民党政権が取ってきた主体性を欠いた処置が今回の事案の大きな伏線になっていることも見逃し得ない。

尖閣諸島に関する法と歴史!


 尖閣諸島は、中台を除く世界諸国が認めるように、法的にも歴史的にも明々白々たる我が国固有の領土で、中台がこの領有を主張する権利はいささかもない。

 すなわち、明治政府が明治28(1890)年に他国の支配が及んでいないことを慎重に調査し、無主地先占の国際法理で領有化を図ったのであるが、中国を含め他国からの異議は全くなかった。

 同島は民間人に貸与され魚釣島に居住した島民は、羽毛・グアノの採集に従事し鰹節工場を営んだ。その後無人となったが米軍の管理占領時代は射爆場となり所有者に借料が支払われていた(今も政府が借り上げ年220万円を支払っている)。

 中国側も1970年までは日本領と認めていた。

 例えば、大正8(1919)年に中国漁船が同島付近で遭難し、島民に救助(31人)された折には、中国駐長崎領事だった馮冤は沖縄県八重山郡諸島和洋島(魚釣島のこと)の石垣村雇玉代勢孫伴や鰹節工場主古賀善次等に感謝状を送った。

 また、1950年北京市役所発行の世界地図帳でも国境は同島の外に引かれ、地名も日本名になっていた。

 1968年1月8日付の人民日報の記事でも琉球諸島が7つの諸島からなるとしてその1つに尖閣諸島を挙げている。ちなみに同島の現所有者はさいたま市在住の結婚式場を経営する民間の人物である。

 しかるに、1968年、ECAFE(国連極東経済機関)が同島海域に大量の石油埋蔵量があることを発表すると、中国は突然(1970年12月)、台湾(1970年夏)に続き領有権を主張し始めた。

 しかし国際紛争の裁判上重要なクリテカルデート上、今頃に至って中国の史書や古地図にある・琉球への冊封使が見たなどと言い立ててもいずれも領有の判断根拠には全くならない。

北方領土については詳説を避けるが、法と歴史上日本の固有の領土であることは厳然たる事実であり、従来から米国の支持するところでもある。

自民党政権の責任!


 1972年、田中角栄氏は首相に就任するとすぐさま訪中し、日中国交正常化交渉に取り組んだ。最後の段階で自ら周恩来首相(以下、職位は当時)に尖閣諸島問題を切り出したが、周首相が「今は話したくない。石油が出るから問題だ」と言い、ほかの話題に転じたため、彼の真意を測らずそのまま(9月29日)日中国交正常化共同声明に調印してしまった。

 この田中首相・大平正芳外相の領土問題の軽視や先の見えない判断が、その後に波乱を招くことになった。

 すなわちその後6年にわたる長い平和条約交渉の最終段階で暗礁に乗り上げた1978年4月に、これを揺さぶりかつ尖閣の領土権誇示のためか、中国は100隻を超す大漁船団を尖閣周域に接近させ領海を侵犯した。

 しかし、鄧小平が「二度と領海侵犯を起こさない」と福田赳夫首相、園田直外相などの日本側代表団に約束して、共同声明と同じ内容の主権・領土の相互保全・相互不可侵・平等互恵・内政不干渉・平和友好・武力による威嚇を排し紛争の平和的解決・覇権反対を内容とする平和友好条約が署名された(1978年8月12日)。

 しかるに、批准書交換に来日した鄧小平は日本記者クラブで講演し、尖閣問題に関し、「我々の時代に解決方法が探し出せなくとも、次の世代、次の次の世代が解決方法を探しだせる」と棚上げ論を述べた。

 これに対する日本側の対応はなく、本年(2010年10月22日)の国会で前原誠司外相が「合意したわけではない」と日本側の立場を説明したが、なぜその時福田政権ははっきり日本側の立場を明確にしなかったのかの責任が問われる。

 今度もまた提案しているが中国側のあたかも領土問題があるかのごとき棚上げ論には決して乗ってはならない。

 中国政府はまた尖閣棚上げを提案してきたようであり、時あたかも唐家璇元国務委員・元外相が来日して経済界指導者ばかりでなく首相官邸にまで乗り込んで、過去に両国政治家は棚上げした問題だ荒立てるなと懐柔する行動をしたようだが政府は明確に否定することが必要だ。

 中国は1992年2月25日に不法にも尖閣諸島を取り込んだ「領海及び接続水域法」を制定公布したが、この重大事案にもかかわらず、はなはだ遺憾にも宮沢喜一内閣の処置は北京大使館から口頭で中国政府関係部署に抗議しただけだった。

 それだけではなくその10月には天皇の訪中を実現させた。この弱腰卑屈な媚中外交で中国の意に従う姿勢は目に余るものがあった。

 さらに2004年3月24日、中国の過激活動グループ7人が魚釣島に不法上陸し、警察が逮捕し送検を準備したが、小泉純一郎内閣(福田康夫官房長官)の法務省は日中関係を考慮するためとしこれを抑え、即時の強制送還ですませて再び国権を傷つけた。

 これら自民党政権の主権を危うくし国益を損した経緯が、中国側を「日本扱い易し、強く出れば屈する」と判断させ次第に手段をエスカレートし今次の漁船問題に繋がったことは否定できない。

 自民党政権は、「国際政治の本質は権力闘争で根源はパワーバランスにある」(ハンス・モーゲンソー)ことを忘れ、かねて「日本なんかはひ弱な花だ」(ズビグネフ・ブレジンスキー)と揶揄され、「相当の軍事力を持たない日本は国際責任を果たせない」(ヘンリー・キッシンジャー)と警告され、加えて国際関係が激動するにもかかわらず、安全保障を日米同盟に頼り切り、軍事力こそが外交力・国際発言力の源なのに、軽武装で経済発展に専念していても国際的地位を獲得し安全が確保できるとの観念から脱出できなかった。

 このため国際関係の安定の基盤である至当な国防態勢の整備の努力を怠り、国防費の対GDP比を常識外の1%以下に抑え、占領軍の押しつけの憲法のまま自衛隊を国防軍か行政機関か分からない鵺(ぬえ)的存在に放置し、集団的自衛権の解釈の呪縛を解かず、ハンディキャップ国家論を拭いきれず、まともな国際的発言能力の保有努力とその意欲を欠き、中国には日本のみ侵略国家と非難され歴史認識で責め続けられたが平和友好条約の内政不干渉・平等互恵の原則を忘れ有効毅然たる対応策を講じてこなかった。

これらに関しては現代の元勲とも言われる中曽根康弘元首相の責任も決して軽くない。氏は防衛長官に就任すると勇ましく自主防衛を掲げたが、中国に軍国主義と非難されるとたちまち前言を翻し、軍事戦略上主体性のない「専守防衛」に転換し、首相になると戦後政治の総決算を唱えたが中国に攻撃されると「胡耀邦の政治的苦境を救うためだ」と称し、個人の問題を首相の国家的責務と混同し、あっさり靖国神社参拝を中止(後藤田正晴官房庁長官も同罪)し中国の内政干渉の鏑矢を作った。

 その後教科書検定への近隣条項基準の追加(鈴木善幸首相:宮沢喜一官房長官)、南京事件の事実に触れただけの法務大臣の罷免(羽田孜首相)、多額のODAの供与を迫られ、一方、韓国には竹島を放置して実力支配され、確たる証拠がないのにいわゆる従軍慰安婦問題を認めさせられ(宮沢首相:河野洋平官房長長官)、日韓併合を一方的に謝罪し、正論を述べた文部大臣を罷免(中曽根首相)し、また世界各国が厳しく対処するハイジャック犯の要求に屈し(福田赳夫首相)て世界の顰蹙(ひんしゅく)を買い、我が国の国家威信の毀損を重ねた。

 一方、ロシアの歴代大統領に振り回され、資源を餌に多額の経済・技術支援を吸い取られながら、北方領土問題は少しも進捗せず、かえって日本に脅威を与え続けた原子力潜水艦の廃棄に資金協力をさせられるありさまだった。

 加えてグローバル世界の到来にもかかわらず、この視点を疎かにし、国内問題にかまけて地域エゴと結び利益誘導に走り、不急不要な道路・空港・港湾を造ったが国際ハブは他国に奪われ、高コスト体質と巨額の財政赤字を残し、票田確保のためか米作は日本の固有の文化などと称して肝心の農業の国際競争力向上を顧みず保護のみに走り、FTA(自由貿易協定)・FTAAP(アジア太平洋自由貿易協定)・EPA(経済連携協定)・TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の締結・加盟を怠った。

 このため「Japan as No.1」の国際競争力を世界1番から中国の18位、韓国の24位の後塵を拝する27位(スイス・IMD:国際経営開発研究所2010年、しかも貿易は54位)に転落させ31位のインドに追い越されそうになった責めもある。


民主党政権の失態!

だが、民主党政権になるとこの傾向はさらに深刻になり憂慮に堪えない。鳩山由紀夫前首相は、日米同盟が日本の安全保障上死活的に重要であり、沖縄基地がそれを支える主要な一環であるのに、中核の普天間基地の移転に関し、総選挙運動中「沖縄住民の意に反して基地問題施策を進めない」と公約した。

 こうなれば県民が基地撤去や県外移転を求めるのは当然で県内移設が不可能になるのは目に見えている。

 このため米国に基地移転を何回も公約したが、推進は少しもできず米国の不信を買い日米関係をぎくしゃくさせ中国・ロシアに付け入られる隙を作った。

 元来、統治権とは「国の必要とすることはいかなることも排除して強制執行する権限」でこれを放棄しては一国の政治は進められない。換言すれば鳩山氏は内政面で国権の中心の統治権を大きく毀傷した。

 外政においても、「イデオロギー外交を排する」「私は価値観外交を嫌う、外交は価値観が違う国とも共存共栄の関係を築くことだ」とし、夢想的友愛論に立って日米基軸を中国寄りにシフトしようとし、米国の嫌う反米親中論者として知られる人物を駐米大使に充てようとしたり、国会開会中に160人余の国会議員を含む640人の代表団で胡錦濤国家主席を表敬した日米中正三角形論者の小沢一郎氏一派を登用し、その要求を入れ慣例を無視して、中国側の要求に屈し習近平国家副主席の天皇会見の実現を許した。

 また中国の欲する米国をアジアから追い出すことにつながるASEAN+3(日中韓)からなる東アジア共同体構想を進めようとした。

 これは自ら、日米関係分断に加担し華夷体制下に入りこもうとするもので、中国の支配体制を有利にしてそれだけ日本の国威を損ずるものだ。

 安全を頼る米国には「対等」を主張しながら、外国が「日本は中国の威圧・恫喝に屈している」と言われるような絶えず威圧する中国に何も主張できず卑屈な姿勢を取るのはいかなることであろう。

 加えて鳩山首相は岡田克也外相の北東アジア非核地帯構想の推進を容認した。これは北朝鮮の核廃棄を前提に、米中露に核不使用を要望するものだが、中露から「米国の核の傘を外してこい」と言われたら一体何を担保にして日本への核脅威を抑止するつもりなのか?

 ソ連に日ソ中立条約を破られた手痛い教訓を忘れ、公約をいつでも無視する中国を信用するのはいかなる思慮なのであろうか?

確かに世界には5つの非核地帯(アフリカ・カリブ・南太平洋・東南アジア・中央アジア)があるが、皆世界戦略上の要域でない核戦力交叉の及ばない地域のみであり、海洋勢力と大陸勢力の接触点の地政学的要衝の北東アジアで成立するはずがなく、かつ政府高官が「原爆攻撃日本消滅」を広言してはばからない中国や何をするか分からない北朝鮮や大国主義・権力主義の警察国家のロシアを信ずるのでは危険極まりない。

 またそれなのに「日本海を平和の海」と叫んでロシアに甘い期待を抱かせて、今次のロシア大統領の平然とした北方領土視察をさせる背景を作った鳩山氏は国政を担う見識を欠いていた。

 今次(9月初めの尖閣諸島領海での漁船拿捕事件)の問題では、菅政権は「粛々と法に則り対応する」としながら、想定外の中国の声を荒げた抗議、官民の交流中止、レアアースの禁輸、フジタ社員の拘束や反日デモの頻発に遭遇すると、たちまち中国の態度に委縮し世界の注目を浴びる中で、法を曲げて船長・乗組員・船を釈放し中国に「日本は強く出れば屈する」と確信させ、世界から日本外交の大敗北と伝えられ、国権と国威を大きく損じ国民の多くが深く慨嘆した。

 菅首相はその直後ニューヨークの国連総会、続いてブリュッセルのアジア欧州会合(ASEM)、ハノイの東アジアサミットの首脳会議に出席したが、中国の温家宝首相が多くの機会で中国の立場を強く主張したのに、我が菅首相の主張は弱々しい限りで、温首相との会見でも日本の法的歴史的立場を強調し中国の不当性を主張するのではなく、ただ事態鎮静と関係修復を哀願するような状況に終わったのは遺憾至極であった。

 俗語だがこれは「盗人猛々しい」を思い出させるもので、「無理が通って道理が引っこむ」のでは国際政治はできない。内閣の政策決定調整の要である仙谷由人官房長官は野党議員が「こんなことでは日本は中国の属国化するぞ」と戒めたら「日本の属国化は今に始まったことではない」と答えたという。

 かかる意識の政治家が官房長官では国の前途は真っ暗だ。また同長官は「釈放せずに横浜APECが吹っ飛んでもいいのか」と反論したようだが、仮に中国首脳が不参加でも会議は吹っ飛ぶまいし、それがかえって国際的立場を失うことになることを知る中国の不参加はあり得まいと思われ、その判断は合点できない。

小国ノルウェーがノーベル平和賞授与に関し中国の抗議に毅然と対応しているのに反し、我が国現政府は、ひたすら中曽根元首相も異議を唱える中国に阿(おもね)る内容空疎曖昧かつ中国を利するだけの「戦略的互恵関係の回復」の美名や「冷静な対処」を隠れ蓑に、ひたすら中国の意を迎えんと首脳会談開催に汲々としている。

 また常に情報公開・法令順守を口にしマニフェストで公約しながら、既にリークされ誰もが見ているのにいまだに中国漁船の不法な行動を映したビデオ公開を抑え、十分に権利のある巡視船の損傷補償要求を逃げている。

 中国は長崎国旗事件(1958年)では外務部長が強い抗議をしてきたが、日本側はこれらを見逃してきたため、中国人暴徒の日の丸焼却・踏みにじりや、外交公館や日系企業・商店の破壊は日常茶飯事と化している。

 これらは日中共同声明・平和友好条約の「主権・領土の相互尊重、相互不可侵、平等互恵、平和友好の原則」の明確な違反であり強く抗議し相応の処置を取らなくてはならないものである。

 外交交渉では主導権を取ることが肝要で、相手に求めることをせず、いつも相手から日本の対応次第だと脅かされっぱなしでは、国益を失うばかりだ。

 対ロシア政策も同様で、外交上の強い処置があってしかるべきだ。日本はアジア諸国からリーダーたらんことを求められているが、リーダーは新しい方向を示さなければならない。しかしそれだけでは単なる評論家の域を出ず、これを実行させなければならない。それには影響力が不可欠だ。

対中戦略のリアリズム!

国際政治でも国内政治でも、個人間でも、理由なき譲歩は、さらなる次の大きな禍根になることは歴史の示すところだ。

 誰でも知るように歴史上の大きな教訓とされるミュンヘン会議(1938年9月)でアドルフ・ヒットラー率いるドイツのチェコスロバキアのズデーデン割譲要求に、英首相ネヴィル・チェンバレンがただ善良な動機でこれを受け入れる宥和背策を取ったため、戦う決意のないことを見て取られ、かえってヒットラーにすぐあとスロバキアを解体させ、ついには第2次世界大戦を引き起こさせて何百万もの人命を失わせてしまった。

 従ってこれに徴すれば中国が今後さらに強い行動に出ることは疑いない。

 尖閣諸島に関しては、その常套手段の領有権主張→周辺の海洋調査→領海を侵犯しての漁労→漁業監視船の遊弋→軍艦出没→武力占領事態の最終段階突入への危険も予想されるのに、政府はなお中国の反発を恐れてか「固有の領土」と口にするだけに終始している。

中国では尖閣攻略戦のシミュレーションをしているとの噂もあり、米国でも中国の武力使用があり得ると観測(米海軍大学教授の議会証言)しており、日本をよく知るJ・アワー教授に「日本は領土を守る覚悟の程を示せ」と言われてもなお政府は同島への官民の接近を禁じ、同海域における日米共同演習の実施や自衛隊の直接配備措置の考えがないのは全く気が知れない。
今後の国際関係の重点は発展を続け日米中露印の絡むアジア太平洋に移り、米国が世界秩序の最大の課題と認識する異質で台頭する中国の影響をまともに受ける東アジアが焦点となることは疑いない。

 従って、厳しい国際情勢に荒波の中で生き国威国権を守るには、対中国施策が試金石だが、中国は

(1)民主主義でなく値観感の異なる共産党一党独裁国家で、現状維持に満足しない修正主義的でかつ重商主義的政策を今後も続けよう。

 またその強大化は止まらないだろうし、軍部が一層力を持つ予想から、外交の強硬化は加速し、ひとりよがりの傍若無人な国益・威信獲得を求める習性から世界が期待する責任ある大国化に転移し、あるいは欧米流国際秩序に順応することは容易に望めそうもない。

 しかし日中の経済の相互依存関係は断ち得ないし、両国の正常な関係は日本のみならずアジア・太平洋の安全と平和及び繁栄に不可欠である。日本は敵対でもなく従属でもない平等互恵の関係にならなくてはならない。

(2)5000年の歴史の中華思想はなお生き続け、富強によりアジアに中華体制を再確立し、そして発展途上国を取り込みあるいはイスラム諸国と連携し世界覇権を目指すであろうことは確かだろう。

(3)古来より自らは中華の優位な立場にあると自尊し、日本は辺境の朝貢国・日本人を東夷とみなし、「小日本人」と蔑称する。

 それにもかかわらず日中戦争で侵略し、今日ライバル的地位にあることは許せないとの特別な反日的国民感情を有し、その強いナショナリズムから、日本を威圧し中華冊封体制に組み込みたい基本的衝動から抜けられないようだ。

 従って日本が中国と同じ地位の国連常任理事国入りなど初めから認めるはずがない。

(4)外交政策はもっぱら国益中心で国際信義等は眼中になく、国共内戦が不利となれば、抗日名目に国共合作を行い、有利と見ればその国府側を追討し、ソ連と同盟し資本主義帝国米国と対立したと思うと一転して、米国と組み恩義を受けたソ連に対抗するなど変幻自在だ。

 日中国交正常化共同声明と平和友好条約での、「主権・領土の相互尊重・相互不可侵・内政不干渉・平等互恵・平和友好・覇権反対の公約」、鄧小平の「尖閣の領海侵犯を二度としないとの言」、2008年6月の胡錦濤主席のからむ「東シナ海のガス田共同開発の合意」などのすべてを踏みにじっており、戦略的国境論で3戦(輿論戦・法律戦・心理戦)で戦いを挑む中国に信頼するだけでははなはだ危険だ。

(5)高い経済成長はなお続き軍事力がますます強大化し、政治外交力はいよいよ強まるであろうから、ますます日本単独でその圧力をかわすことはできない。尖閣問題・レアアースで中国が強硬方針を修正しようとしたのも米国が反応したためで、ますます日米関係を緊密にし与国との強い連帯の構築が必要となる。

(6)実効支配が最大の武器と考える中国は東シナ海の排他的経済水域(EEZ)の大陸棚延長論、ガス田の独占、尖閣諸島領有化の意図を今後とも放棄しないばかりか、より強い行動に出るであろう。

 同島付近には常時多くの中国漁船が操業しているようであるが、もし武装兵が乗船して突然上陸占領の挙に出ることもなしとしないだろう。

従って日本は日中国交正常化共同声明・平和友好条約の原則に立ち返ることを目標に、

(1)まず、政治外交などの政策万般にわたり安全保障体制を強化し、ハンディキャップ国家論を脱し、普通の国となり主張・発信する外交を展開するとともに国際的地位の向上に努める。

(2)軍事面ばかりでなく、政治経済文化面における交流を緊密にし日米同盟を一層強化するとともに、アジア諸国、環太平洋諸国との連帯を重視し、インド・ロシアとの関係を適切にしアジアの勢力均衡を図る。

 このためには為政者の安全保障感覚を刷新する。

三木武夫首相がG7で「SS-20」(ソ連の中距離核ミサイル、当時ソ連が東欧に配備し国際間の大問題になっていた)が話題の中心になったのにこれが全く理解できず、他国の首脳に資質を訝しまれ、鈴木善幸首相が「日米安全保障条約は軍事同盟でない」と発言し見識を慨嘆され、鳩山首相が「沖縄基地の抑止機能を初めて理解した」と言った無責任さにあきれられたが、これでは首相となる資格がない。

(3)グローバル化に対応して強い国際競争力を構築する。このためには内向き志向を脱し、視野の狭い農業保護主義を脱し、日本市場を開き、世界市場に活路を求める。

(4)対中国の基本方針は平等互恵を原則に米国と同様に、関与とリスクヘッジを併用する。この際、市場参入・資源輸入・投資・技術供与においてリスクに耐えられる限度を見極める。

(5)周辺における海空の監視警戒を厳重にし、日米共同防衛計画策定と演習の実施、自衛隊等の官憲を常駐させ、尖閣の実効支配を強化し、万一の場合の兵力投入能力を整備し、領土を守る固い決意を示し付け入られる隙をなくし、また東シナ海のガス田開発を開始するとともに領海法・要域警備法令を速やかに制定する。

結語
 いずれにしても、「神も人間も支配できる場合は何時でも支配する。それは本能からする必然」(古代ギリシャの歴史学者ツキディデス)であり、「人間が他を支配する傾向は個人から国家に至るまで人間の結びつきのあらゆる関係に見られる」(モーゲンソー)ことから中華思想で台頭する中国は支配意欲を益々強めてくるであろう。

 また「寛容や忍耐をもってしても人間の敵意を決して溶解できないし、報酬や経済支援を与えても敵対関係を好転できない」(マキァヴェリ)ことに鑑み、善意や道徳のみに頼らず、リアリズムに徹することが肝心だ。

 このため国の安全と繁栄を確保し外交上毅然とするには、「国際政治の本質は権力闘争」(モーゲンソー)で、「軍事力のない外交は楽器のない楽譜でしかな」(ゲーツ国防長官)く、「弱国に外交なし」の現実を認識して国防力を強化しなければならない。

 中国は日本の意思のほどを見ている。それには「日本は悪い国です。どうか皆さんの憐れみで生かして下さい」式の自虐史観に立つ卑屈な哀願懇情を捨て、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してわれらの安全と生存を保持する」憲法の理念がいかに空疎であるかを悟り、国家原理を立て直さなくてはならない。

西郷隆盛は「正道を踏み国を以って斃るるの精神無くんば、外国交際は全かる可からず。彼の強大に畏縮し、円滑を主とし、曲げて彼の意に順従する時は、軽侮を招き、好親却って破れ、終には彼の制を受けるに至らん」(西郷南洲遺訓17)と遺した。明治維新の元勲の教訓を忘れてはならない。

 付言:しかるに野党の政治家がこの戒めを忘れるなと迫ったのに対し、政府高官が言うべき資格もないのに「それはこれで道を誤った西郷の言だ」と妄言したことにはその高慢ぶりに驚きを隠し得ない。

 世界は「日中関係を歪めているのは日本が中国の銃口外交に威圧恫喝されて正当な立場を主張しないためだ」と言っている。

 我が国は危機管理体制を確立し、毅然として発言し、日中関係を、戦略的互恵関係ではなく共同声明、平和友好条約の主権領土の相互尊重・内政不干渉・平等互恵の対等の関係に立ち戻らせなくてはならない!

 このことは対ロシア政策についても同じである。

 助けてもらう米国には対等を主張し、公益を損ねんとする中国には屈従するでは話にならないし、国法を犯した者を釈放英雄とし、国民の知る権利に犠牲的精神を発揮した公務員を唯形式論で罰するのでは国民は納得できない。


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