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平成22年 第12回「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」(松江市)有機栽培・JAS認定部門で特別優秀賞を受賞。(食味90・味度83・計173点) 平成25年、第15回魚沼と第16回北京開催運動中! 無農薬魚沼産コシヒカリ生産農家・理想の稲作技術『CO2削減農法』 http://www.uonumakoshihikari.com/
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人口は7000万人に/青森・島根・長崎などには子供がいなくなる/大阪・兵庫には高齢者が集中/水道は維持不可能に!鉄道は廃線! 学校・病院はなくなる!/韓国・中国でも同じ問題が!

2010年12月08日(水) 週刊現代

 あなたの住んでいる町に、最近少しずつ変化が現れてはいないだろうか。その変化が一時的なものかどうか、この記事を読んで考えてみてほしい。それは人口減少が始まった兆候かもしれない---。

 発行部数160万部を誇る、伝統ある経済誌『The Economist』11月20日号では、「A special report on Japan」と題した日本特集が組まれた。同誌で日本特集が組まれるのは約5年ぶりのことで、その内容は「未来の日本はどうなるか」。読めば読むほど気持ちが沈みこむシリアスな分析が並んでいるが、そこに描かれた暗い未来は、すべて日本の「人口問題に起因している」と書かれている。

 この特集の取材・執筆を担当した、同誌東京支局長のヘンリー・トリックス氏が語る。

「昨年の政権交代によって、日本が今後どのように変わり、どんな問題に悩んでいくのかを描き出したいと考えていました。ところが、取材をすればするほど、これからの日本が直面する問題は、『高齢化』と『人口減少』によって生じるということがわかってきたのです。これは日本にとって極めて深刻なことです」

 来年2月に最新の国勢調査の結果が示されるが、これによって日本は2010年度から本格的な「人口減少社会」に突入したことが明らかになる。だが、これが日本を滅ぼしかねないほど深刻な問題だという認識が、国民の間で共有されているとは言いがたいのではないか。

『The Economist』誌に見られるとおり、世界は日本の危うい未来に視線を注いでいる。気づいていないのは、われわれ日本人だけかもしれないのだ---。

これから100年減り続ける!

 近い将来、日本の人口はどのくらい減るのか。総務省の統計および「国立社会保障・人口問題研究所」が作成した推計によると、人口のピークは'04年12月の1億2783万人。その後は年々減り続け、'09年現在で1億2751万人。これが2030年には1億1522万人、'50年にはついに1億人を切り、'70年代に、日本の人口は7000万人を割ると推計されている。人口問題研究所国際関係部第3室長の石井太氏が語る。

「すでに地方では人口減少が始まっていますが、'25年からすべての都道府県で減少が始まります」

 もちろん、先の数字は「現在予測される出生率で推移すれば」などの条件での推計であるから、改善される可能性はある。ただし、政府と国民がどれほど真剣に出生率向上に取り組んだとしても、劇的な効果は現れない。人口問題の専門家である上智大学教授・鬼頭宏氏はこう指摘する。

「かりに今年出生率が上がって『2』を超え、その状態が続いたとしても、人口減少が止まるのは2080年という試算が出ています。実際にはもっと時間がかかるはずで、2100年になっても減少が止まるかどうかわからないのです」

 人口減少は都道府県別に見ると、その事態の深刻さが浮き彫りになる。'05年の人口と、'35年の推定人口を並べてみよう。

 北海道は562万人から441万人、青森は143万人から105万人、奈良は142万人から110万人、和歌山は103万人から73万人といったように、数十万人単位で人口が減っていく都道府県がボロボロと出てくるのだ。

 四国4県(徳島・香川・愛媛・高知)は特に減少率が高い。'05年の4県の合計人口408万人が、'35年には314万人と推計されている。つまり、現在の四国の人口の4分の1が、'35年には消えているということになる。

 さらに日本では、人口減少と同時にもうひとつの問題が同時に発生する。高齢者人口の急速な増加である。右の図は、15~64歳の人口(生産年齢人口)と、65歳以上の人口(高齢者人口)の推移を比較したものだ。政策研究大学院大学教授の松谷明彦氏が解説する。

「この推計によるなら、2055年には国民の40・5%が高齢者になります。これは人口減少以上に深刻な問題です。生産年齢人口が減って、高齢者が激増するということは、現役世代が負担する社会保障費も大幅に増やさざるをえなくなるということであり、現在の福祉制度は成り立たなくなります」

 人口問題研究所によると、25年後、日本の4割以上の市町村で、高齢者の割合が4割を超えるという。すれ違う人の二人に一人は高齢者で、幼い子どもが歩いているのを見たら、「今日、子どもを見たよ」と話題になる。そんな町があちこちに出現するのだ。

 人口減少と高齢化---この二大危機に、同時に襲われるニッポン。近未来のこの国の姿は、いったいどんなものになるのだろうか。もう「気づかないフリ」は許されない。

水道水の需要が半減する!

 近年、自治体の首長選挙では「人口減少をどう食い止めるか」が大きな争点になり始めている。去る11月21日に投開票が行われた尼崎市長選(兵庫)、室戸市長選(高知)、長井市長選(山形)。立候補者は、いずれも「人口減少対策」を公約の柱の一つに掲げて戦った。富山県小矢部市は、テレビで市への転入を促すCMを放映するなど、市町村レベルでは、人口減少は「いま、そこにある危機」として迫っている。

 程度の差こそあれ、人口減少は、ほぼ例外なくすべての自治体を襲う。そうなったとき、われわれの生活はどうなるのか。ある研究者は「日本中で長崎県の離島のような自治体が発生する」という。

 長崎県の島々からなる、五島市・新上五島町・壱岐市・対馬市の3市1町では、この10年間で約15%、2万3000人の島民が姿を消した。これによって、長崎県・上五島では、島と本土を結ぶ上五島空港の定期便が'06年に廃止された。人口約3000人の奈留島では、来年3月に、島内に唯一あった地銀支店の閉鎖が決まっている。

 生活に欠かすことのできない交通手段や金融機関が、人口減少によって次々と消滅していく。これが、近未来の自治体の姿なのである。銀行も、交通手段もない町---たとえば、普段何の気なしに使っているインフラも、「当たり前」のものではなくなっているかもしれない。水道もそのひとつだ。

 いま、水道業界では「2040年問題」が首をもたげている。現行の水道事業が、人口減少のせいで維持できなくなる可能性があるというのだ。東京都の水道局員が説明する。

「水道配水管は40年が法定耐用年数で、それ以上使用するときには、漏水や濁水を防ぐための補修作業をしなければなりません。

 この補修も含めて、水道事業には莫大な予算がかかります。その費用は水道料金で賄ってきたのですが、全国で年々水の需要が減っており、人口減少が進んだ2040年には、需要が現在の約半分ほどになると予測されている。そうなると、水道事業収入も、現在の半分ほどになってしまいます。配水管の法定耐用年数がくれば補修をしなければならないのですが、その費用が捻出できなくなる恐れが大きいのです」

 実例を示そう。昨年4月、静岡県熱海市は、漏水事故を防ぐための維持費が捻出できなくなるとして、水道料金を9%値上げした。高齢世帯には、この数字が重くのしかかってきている。さらに人口が減って自治体の水道事業収入が減少すれば、値上げでも対応できなくなる日が来る。

「水道からは濁った水が流れはじめ、最悪の場合、水道水が利用できなくなる自治体が出現する可能性もある」と前出の局員は指摘する。

 市民の足である鉄道も、人口減少の影響をもろに受ける。「人口が減れば、満員電車がなくなるからいい」といったノンキな発想は、もう止めたほうがいい。人口減少社会においては、電車そのものがなくなってしまうかもしれないのだ。

 今年度、関西・中国・四国の鉄道会社が相次いで赤字報告を出し、鉄道関係者に衝撃を与えた。JRをのぞく中国地方の鉄道会社の'10年3月期決算報告では、10社中9社で輸送人員が前年度を下回り、7社が減収(うち4社が赤字)。さらに、関西私鉄大手の同期決算では、3社が減収減益を発表。来年3月期も運輸収入は減少の見込みだという。

「新型インフルエンザの流行や景気低迷も大きな原因ですが、人口減少という構造的な問題が影響しています。まず、通学で電車を利用する学生が減り、定期券収入が落ち込んだ。さらに、高齢者が増えるほど、移動圏が狭くなり、電車を利用しなくなる。駅員の数を減らしたり、特急の数を減らしたりと対策を講じなければなりませんが、利便性の低下は避けられないでしょう」(関西の主要電鉄会社職員)

 私鉄だけの問題ではない。JR四国では、'09年度鉄道輸送収入が前年比約10%減の360億円と、過去最大の下落率を記録した。焦りを感じた四国の鉄道関係者らは、問題を協議する懇談会を発足させたが、その初の会合では、減収の主な原因として、やはり「人口減少や高齢化が進んでいること」が挙げられた。

 また、関西の私鉄の雄である近鉄では、特急・快速本数の見直しや、無人駅の拡大などを検討中だ。沿線距離では日本一を誇る近鉄だが、利用客が少なく経営を圧迫する閑散線区が7割に達しているためである。

高齢者が増えても病院はない!

 鉄道業界では、とくに「通学者の数が減る」ことを問題視しているが、言うまでもなく、近い将来子ども(0~14歳)の数は激減する。先ほど、2055年には高齢者が人口の40・5%を占めるという数字を紹介したが、同じ時点での子どもの比率は、わずか8%である。

 子どもの数が減れば、公立の小中学校の統廃合も必然的に進む。この5年で全国で約1000の小学校が閉校した。市町村合併の影響もあるが、統廃合の主な要因が少子化であることは間違いない。

「学校のなかには、すでに『学級』として機能していないところもあります。在校生が40人未満で、『学校で球技ができない状態』の小学校もいたるところにあると聞いています。人口の少ない自治体では、学校がコミュニティ機能の維持に大きな役割を担ってきました。その学校がなくなると、町の活気が失われ、自治体の衰退に拍車がかかることになるのです」(文科省関係者)

 人口減少が深刻な青森県では、'08年に青森市が統廃合により市内の公立小中学校を4割減らす計画を立てた。計画は住民の反対により撤回されたが、ここ数年、青森県では0~14歳の人口が、毎年約5000人ずつ減り続けている。青森県の'05年の0~14歳人口は約20万人であるから、毎年5000人ずつ減っていけば、約40年後には青森県から子どもがいなくなる計算だ。

 青森県だけでない。同様の事態は他県でも進行しており、秋田県、長崎県などでも、子どもがいなくなる可能性が高まっている。子どもを通わせる学校がないどころか、子どもそのものが、市町村から姿を消してしまうかもしれない。

教育関係者が「子どもが減る」ことに頭を悩ます一方、医療関係者は「高齢者が増える」ことに不安を隠さない。「現在でも患者が多すぎるぐらいだから、人口が減ることは問題ではない。しかし、高齢者の割合が高まり、かつ彼らを診療・ケアする若い人材が不足すれば、病院はパンクしてしまう」。病院関係者からこんな危惧の念が聞かれるが、医療・看護関係の人材不足は日々深刻化している。


厚生労働省のまとめでは、来年度の看護職員の数は、必要数(約140万人)に対して、約5万人不足する見通しだ。数年後にはベテラン職員の大量退職が控えており、'25年には約20万人が不足するという試算も出されている。

 職員が減少すれば、統合を余儀なくされる病院も現れ、規模の小さな自治体からは病院がなくなってしまう可能性がある。病院のない、高齢者中心の自治体。まさに、悲劇としか言いようがない。

 さらに、人口減少は地域の治安崩壊をも引き起こす。人口が減少すると、空室・空き家が増えることになるが、空き家が増えると、ゴーストタウン化・スラム化が進み、治安が悪化する傾向がある。このことから欧米では、計画的に空き家を取り壊したり、人口減少に対応したコンパクトな街づくりを進めたりするケースが増えている。

 一方日本では、人口減少社会がそこに迫っているというのに、いまだにいたるところで---人口減少の始まっている町でさえ---高層マンションの建設が相次いで進められている。「100年は持つ高層マンション」などと謳っている物件も多いが、100年後には誰が住んでいるのか。誰も住んでいないのに、それを取り壊す費用もない、そんな薄汚れた摩天楼が聳え立つ様は、さぞかし不気味なことだろう。

シブヤは巣鴨になる!

 そんな中、人口増加が見込まれている数少ない自治体がある。東京都はその筆頭格だ。しかし、悲しいことに「だから東京は安泰だ」とはならない。人口減少よりはるかに恐ろしい、爆発的な「高齢者増加」が起こるからだ。

 前出の松谷明彦政策研究大学院大学教授が語る。

「65歳以上の高齢者は、'05年からの30年間で、全県平均34.7%増える見込みです。ところが東京では、67.5%の増加が見込まれています。つまり、東京は日本のどこよりも高齢者が増えるのです。高齢者が7割増えれば、老人ホームも7割増やさなければならなくなる。

 税金を担う主たる働き手は15.8%減少すると見られているので、彼らの税負担は大変なものになる。特に20~30代の人口は31.3%も減り、東京都の人口に占める割合も現在の3分の1程度から約2割程度にまで縮小する。繁華街のイメージも変わるかもしれません。若者相手の渋谷、新宿、六本木などの街が小さくなって、巣鴨のような町が大きくなっていくとも言えます」

 東京には、人口減の心配はない。しかし、高齢者だらけで働き手の負担ばかりが増大する"住みにくい街"に変わったとき、若者が地方に逃げ出していく可能性もある---松谷氏はそう指摘するのである。

 東京だけに限らず、大阪・兵庫・京都といった他府県の都市部でも事情は同じだ。京都府は「2030年には約10%人口が減り、65歳以上の割合が、'25年には30%を超える」との見通しを発表。これを受けて、11月18日には人口問題を考える研究会が府内で開かれた。都市部も、人口問題とは無縁でないことが、お分かりいただけるだろうか。

人口問題が深刻化すると、経済、産業も大きな影響を受けるのは間違いない。場合によっては、日本経済の壊滅もありうる。複数の経済学者は、本誌の取材に対して「労働力人口が激減するため、国内総生産(GDP)の成長率は長期的にマイナスとなる」と予測し、現在約550兆円の実質GDPは、'50年には約350兆円にまで減少するとの声もあった。

  「全体のGDPが下がるのは、人口減少社会では当然。それよりも、一人当たりのGDPを増やすことが重要」という指摘はもっともだが、しかしここ数年、日本の一人当たりGDPは低下し続けており、そう簡単に上昇に向かうものではない。

家を建てる人も激減する!

 数字上の問題だけでなく、実際の経済の現場では、いたるところに綻びが生じ始めている。

「人口問題によって特に小売業が大打撃を受けることになるでしょう」

 こう話すのは、奈良女子大学大学院教授で『人口減少時代のまちづくり』の著者である中山徹氏だ。

「卸売・小売店を対象にした、経産省の『商業統計調査』最新版によると、国内の小売店数は'82年に172万店舗でピークに達してから減少に転じ、'07年には113万店舗にまで減っています。これは不景気だけが原因ではない。すでに人口減少が進んでいる地方などで、経済活動の一部が縮小し始めているからです」

 '09年に経産省が発表した、家計の支出に関する調査データによると、'07年の家計消費支出は278兆円。これが'30年には250兆円になるという。実に10%以上も支出が減るのだ。

「小売店数の減少はこれからも続くでしょうが、特に深刻なのは商店街です。総務省の統計によると、従業員4名以下の小規模小売店数---このなかには商店街の店が多く含まれると思われます---は、'82年の144万ヵ所をピークに、'07年は75万ヵ所と半数近くまで数を減らしています。なんの対策も講じられなければ、加速度的に小規模小売店は姿を消していくことになるでしょう」(中山氏)

「シャッター商店街」は、もう珍しい風景ではなくなった。この風景が日本中に広がるだろうという予測だが、商店街の死は、町そのものの活気や生気を奪いとり、自治体の機能低下・活力低下に拍車をかける。"日本の壊死"は、足元からじわじわと進んでいる。

 家計消費の減少には、日本の製造業・販売業も戦々恐々としている。ハウスメーカーを例にとってみよう。住宅を買う層の中心は30~44歳で、現状、新築物件の約半分はこの層が買っている。しかし、この層は今後10年のうちに15%減少すると予測されている。従来どおりの営業をやっていたのでは、ジリ貧になるのは確実だ。

「関西圏を例にとると、主要顧客層がこの10年だけで70万人も減少します。一体どれだけの影響がでるのか、正直見当もつきません」(大手住宅メーカー・マーケティング担当者)

 国内に生き残りの道がないなら、日本の企業は海外に「逃げだす」ことを模索するだろう。

「体力のある企業は、労働力不足と内需の低下を見越して、国内投資ではなく海外投資を積極的に行っています。これからは、そうして海外に軸足を置く企業がどんどん増えていくはずです」というのは、信州大学の真壁昭夫教授だ。

近年、日本企業の海外への積極的な進出がみられるが、これは将来の日本の人口問題を見越したうえでのものだと真壁教授は指摘する。内閣府は毎年、製造業の海外生産比率を調査しているが、そこにもこの流れがはっきりと表れている。'90年度の海外生産比率が6.4%だったのに対し、20年後の'09年度には過去最高の17.8%を記録しているのだ。

「このままでは、やがて日本国内には地元密着型のスーパーとか、海外に進出するだけの体力がない企業・金融機関しか、残らなくなる恐れがあります。人口減少に歯止めがかからなければ、日本そのものが経済規模の小さい『貧乏な国』になってしまうでしょう」(前出・真壁氏)

 『The Economist』誌をはじめ、世界が日本の将来に注目し始めた理由が見えてきただろうか。一時は世界経済のトップを走っていた国が、いま静かに、そして着実に「死」を迎えようとしているのだ。興味が湧かないワケがない。また世界的にみても、先進国では人口減少・高齢化が進んでおり、日本は自国の将来を考える上で「いいモデルケース」となっているのだろう。

 特に、眼を見開いて日本の人口問題に注目しているのが、近い将来、同じ問題を抱えることになる中国と韓国だ。

日本がどうなるかを見てから!

 9月10日、中国社会科学院財政貿易経済研究所は「中国の高齢化はこれから進行し、2030年には日本を抜き、世界一の高齢国家になる」と指摘した。国連の人口統計によると、中国では2040年には全人口の28%が65歳以上に達し、経済は一気に減速、社会保障問題で国家は大変な混乱に襲われることになるのだ。

 また、韓国は日本と同じく出生率の低下に苦しんでおり、2050年には韓国の人口は4234万人と現在より13%も減少すると予測されている。

「韓国では、医療費の増加水準がOECD加盟国平均の約3.5倍と圧倒的に高く、今後わが国の社会保障政策が行き詰まることになるのは間違いない」(オ・ヨンス・韓国保健社会研究院政策研究室長)

 それでも、韓国は日本ほどに人口減少・高齢社会に悲観的ではない。

「韓国が本格的な人口減少に直面するのは、10年ほど先の話でまだ余裕がある。日本の対策を参考にすることもできる」と語るのは、チョン・ホソン・サムスン経済研究所首席研究員だ。

「韓国は外国人移民の受け入れに比較的寛容であり、さらに中国をはじめとした外国人投資の誘致が進んでいるため、人口減少による経済的なマイナスはある程度カバーできる。韓国はグローバルな視点から、この問題の解決策を見出そうとしている。反面、日本は10年ほど前から政治的な混乱が続いており、ほとんど対策が進んでいないのではないか」

 情けない話だが、確かに日本の対策は、ほとんど進んでいないに等しい。

 人口問題に詳しい識者に、人口減少・高齢社会を乗り切るための方策について意見を求めた。東京財団の石川和男・上席研究員は、日本の活路について、こう話す。

「日本の高齢者の保有している資産は、数百兆円にのぼる。この資産を消費に回すことができれば、内需で日本経済を活性化させることができる。高齢者向けのビジネスはいくつも考えられるが、介護や医療といった、社会保障産業に注目したい。これを巨大な産業に成長させられれば、それは原発や水道のように、『JAPANESE KAIGO』として、そのシステムやノウハウを海外に輸出し、外需をも呼び込むことにつながります」

人口減少・高齢社会を乗り切る道は少なからず残されている。しかし、政府が来るべき将来に向けて、十分な対策をとっているかといえば、答えがNOであることは論を俟たない。

 社会保障の充実、女性の社会進出、定年の引き上げ、税制改革・・・その議論のどれもが遅々として進まず、一方で国民に負担を強いる政策だけは強硬に推進する。

 これでは韓国の研究員の言葉に反論できそうもない。

 実は、日本は過去にも同様の危機を迎えたことがあった。前出の上智大学・鬼頭宏教授によると、日本が人口減少に直面するのは、歴史上4度目のことだという。

「日本は縄文時代後半、鎌倉時代、江戸中後期に人口減少を経験しています。

 どの時代も、それまで発展を支えてきた技術や社会制度が完成し、成熟期を迎えたときだった。

 日本はいま、4度目の人口減少に襲われていますが、今回も、社会が成熟期を迎えたと考えていいのではないでしょうか」

 鬼頭教授は、今回の人口減少が「高齢化」という過去になかった特殊な要素を含んでいることに注意しつつも、「日本は過去3度の人口減少を、すべて海外から新しい制度や文化を導入することで乗り越えてきた」と説明し、この度の人口減少においても、移民受け入れを真剣に考えるべきではないかと締め括る。

 日本は過去、人口減少を迎えるたびに、それを新たな文明発展の契機としてきた。これは大変誇らしいことである。

 しかし4度目の危機を迎えているにもかかわらず、ただ手をこまねいているだけの現状をみると、これが日本が迎える「最後の人口減少」なのではないかと思えてならない---。

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