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4 NCOの課題
 さてNCOが提唱されて10年以上が過ぎ、実際の運用をこなした結果、軍事作戦において新たな世界を照らす輝かしい光のみだけではなく、影もあることが分かってきた。
 
(1) 共同作戦のジレンマ
―― 相互運用性(インターオペラビリティ)の確保の課題 ――
 
国家相互の結びつきが格段に増しグローバル化された今の国際環境下では、多くの場合同盟軍、連合軍、多国籍軍など、複数の国の軍が共同作戦を展開することが常態になっている。
 これまでは、共同作戦の訓練を積み、意思疎通を十分図った同盟国との連合作戦が主体であった。
 ところが最近では同盟関係にある国々のみならず、その地域内の国や、さらには世界中からいろいろな国が手を挙げてアドホックで一時的に連合作戦に参加することが多くなっている。
 軍事作戦のみならず安定・復興作戦や国際緊急援助活動などでも様々な国がともに汗を流す。
 この際、参加国は自分たちのシステムやネットワークを携えてやって来るが、しかしまた互いの意思疎通を図る手段を確保することも意思疎通を十分図り作戦を円滑に進めるためには不可欠の要素である。
 この場合、共通のシステム、共通のネットワークを利用することが必要になり、それによって情報の共有、思想統一が可能になってくる。例えば同一のGPSを利用すれば、位置情報や時刻規制などが相関誤差なく行え、各種偵察情報の交換などもスムーズにいく。
 このためにはシステムインフラ間のインターオペラビリティ を確保することになる。しかし、このインターオペラビリティの確保と維持はそうたやすいことではない。
 例えば構成国の1つがシステムのアップグレードやバージョンの更新をすれば、それへの対応を余儀なくされる。
 旧来のまま、陳腐化したシステムにわざわざ頼ることはないが、新バージョンへの対応経費、システム接続のやり直し、兵員の訓練・慣熟、初期段階で当然に発生するバグへの対応など常にリスクが存在する。
 さらには各国、各企業の技術保全(テクノロジーセキュリティー)や技術公開制限の壁が立ちふさがることもしばしばである。このような状態では、運用するシステム内にブラックボックスが多く、兵器として使いづらい、壊れても修理できない状態になりかねない。
 このため、共同作戦を取るであろう国々とは、平素から共通的なネットワーク構成やインターオペラビリティ確保に関する調整など様々な工夫が必要になる。そして共通部分に関しては相互の形態管理に係る枠組みをつくり、定期的に調整を図るなどの継続的な努力が求められる。
(2) ネットワークへの新たな脅威
―― サイバー戦等新たな脅威からの脆弱性 ――
 現代の作戦環境では、NCOに大きな影響を与えるいくつかの新しい脅威が出現している。
 例えばその第1は、近年富に発達しているサイバー戦である。情報を統括し、指揮中枢などを構成するコンピューター、そして神経系統とも擬されるネットワークにソフト・ハードにわたる攻撃を仕かけるサイバー攻撃は、そのシステムにマヒ、誤作動、データ改竄、なりすまし、物理的破壊などを引き起こす。
 サイバー戦は、平時有事を問わず絶えず行われており、その攻撃元を特定することが困難なこと、国家などが関与する組織的なものか個人的犯罪なのか判別が難しいことなどから対処が難しい分野である。
 しかも被害を受けた場合、軍事・民生いずれの部門によらず深刻な被害が発生する危険性があり、国家の安全保障上深刻なダメージを受ける。
 第2は、ネットワークセントリック電子戦(NCEW)である。
 コンピューターをはじめとする電子機器がネットワークシステムに限らずあらゆる装備品で中心的かつ重要な役割を果たしている現代、妨害(ジャミング)、欺瞞、なりすましなどを用いて電子機器を麻痺、破壊するネットワークセントリック電子戦(NCEW)は強力な攻撃手段となる。
 このような脅威に対処するには、個々の兵器に組み込まれた電子関連機器はもとより、C4ISRシステム(Command Control Communication Computer Intelligence Surveillance Reconnaissance system)に関するシステムやネットワーク全体の抗たん性や冗長性の強化に常に気を配り、敵の攻撃を回避し、あるいは受けても重大な影響が出ないように配慮されていなければならない。
 効果的な能動及び受動的対策を講じ敵の攻撃の結果受けたいかなる損失も速やかに取り替え、回復することができる能力を維持する必要がある。
 とはいえ、これらに完全に対処しきることは難しい。
 まず何を防護しなければならないのか、それはなぜなのかを検討し、優先度をつけることが求められる。そしてシステムの物理的分散、ノードレスのネットワーク、攻防にわたるサイバー戦能力、暗号化されたデジタル通信などの手段を尽くすべきである。
 併せてこの分野は技術革新が激しく、半年もすれば陳腐化し、レガシーな方策となってしまい、常に新たな対策が求められる分野である。このような状況に追随するためには、何にも増して感性鋭い優秀な人材の登用に意を配る必要がある。
(3) 情報の飽和
―― 便利さゆえの新たな課題 ――
 情報の流れがネットワーク化されると、軍の組織では恒常的に行われる指揮と報告という縦関係での流れのみならず、すべての情報ユーザーが自分の任務遂行に必要な要求を出し、必要な情報を取得できるという、いわば横方向の流れも加わるようになる。
 このように縦横に膨大な情報の流れができる結果、情報量が過多になり、それはシステムに負担をかけるとともに、指揮官から一兵士に至る情報ユーザーに混乱を与える恐れが大きい。
このいわば「情報の飽和」状態の中では、第1に上級指揮官による下級指揮官への過干渉や下級指揮官による上級指揮官への過依存といった状態が生じやすい。
 それぞれが判断するに十分以上の情報を与えられるため、各レベルの責任範囲を超えた干渉や依存が可能となり、やってしまいがちになる。
 第2に、戦場の最前線にある兵士たちは、「情報の洪水」の中から自分たちの任務遂行に真に必要な情報を選択して拾い上げなければならない。
 苛酷な作戦環境の中で個々の兵士にこれまで以上の責任が付与され、適切な判断をしかも短時間の中で求められることになり、彼らの負担は倍増する。最近戦場に出た兵士が心理的な傷を負うケースが多いのも、この辺に一因があるとも考えられる。
 NCOに付随して発生するこのような問題を解決するには、根本的には、NCO環境下で求められる新しい指揮のスタイルや軍事組織を追求することが必要になる。
 しかしそのような体制の変革は一朝一夕でできるものでもなく、それよりも技術革新によってシステムや装備の方が先行しているのが現状である。当面、このような状況に対応するには、情報管理をしっかりした方針の下に厳密に行うことが重要である。
 クリティカルな情報に関して、何の情報を、いつどのような頻度で、誰に、どのような形で提供するのかをよく整理し、規定することである。そして絶えずレビューし、更新し、試行錯誤を繰り返し、いわゆる「システムを育てる」という考え方を持つ必要がある。
 
5 まとめに代えて
 
ネットワークを運用すると、相反する要求に立ち竦むことが多い。
 すべての関係者にアクセスを許容すべきか、あるいは一定の枠をはめアクセスを制限すべきであろうか?
 自由なアクセスにより情報の共有は万遍なく行き渡りネットワーク化のメリットを高めるものの、時には混乱が生じ、あるいは敵にさえ門戸を開いてしまう。
 ネットに載せるデータも、処理しない生のままのデータがいいのか、あるいは一定の処理を施したデータが好ましいのか?
 生データは客観的で何より事実を物語ってはいるものの、そこに含まれる意味を見落とす恐れがあり、また受け取る人により判断が異なる可能性もある。処理されたデータは分かりやすいものの、緊要な情報を切り捨ててしまっていたり視点を固定させる恐れがある。
 あるいは、柔軟な運用ができるであろうことを期待して極力多くのデータを提供するのか、あるいは情報保全を重視して「ニーズ・ツー・ノウ」、すなわち必要な人のところに限って必要な情報を届けることを原則とするのかで対立する。
 技術的には、軍事面の基準を適用すべきか、あるいは最近の民生技術を反映して民需基準を当てはめるべきかという問題もある。
 インターオペラビリティを確保しようという課題についても同様のことが言える。インターオペラビリティを完璧に確保するためには多くのマイナス面に目をつぶらねばならず、また独自のシステムだけでは円滑な共同作戦は期待できない。
 これらには決して正解はない。いろいろな要素が絡んで常に変化している。我々は自らの基準をしっかり持ち、現状で最適のバランス点を見つけていかねばならない。
 この際に肝要なことは、NCOの基本である運用の柔軟性と速度の優越、そしてその結果として主動の確保を得ることがどの程度できるかの見極めである。
 バランスが崩れるとトラブルが生じ、危機に陥りかねない。これをネットワークの構成などシステムのせいにすることはたやすいが、その真因は多くの場合システムにはなく、その運用、そしてバランスの取り方にある。
 大海原で大波に逆らうことなく、うまく波に乗り、むしろそれを利用するように、事態に柔軟に対応し、適切なバランスを確保してこそNCOの目指すメリットを存分に生かすことができる。
 過去の基準などに固執することなく、先を読み柔軟に対応すること、むしろNCOでは「変化こそ基本」とも言えるであろう。
 NCOには大きなメリットとともに、無視できないデメリットや課題も明らかになってきている。さらにはNCOを活用する作戦の場の変化も激しい。
 このような問題に眼をそむけることなく、柔軟な発想を持って適切に対応し、課題をクリアしていく絶え間ない努力が必要になってくる。
 最後に我が国の防衛分野に関して付言すると、現状はNCOを行うための体制整備を統合レベルでスタートさせた段階であり、まだまだ整備途上にある。そしてその動きはあまりにも遅い。
 年々縮減される防衛予算のありようでは、このような整備にまで手が回らないのが実態である。ここで指摘したような課題に対処する以前に、諸外国の流れにはるかに取り残されつつあるのが懸念される。
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