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2011年1月 7日 18:28
「ロイヤルファミリー・革命3世代・先軍トロイカ・青年同盟」に注目!
【デイリーNK 金素烈記者】
2011年、北朝鮮関連で最も注目を集める話題は「金正恩」後継問題だ。
金正恩後継作業の初年度になる今年、金正日は金正恩を後押しする幹部に対する人選や内部検証に力を注ぐと見られる。 金正日は、まず昨年の党代表者会を通じて、これまで有名無実だった党中央委政治局と党中央軍事委の権威を外形的に復元した。
金正恩が李英鎬(リ・ヨンホ)と共に党中央軍事委副委員長の座につき、金永南(キム・ヨンナム)、金英春(キム・ヨンチュン)、全秉浩(チョン・ビョンホ)など元老級を政治局常任委員委員に選出した。また、崔竜海(チェ・リョンヘ)、文景徳(ムン・ギョンドク)、禹東則(ウ・ドンチュク)など実務エリートらを政治局候補委員に任命し、幹部らの新構造化、党・軍の配分を試みた。政治局候補委員の15人中7人は党書記などで、5人は党中央軍事委員だ。
◆信じるのは血縁だけ...張成沢と金慶喜(キム・ギョンヒ)を前面配置!
後継作業の序盤作業において、金正恩を後押しする勢力にはロイヤルファミリーグループと軍部が挙げられる。共通点は全てが「金正日の人々」だ。
まず、金正日の妹の金慶喜と彼女の夫である張成沢は、早々と金正恩の後見人となった人物だ。この夫婦が金正恩後継に反旗を翻す血縁的動機は希薄だ。唯一の娘のチャン・クムソンは2006年にフランスで自殺。張成沢の兄弟であるチャン・ソンギル・チャン・ソヌはすでに死亡した。
現在、金慶喜は人民軍「大将」で党政治局委員であり党軽工業部長を受け持っている。張成沢は党政治局候補委員、党行政府長、党中央軍事委員、国防委員会副委員長などに名前を連ねている。専門家たちは、張成沢が北朝鮮の二大公安機関の国家安全保衛部と人民保安部に対しても一定の掌握力を持っていると分析している。
ただし、金慶喜と張成沢は事実上、夫婦の関係は破綻しており、現在はただ「政略的関係」だけであるという点に注目する必要がある。金正日の死後でも、この夫婦が政治的同志として、共に進むことは可能なのかという疑問は残る。張成沢の個人指向も観察対象だ。昨年他界した黄長燁(ファン・ジャンヨプ)元労働党書記は生前「北朝鮮幹部の中では、張成沢は少しマシ」という評価をした。
張成沢は昨年、金正日の公開活動で最多随行記録(114回)を見せるなど、最側近としての道を歩んでいるが、中国側の人脈に強いという点と北朝鮮内部で従う人間が多いという点のから、常に「摂政の疑惑」というイメージがある。金正日が永らくアルコール中毒だった金慶喜を前面に押し出しているのも、張成沢に対する牽制の意味があるという分析も出てくる。
チョン・ソンジャン世宗研究所首席研究委員は「張成沢は金正恩の第1後見人であることに間違いない。張成沢に過度な力が傾くことを防ぐために金正日が金慶喜に力を与えた側面がある」と話した。金慶喜は北朝鮮内部で、唯一金正日に直言できる人物であることに加え、北朝鮮が今年に主戦事業だと明らかにした「軽工業」分野を受け持っている。
◆50代の「革命第3世代」グループは「存在感」を示すことができるのか?
ロイヤルファミリーの次に注目を使うグループはいわゆる「青年同盟4人衆」の崔竜海、文景徳、崔永林(チェ・ヨンリム)、イ・ヨンスらだ。
北朝鮮の青年組織「金日成社会主義青年同盟」の前身の「社労青」委員長出身である崔竜海は、金正恩、金慶喜と同じ日に「人民軍大将」の称号を受けた。また、党中央軍事委委員、党書記名簿にも名前を連ねた。1950年生まれで革命第一世代の崔賢(チェ・ヒョン)前人民武力部長(死亡)の次男で金氏一家に対する最高の家臣に選ばれている。
イ・スンリョル梨花女子大教授は「崔竜海の様々な職責を見るとき、金正恩を中心とした党の再建で求心的な役割を受け持つと見られる」と分析した。
崔竜海と共に注目される人物は、文景徳・平壌市党責任書記だ。1957年生まれで今年55才。平壌市党責任書記は、韓国でのソウル市長より大きな意味を持っている。北朝鮮の国内政治が「革命首都」平壌に集中していることから、金正恩の政治、経済的功績の積み重ねで最先鋒に出ると期待されている。前任者の崔永林が総理で起用されながら平壌市責任書記を引き継いだ形だが、50代半ばという比較的若い年齢は、金正恩時代の新しい人物として浮上する可能性を高めている。
キム・ヨンス国防大教授は「北朝鮮は平壌市党の相当重要な任務を革命第3世代格の文景徳に任せたことになる。40代が主をなしている革命第3世代から金正恩がどれだけの忠誠度を確保するのかという問題も後継作業の一つの課題だ」と話した。
◆先軍トロイカ「李英鎬-金正角-金英逸」!
軍部で金正恩を裏で支える人物は、李英鎬、金正角(キム・ジョンガク)、金英哲などだ。
1942年生まれで金正日と同年齢の李英鎬総参謀長は、昨年の党代表者会の前日の軍人事で副元帥に昇進し、また5人の政治局常務委員にも選ばれた。
党代表者会の閉会後の、錦繻山記念宮殿の前における記念撮影では、金正日の右側に位置し、彼の地位が高まった事が確認された。韓国の国防長官に該当する金英春・人民武力部長が、金正日の右側3番目に位置したことと比較すれば、李英鎬の権力を実感させる。
李英鎬が軍事的に指揮する位置にあるならば、金正角は趙明禄(チョ・ミョンロク)総政治局長の死亡以後、政治的に軍を統制する位置にあると推定される。すなわち軍部エリートらを監視・統制する役割を金正角が受け持っているということだ。金正角は、党中央軍事委員、党政治局候補委員にも名前を連ねている。ウィキリークスが暴露した外交電文によれば、韓国政府高位関係者さえも、金正角に対して「非常に影響力がある」と分析している。
天安艦爆沈と延坪島砲撃を実際に主導した人物として知られた金英哲(キン・ヨンチョル)偵察総局長も、金正恩後継作業のための人物だ。金正恩後継成功のための南北関係の管理分野で彼の活動がより一層目立つという見方だ。
◆青年同盟は金正恩の紅衛兵の役割をするか?...金己南も慌ただしくなる模様!
国策研究機関のある対北朝鮮専門家は「金正恩がまだ若いという点を考慮し、北朝鮮青年の役割をより強調する方向で宣伝扇動が展開する可能性が大きい。全国的組織網を持っていながらも、実力者幹部らの年齢が相対的に低い金日成社会主義青年同盟(青年同盟)を金正恩が優先的に掌握しようとするだろう」と見通した。
青年同盟は労働党に入党しなかった満14~35才までの青年たちが義務として加入する組織で、500万人規模を誇る組織だ。傘下には「朝鮮少年団」、「速度戦青年突撃隊」、「青年中央芸術宣伝隊」など北朝鮮の核心宣伝扇動単位を率いて、朝鮮コンピュータセンター(KCC)のような有望な外貨稼ぎ単位も保有している。現在の青年同盟の責任者はイ・ヨンチョル第1書記だ。
一方では、金正恩の資質、業績を浮上させるにあたって、金己南の役割に注目するべきという分析もある。金己南は党宣伝扇動部長で後継者と関連し、イデオロギー創造の専門家として知られている。1982年から金正日偶像化作業を主導し、1994年の金日成死亡直後には「金日成・金正日一体化」を推進するのに大きな活躍を見せたと伝えられる。
ある専門家は「金正恩のイメージ作りにおいて、金正日が信じられる人物は、事実上、金己南だけだ。特に今年は、金己南が慌ただしくなるだろう」と見た。
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