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一触即発の中国・朝鮮半島情勢。米・韓・中、そして北朝鮮とどう渡り合えばいいのか!
2011年01月12日(水)現代ビジネス
---年が明けて早々ですが、今年、北朝鮮では金正日(キム ジヨン イル)総書記から三男への権力委譲が予想され、中国では、次期統治者と目される習近平(シー チン ピン)党中央軍事委員会副主席による軍事力増強が懸念されます。
日本の新防衛大綱には「動的防衛力」というこの2国を意識した考え方が盛り込まれ、国防を考える絶好のタイミングと思い、この対談を企画しました。まず、記憶に新しい出来事は、11月に起きた北朝鮮による韓国・延坪島(ヨン ピヨン ド)への砲撃です。
三原 祝日(11月23日の勤労感謝の日)で国会はなく、翌朝、自民党の国防部会に出席して、何時に何が起きたのかという時系列を把握しました。あらためて現内閣の危機管理のなさに呆れましたね。
アメリカのオバマ大統領は韓国の李明博(イ ミヨン バク)大統領と電話で協議し、砲撃直後に「言語道断の行為を強く非難するために国際社会と協力する」と声明を出しています。
一方、「強く非難する」と、仙谷由人(せん ごく よし と)官房長官が公式見解を発表したのが発生から7時間過ぎの夜9時半頃、菅直人首相に至っては翌日でした。防衛省の危機管理は、どうなっているのでしょう。
田母神 現在の自衛隊は、総理大臣の決裁なしでは何一つできない、むしろ何か命じられないうちは動いてはいけないという雰囲気が蔓延しているんです。
「自衛隊が動くとロクなことにならないから、言われたことだけやれ」というのが政府の本音。もっと言えば、「現場に任せると戦争になる」とさえ思われています。
三原 「制服組の自衛官は何も考えるな」というのが日本流のシビリアンコントロール(注1)だということですか。
田母神 シビリアンコントロールの根幹の考え方は、外交問題が生じた際、問題を解決するのに軍隊を使うか、使わないかの決定権を政治の側が持っているという点にあります。
政治家が他国と話し合いで解決しようとしたが、どうにも打開できない場合、「では、ここから先は軍を使う」と決断する局面が存在するわけです。
さらに、政治家が達成する目標を軍に伝え、あとの方法論は軍に任せるというのが、普通の国のシビリアンコントロールなんですね。
ところが、日本では「自衛隊は軍隊ではない」からと、今そこにある危機を自衛隊には判断させない。では、政治家が判断できるのかね。
三原 無理ですね。まず、情報が入ってくるかどうかが心許ない。先ほどの話、李明博大統領はオバマ大統領にはすぐ電話で有事を伝えましたが、日本への連絡は優先順位が低かった。
自衛隊を動かさない日本に電話をかけても無駄だと思われたのでしょう。
9月に起きた、中国漁船が海上保安庁の巡視艇にぶつかってきた事件でも同じですが、結局、民主党の中に中国・韓国・アメリカと渡り合えるパイプがないことを証明したんです。自民党時代はパイプがあったはずです。
田母神 だとしたら実に恐ろしい。政権が替わっただけで、外務省をはじめ役所の組織に何ら変更はないのに、彼らが機能しなくなったことになる。
三原 ですよね。本来、ずっとそれを専門にしてきた外務省の官僚が、各国との間にパイプを築いていないはずがない。要は、政権のために動かないんです。
民主党=中国、自民党=米国
田母神 日本の政治は、「政治主導」と言い出してからおかしくなったね。だいたい、「官僚支配=悪」の図式は、アメリカ発、中国発で日本の統治機構を弱体化させるために仕掛けられた情報戦争なんですよ。政治家が大臣になった途端、その省庁のあらゆることに精通できると思いますか? 官僚という専門家をうまく使えばいいじゃないですか。
三原 自国だけは得をしようという国際政治において、日本は情報戦争の渦中にあるという自覚がないですね。G2(注2)どちらにとっても、日本に力をつけられては困る。なのに民主党政権が率先して、強国の戦術に乗ってしまっている。
田母神 自民党は、どちらかというとアメリカ寄りの政党です。そして民主党はどちらかというと中国寄りの政党です。アメリカの政治家はアメリカ派でしょうし、フランスの政治家はフランス派です。
日本だけ、日本派の政治家がほとんどいないんですわ。自民党の石破茂政調会長は「核武装すべきではない」と主張していますが、アメリカが核武装を容認しても反対するのか、甚だ疑問ですね。
三原 国内で与野党が米中に分かれて争っている最中、メディアの大多数が中国派にシンパシーを感じているのでしょうね。だから、民主党の政権運営がどれだけひどくても、当時の自民党と同じレベルで批判されることはありません。
田母神 気になったのは、尖閣の海で今、何が起きているかを、マスコミが伝えないことです。石垣島や宮古島にいる知人に聞けば、中国の漁船が大挙して日本の漁師が仕掛けた網を破り、追い払おうとすると中国の巡視船が体当たりしようと威嚇してきて、日本の領海、あるいは経済水域であるにもかかわらず、安心して操業できないのだそうです。
海保なり海上自衛隊が監視し、警告を出さないと事態は打開できない。尖閣事件の背景を報じようとしないのは、日本のメディアが中国寄りだからかと勘繰りたくもなる。
三原 自民党はビデオ流出後、政党としては最初に石垣島に柴山昌彦先生・森まさこ先生を調査団として派遣して、巡視船「みずほ」の船長と乗組員の方々に話をうかがいました。海保が撮影した尖閣の映像は2時間ありますが、最後に相手の船に乗り移るシーンがあります。
波の荒れ方も凄く、さらに相手が何人いるかも、武器を携行しているかも分からない船に、丸腰で向かったことが一番怖かったと話していました。その話を党に持ち帰ったのですが、マスコミは与党からの情報をメインに報道しますから・・・。
田母神 ところで、私は尖閣事件の映像を流出させた海保の職員の行動を支持しているんです。この意見を公に発言したら、自衛隊、海保、警察の職員からメールや手紙がたくさん寄せられましてね。彼らは「上官の指示に従わないことが許されていいのか」と質問してきます。
ただ、今回の事案は、世論調査で8〜9割の人が公開したほうが日本のためだと考えています。「首相官邸が見せないと言っているから」と放置するか、「上の指示には反するが、国家のことを考えて己の処分を顧みずに行動する」という選択肢のうち、後者を選んだ彼を支持したい。そういう人のほうが、まともですよ。
---政府は衆・参両院の予算委員会の理事ら約30人を対象に、2時間以上ある一部始終のうち約7分間だけを編集して映像を見せました。海保職員が動画共有サイト『YouTube』に映像をアップしたのは、その3日後のことでした。
三原 その映像が流出した後も政府は見せないと言い続けていましたよ。現実にパソコンで見ることができるのに、あまりにナンセンスで非難囂々でした。結局、映像を流した海保職員も被害者なんですよ。
もっと本当に早い時点で政府が映像を公表し、中国側の一連の行動が国際社会で通用するものかを問いかけ、外交のカードとして使うべきでした。そうしていれば、彼という個人が義憤にかられた行動を取ることもなかったのです。
田母神 まあ、三原先生には申し訳ないが、程度の差はあれ、歴代自民党政権もことなかれ主義でしたよ。「竹島(注3)周辺では韓国と、日中中間線(注4)付近では中国といざこざを起こすな。むしろ自衛隊も海保もそこに行くな」というのが従来の自民党からの指示でした。
結果、竹島は実効支配され、尖閣の海ではこのようなことが起きる。いざこざが起きたとしても、即戦争にはならないことを、国会議員が信じていないんですよ。世界中の国が国際法に基づいて、領土・領海・領空の警備をし、中には銃撃戦も行われている。しかし、それらがすべて戦争にまで発展していますか?
三原 自民党も世代交代で、田母神先生が当時抱いたイメージから脱却しようとしています。野党になったことで、本当に言いたいことが言えるようになりましたしね。また、竹島問題についても自民党の新藤義孝先生(元外務政務官)が政府を厳しく追及しています。
昨年の秋以降、韓国がヘリポートの改修工事を予算化し、沖合には15階建て相当の海洋科学基地建設が新たに計画されているのに、民主党政権は状況を国民に公表せず、韓国に対して何も抗議を行っていません。岡田克也幹事長は外相時代、「不法占拠とは言わない」と答弁しましたが、国民と領土を守るという自覚がないのかと呆れましたよ。
田母神 結局ね、「何をやっても日本は抗議はしない」と思われているから、どんどん踏み込まれていくんですよ。こんなデータがあります。'04〜'07年の4年間で、韓国の海上警察が違法操業を理由に拿捕した中国漁船の数は2037隻、逮捕者は2万人を超え、支払わせた保釈金の合計は日本円にして約18億円だそうです。
中には銃撃戦になったケースも含まれているし、死者も出ている。ですが戦争には至っていない。さらに言えば、韓国に対して中国は黙ってカネを支払っています。日本には素直に支払うでしょうかね。要は、ナメられているんです。
三原 田母神先生がある雑誌で、こちらが武器を持っていないということが、逆に相手からすると攻撃を誘発する可能性を高めるとお書きになっていましたね。
田母神 強い者には手を出さないんですよ、国際社会は。自国が不利益を被ったら、相手国に「ふざけたこと言ってるとぶん殴るぞ」という態勢で臨むから相手も交渉に応じますが、日本の場合、「ふざけたこと言ってると話し合うぞ」という姿勢ですからね(笑)。
自分で自分を守る"大人の国"
三原 アメリカとの付き合い方をより真剣に考えていかなくてはいけない段階に入ったと思うんですが、特に尖閣事件では、日米安全保障条約の第5条(注5)の話が出ましたが、はっきりしたことは、日本の自助努力なくして日米同盟はあり得ないという事実だと思いました。そのへん、日本人の認識は甘いですね。
田母神 日本国民のほとんどが知らないと思いますが、第5条で日本が攻撃を受けたらアメリカが自動的に戦争に参加して日本を守ってくれることにはなっていません。まず、大統領が日本を守るよう軍に命令を下さなければ米軍は行動できません。さらに大統領命令は、有効期間は2ヵ月に限定されています。
それを過ぎると、連邦議会の同意が必要となります。反日的な法案が年がら年中通る議会で、すんなり日本を守る法案が通るはずがない。仮に日本を助けるなんて言ったら、中国は「米国債を全部売りましょうか」「ワシントンに核ミサイルをお見舞いしましょうか」と脅すでしょうね。尖閣問題が、アメリカがリスクを負ってまで乗り出す案件でないことは確かです。
三原 普天間基地の問題がクローズアップされて、多くの国民は沖縄県民に負担が傾斜していることを実感しましたが、同時に尖閣のことがあって、沖縄本島にアメリカ軍がいる限り、中国が沖縄本島に手を出してこないことも実感したのではないでしょうか。日米安保が抑止の機能を果たしているのは事実です。
田母神 日米関係を維持しながら、自分の国を自分で守る体制がある"大人の国"、あるいは"普通の国"を目指すべきなんです。アメリカの介入をまず望めない国際的な衝突が起きることを、私たちは目の当たりにした。だからこそ、日米安保による抑止の問題とは切り離して、まずは日本の自衛隊が国を守るべく行動できる法整備を考えなくてはならない。
三原 仮に、北朝鮮が今回以上の攻撃行動に出た場合、自衛隊はどこまで動くことができるのでしょうか。
田母神 日本は戦争に出掛けることはできません。朝鮮半島に進出した米軍は、軍人を輸送機で近い日本に運ぶでしょう。その輸送機を北朝鮮の戦闘機が追いかけてきて撃墜するかもしれない。日本のF-15は米軍機を守ろうとするでしょうが、今の法体制だと、北朝鮮機だろうと撃ち落とせば殺人罪が適用されます。
米軍の輸送機を見殺しにすれば、この瞬間、日米同盟はジ・エンドです。要は、自衛隊も軍なのだから、国際法に基づいて動けるようにしたらいいんです。
---ただ、'10年度の防衛予算は4兆7000億円あまりと8年連続で減少しました。自主防衛は、やろうと思っても難しいのが現状ではないでしょうか。
三原 国家の財政が苦しいからという理由は成立しないですよ。要は、子ども手当として約4兆8000億円をばらまくのと、国防に関わる予算、どちらに優先的におカネを割くかという話なんです。
田母神 子ども手当の半分以下でも毎年防衛予算に組み込めば、10年で立派に中国の軍拡に対抗できるようになります。川崎重工は航空自衛隊の輸送機と海上自衛隊の対潜哨戒機(注6)を同時に開発しましたが、開発費は約4000億円です。
現在、ロシア、中国が第5世代と言われる次世代戦闘機の開発を進めており、制空権を奪われる可能性は現実にある。しかし、10年間で1兆円使うくらいの予算で国産戦闘機は十分開発できる。
原 軍事費増強の話なんてすると、「右翼」だと片づけられそうですね。しかし、尖閣、北朝鮮と現実の脅威のほうが理屈を凌駕し始めている。もはや根本的に何かを変える時期が近づいてきています。国防とか経済って全部丸い円でつながっているんです。
国防が強ければ経済も強くなれる。国防はボディで、経済が顔ってところですかね。私風に言えば、「顔も大事だけどボディを鍛えな」(笑)。
田母神 経済大国は軍事大国にならざるをえない。札束を置いたまま戸締まりもせず外出する金持ちが、治安を悪くしているとも言えるんです。「軍事大国にならない」と宣言することは、世界の治安維持上、無責任だと自覚すべきです。
航空幕僚長だった私は「大東亜戦争は侵略戦争ではなく、中華民国やアメリカを操ったコミンテルンによる策謀が原因だ」と、村山談話(注7)を否定する論文を書いてクビになりました。しかし、「核武装すべきでない」という意見がある一方で、「核武装すべき」という意見も冷静に言うことができなければ、成熟した民主主義の国とは言えないと思いませんか。
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