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「内外価格差」で生き延びてきた日本メーカー
2011.01.12(Wed)JBプレス相場英雄
2010年は、家電エコポイントを利用して薄型テレビを購入した読者が多かったのではないだろうか。
家電エコポイント制度は、2010年12月からポイント数が約半分になった。だが、2011年7月には地上放送デジタル完全移行が控えている。2011年3月末の家電エコポイント制度終了に向けて、これから薄型テレビへの買い替えを検討する向きも少なくないはず。
消費者の駆け込み需要が見込まれる中、日本のテレビ製造メーカー各社は早くも戦々恐々としている。エコポイント制度の反動による売り上げ減少はもちろんのこと、海外勢の本格進出が噂されるからだ。
今回は、薄型テレビの国内市場の今後を大胆に占ってみた。
米商戦の実売価格は日本よりも激安!
「X社 40インチ液晶 550ドル/46インチ 700ドル/52インチ 1500ドル」
「Y社 40インチ液晶 498ドル/46インチ 800ドル/55インチ(3D)2200ドル」・・・。
これらの数値は、米国の大手量販店の歳末セール向けの薄型テレビの実売価格だ。X社は、日本有数の薄型テレビメーカー、Y社は韓国の有力メーカーを指す。
筆者は2010年末、旧知のアナリストからこうした商品の価格一覧表を入手した。「1ドル=85円」で換算すると、X社の40インチ液晶が4万6750円。46インチは5万9500円。日本の量販店の実売価格といかにかけ離れているかが分かるはずだ。
手元の一覧表によれば、X、Yのような著名ブランドのタグが付いていない台湾製の32インチモデルだと、189ドル、あるいは198ドルの文字もぞろぞろ出てくる。日本円にして1万6000~1万7000円といったところだ。
これらの価格は、米国全体をカバーする量販店ではごくごく一般的な価格である。「格安」をうたう一部業者の客寄せ的な値付けでないことをお断りしておく。
筆者は2010年4月の本コラムで、米国市場のシェアで日本メーカーが韓国勢の後塵を拝していると触れた。今回、米国でのごくごく一般的な価格に触れたのは、それだけ日本メーカーが苦戦している状況を理解してほしかったからだ。
本稿を執筆時点(2010年末)で、筆者の自宅に届いた日本の大手量販店の価格を見てみよう。X社の40インチ液晶は9万9800円、55インチ(3D)は40万9800円。米国の一般的な価格とは大きな開きがある。
米国との規格の差などもあるが、「日本の消費者がメーカーと量販店が提示した価格を信じ切っているため、不当に高い商品を買わされている」(先のアナリスト)と見ることもできる。
国内の価格設定で利益を維持
なぜ、筆者が米国の薄型テレビの実売価格に触れたのか。それは今後の日本メーカーの動向に大きく関係するからに他ならない。
冒頭で触れたように、家電エコポイント制度は2010年12月から大幅に変更された。薄型テレビについては、省エネ基準が「5」、かつ買い替え商品のみが適用となった。これも2011年3月末で廃止となる。
多くの消費者が量販店や電器店に駆け込んだことで、その後の反動減は必至だ。電子情報技術産業協会によれば、駆け込み需要の反動などで、今年は薄型テレビの販売台数が6割前後は減る見通しだという。
ここで、先に触れた日米の薄型テレビの内外価格差を思い出してほしい。
日本メーカーは国内市場でかろうじて独占状態をキープし、「国内の価格設定でなんとか利益を出している状態」(某大手メーカー関係者)だ。国内で6割も販売減が見込まれるというのは、日本メーカーにとって深刻な事態である。
韓国勢の本格進出に耐えられるか
もう1つ、日本メーカーの頭を悩ましている要因がある。それは、韓国勢の日本市場本格参戦の観測が高まっていることだ。
既に韓国LGが人気俳優を起用して、国内で頻繁にテレビCMを打っているのは、多くの読者がご存じの通り。米国市場では、先の日本メーカー製の実売価格とほぼ同じ値段でシェアを伸ばしている。
系列のLGディスプレーがアップルの「iPad」の液晶を担当しているように、「LG製品のクオリティーは日本製と同等かそれ以上」(別のアナリスト)とも言われる。
筆者は家電量販店でLG製の大型テレビを実際に視聴してみたが、その完成度の高さに舌を巻いた。これで米国並みの価格設定が実行されれば、間違いなくLG製のディスプレーを購入するだろう。
LG、あるいは最大手のサムスン電子が日本市場に本格的に進出してくるのか、その際、米国並みの価格設定に打って出るのかは、今のところ未知数だ。
だが、彼らにはウォン安という追い風がある。その上、米国や欧州、新興国で苛烈なシェア争いを繰り広げてきた「猛者」なのだ。「米国と同じ価格設定で日本進出しても十分に利益が出る体制」(同)も整っている。
翻って日本勢はどうか。「家電エコポイントの廃止、韓国勢の進出で、国内メーカーの1~2社は脱落するのでは」(先のメーカー筋)との声も漏れ聞こえている。
日本のお家芸だった家電、特に薄型テレビは、今年大きな岐路に立たされていると言わざるを得ない。
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