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DIAMOND online 【第141回】 2010年8月4日 山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

政治家としての「末期」
 菅直人首相が冴えない。一国を代表する「顔」でもあるので、容姿のことまで言わせて貰うが、首相就任以来表情に力が無く、安倍晋三元首相の末期の頃の印象とよく似ている。心身、特に心の健康に問題はないのだろうかと心配になるほどだ。

 菅氏は、政権交代の総仕上げともいうべき参議院選挙を自らの失敗で大敗したのだから、党代表として引責辞任しても全くおかしくない。今後の政権運営への影響を考えると、今回の参院選の一敗は、昨年総選挙の一勝を8割方フイにするくらい大きな一敗だった。代表選挙を前倒しして、お辞めになったらいいのではないだろうか。

 推測するに、菅氏の心の支えは、「首相交代は必要ない」が多数を占める世論調査の結果だろう。確かに、国民は、ここ数年来の短期間に首相が交代する状況に批判的であり、首相交代に飽きている。しかし、同時に内閣支持率も下がり続けており、二つの調査結果を「首相交代は必要ないが、内閣は支持していない」とつなげて読むと、「もう政治に期待していない」という政治への無関心を読み取ることができる。政治の側から見てこれは由々しき事態であり、首相交代自体への批判はあるとしても、菅氏は身を引いて、政治への関心を喚起できるような新政権を早急に立ち上げるべきではないか。

 『読売新聞』(8月3日、朝刊)によると、首相は最近、知人に「消費税の話は、財務省に『選挙の前は言わない方がいい』と止められたが、それでも新しい政治をしたかったので話した」のだという。

 政策に関して財務省に振り付けされている様子が窺えるが、菅氏は、飼い主を喜ばせようとする忠犬よろしく、消費税を口に出してしまったのだろう。直近の世論調査で消費税導入に対して賛成意見の方が反対意見よりも多いことなどを吹き込まれていたのだろうと推測するが、参院選前に消費税問題を口にしておいて選挙に勝てば、消費税について国政選挙で民意を得たことに出来るという「功名心」を抱いていたのではなかろうか。しかし、結果は裏目に出て、現在、事態のあまりの拙さに半ば狼狽している。

しかも、「新しい政治をしたい」が本心なら、消費税率10%をあらためて掲げて、民主党の代表選に臨めばいい。「首相は消費税から逃げるな」(8月3日『読売』社説)と財務省を側面支援するメディアからも褒めて貰えるだろう。

 本心では消費税率を上げようと思っているが、代表選挙ではそれを隠すというのでは、人は菅直人氏の何を信じて投票したらいいのか分からない。政治家としては終わりだ。

無気力予算をリセットせよ
 覇気のない首相の弊害が最も端的に表れているのは来年度予算だ。

 一部の例外を除いて、各省庁の概算要求に前年比1割減のシーリングを掛け、別枠として、約1兆円の「元気な日本復活特別枠」を設け、これに公開の「政策コンテスト」で配分する政治ショーを付加したのが、民主党政権が一から関わって作る来年度予算の概要だ。

 大まかに言えば、政治は、1兆円しか予算に関わることが出来ないということだ。政権交代直後の昨年は、財務省が「事業仕分け」を用意して、政治ショーを演出すると共に、民主党がマニフェストに掲げた財政支出のムダ削減を一定の枠に閉じこめたが、今回も同様に予算に対する政治の関わりを限定する仕掛けが、メディア対策付きで仕組まれている。

 そもそも、政治家の側が予算を主導するということであれば、省庁別の概算要求枠についてメリハリがついていなければおかしい。端的に言って、これは与党の怠慢であり、参院選はあるとしても、予算の時期は分かっていたのだから、政権党として政策を詰めてこなかった不作為によるものだ。

 本来、この作業は、十分なスタッフと法的な位置づけを持つ「国家戦略局」が担うはずだったが、民主党はなぜか国家戦略局の設立を後回しにして、ついには、菅首相が国家戦略局に関して「予算編成への直接的な関与は想定していない」と8月2日の予算委員会で述べるに至った。振り返ると、菅氏は、当初は国家戦略担当の副首相で、後に財務相、そして首相だから、予算に関する政治主導を官僚のサボタージュに協力することで一貫して潰してきた張本人だと言える。

菅首相は「予算編成そのものを議論するとすれば、(財務省)主計局を全部官邸に持ってくることになるわけで、もともとそこまで想定していない」と述べたが、まさにこの措置こそが必要だったのではないだろうか。人事の枠組みを変えずに、実質的な「政治主導」が進められる筈もない。必要ならば、やればいいのだが、菅首相は現在の霞ヶ関の枠組みに触ることはできないとかしこまっている。

 一方、財務省を中心とする中央官庁の官僚集団としては、主計局を官邸に移すような事態だけは何とかして避けたかったところだろう。

 菅氏こそが、「政治主導」の可能性を官僚集団に売り渡したのだ。ついでに言うと、菅氏の影響力が拡大することを嫌ったのかも知れないが、鳩山前首相、小沢前民主党幹事長の二人も、ここを動かさずに政治をやっているつもりだったのだから、政治家として人間が小さい。

 結局、国家戦略局も、民主党の政調会も首相への「助言機関」になってしまった。しかし、何を「助言」しても、ギリシャと日本の財政状況の区別も付かないような菅氏の頭蓋骨の中で、これを消化できるとは思えない。財務官僚にお伺いを立てるのが関の山だろう。

 予算に対する政治の関わりについては、後に骨抜きにされたが、経済財政諮問会議を予算の大枠の検討機関として運営していた自民党政権よりも、民主党政権の現状は後退していると言わざるを得ない。

 9月の民主党代表選に誰が立候補するのか分からないが、菅氏の再選だけは見たくない。民主党は、新しい代表の下で、先ず、この無気力な予算編成を根本からリセットすることを手始めに再スタートして欲しい。
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