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ヴォーゲル・ジュニアが語る“ジャパン・アズ・ナンバースリー”時代の安全保障論
~スティーヴン・ヴォーゲル カリフォルニア大学教授インタビュー

2010年9月13日 DIAMOND online

エズラ・ヴォーゲル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%BA%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%AB

1979年に出版した「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が世界的ベストセラーとなり、日本研究家として名を馳せたエズラ・ヴォーゲル氏。その子息であるスティーヴン・ヴォーゲル・カリフォルニア大学教授もまた日本の政治経済研究の第一人者として知られる。その生まれながらのジャパンウォッチャーの眼に、経済規模で中国に抜かれジャパン・アズ・ナンバースリーに転落した日本の姿はどう映っているのだろうか。ヴォーゲル氏の専門分野である安全保障問題を中心に、日本の課題を聞いた。
(聞き手/ジャーナリスト、矢部 武)


――民主党代表選でもしも菅直人首相が敗れ、小沢一郎首相が誕生したら、米国はどう対応するか。

日本の首相が代わっても米国はそれほど困らないだろう。しかし、日本や民主党のためにどうなのかは疑問だ。

 民主党政権はそろそろ本気で政策に取り組むべきで、トップの顔を変えている時ではないと思う。(仮にそのようなことが再び起こるようならば)、それは民主党の大きな失態だ。

 オバマ政権と日本の政権交代とを比較してどこかどう違うかというと、日本では政治的構造は変わったが政策はあまり変わっていない。一方、オバマ政権ではすぐに政策を変えたが、政治的構造はそれほど変わっていない。オバマ政権の2年間をみると、医療保険改革や金融制度改革など多くの政策転換を行った。

 日本の場合は政権交代がずっとなかったので、政権交代しただけで政治のやり方は変わった。しかし中身の政策をみると、オバマ政権と比較したら、日本の民主党政権はあまり成果を上げられていない。“官僚叩き”をやって、事業仕分けとか事務次官会議を廃止するとかそういうことばかりに力を入れているが、経済対策など重要な問題はなおざりにしている。

――普天間問題の迷走などで民主党政権に対する不信感が米国側に広がり、日米関係が危うい状態にあるとの指摘もあるが。

 何と比較するかによって答えは違ってくると思うが、私は日米関係が揺れているとか、大変な時期にあるとかそういうことでないと思う。また、米国側が不信感をもっているというのは言い過ぎだろう。

 じつはオバマ政権と日本の新しい民主党政権の誕生は米国のアジアにおける基地体制を見直す絶好のチャンスだった。しかし、オバマ大統領はその気にならなくて、鳩山前首相も政権運営の問題などを抱え、うまくいかなかった。

 理想を言えば、日米関係は本来、2国間だけでなく世界のためにあるべきものだ。日本は確かに(経済力で中国に抜かれ)ナンバースリーになってしまったが、それでも有数の経済大国であり、日米関係は米軍基地や貿易摩擦など2国間の問題だけなく、貧困、エイズ、地球温暖化など世界的な問題にも取り組むべきだと思う。

――あなたは「日本が軍備を増強すると、逆に安全保障の程度は低下する」という独自の理論を展開しているが、なぜそうなるのか。

 一つの国が軍備を増強すると、防衛が強くなる反面、他国に脅威を与えるので、プラス面もあればマイナス面もある。これが国際関係論でよく言われる“安全保障のジレンマ”だ。そして日本の場合はとくにプラス面が小さくマイナス面が大きいので、結果的にマイナスになってしまう。

 日本には戦争の歴史があり、日本の軍事強化には中国、韓国、北朝鮮も含めて周辺国が非常に敏感で脅威に感じる。脅威を与えるのは抑止力の面から言えば悪いことではないが、それが結果的に中国の軍事拡大につながると、日本の国益からみてもマイナスであろう。結局、日本はお金を払って軍備増強しても、安全保障の面でマイナスになってしまうのだ。

――それでは日本の安全保障を強化するにはどうすればよいのか。

 日米協力の他、アジア地域の国際機関などを通して新しい協力体制づくりを働きかけることだ。たとえばASEAN地域フォーラム(ARF)などをうまく利用していけば、すぐにNATOのような安全保障体制にはならなくても、長期的にはアジアの協力体制につながるのではないか。中国の台頭が目に見えており、10年~20年後には中国の時代になるのは明らかだ。そうなるのを待たずに早く中国を多国間のフレームワークに巻き込むことが大切だ。そうすれば中国が強くなっても、日本は困らないで済む。

――日米協力は日本の安全保障の要だが、普天間基地移設や在日米軍基地を巡る最近の問題をどうみるか。

 私はこれだけの規模の在日米軍基地は必要ないと思っている。すぐに大幅縮小したらアジアの安全保障に悪影響を与えかねないが、少しずつ縮小していけば何の問題もないだろう。

 米国基地の本当の意味は何かと言えばそこに基地があることが一番重要なのであり、それが北朝鮮へのメッセージにもなる。海兵隊の普天間基地が本当に必要なのかといえば、私は海兵隊が沖縄からいなくなっても軍事的・戦略的に問題ないと思う。核の抑止力が効いているので、すぐに北朝鮮が攻撃するということにはならないだろう。

――つまり、普天間代替施設を辺野古につくる必要はないと。

 とりあえず普天間基地を現状維持して、日米両政府は交渉をやり直すべきだ。オバマ政権は簡単に納得しないだろうが、米国のためにもそうした方がよい。米国の安全保障のために5万人規模の在日米軍が本当に必要なのかどうか考えるべきだ。

 実際、「沖縄に海兵隊は必要ない」と主張する専門家もいるが、米国政府はそれを海兵隊のトップになかなか言えない事情がある。これは日米関係だけの問題ではなく、日本の国内政治、米国の国内政治、それに米軍陸・海・空・海兵の統合運用体制の問題なのである。

――大統領はなぜ「在日米軍を縮小する」と言えないのか。

 大統領が「在日米軍の規模を半分に縮小しよう」と言った場合、どこをどう切るかが問題となる。海兵隊を切ろうとすれば、当然海兵隊のトップが反発するだろうし、陸・海・空軍との関係も悪化する可能性がある。イラク、アフガニスタンの戦争を抱えるオバマ大統領としてはいま米軍内の問題を起こしたくないので、「普天間基地移設問題は従来の合意案に従ってほしい」と日本側に迫っているのだろう。

――在日米軍を大幅に縮小しても中国の脅威に対応できるのか。

 中国の脅威を考える上で大切なことがある。これはジョゼフ・ナイ氏(クリントン政権下で国防次官補を務めたリベラル派の国際政治学者)の説だが、「中国は仲間なのか、敵なのかと考えた場合、完全な答えはない」ということだ。もしそうだとすれば、中国の脅威を抑止するだけでなく、中国が敵にならないように関係を強化していくことが大切だ。

 軍縮について中国と直接話し合いを進めるのも一つの方法である。たとえば中国、日本、米国が同じテーブルにつき、日米が「在日米軍の規模を半分にするから、中国も何かしてほしい」と提案する。南シナ海での軍事演習をやめるとか、軍縮までいかなくても軍拡をやめてほしいとか。あるいは日中米にASEANなども加え、アジア全体でこの話し合いをやってもよい。もちろん多国間交渉なので簡単にはいかないと思うが、やってみることに意味がある。

――最後に、迷走する日本の政治にアドバイスはないか。

 日本では長い間政権交代がなく、民主党には与党の経験がないので、これまでの迷走ぶりは仕方ない面もある。極端にいえばアマチュアなのだから、最初はミスもするだろう。でも、長い目でみれば日本の政治はこれから良くなると思う。それは競争ができるようになるからだ。これまで自民党政権が長く続き競争がなかったが、競争があれば政治は良くなる。

 その意味でも、日本の政治を良くするための一つのポイントは自民党が立ち直ることだ。民主党に対抗できるぐらいに“新しい自民党イコール何か”をアピールできるようになれば、次の衆議院選挙でいい勝負になるだろう。イメージだけでなく中身の競争になれば日本の政治は良くなる。
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