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ライフネット生命(出口治明社長)
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2010.03.18(Thu)JBプレス 中野哲也
長引く景気低迷と少子高齢化の影響をまともに受け、生命保険業界は新規契約高や収入保険料がマイナス成長に陥り、「冬の時代」に突入している。こうした中でライフネット生命保険はインターネット販売に特化し、開業2年足らずで保有契約が2万件を超えた。
急成長の原動力は、大手生保が「価格破壊」と震撼する付加保険料(生保各社が受け取る保険料の手数料部分)の大幅な引き下げ。また、ライフネット生命の商品設計は極めてシンプルだ。品揃えは定期死亡保険、終身医療保険、就業不能保険の3つしかなく、保険金不払い問題で生保業界が指弾された複雑な特約も一切ない。
出口治明社長は日本生命保険の元エリート社員。生保業界の表も裏も知り尽くした上で、独立系生保としては74年ぶりに免許を取得し、「100年続く世界一の保険会社」を目指してライフネット生命を創業した。「友人や家族に自信を持って勧められる商品しか作らない、売らない」と古巣に宣戦布告している。JBpressは出口社長に単独インタビューを行い、手帳も腕時計も捨てたという独特の経営術を聞いた。(取材は2010年3月15日、前田せいめい撮影)
JBpress 足元の販売状況と累計の業績を聞きたい。
出口治明社長 2010年2月末で保有契約は2万件を突破した。毎月、前月比8%程度伸び続けており、中国の年間GDP成長率を月間で達成するような勢いがある。「開業後5年間で保有契約15万件」という目標は、この伸び率でいけば十分達成できる。
保有契約高は2700億円を超え、これも予想通り。15万件到達時の契約高は1兆5000億~2兆円になる。業績については、お客様のお陰で全く心配していない。
生命保険業免許を取得した基準として、開業から5年後の単年度黒字転換、10年後の累積損失一掃がめどになるが、実現できると思う。保険業は一種の「装置産業」だから、初期に大きな設備投資が必要。例えば、現在の保有契約2万件程度であれば小さなパソコンで十分管理可能だが、東京と(バックアップ用として)大阪に大きなサーバーを置かなくてはならない。
━━ 景気低迷の上、生保業界には少子高齢化の逆風が吹き荒れる中で、急成長を続ける秘密は何か。
出口氏 日本人の所得が実質的に下がり続ける中、30歳で保険料半額(男性、保険金1000万円、10年定期で月額1328円)を実現した「安さ」が一番の要因だろう。
だがそれだけではなく、(開業時に約束した)「マニフェスト」、いわば志が顧客から支持されているのだと思う。(手数料に当たる)「付加保険料」をはじめ、商品や経営に関して徹底的に開示し、中身を全て明らかにしたことが大きい。
これまで日本の保険ユーザーは、比較しないで商品を購入していた。生命保険文化センターの調査によると、67.7%が生命保険加入時に「特に比較はしなかった」と回答する一方、68.1%が営業職員を通じて加入しており、2つの数字がピタリと一致する。
人生で2番目に高い買い物だが、保険料は「ブラックボックス」
━━ 生保各社は付加保険料を「ブラックボックス」化した上で収益を挙げていたから、その全面開示は業界内で猛反発を招いたが。
出口氏 ブラックボックスで儲けるのか、それとも収益構造を示した上で経営努力で儲けるべきか。それは経営の価値観の問題になる。人生で最も高価な買い物は住宅であり、その次が生命保険といわれる。マンションを購入する際、不動産業は仲介手数料3%と開示している。金融商品でも投資信託は手数料を開示しており、しないほうがおかしいではないか。
━━ なぜ保険料を大幅に安くできたのか。
出口氏 ビールを考えると、分かりやすい。スーパーで二百数十円で買えるが、自分で冷やして栓を抜かなくてはならない。これに対して、割烹で飲むと3~4倍もする。それは店の人件費や水道代、光熱費が加わるからだ。
当社の店舗は本社(東京都千代田区)のほかは、ウェブ上にしかない。今の従業員は約60人だが、5年間で契約15万件の目標達成にも100人程度で済む。一方、大手生保には全国2000もの営業拠点の維持費がかかるほか、数万人の労務管理に当たるホワイトカラーの給与水準が高い。(ライフネットの保険料が安いのは)その差に尽きる。
株主に保険会社が入っていたら、(旧来のビジネスモデルを押し付けられて)保険料半額は実現できない。だからこそ、独立系生保の設立を目指した。どの業界でも新規参入組が世の中を変えるのだと思う。(筆者注=ライフネットの主要株主はマネックスグループ、あすかDBJ投資事業有限責任組合、三井物産、新生銀行、セブン&アイ・フィナンシャル・グループなど)
保険料半分にするから、赤ちゃんを産んでほしい
━━ 大手生保は「40~50歳の保険料で比べれば、ライフネットとの差は小さい」と指摘しているが。
出口氏 大手はそう言うが、これから子育てを迎える30歳で比較するのが世界標準。生命保険が一番必要なのは50歳なのか。当社は「子供が大学に入れば、保険は要らない」とさえ主張している。
日本の世代別平均所得は非常に歪んでおり、子育てを終えた世代の方が所得が高く、30代の生活が苦しい。「保険料を半分にするから、赤ちゃんを産んでほしい」と切に願っている。
━━ 保険営業のサービスあるいはメンテナンス面では、生保レディーの訪問販売を続ける大手生保に分があるのでは。
出口氏 当社はむしろ既存生保より進んでいると思う。コンタクトセンターでは、平日は午後10時まで電話を受け付けている。保険金の支払いも早く、平均約3営業日で完了する。支払いには3重のチェックを掛け、不払い問題などが起こらないよう万全を期している。
━━ とはいえ、大手生保の営業職員は顧客と密接な関係を築き、アフターケアを続けているのではないか。
出口氏 実際には生保業界ではターンオーバー(大量導入・大量脱落)が起きており、担当の営業職員は頻繁に交代している。
またセキュリティーが厳しくなり、今は営業職員が職場や住居に簡単に入れない。地方のごく一部でしか、昔ながらの顧客と保険会社の濃密な関係は残っていないだろう。だから、顧客の方から保険会社に電話を掛けて相談しなくてはならない。そうなると、当社の契約者がコンタクトセンターに電話をするのと差はない。
働けなくなるリスクをカバー、就業不能保険を発売
━━ 開業後初の新商品を就業不能保険(2010年2月発売「働く人への保険」)にした理由は。
出口氏 昨年、全国を講演で回っていると、30代の方が「自分は独り者だから死亡保険は要らない。一番困るのは寝たきりになり、働けなくなることです」と訴えてきた。それで、「お独り様向けの保険を作ろう」と思い立った。30代前半の未婚率(2005年)は男性で47.1%に達し、女性も32.0%に上る。
また、共働きカップルの話も聞いた。その女性は「彼が仮に命を落としてしまっても、私は仕事もできるし、可愛いからボーイフレンドもすぐできるので困らない」と言う。
ただ、彼女は「彼が動けなくなると、愛しているから看病しなくてはならない。そうすると私は働けなくなってしまう。なぜ、そういうリスクをカバーする保険を作ってくれないのですか」と疑問をぶつけてきた。
「お独り様だけでなく、ほかにもニーズがあるのだな」と理解し、長期(65歳まで保障)、定額給付(月10万~50万円)、ハイレバレッジ(支払限度額1億円)の就業不能保険「働く人への保険」を発売した。
当面は定期死亡保険「かぞくへの保険」、終身医療保険「じぶんへの保険」、新商品の就業不能保険の3つで頑張る。金利が低いから、個人年金保険など貯蓄性保険には手を出さない。変額年金も考えていないし、そもそも年金が変額でよいのだろうか。
一方、運用先は国債と電力債など格付けの高い円債に限定している。このスタンスも変えない。
アジア展開を視野に入れ、100年後は世界一の保険会社に
━━ 社長は手帳と腕時計を持っていないそうだが。
出口氏 束縛されるのが嫌だから、手帳も腕時計も30歳前後で捨てた。手帳を持っていなくても、私のスケジュールはパソコンに全て入れてあり、オープンにしているから全社員が見られる。プライベートの予定もあれば、そこに入れてしまう。しかし基本的にはベンチャー企業の経営者は1日24時間の全て仕事であり、プライベートの予定はない。
(パソコン導入前の日本生命保険に勤務していた頃)社内の秘書に幹部のスケジュールを聞いても、「空いているかもしれないが、プライベートの予定があるかもしれないから、本人に確認してみます」の繰り返し。大変不便に感じていたから、私は「それなら、(手帳を)捨てよう」と決めた。そして、会社の机上に予定表を置き、職場の全員が書き込めるようにした。
腕時計を捨てたのは、気が短いから。時計があるとデートの待ち合わせでイライラしていた。会社に時計があるから全く困らないし、道を歩いている時は人に聞けばいい。(腕時計を外してから)時間の感覚が磨かれるようになり、何分ぐらい経過したかは分かる。今、取材を受けてから1時間が過ぎましたね(笑)
━━ 創業に当たり、保険業界の外から人材を集めた理由は。
出口氏 パートナーには私に無いものを持ち、保険を知らない若い人材を求め、それが岩瀬大輔副社長(ボストン・コンサルティング・グループ出身)。私もパートナーも保険を知っているだけでは、新たなビジネスモデルは生まれない。
当社はマーケティングが優れていると評価していただく。その責任者の中田華寿子取締役は日本でスターバックスのマーケティングを立ち上げた女性。日本の大手生保ではインターネットで「B to C」ビジネスをやった人なんていないから、生保業界から起用しても邪魔になるだけだ。
開業前から、将来は海外に進出しようと考えていた。黒字転換して株式上場を果たし、それから中国やインドでサイトを立ち上げて保険のネット販売を展開したい。
子供が生まれた時に「80年は生きてほしい」と願うのと同じように、「100年続く世界一の保険会社」を目指している。創業者が「30年でいいや」と思えば、その会社は20年も経たずに潰れてしまうだろう。
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