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2010/12/15(水)サーチナ

 日本の菅直人首相は先日、朝鮮半島有事の際に、日本政府が自衛隊を派遣して韓国に在留する日本人を救援することを検討していると述べた。菅首相のこの発言の後、韓国国民からはすぐに「菅首相は朝鮮半島の緊張に乗じて、どさくさに紛れて利益を上げようとしている」との声が上がった。中国網(チャイナネット)日本語版が報じた。

  仙谷由人官房長官は13日、火消しに乗り出し、「何も知らないし、まったく検討されていない」と、韓国への自衛隊派遣を否定。韓国メディアはあいいで菅首相の「韓国への自衛隊派遣」発言を批判した。『韓国時報』は、菅首相のこういった発言は軽率かつ厚顔無恥で、朝鮮半島の緊張に拍車をかけることにもなるとしたほか、韓国のニュースサイト『COOKY』は、「有事の際でも、かつて朝鮮半島を蹂躙(じゅうりん)した日本兵が再び韓国の領土に踏み入ることなど考えられない」と批判した。

  『韓民族新聞』は、延坪島事件の後に朝鮮半島の情勢は緊張状態にあるというのに、隣国の首相はこのような発言をし、日本が朝鮮半島の災難に乗じて私腹を肥やそうとしている態度が表れていると論じた。『韓国日報』は、日本の内閣支持率は6月の70%から近ごろ25%まで下がり、「韓国への自衛隊派遣」は菅首相が保守派の心を一つにするために行った「政治のパフォーマンス」だと見ている。

  韓中民間外交協会の李東鉄会長はメディアに対し、「朝鮮半島の危機と矛盾は、日本が平和憲法を改正できる口実を作った。朝鮮戦争のときのように、朝鮮半島での危機で、日本は経済的な利益を得る可能性がある」と述べ、朝鮮半島有事の際に日本が悪い働きかけをする可能性が高いとの見方を示した。

  沖縄大学の劉剛教授は取材に対し、「朝鮮半島で大きな衝突があれば、朝鮮と韓国は直接的な災難を被り、米国と中国も損失を受けるが、日本は利益を上げるだろう。日本の多くの戦略家がはっきり述べていない『天機』を菅首相は我慢できずに話してしまっただけにすぎない」と語った。
(編集担当:米原裕子)


*中国外交部、菅首相の「半島有事に自衛隊派遣」発言に不快感!

中国外交部の姜瑜報道副局長は14日、定例記者会見で、菅直人首相による朝鮮半島有事の際の自衛隊派遣に対して言及し、「日本は軍事面において、もっとアジア諸国の感情に配慮し、慎重に行動すべきだ」と発言に不快感を示した。

  姜報道副局長は、北朝鮮が朝鮮半島で核戦争を起こす可能性や、「日本は朝鮮半島有事の際、自衛隊を派遣して朝鮮半島内の日本人救出を試みる」とした日本の菅直人首相の発言などに対する記者からの質問に、「朝鮮半島の情勢悪化はいかなる方面にとっても利益とならない。関係諸国は冷静に対処すべき」と回答し、中国も有益な対話実現に向け、努力する方針を示した。

  一方、菅首相の発言については、「中国国内の関連報道や、韓国国内の反応を注視する」と述べるにとどまったが、「歴史的背景も含め、日本は軍事面でもっとアジア諸国の感情に配慮し、慎重に考慮すべきだ」と不快感を示した。
(編集担当:金田知子)


*【韓国ブログ】菅首相の自衛隊派遣発言にブロガーたちは怒りの発言!

菅直人首相が朝鮮半島有事の際、在韓邦人救出のため自衛隊による現地派遣を検討するとの発言が、韓国で大きな波紋を広げた。韓国メディアは「私たちは『自衛隊朝鮮半島派遣』発言を聞き流してはいけない」、「韓国人の感情を無視した浅はかな発言」などと批判的に報じた。

  韓国人ブロガーのラウレンシオ(ハンドルネーム)さんは、菅首相の発言を「今年、もっともあきれた、利己的な意見」と批判した。筆者は第二次世界大戦当時、日本は生体実験や従軍慰安婦など、侵略した周辺地域で残酷(ざんこく)な行為を繰り返したと主張。「その行為を指示したのはまさに大日本帝国であり、その象徴は『旭日旗(きょくじつき)』だ」と述べ、旭日旗に対してデリケートな反応を示した。

  「ハーケンクロイツはドイツをはじめヨーロッパで厳しく規制されているが、日本の軍国主義の象徴とも言える旭日旗はどうか?」とナチスが党旗に使用したハーケンクロイツとを比較し、「旭日旗は韓国や中国など、日本に占領された国では当然タブーだが、日本はいまだに海上自衛隊や陸軍自衛隊が使用している」と指摘。旭日旗を使用する自衛隊の朝鮮半島派遣は、絶対にあり得ないことだと論じた。

  Dimones(ハンドルネーム)さんも、自衛隊の派遣に反対する。「第2の朝鮮戦争が起きた場合、戦争にかかわった国は勝利した際の戦利品を狙うだろう。戦利品を受け取るためにも軍隊派遣は必須であり、菅首相による自衛隊派遣発言もそのような脈絡から出たものだろう」と述べる。「もし第2の朝鮮戦争が起きたら日本は何を狙うのか」とし、竹島(韓国名:独島)を約束するのではないかと心配そうに述べた。
(編集担当:新川悠)

*半島緊迫化で思う、一人っ子政策と中国軍の構成及び戦闘力!

11月23日、韓国と北朝鮮の間で砲撃事件が発生、韓国の延坪島(ヨンピョンド)の家屋が燃え、韓国兵士や民間人に死傷者が出た。米韓両国は28日から12月1日まで、黄海での共同軍事演習を実施。朝鮮半島の情勢は緊張し始めている。最近では日米の軍事演習も始まり、史上空前の規模で行われているこの演習では、初めて韓国も合流するとして、東アジアの眼がすべて朝鮮半島に向けられているといっても過言ではない。

  中国でも例外ではない。衝突そのもの、米韓、日米(あるいは日米韓)のそれぞれの軍事演習はいずれもトップニュース扱いで報じられている。ここでは、衝突やそこから派生したそのものよりも、中国独自の問題として、今回の一連の問題と中国の人口政策の関わり合いについての中国現地の論調を紹介したい。

  中国の人口政策との関わりというのは、こういうことだ。軍事衝突が中国を巻き込むほどのものとなり、大規模な戦争にエスカレートするようなことがあれば、50年代の朝鮮戦争参戦と同様、中国も出兵する可能性は否定できない。そうなると、中国の一人っ子政策は見直しを迫られる可能性が出てくる。一人っ子政策の中国軍事力へのマイナス影響がすぐにも露呈するかもしれないからだ。

  もちろん、戦争が発生してから人口政策の見直しを図ってもおそらくは何もかもが間に合わないだろう。ただし、「戦争が発生する」ということを想定すると、現在の中国の人口政策はいかにも有事に不向きであることがはっきりしてくるのは間違いない。

  現行の中国の計画出産政策は、農村部では「一人っ子+一人可能政策」で、都市部には「一人っ子政策」であるとも言える。そもそも一人っ子が中心だから、軍隊に行ける若者が相対的に少なくなっているのが一つの問題だ。

  農村部では、初めの子が男の子の場合、二番目の子の出産は許可を得られないが、初めの子が女の子の場合には二番目の子の出産は許可を得られる。その結果、農村部の家庭には、一男の家庭、または二女の家庭、または一男一女の家庭という形になって、二男の家庭というのはまれになる。社会保障・年金制度に不安のある中国では老後は子女に頼るのが常識、その中で一男一女の家庭で男の子が軍隊に行くことになると、女の子一人に頼ることになり、それはそれで心細くなる。

  さらに、一人っ子の家庭は自分の一人っ子を軍隊に行かせることができるだろうか? 平和の時代は差し支えがないが、まさに戦争になるとちゅうちょなく自分の一人っ子を戦場に行かせることができるだろうか? もし一人っ子が軍隊に行くと誰が家を支えていくのか? 一人っ子はその家のただ一人の後継ぎである。だから一人っ子は軍隊に行かないという伝統がある国は少なくない。中国の状況がいかに異常と言えるか、お分かりだろう。

  都市部の家庭は普通一人っ子である。一人っ子である男女二人が結婚すると二人目の子供を産むことができる。しかし、この子供は幼すぎてとても軍隊に行ける年齢ではない。

  中国では「超生子」(親が国の人口政策に違反して産んだ子供)がいる。「超生子」を軍隊に行かせばいいでないか、という声も上がってきそうだ。しかし「超生子」は違法であり、「超生子」の親は人口政策の処罰(罰金、社会撫養金を含め)を受けている。大人になった子供が自分の出生によって親が莫大(ばくだい)な「罰金、社会撫養金」を国に納めたと思ったらどんな気分であろうか。私の命は親がお金で国から買い入れたものだから、国が自分を守るべきで、自分が国を守る義務はない、と「超生子」は思うかもしれない。

  現実に、中国の軍隊の主体は現在、一人っ子である。2010年3月18日の「南方週報」は「2006年には一人っ子の数は軍隊の半分を上回って、10年前に比べて20%増加した」と報じた。

  間違いなく、一人っ子はその家にとって唯一の希望である。そんな一人っ子によって構成された軍隊の戦闘力はどの程度だろうか? 今の段階では断言することはできない。1970年代(中越戦争)以降、中国の軍隊は実戦能力を発揮したことがないからだ。

  一人っ子である軍人は情報収集能力と伝達能力、コンピュータ知識などは優秀であるが、過酷な環境への適応性と忍耐性に欠けているのが一般的。彼らの知識と機能は現代戦争にとって必要なものであるが、一人っ子が戦場に行く、一人っ子の親が息子を戦場に行かせる、これらが許容される難度は想像に難くない。一人っ子は絶対に嫌がるはずだ。

  以上は決して杞憂(きゆう)とは言えない。中国でも専門家を中心に本気で議論が進められていることだ。朝鮮有事の危機管理をきっかけとして、世界史上例のない人口政策を取っている中国にとっては、そのまま人口問題をも深刻に検討させることになっている。
(編集担当:祝斌)

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