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大規模な口蹄疫禍も襲い、踏んだり蹴ったりの李明博政権

2011.03.04(Fri) JBプレス  野口透
 
 韓 国でわずか1週間もたたない間に7つの金融機関が営業停止に追い込まれた。一部金融機関では取り付け騒ぎも起きた。問題が起きたのは大半が地方の小規模の金融機関で、韓国政府は「事態は収束した」と繰り返すが、果たしてそうか。

これ以上ないはず・・・、しかし営業停止の連鎖はやまず

 絶好調だった韓国経済の風向きが変わってきたことと、任期後半に入った李明博政権の政策実行にもたつき感が出てきたことは注目すべきだろう。
 「営業停止はこれ以上ないと政府が発表したから信じたのに・・・」
 2011年2月21日。週明け月曜日の営業時間になっても、釜山にある釜山2貯蓄銀行の扉は開かなかった。
 その代わり、営業停止のお知らせという大きな紙が何枚も貼られ、詰めかけた顧客が「5000万ウォンまでの預金・利子は保護されます」という内容を食い入るように読んでいた。
 それでも納得できない一部顧客は、詳細な説明と謝罪を求め、ドアを叩き続けていた。
 前週末の19日、韓国の金融当局は、釜山2、中央釜山、全州、宝海の4つの貯蓄銀行を営業停止にすると発表した。

政府の対応に問題あり

 1日で4つの金融機関が営業停止になるのは異例だが、2日前の17日木曜日にも、釜山貯蓄銀行と大田貯蓄銀行の2つの金融機関が営業停止になっていた。
 韓国政府は、17日に2つの金融機関の営業停止を発表した際、「これ以上の営業停止はない」と強調していた。そのわずか2日後に、さらに4つの金融機関が営業停止になってしまったのだ。
 連鎖営業停止が起きたのは政府の対応に問題があったからだと言わざるを得ない。
 17日に2つの金融機関を営業停止にした際、政府は「これ以上の営業停止はない」と言いながら、BIS(国際決済銀行)基準の自己資本比率が5%に達していない金融機関などを公表した。
 
心配するな」と言いながら「ブラックリスト」を公表するようなもので、これでは預金者が狼狽するのは当たり前だ。

ブラックリストの金融機関に預金者が殺到

 発表直後から預金者は、「ブラックリスト」に名前が載った金融機関に殺到した。預金をすべて引き出すためだ。こうして19日に、4つの金融機関が追加で営業停止になったのだ。
 もちろん政府の狙いは、実態を公表したうえで「これらの金融機関は大丈夫だ」とお墨付きを与えることだった。だが、この狙いは完全に裏目に出てしまった。しかも、これだけでは終わらなかった。
 22日の火曜日には、韓国東部の江原道に本拠を置く道民貯蓄銀行が、「取り付け騒ぎが起きる可能性がある」として営業時間になっても窓口を開かない、前代未聞の「自主的営業停止」に踏み切った。
 政府は「金融機関が勝手に営業を中断することなど許されない」と営業再開を指示したが、道民貯蓄銀行は頑としてこれを拒否。
 この金融機関も、政府が公表した「BIS基準未達リスト」に入っていた。

1カ月に8金融機関が営業停止になる異常

 結局、韓国政府はこれを追認する形でこの金融機関を営業停止とし、わずか1週間もたたない間に7つの金融機関が営業停止になった。
 実は1月14日にもソウルの三和貯蓄銀行が営業停止になっており、1カ月の間に8つの金融機関が営業停止になるという異常事態になってしまった。
 政府は三和貯蓄銀行が営業停止になった時も「これ以上の営業停止はない」と表明していた。このため、釜山貯蓄銀行の預金者23人が「政府の説明を信じて損害が生じた」として金融委員長を検察に告発する騒ぎにもなった。
 なぜ、こんなことになったのか。
 
営業停止になったのは、いずれも日本の信用金庫などに相当する「相互貯蓄銀行」だ。中小企業や商店主、個人向けの、地域に根付いた金融機関として一定の役割を担ってきた。

都市銀行より1~2%も利子が高い貯蓄銀行

 貯蓄銀行は、何よりも利子が高いことで有名だ。1年物定期預金で都市銀行より1~2%高い利子を約束して、個人預金を獲得してきた。これを中小企業や商店主などに貸し付けるというのが、当初のビジネスモデルだった。
 しかし、「地域に根付いた」金融機関は一方で、地域の有力者や企業に買収されるようになり、こうしたオーナーの「私銀行化」が進んでいた。
 さらに、ここ10年ほどは不動産開発ブームに乗って、プロジェクトファイナンス事業を急拡大させ、資金量も急増させてきた。
 韓国はもともと日本以上に一般国民の間に「不動産神話」が根強く、財テクといえば、まず、マンションなど不動産投資のことを指すと言ってよかった。
 特にここ10年間は、ソウル周辺地域と地方の格差縮小を狙った「地域均衡発展策」もあって、地方都市で大規模宅地開発、マンション建設ラッシュが続いていた。

政府の格差縮小策が裏目に

 これが地方の貯蓄銀行にとっては絶好の事業機会となり、プロジェクトファイナンスにどんどん資金をつぎ込んだ。ところが、2008年の米国発金融危機以降、韓国での不動産価格の上昇にストップがかかり、特に地方の大型開発案件で、中止、凍結、縮小が相次いだ。
 このあおりで、一部の貯蓄銀行の業績が一気に悪化したのだ。
 韓国では、他の金融機関での取り付け騒ぎなどは起きていない。営業停止になった8つの金融機関はいずれも都市銀行に比べて規模が小さく、韓国の金融システムや経済全体への影響は当面は限定的だろう。
 ただ、これで一件落着かといえば、そう簡単でもない。
 
 
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2011.03.04(Fri)  Financial Times
 
 人々は中国がいかに世界を形作っているか理解し始めている。石油、鉄鉱石、石炭、銅、ボーキサイト、その他無数の鉱物資源に対する中国の飽くなき需要は、オーストラリアからチリに至るまで多くの国の経済を活気づかせている。
 中国の膨大な炭素排出量は、気候変動に関する議論を一変させている。いよいよ輝きを増す軍事装備の収集は、台北やハノイ、ワシントンの軍幹部を心配させている。だが、それほど理解されていないのは、世界経済にしっかり組み込まれた中国自身が、いかに世界の影響を受けているか、だ。

世界経済に組み込まれ、大きな影響を受ける中国

 それが今週、リビアで明らかになった。中国政府はこれまでに、石油、鉄道、通信、建設業界で働く3万5000人の中国人労働者のうち、3万2000人をリビアから避難させた。足止めを食らった数千人の労働者を救出するために、政府は民間機20機に加えて空軍輸送機を4機派遣した。上海日報によると、こうした活動に空軍が派遣されるのは初めてだという。
 また、4000トン級のミサイルフリゲート艦「徐州」を首都・北京から約8800キロ離れたリビア沖へ送り込んだ。
 
リビアから大勢の外国人が出国、救出遅いとの批判も
 
中国は海外の自国民を守れるという点で、米国や英国と肩を並べた(写真はリビアから避難民を乗せてマルタに到着した英フリゲート艦カンバーランド)〔AFPBB News
 ストックホルム国際平和研究所で中国・世界安全保障問題を担当するリンダ・ヤコブソン氏は、リビアへの軍派遣は重大な変化を記す動きだと言う。
 これによって中国は、自国から遠く離れた場所で国民を守れる国として、米国、英国、その他の先進国と肩を並べることになるからだ。
 中国政府による今回の救出活動は、隆々たる力の誇示と見なすこともできる。だが、その一方で、中国が遠く離れた場所(また時に不安定な地域)での出来事に深く巻き込まれていくにつれ、トラブルを避ける力が日に日に衰えている証拠でもある。
 中国の外交政策の専門家は長らく、急増する在外中国人の危険性について懸念してきた。2007年には、ナイジェリアの石油関連施設で働く中国人労働者16人が誘拐されたほか、9人の中国人作業員がエチオピアで武装グループに殺害された。
 

アフリカ大陸などで急増する在外中国人

 2004年に起きたインド洋大津波の後は、中国政府は、スウェーデンを含む多くの国の政府が救助活動を巡って非難されるのを不安げに見つめていた。この危機対応に当たって中国が送り込んだのは貨物船1隻で、米国は海軍第7艦隊を派遣していたからだ。
 
海外の中国国民をいかにして守るかという問題は、リビアにとどまらず広範に及ぶ。
 フランス人ジャーナリスト、セルジュ・ミッシェル、ミッシェル・ブーレ両氏の著書『La Chinafrique(邦題:アフリカを食い荒らす中国)』によると、ナイジェリアには5万人の中国人労働者がおり、このほか、スーダンに2万~5万人、ザンビアに4万人、アンゴラに3万人、アルジェリアに2万人、さらに数千人がアフリカ全土に散らばっているという。
 そして今、中国の国営企業は南米に押し寄せている。やはり自国から遠く離れた、天然資源に富んだ地域である。
 中国は領事館の安全保障体制を強化しており、情報収集能力を高め、軍に避難訓練の演習をさせてきた。だが、ブリュッセル現代中国研究所の研究主任、ジョナサン・ホルスラグ氏によれば、大きな問題は、中国政府が果たして、自国企業が活動する国々の政治情勢に影響力を振るわざるを得ない気になるかどうか、だ。

不干渉主義を貫けるのか?

 中国がそのような道に進むだけの軍事力を持つまで、あるいは、その意思を持つまでには何年もかかるかもしれない。あからさまな行動を取ろうものなら、自ら掲げる不干渉主義に反することになるし、平和的な台頭というストーリーを汚すことになる。
 北京の中国人民大学で国際関係を教える時殷弘教授は、その可能性は低いと考えており、「中国には、遠く離れた場所の独裁政権を支えるような知識もリソースもない」と言う。
 
リビアでの出来事は、中国政府には実際、全世界に手を伸ばす力があることを示している。だが一方で、中国が一連の出来事に揺さぶられていることも示唆している。
 先週末、中国政府は国際刑事裁判所(ICC)にムアマル・カダフィ大佐の捜査を付託する国連安保理決議に賛成票を投じるという前例のない行動を(恐らく嫌々ながら)取った。
 米国と同様に、中国もICCの管轄権を認めていない。「この決断は中国政府にとって極めて難しいものだったに違いない。中国が国際社会の完全な参加国になる道のりの一里塚とも言える決断だ」と、アジアソサエティの米中関係センター所長を務めるオービル・シェル氏は語っている。

中国政府の脆い脇腹

 しかし、英エコノミスト誌の前編集長、ビル・エモット氏がタイムズ紙への寄稿で指摘したように、どれだけ不本意であれ、ICCを支持したことは、脆い脇腹を露呈させる。国家の指導者が国際基準によって裁かれるべきだという考えは、中国の外交政策の聖域である不干渉主義を損ねるからだ。
 さらに悪いことに、これは自国での武力行使について厄介な疑問を投げかける。「中国は事実上、同国が1989年に天安門広場での反乱に対して行ったのとほぼ同じやり方で反政府勢力を押さえ込んだことについて、カダフィ大佐をICCに付託することに票を投じたわけだ」とエモット氏は書いている。
 近くオーストラリアのシンクタンク、ローウィー研究所に転身するヤコブソン氏は、リビアの出来事と1989年の中国の出来事の類似点こそが、中国政府を国際的なコンセンサスに従うよう仕向けたのだと指摘する。
 「中国は出る杭になりたくない。注意をそらし、目立たない存在でいたいと考えている」と彼女は言う。だが、もし今週の出来事が何かを示しているのだとすれば、中国が鳴りを潜めている時代は終わったということだ。
2011.03.04(Fri)  The Economist
 
戦時中の残虐行為に関する調査が始まったが、メディアは奇妙なまでに沈黙を貫いている。
 
大量殺戮の証拠が東京中西部の高級地区に眠っているかもしれない。真実を究明する作業を始められるよう、日本政府が居住者のいる集合住宅を取り壊すまでに、4年以上の歳月がかかった。だが2月21日、2台のショベルカーが地面を掘り始め、土を丁寧に選り分けて人骨を探す作業が始まった。全国メディアはこのことを、全くと言っていいほど取り上げていない。
 日本のジャーナリストは通常、不可解な殺人事件に背を向けたりしない。だが、この事件は格が違う。発掘現場は、第2次世界大戦中に日本が犯した数々の犯罪の中でも最も残忍な悪事と関係している可能性があるからだ。

陸軍731部隊の人体実験と関係か?

 事件は、化学生物兵器の技術開発を任されていた大日本帝国陸軍の隠密組織「731部隊」の軍医が関与していたとされる。彼らは麻酔薬を使わない生体解剖をはじめとする人体実験を行ってきた。軍医の何人かは後に、米国占領軍の庇護を受け、戦後日本の医学界のトップに上り詰めた。
 今回の発掘は、戦時中に近くの陸軍軍医学校に勤務していた元看護師の石井十世さんが2006年に政府に対して行った証言に端を発している。石井さんはそこで軍医がホルマリン漬けにされた遺体を扱う姿をたびたび目撃した。当時は、彼らが何をしていたか分からなかったという。
 
 1945年に米軍が迫ってくると、石井さんは同僚とともに、急いで遺体を処分するよう命令された。彼女は、遺体は現在発掘が行われている場所に埋葬されたと証言しており、犬が人骨を咥えて走り去る光景を見たとも述べている。
 陸軍軍医学校が731部隊の東京本部であったことは秘密でも何でもない。部隊の活動の大半は、かつて日本が占領していた中国北東部の満州で行われ、おぞましい実験の犠牲者は中国人、朝鮮人、ロシア人だった。犠牲者はペストやコレラに感染させられたりした。解剖実験の被害者(軍医によって妊娠させられた女性もいた)は「丸太」と呼ばれていた。
 2002年以降、東京の裁判所は少なくとも731部隊が細菌兵器の実験に関わっていたことは認めている。米国の資料でも、米国占領軍の一部が、どれだけ恐ろしいものであれ、実験の結果に価値を見いだして、戦争犯罪の裁判から軍医を守ったことが明らかになっている。
 
同部隊に所属していた職員の多くは、その後、大手製薬会社や有名大学のトップの座に就任。そのうちの何人かは日本初の血液バンク、ミドリ十字を設立した。後にHIVに汚染された血液製剤を投与し200人の日本人を死亡させる事件を起こし、悪評を買った会社だ。
 しかし、政府は731部隊の残虐行為を認めていない。1989年に、現在掘削作業が行われている場所から数百メートル離れたところでバラバラになった頭蓋骨やその他の人骨が発見された後でさえ、認めようとしなかった。
 現在、人骨が埋葬されている場所には黒い石柱が建てられており、ただ人体「標本」とだけ記されている。中国政府は人骨の身元を明らかにするため、DNAサンプルの提供を求めたが、聞き入れられていない。

新事実が見つかれば菅政権に新たな難題

「日本は首相が変わりすぎる」、OECD事務総長が苦言
 
かつて厚生相として薬害エイズ事件を暴くことに尽力し、名を馳せた・・・〔AFPBB News
 厚生労働省は、今回の調査で新事実が見つかることはないのではないかと考えている。だが、もし同省が間違っていれば、菅直人首相率いる日本政府は難題に直面することになる。
 日本の民主党は、この国の好戦的な過去と直接関係のないリーダー層を擁する初めての政権与党だ。菅氏自身も、かつて抑圧されていた日本の近隣諸国、特に中国と韓国との緊張関係の改善を強く望んでいる。
 菅氏は厚生大臣だった当時、ミドリ十字によるHIV汚染血液製剤の事件解明に尽力し、世に名を馳せた。また、菅氏はそれとは別に、太平洋に浮かぶ硫黄島で戦死し、今なお行方不明とされている1万3000人の日本兵の遺骨を「一粒一粒の砂まで確かめ」、日本に帰還させると約束している。
 もし今回、東京の発掘現場から外国人の遺骨が見つかり、それでもなお、菅氏が償おうとしなければ、ダブルスタンダードだという批判に身をさらすことになるだろう。今のところ、報道機関の沈黙は、日本人が総じて今も贖罪の意識を持っていないことを示唆しているようだ。
 
© 2010 The Economist Newspaper Limited. All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。

英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます

 

これがみんなの党の予算総組替案だ

 
2011年03月02日(水)現代ビジネス 渡辺喜美
 

16人の議員が大脱走

 平成23年3月1日未明、予算案採決本会議。投票総数453、賛成295、反対158。3分の2には遠く及ばない。民主党から16人の議員が大脱走。そのうち亡命して河村新党となるか。
 今回は政権交代後初めての予算だったが、約束していた予算の総組換えをやらなかった。国民に対するマニフェスト詐欺罪確定。これは、「嘘つき予算」としかいいようがない。
 しかも、みんなの党が予算の総組換え案のお手本まで示したのに全く耳を傾けようとしなかった。熟議の国会とは聞いて呆れる。これでは増税独裁予算といわれても仕方があるまい。
 
 民主党内では、テレビに出演し、政権に都合の悪い批判をしないようなお触れまで出ているそうな。こういう言論弾圧は自民党政権末期の「安政の大獄」と同じ。民主党内からの脱走・亡命も頷ける。
 民主党の予算を分析すると、自民党時代の予算と変わり映えがしない。自民党時代の予算に、民主党特有の全国一律金太郎飴的バラマキを追加しただけ。だから、公債発行額は増えるばかり。大学入試なら、まるで自民党のカンニングだ。

みんなの党の予算総組換え案

 みんなの党の予算修正案は、大胆な予算の組換え案とはこういうものだという見本である。本年度の公債発行額は25兆円減らせる。これは、この1年半のみんなの党のアジェンダの集大成のような予算案だ。
 まず、消費税を全額地方へ移譲(約10兆円)。初年度は地方譲与税の形で渡す。地域主権の本格実施のためには景気のブレが少ない安定財源の消費税の移管が不可欠。民主党がこれをパクらなかった以上、地域主権の看板も、国民から引きずりおろされることになる。法人税は実効税率を半減する案とする。
 次に、増税の前にやるべきことがあるだろう。議員・公務員が身を削る。議員報酬3割カット、公務員総人件費2割カットや補助金・経費削減で約7兆円。
 
来年度は、まず特別会計の埋蔵金を18兆円掘り起こす。
 日本郵政、政投銀、JT等の政府保有株の25%などを売却(約3.5兆円)。本来、初年度から日本郵政の政府保有株を50%程度売却と見積もりたかったが、日本郵政の経営は赤字で既にボロボロにされた。だから、経営を刷新し、企業価値を高めていきながら売却するため保守的な見積もりとした。
 労働保険特別会計の資産15兆円のうち責任準備金8兆円強を除き、保守的な見積もりで約5兆円を取崩すこととした。
 
国債整理基金特別会計への定率繰り入れは停止(9.8兆円)。かつて、昭和57年度から合計11回、計25兆円程度の停止実績がある。ちなみに、昭和57年度の初めての定率繰入れ停止は、ミッチーこと渡辺美智雄大蔵大臣の時。そして、平成8年以降定率繰入れの停止が行われなくなったのはミッチーが死んだから。
 次に、民主党の主要政策(子ども手当て、高校無償化、高速道路無償化、農家への戸別所得補償)は、全国一律金太郎飴的なバラマキであり、地域の実情に応じた効果的・効率的なものでないので全て廃止。
 ただし、子供手当てと高校無償化の予算に相当する金額分は消費税の地方移管分で対応する。こうすれば、地域の実情に応じ少子化対策のためにお金を使える。例えば、保育所の待機児童の解消が深刻な課題となっている地域では、この解決のために予算を充てることが可能になる。
 
 また、農家の戸別所得補償(0.8兆円)は、開国対策として当座1兆円計上し、近く大胆な農業予算組換えを行う。
 最後に、社会保障。歳入庁の創設で、国税徴収法の適用等により年金保険料の増収が見込まれ、一般会計からの支出を減らせる。保守的に見積もり、まずは約3兆円。
この結果、政府予算の歳入・歳出92兆円は61兆円で足りる。公債発行額は44兆円から19兆円に減らせるのだ。

小沢・河村連合はアジェンダがばらばら

 さて、大脱走した民主党の小沢系の16人の議員。彼らの行動は、何をやるかではなく、誰がやるか。後がなく自己保身のため選挙に勝てそうなボスのもとにひたすら走る。河村新党に合流するのか。 
 河村氏も、名古屋では、減税を旗印に掲げているが、東京では小沢さんの親衛隊のよう。とたんに、「何をやるか」ではなく、「誰がやるか」に堕落。小沢氏は自分は参加せず、新党を作って菅総理に圧力をかけたい。国政復帰の道を残したい河村氏は、選挙互助会の設立で思惑が一致。
 
 ただ、「何をやるか」というアジェンダから見ると、小沢・河村連合はよく分からない。減税は小さな政府。一方、小沢流マニフェスト原理主義で、満額子供手当、農家の戸別所得補償、高速道路無料化といったバラマキは大きな政府である。増税反対までは一致できるが、その先が問題。名古屋愛知は開国しなければやっていけないが、小沢派はTPP反対。小さな政府は民営化を指向するが、小沢派は国民新党と組んで郵政民営化反対。
 結局、小沢・河村連合も、政権獲得までは我慢できるが、政権をとれば政策のバラバラさが露呈するだけ。最近、名古屋市議選に悪影響と見たのか。最近、河村氏が小沢氏と距離をとっているとの観測も出てきている。名古屋市議選に悪影響と見たのか。
 
一方、菅内閣路線は財務省シナリオで、谷垣自民党とほぼ同じゆえ、党首討論は揚げ足取りの罵り合いにはなっても、八百長相撲の域を脱しない。大きな政府、官僚主導、増税路線は総選挙後、必ず連携を探るだろう。
 
 しかし、自民党もTPPは、農協の集まりでは反対といい、経済界の集まりでは賛成という。やっていることは、ほとんど嘘つきである。郵政民営化も公務員改革も党内が2分。
 結局、民主党も、自民党も、小沢・河村連合も、中では主義主張が真っ二つに割れている。何かをやろうとするとぐちゃぐちゃ。

日本もジャスミン革命の足音迫る

 こういう中で、一番損をするのは国民だ。こんな政治を見せつけられる国民の不信感は、いずれ頂点に達するであろう。
 その時こそ、「何をやるか」というアジェンダの一致の下に結集した覚悟の集団・みんなの党の出番だ。まず、東京・神奈川・大阪アジェンダを発表し、これに沿った知事・議員候補を選んでいく。
 
 既に、各種世論調査では菅内閣の早期の解散総選挙を求める声が半数以上に達し始めている。「日本版ジャスミン革命」のはじまりだ。国民の皆様とともに解散総選挙を訴えていきたい。
 やはり、政党はアジェンダが大事。政治は「誰がやるか」以前に「何をやるか」を先行させなければならない。「小沢一郎を好きか嫌いか」という20年続いた対立軸を捨て、アジェンダの下に政界再編をやり直す時だ
011年3月2日 DIAMOND online 山崎元
 

政界再編は近い

 常識的に見て、菅内閣の崩壊は近い。
 内閣支持率は20%前後に低迷し、予算案は衆院を通過したものの、予算関連法案は通る目処が立たない。首相及び民主党執行部は、野党の抱き込みを図ろうとしているが、野党は統一地方選を前に菅内閣と厳しく対立するポーズを取りたい筈だ。彼らがよほど下手でない限り、今後、菅首相を追い込むことは容易だろう。
 加えて、子ども手当の見直しなどマニフェストの見直しに通じるような問題を民主党内で議論して合意した形跡もないのに、首相や幹事長はどんどん口外する。民主党の分裂傾向も一段と加速しそうだ。すでに与党の体をなしていないといってもいい。
 菅首相は、予算関連法案が通らなくてもただただ粘り続ける可能性があるが、民主党の造反者の数が増えた時点で内閣不信任案が可決する可能性もあるし、それよりも早く参院で菅首相の問責決議が可決するかも知れない。
 順当な線としては、一足先に問責決議可決を受けて官房長官から身を引いた仙谷氏が菅首相に引導を渡して内閣総辞職ということではないか。その後に、新首相の選挙管理内閣で総選挙ということになる公算が大きい。いかに何でも、菅首相が「ヤケクソ解散」をして、党首をそのままに総選挙を戦うのでは、民主党の候補者が可哀想だ。
 しかし、仮に、近く総選挙が行われるとしても、巷間言うところの民主党Aも、民主党Bも、自民党も、あるいは自民党と公明党を合わせても、単独過半数を取ることが出来ない可能性が大いに考えられる。連立の組み替えと共に、政党の解体・再結合を含む、いわゆる政界再編成が起こる可能性が大きい。
 しかし、この場合、どのような政策上の対立軸があるのか。
 

「減税」は旗印になるか?

 さて、来るべき政界再編成で台風の目になりそうなのは、河村名古屋市長、大村愛知県知事らの、地方分権と減税を掲げる勢力だ。「減税」は政策的な対立軸になり得るだろうか。仮に、減税が旗印になるなら、菅直人氏が掲げる増税路線との対立は、「減税にっぽん」対「増税にっぽん」として大変分かりやすいが、果たしてどうなのか。
 減税は政界再編の政策的な旗印に、ある意味ではなり得るし、ある意味ではなり得ない、と筆者は思う。何れにせよ、「減税」の意味するところを明確にする必要がある。
 減税の適否が関係する利害は些か複雑だ。少なくとも、公務員の待遇、富の再分配の方法、デフレ、財政問題、の4つに重要な関わりがある。
 端的にいって、公務員の人件費を削ることを含めて行政コストに大ナタをふるうことと、その成果を象徴して「減税」を掲げるなら、政策としても正しいし、国民も支持するだろうから、「減税」の勢力は選挙に勝つだろう。
 民主党政権への支持率の低さと民主党内の内部分裂の大きな原因は、民主党が前回総選挙マニフェストのトップに掲げた財政支出のムダの削減に取り組まないこと、特に、公務員の待遇(人件費削減だけでなく、天下り先の縮小等も)に手を着けないことにある。換言すると、民主党政権があまりにも露骨に官僚に取り込まれてしまったことが問題だった。これに、普天間問題、尖閣沖問題といった外交の拙さ、2人の首相の個人的能力の不足などが加わって、今日の低支持率を招いている。
 公務員の人事制度の改革、公務員給与の民間並みへの引き下げ、天下り及び天下り先の縮小、これらに具体的に手を着けるかいなかを国民はよく見ているはずだ。象徴的にいえば、公務員の給与を下げてから、消費税を上げよ、その逆はおかしい、というのが多くの国民の考えではないか。
 これらの点について、分かりやすいメッセージと具体的な政策をもって臨むのであれば、たとえば、前総務相でもあった原口一博氏は、行政改革のための減税を代表する勢力の全国的な顔になり得るのではないだろうか。内輪の駆け引きではなく、政策をもって天下を取るチャンスだ。
 

「大きな政府」対「小さな政府」は不正確だ

 減税以外に、政策的な対立軸としては、「大きな政府」か「小さな政府」か、があり得る。しかし、この分類には一つ誤解されやすい箇所がある。
 たとえば、大きな政府が、「大きな福祉(支出)」を指すのか、「大きな行政(出)」を指すのかの点で政策の意味は大きく違ってくる。小さな政府でも同様だ。
 年金、生活保護、子ども手当のような、政府が仲介者となって国民のお金を移転する支出は、行政を大きく複雑にしなくても金額で見た規模では大きなものになり得る。また、行政機構をそのままに、社会保障支出を削るような形での小さな政府化には、納得しない国民が多いだろう。
 社会保障の仕組みと規模については、受益と負担を明確に説明した上での国民的な合意が必要だが、今後、高齢化が進むことなどから見て、規模的に「小さな福祉」を国民の多数が望んでいるとは考えにくい。他方、行政が肥大化していること、官僚の待遇が民間に対して相対的に随分高くなっていることについて、国民は批判的だ。「小さな行政」は路線として支持を集めるだろう。
 大きな政府・小さな政府の議論は、福祉の大きさと、行政の大きさに話を分けて行うことが重要だ。そうしないと、国民のニーズを正確に汲み取ることができない。

均等な「ばらまき」か、行政による「事業」か

 たとえば、子ども手当をめぐる議論で、これを大きな政府的なバラマキであると批判する議論が少なくないが、富の移転(「所得再分配」という方が分かりやすいが、資産も分配対象だ)の全てが悪いのではない。
 富める者から貧しい者に対する再分配がある程度必要であると合意できれば、その分配は、使い道が自由なお金の形で均等にばらまくのがいいか、行政があれこれと事業を行うのがいいか、という選択になる。
 
この点に関しては、できるだけ偏らない配分で、使い道が自由な「お金」を再配分してくれる方が、公平感があるし、行政コストが掛からないのではないか。国や自治体がハコモノを作ったり、福祉関係の事業に補助金を出したり、教育費などに使途を限定した支出を行ったりするのは、時に便利であるかも知れないが、お金の使途が不自由であり、生活スタイルへの介入でもあるし、何よりも、多くの行政関係者の関与を必要とする分コスト高だ。
 こう考えると、何の権限にも天下り先の確保にもつながらずに予算を食う「子ども手当」を官僚及びその周囲の利害関係者(大手マスコミなど)が目の敵にする理由がよく分かるのではないか。
 尚、子ども手当に対する所得制限は事務を複雑にするし、不要だ。お金持ちにも手当が支給されることが問題なら、お金持ちの資産なり所得なりにもっと課税すればいい。手当の仕組みはシンプルに保って、公平性の調整は課税の見直しで行えばいい。

デフレ対策優先か、増税優先か

 日本の財政をどうコントロールするかも、政策的に、大きな問題で、対立軸になりうる。
 一方では、デフレを解消し名目成長率を引き上げることが重要なので、現状では、日銀法を改正して日銀に金融緩和を積極化させると共に、財政的な対策も平行して行うべきだと考える勢力があり、他方では、デフレよりも財政再建が優先課題であり消費税率引き上げ等の増税措置が喫緊に必要だと考える勢力がある。
 具体的には、日銀(法)、財政収支、消費税率をそれぞれどうするのか、ビジョンを示せ、ということになるが、政界の再編に当たっては、これらの点の明確化が必要だ。
 筆者自身は、デフレの解消が優先課題であり、増税はその後だと考えている。
 政治に大きな期待を寄せることは禁物だが、もう少しましな政治の実現に向けて、政策がスッキリ整理された形での政界再編を期待したい。
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